2018年12月01日

「読書で離婚を考えた。」円城 塔、田辺 青蛙 幻冬舎

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円城氏の名前はあちこちで見かけるものの、タイトル他私の関心をそそるものがなく、今まで読んでこと無かったのですが、本書で初めてご夫婦共に作家さんなのを知りました。

何よりも夫婦で互いにお薦めの本(課題図書)を紹介し、相手方がそれを読む&感想を述べる、な~んてあり得ないことを企画としてやっていて、しかもそれが『離婚の危機』に繋がるなんて、そりゃ当たり前だろ!っていう思いでちょっとだけ読んでつまらなかったら、読むの止めようとか思いつつ、手に取りました。

結局、最後まで読了したんですけれどね。

個々に紹介されている本は、まあ、それほど面白いものではありません。
この辺は想像通り。

元々、お薦めする先は自分の相方さんですから、その方が読まない(であろう)本で自分的にお薦めしたいのを紹介するのが根底にあるので(『ルール』として本書に紹介する際に決め事も書かれておりますが、それはそれとして)一般読書向きのお薦めではないのですが、それでも他人が結婚している相手に本を紹介する、な~んてね! 
それだけでもとりあえず、読んでみたいと思いました。

私自身が相手に本を薦めてもまず、読まないですしね。
相手は相手でいつも本を読んでいますが、滅多に好みが合うことはないですし・・・、価値観の相違を再認識させられるだけかと・・・。
個人的には相手に本を薦める、ってことを断念してはや幾年?ってね。

さて、本書の方も我が家以上に本の趣味が噛み合っていないようで、いろんな意味でのすれ違い加減が半端なく、凄いなあ~これで結婚が維持出来るんだ。うちなんかでも、まだまだ大丈夫そう、っていう強い安心感を抱きました。

でもでも、うちも病気多いけれど、著者の方々も相当な病気がちなご家族かと。
あとね、お互いに、ああ言った、こう言ったとそれぞれが思っていることが異なっていて、全く噛み合わない点が他の家でもそうなんだとなんか、少しだけ安心しました。お互いがこうだったと確信を持って話していても、なぜか食い違う発言。真実はいずこに!

そういえば、そもそもの本書の企画の発端としては相互理解に資する為の本紹介だったはずらしいのですが、表面的には相互理解が遠のくような・・・状況と思われるような場面が散見され、読んでいる読者がこの夫婦大丈夫かなあ~と思わずにはいられない、それこそが本書のウリかと。

正しい読み方ではないかもしれませんが、他に本書から価値は特に見出せませんでした。
でも、エッセイとしては、こういうのは十分ありかと。勝手な読み方かもしれませんが、個人的にはある種の精神安定剤になりました。
相互理解とかダイバーシティーなんて、共同幻想でしょう・・・きっと、たぶん、ねっ。


読書で離婚を考えた。(amazonリンク)
posted by alice-room at 22:49| Comment(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする
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