
内容は拾い読みをしていましたが西欧中世と言えば名が挙がる有名所の方々が各章を担当されてます。
但し、各章の文章量の制限故か、相当深い内容のことを書いていても表現的にはかなり圧縮された形で書かれている為、書かれた文言の背景にあるところを分かったうえで紙背を読まないと何も意味のない単なる文字の羅列として読めてしまう点があります。
また、なんというか個々の執筆者の本を読んだうえで総括的な意味で鳥瞰するぐらいの視点で読めば、本書の意味もなるのでしょうが、いかんせん、物足りなさが半端ないです。
本書で関心のあるところに目星をつけたら、執筆者の関連書籍を読むぐらいですかね?
本書の利用法としては?
参考文献は全然足りないし、別な意味でストレスが溜まってしまう本かと。
もっと大部の本格的なものだと良かったのですが、あくまでも放送大学用の試験的試みですもんね。
実は、1巻物で本書を持っているのですが、あえて持ってなくても良さそうなので手放すか検討中。
それよりも中世哲学で欲しい本があるから、あちらを買って手元に残そうか思案中。
【目次】
序 十二世紀と現代
1 革新の十二世紀
2 西欧農耕民の心
3 都市民の心―自由の精神
4 グレゴリウス改革―ヨーロッパの精神的自覚
5 祈れ、そして働け―西欧の修道精神
6 正統と異端―十二世紀の社会宗教運動
7 騎士道―剣を振るうキリスト者
8 愛、この十二世紀の発明
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9 西欧型政治原理の発生―封建制度と封建社会
10 大学と学問―自由な思索の展開
11 近代科学の源流―スコラ自然学と近代
12 中世人の美意識―ロマネスクとゴシックの世界
13 賛美と愛の歌―グレゴリオ聖歌と世俗歌曲
14 中世と現代―革新の世紀の終末と再生
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