2005年07月12日

メディナで迷子 ~チュニジア(6月30日)~

この日は体調を崩していた。連日の熱中症もどきの疲れが溜っていたのと、慣れないホテルの水を飲んでいたせいか?冷たい水を連日3リットル前後も飲んでいたせいか?心当たりは山ほどあるが、お腹の調子も悪い。そんな状態であちこち歩き回るのは辛いので、この日は休養日にあてることにした。でも、ホテルにずっといても時間を持て余しちゃうので、先ほどの中央市場の後で、ホテルからすぐ近くのメディナへ。

フランス門

TVで世界遺産であるモロッコのメディナを見たことがあり、どんなものなのかなあ~って思っていました。旧市街(メディナ)と新市街を分け、メディナの入口であるフランス門をくぐる。とりあえず、観光客が主に回るルートがあるらしいのですが、そんなもん関係ないやいといつも強気の私は適当に目の前の道を進んで行きました。

商売繁盛

感想としては、ありがちな観光地の商店街。日本人はカモらしく、やっぱり声をよくかけられましたねぇ~。「こんにちは~」「ありがとう」「金がな~い(よくこういう人いるね)」ちょっと変わっているのが「さらばじゃ(どいつが言ったんでしょう)」。

あとね、前にも書きましたがカンフーがブーム?お店の人でも習っている人がカンフー道場の会員証らしきものをみせた後、実際にカンフーの型をやってみせてくれる(苦笑)。ジャッキー・チェンも日本人だろって言われても、あなた・・・。ヨーロッパでの反応を見ているかのようでした。まあ、今回は忍者の話が出なかっただけヨシとすべきですね。多いんだもん、日本人だとみんな忍者だと思っている人。私は柳生のものではないんですが・・・。

グラン・モスク

にぎやかな売り子の呼び声は適当に流しながら、真っ直ぐに進むとグランド・モスクへ。非イスラム教徒でも一応、入れるんですが・・・。でも、見られるのってたいしたことない。ガイドブックによると、中の礼拝堂が凄いらしい。カルタゴ遺跡の所から持ってきた立派な柱がたくさん使われているらしいんのだが、非信者はさすがに入れてもらえないんだって、残念。

モスクから見た通り

そこからは幾つかの道に分かれているのだが・・・。ガイドブックにはよく迷子にならないようにと書かれているが、冗談ではない。メディナまで来て、決まった通路だけ歩くなんてそんなくだらないマネはできない。散策とは迷子になることと勝手に定義づけてる私としては、気分次第で小さな路地へドンドン進む。一般的な散策コースは売り子の呼び込みがうるさいが、さすがに観光客が滅多にこない所では静か。お店の見た目や商人のやる気が全然違ってくる。こちらの方が本物っぽい。

井戸端会議風に座って話し込む姿や、非常に自然な本当のメディナが見れたようで嬉しかった。通路にはほんの数人しかいないもん。コレでしょ、コレ!

本当のスーク

とは言いつつもその代償もしっかりと。迷子になった。願っていた通りであったが、天性の方向音痴と相俟ってしごく当然の成り行きだったが、やはり徐々に焦りも出てくる、しょせん、メディナは小さい地域だし、一旦外に出てメディナの外を遠回りすれば大丈夫だろうと思ったが、―――やはり暑いし、不安だ。メディナの中も暑い事は暑いが、直射日光が差し込まないと利点は大きい。だからこそ、この土地の人々に支持されてきたのだろう。暑さで苦しんでるので実感として理解できる。必要は発明の母、とはここでも生きている。

スークの屋根

何人かの親切な人に道を教えてもらい、可能な限りTRYするが、道がくねくねしていてすぐ複数の道と交差するので分からなくなってしまう。おまけに親切な人ばかりではない。何かの本でも書かれていたが、迷子になっているのにつけこみ、道を案内するフリをして近づき、「GOOD VIEW」とか言って階段を登らせようとする人がいた。他の本によると、二階に連れていって上からメディナを見せて多額のお金を請求するらしい。すぐに気付き、途中から無視する。塔の写真を見せて上の階に連れていくのが手口。概してカーペット屋で、相当有名らしい。チュニジアに行かれる方はご注意あれ!

そんなこともありながら、親切な人達や野生の勘でグランドモスクに戻り、そこから見知った(とおぼしき)道を戻って無事、フランス門へ。やったぞ!! この時だけは強烈な太陽が嬉しかった。一瞬だけ、思わずアッラーの神に感謝した(何故、そんなふうに思ったのかは不思議だが)

この日以後、昼間あちこち観光をした後、夕方からはメディナでお土産店を冷やかす毎日となった。さすがに3,4日と行くと、売り子の人達も声をかけなくなってくる。「おっ、またあの日本人か」って感じ。ずいぶんと歩き易くなった。で、こちらにも余裕が生まれ、買う気は無かったのについつい、大好きな革製品を購入することに・・・。そこにはちょっとした、駆け引きがあったので次の記事に書いてみようと思う。
posted by alice-room at 21:33| 埼玉 ☔| Comment(6) | TrackBack(0) | 【旅行 散策A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「散策とは迷子になることと」とは楽しい定義ですね。いくら自然な本当のメディナを味わうためとはいえ、本当に迷子になってしまうとは、ご苦労様でした。本当は、相当、不安だったのでしょうが、alice-roomさんが書くと何処か楽しそうな印象がします。
街中の写真素敵ですね。自然な感じがするのに、それでいてエキゾチックです。このような風景は大好きです。
ところで、忍者ときて、柳生ですか。ひょっとして裏柳生のことでしょうか。僕は素直に伊賀者を連想しました。
Posted by lapis at 2005年07月12日 23:56
実は、海外に行くたびに迷子になっています。だって知らない所に行くんですから、もう「想定の範囲内」ですよ~(って、負け惜しみ的に)。まあ、不安なのは事実ですが、逆にその不安感というか確定されていない今、この瞬間の実感、そんなものを味わいに見知らぬ土地に出掛けているのかもしれません?
おやっ、なかなか微妙なところに反応が。私の中だと子連れ狼の影響でしょうか、公儀のお庭番である柳生をイメージしてしまいます。そういえば、以前教えて頂いたのは裏柳生出てきましたね(ニヤリ)。
Posted by alice-room at 2005年07月13日 02:40
そうこれこれ!
私の大好きなメディナ!
イスラム諸国なら大概どこでもあるけれど、不思議と国や都市によってかなりの個性があるのが驚き。
「GOOD VIEW」は多分ガイドブックに乗っているアレですね。通称「テラス」。
絨毯屋の上なんだけど、タイルが綺麗で、モスクのミナレットや綺麗なみどりの屋根が見えて、私はすきなところです。ここで強烈な太陽と風を同時に浴びながら、コーラかなんか片手に、売り子にチップ握らせて追っ払い、しばしの休息。
Posted by マユ at 2005年07月13日 19:50
えっ~、なんか評判によるとだいぶぼったくられると聞いたんですが、そうでもないんですか? 景色としては良さそうなんですが…、道案内をするフリをして近づいてきたので私は、疑わしき人物と思い、逃げちゃいましたけど(臆病なんです、私)。勿体無かったかな? 
Posted by alice-room at 2005年07月14日 01:46
テュニジア留学経験者です。
そしてテュニスのメディナ居住経験者です。
世界遺産だけあって、古いところが多く残っていて迷うのは正解ですね~! 危ないところってあんましないですし(明るいうちならどこでも大丈夫)。
裏側に回ったり、外メディナ(フランス門の中は内メディナで、本来はもう一重に城壁があって、ここを外メディナという)にもいろんなスークが広がっているので面白いです。
アラブのメディナに行かれたら、一番内側の城壁だけでなくその外側も散策されると面白いかも。
Posted by malka at 2005年07月17日 12:01
malkaさん、こんばんは。そうなんですか~、外メディナというのがあるんですか。全然知りませんでした。何ヶ所か、迷いつつ外には出れたんですが、もう一度元のフランス門に戻ろうとして迷路を堪能(?)してしまって外のところを散歩するまで至りませんでした。でも、今度他のメディナに行く機会があれば、外側も散策してみようと思います。ご助言有り難うございます。
でも、チュニスに留学されていてメディアに住まれていたんですか~。なんか、素敵ですねぇ~。あのスークの一つ一つが自分の庭のように、頭に入っていらっしゃるんじゃないですか~。ちょっと憧れてしまいます。
Posted by alice-room at 2005年07月17日 23:01
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