2007年07月18日

「闇の奥」コンラッド 岩波書店

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海洋小説で有名なコンラッドの作品です。私の知人は、当然著者の事を知っていて有名なのに知らないで読んでるの?・・・と怪訝そうにきかれたのですが、う〜ん、自分の無教養ぶりをさらけ出すばかりでした。

まあ、それくらい有名な作家さんだそうです。実際に著者は数奇な人生を生きた方で、生まれはポーランド人なのですが、国を失ったポーランドで親が独立運動に関わった関係で流刑地に送られた後、21歳で船に乗り込んで世界中を巡ることになったそうです。

その後、アフリカ奥地のコンゴに行き、そこで実際に見聞した内容を元に記したのが本書であり、著者に深い衝撃を与えたその時以来、著者は船を下りて作家になったといういわくつきでもあります。

端的に言うと、アフリカ奥地での航海記というか、白人による土人(本書内での表現)から収奪記録、といったものになるのかもしれませんが、単なる記録以上に、人間の尊厳とか人間性とかの根幹に絡んでくるような一個の人間の心情の吐露が表現されている感じです。

確かに心に訴えてきそうなものがあるのですが、私の場合、結果的には心に響きませんでした。いささか露悪的(つ〜か俗悪?)なものを嗜好とする私は、本書よりもはるかに救いようのない実話を多々知っていますし、今、この瞬間にも人の命なんて紙切れ以上に軽く扱われる世界も知っているので本書を読んでも格別な感慨を抱けません。

また、見知らぬ異国の探検記としてみるならば、定期航路があるぐらい整備されてからの話だし、ちょっとねぇ〜。大唐西域記とか三大陸周遊記とかの方がはるかに異国情緒があり、楽しめるし・・・。

人間性の本質的な側面から、語ろうとするのはこういってはなんですが、この時代の英国の小説なんかには実によくあるタイプのものだし、ブラックウッドやミラーとかの方がずっと私は面白かったもん。

全体評価としては、私はかなり低いです。もうちょっと何か飛び抜けているものがあるといいんだけど・・・。同じ異国の探検物なら、新青年とかに書かれていた山田風太郎の作品とかの方が、はるかに上だと思うんだけどなあ〜。ゾクゾクするエキゾシズムに、隠された人間の本質がちらりと輝く危うさ、などなど絶対にあちらが私は好きなんだけどなあ〜。

さて、今度また読み直してみよっと。

闇の奥(amazonリンク)
タグ:探検 小説 書評
posted by alice−room at 22:05| 埼玉 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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