最初にウブ神、出産に関する神が出てくる。古来より、出産時には御宿下がりをしたり、産褥をケガレとして避けるのが一般的であるが、そんな習俗についても説明をしている。そしてそのウブ神が山の神であるのは、知らなかった。また、山の神が女性であるのもちょっと意外な気がしたのだが、私だけだろうか?
よく神聖な霊山への女人禁制の結界というのがあるが、女性の持つ血褥(月経や出産の血による障り)というのは元々不浄なものとしては認識されず、本来はそこから神聖な霊域に入るという境でしかなかった。そこに大陸伝来に思想(仏教や陰陽道)が不浄の概念を持ち込み、稲作社会で労働力として劣るという差別的な概念と相俟って生じてきたという説明がされていました。
あと、ハレとケとケガレについての説明はまさに教科書的。ちょっと面白くなるのは厄年のとこかな。厄払いをする年であるという以外に、「役」の意味があるとはなあ~。ほらっ、よくお祭りの際にいろいろな担当(役回り)をするのが、その年の厄年の人とかやるでしょ。あれって、そのまま「役」をする年でもあるんで両義性があるみたい。ケガレるのではなく、ケガレを祓う方の意味もあるんだね。なんかそう言われると納得しちゃうかも。ちょっと興味深く思いました。
富士講も面白いかも? 今でも日本庭園を回ると、富士山に見立てた小山があるけど、あれってその小山に登る事で富士登山をしたのと同じご利益があるとする為なんだよね。フジの音は「不二」「不死」に繋がったりといろいろな話はありますが、日本を代表する霊山であり、全国に広まっているものとしても興味深いです。この富士講なんですが、女性への差別(区別)が非常に少ないんだそうです。制限付ではあるものの(60年に一度の庚申縁年)女性の登山もOKだったそうです、へえ~ってな感じですね。いいんだ、登っても。
こんな感じの内容ですね。でも、わざわざ買うほどではないね。
まあ、今日は仕事の帰りがけにわざわざ浅草まで寄って、松屋の古書市に出没。スーツ姿での本物色は、動きづらくて駄目だなあ~。でもでも、なにげに見てたら桃源社の本、こないだの西洋暗黒史伝の類書っぽいのや、amazonで買おうか悩んでいた中世関係の本が安く売ってたので買ってしまった…うっ、予想外の出費! まあ、しゃあーないね。読みたいものは読まないと後悔しちゃうし、つまらなかったら売っちゃおうっと(言い訳めいてるが…)。こっちの面白そうなの読みたいな~早く!
そうそう、稲荷信仰に書かれた本も2冊あり、買おうかなって思ったら結構、高い。その割に内容が無さそうで結局買わなかったけど…。民俗学系の本って、なんか高いような気がする?なんでだろう???
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早速、稲荷のことを調べていただき、ありがとうございました。書名を見て、この本の映像が思い浮かぶので、これを持っていると思っていたのですが、勘違いでした。どうやら、いろいろな本で参考文献に上げられているので、記憶が尊乱していたようです。(苦笑)僕が読んだ範囲では、宮田登で、稲荷が出てくるのは、『江戸のはやり神』という本です。太郎稲荷等について、少し触れられています。ところで、宮田登は、柳田国男を師と仰いでいたので、方法論も似ています。
「江戸のはやり神」。持ってはいないんですが、読んだような気がします。内容はうろ覚えで自信がないんですが…。突発的に、○○がご利益があるとブームになり、人の崇拝が集まるというアレですよね、確か。その反面、人々の関心の移り変わりが早く人気が冷めるのも早いようですが…。
これからもまた、いろいろ教えて頂けると嬉しいです。私の場合、どうもバラバラに本を読んでしまい、それがイマイチ有機的に知識として結びついていないのが悲しいところです。好奇心は旺盛なのですが…(苦笑)。