私は山海塾の公演が大好きで、一度見てはまって以来、何度か見に行っています。日本国内の公演ならできる限り見に行きたいと思ってはいるのですが、今年は九州でしか公演なかってねぇ~。予定があわず、行けなかった・・・(涙)。
いつもは三軒茶屋のキャロットタワーで見てるんだけどね。あそこは小さいけれど、実に舞台向きに考えられた劇場で箱もいいんだよねぇ~。
最近は以前のように小劇場、大劇場を問わず、演劇見まくる事もなくなりましたが、蜷川氏や野田氏とかも好き。ただ、どうしても山海塾のような舞台を見たいと思い、観に行ったのがこの黒藤院舞踏公演だったりする。山海塾の公式サイトを見ていて見つけのがコレ。山海塾のメンバー蝉丸氏がやられているらしい。
黒藤院:8月4日の公演を横浜で観てきました。
山海塾のオリジナルメンバー蝉丸が1990年に旗揚げ。
公演ごとに不特定多数のメンバーを集め、作品を創る。
1999年より富山県黒部川流域にアトリエを構え、毎夏、合宿と公演を行っている。
野外公演が多く、その場所に応じた作品を創り、それを「磁場との対話」と呼び、空間、肉体、精神の繋がりを観察することを好む。
観始めて最初の印象は、ちょっと外したかな、これは? というものでした。キャパの無い狭い観客席は、窮屈な反面、舞台との近さと迫力の伝わり方には、プラスでしたが、最初、音楽らしい音楽がない部分で、違和感があり、舞台の世界に入り切れなかった感じでした。
しかし、観ているうちに山海塾のような『多』による調和と秩序による様式美や深い精神性に訴えかける衝撃とは異質な部分を感じました。どちらかというと『個』の肉体による精神の表現性、そんな感じでしょうか?
観ている者は、人体の有する表現力、肉体の伝達力といったものを如実に実感させられたような気がします。
強く感じるものがあり、見る価値もあり、決して観に行って無駄だったとは思いません。ただ、全体として面白かった or また観に行きたいかと問われると、疑問ですね?
継続して演じられている舞台の間に、女性がソロで演じてる場面がありましたが、どうしても不要な感じがしてなりません。これは一緒に観ていたツレも感じた共通の感じで、女性が出て場面が変わり、舞台空間に変化を及ぼすこと自体は、むしろメリハリがついて好ましいと思うのですが、彼女の振る舞いに、それまでのものと一貫する肉体による表現を感じられません。酷評すれば、ラウンドガールかと思ってしまうところでしょう。
それと舞台で使用されている音楽。いろいろと考えられたうえでの選択だとは思うのですが、不協和音的なものやむしろ観ていて妨げになるのでは・・・と感じるようなものが結構あり、それが山海塾の舞台などで見られる(私が期待する)人間の心の奥底に響くような音楽とは、異なっていました。私個人の好みや一緒に行ったツレ(オペラとかよく観てた人)の好みには、合いませんでした。
山海塾は、ツレも好きなんですけどねぇ~。まあ、演劇に興味ある人で
山海塾の舞台を見て、衝撃を受けない人なんてもぐりのような気もしますが・・・(笑)。
結論、一度観るぐらいならいいが、今後も観たいとは思わない公演でした。正直、期待が大きかったので残念! 帰りは、銀座ライオンでビール半額フェアをやっていたので、そちらでビール飲みまくって延々と感想を話していました。
やっぱり、劇団四季の舞台で観に行こうかな。最近、ほとんど見ていないし、外れひきたくないもんで・・・安易な私です(苦笑)。それとも山海塾のDVD買おうかな? AMAZONでやっと扱うようになって以来、ずっと買おうか買うまいか悩み続けているのですが・・・。
山海塾 公式サイト
山海塾 [卵熱] SANKI JUKU [UNETSU] NTSC版
公演後に「あれだけ大きくなってしまうと、お客さんは“子役”と思わなくなって、“うまいかへたか”で見るようになりますよね。舞台から見て、もうコドモに見えないわけですから」と蝉丸さんに言ったら、「あ。そっか。」だそうです。
いささか失礼に当たるような私の記事に、コメントまで頂き、本当に有り難うございます。
でも、人間の肉体でこういう表現ができ、ここまで表現できるんだという点で新しい発見ができたのは行って良かったと思っています。
山海塾の公演もまた楽しみにしております。皆様のご活躍を期待しています(笑顔)。