本書は、非常に大部なカーマ・スートラの要約版の要約版の翻訳、そんなレベルのもので目次を見れば分かるが、性愛のみに限定されていて本来の作品の素晴らしさには全然及ばないと思われます。
以前、別な本でもカーマ・スートラについて読んだことがあるが、それも一部の抄訳ではあるものの、本書よりももっと哲学的で興味深かった記憶がある。
勿論、本書も単純な HOW TO SEX ものではないが、どうも薄っぺらい感じがしてしかたがない。期待外れでした。ちょっとだけ面白かったのは娼婦の部分かな?
いかにして娼婦の目的である、金銭的利益を獲得するか、この部分は極めて合目的で実践的な記述がされていますが、おそらく現代のお水系の商売の方には、未だに通用しそうな内容でした(笑顔)。
まあ、理念だけでなく実践の書であるのは、カーマ・スートラの特徴ですが、完全版の方を読んでみたいなあ~。なかなかチャンレンジする気になれないのですが・・・。
他にも市販されている同様な本も、いまいちつまらなそう。翻訳者が自分勝手に取捨選択して、その人の思い込みによる作品にしてしまっていそう。ちゃんとした作品が読みたいもんです。となると、東洋文庫かな?
【目次】カーマ・スートラ(amazonリンク)
第一部 ヴァーツヤーヤナ・スートラ
第二部 性的結合について
第三部 妻の獲得について
第四部 妻について
第五部 他人の妻について
第六部 娼婦について
第七部 人を惹きつける法について
関連ブログ
「ローマ・愛の技法」マイケル グラント,マリア・テレサ メレッラ 書籍情報社
「江戸の性談」氏家 幹人 講談社
>その人の思い込みによる作品にしてしまっていそう
あるあるwww
正直、読んでいないけど、大体判ります。
性交の技術や、性交のみに特記しているのでしょう?
ありがち過ぎて、つまりません。
管理人さんが言うように、それだけではなく、他の部分を
しりたいのにねぇ・・・。それじゃガッカリですな。
通俗すぎて詰まらん。
>いかにして人は生きるべきかという人生哲学、
>あるいは世界の理(ことわり)を理解する為の指針
そうそう、この部分が知りたいのにねぇ・・・。
どうして、こんなに予想できるほど、翻訳者って、陳腐で
読者との距離感、温度差がありすぎるのだろうか?
やはり翻訳者は翻訳者であって、読書家ではないからねえ・・・。