
正真正銘、吸血鬼が主人公の小説です。昨今のなんちゃってバンパイア物が横行する中で、ある意味古くからの正統派的な系譜に位置づけられる存在かもしれません。
怖い小説というよりも、詩人のランボーとかが出てくるディレッタント向けの小説、いや退廃文学とかそういうテイストですね。詩人バイロン卿が主役のデカダンス文学だったりして・・・。
個人的には、かなり大好物の系統。選ばれし者、特別な存在故の苦悩。露悪的な行動の反面、非常に繊細で脆いがタフな精神。既存の道徳観を超越しつつもそれに拘泥し、捨てきれないヒューマニズム。
実に&実に面白いです。吸血鬼物としては、おそらく『初』のアイデアなども盛り込み、怪しげな夢幻感が素敵ですね。やっぱ、英国人にこういうの書かせると秀逸ですね!
アン・ライスのヴァンパイア物や菊池さんの吸血鬼ハンターDとかも良いのですが、まさに正統派的手法に則りながら、ここまで新しい吸血鬼像は一読の価値有りでしょう。
吸血鬼好きなら、押さえてべき作品かと思いました。
真紅の呪縛―ヴァンパイア奇譚(amazonリンク)
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はい、やっと押さえました(笑)
これからとりかかります!
(因みにジョン・サイレンスも同時購入です)