
一時期、ブックオフで100円で購入した本をamazonマーケットプレイスで売り抜ける、ニート御用達の「セドリ」が流行ったことがありましたが、その頃でしょうか、非常に有名な本書の名前を何度も目にした覚えがあります。
もう今時では、競合多数の安値競争で淘汰されて上記のような安易なセドリは消え失せ、ブックオフ自体も調子に乗って、売価上げたり、家電に手を広げたりしましたが、ドンドン店潰れていってますよね。
時代の流れとは、やはり早いですねぇ~。
まあ、逆にそろそろ時代に対しての抵抗感も薄れ、誰も興味がなくなってきた故に本書を読んでみようかと思った次第でもあります。
そうそう、著者は雑誌のトップ屋さんだったんですね。
後書きにいろいろ書かれてましたが、立花氏もそうでしたが、古書業界との繋がりは深いようで、普通に神田の有名古書店の名前がそれこそ、ポンポンと出てきます。
まあ、最初はありがちな話ですが、徐々に盛り上がっていきます。
本書に出てくる姦淫聖書とかは、もうベタなベタなネタですしね。
ただ、最後の話はグロくてあまり好きではありませんでしたが、江戸川乱歩や夢野久作のようなエロ・グロ・ナンセンスとは異なり、私の嫌いな類の表現が多かったです。人の皮膚をランプシェードにしたとか、その手の話はまあいくらでも知っておりますが、本書の作品はどうも好きになれません。
個人的には本書は手元において置かなくて良い本かと思っています。
お薦めもしません。
せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)(amazonリンク)