
読む前は児童文学か童話のような感じがして、イマイチ乗り気じゃなかったんですよね。しかし&しかし、読み進めていくうちにこいつはなかなかに素晴らしい名著ではないのか?という予感(本書に出てくる言葉で言うなら『予兆』)がビシバシ訴えかけてくるんだなあ~、これが!
文章や言葉は非常に平易な為、子供でも楽勝で読み進められるが、子供向きというよりは、日常に魂を磨り減らしている、おじ様方に必読の書だと思った。子供が読むととても面白い話だけど、大人が読むと反応が分かれるかな? 子供の頃は、夢があったなあ~と懐かしむタイプと日常に埋没して自分に手枷足枷をつけていることに気付き忸怩たる思いを覚えるタイプ、更に一歩進んで、自らの心の声を聞き、行動に移すタイプ。さあ、皆さんはどれでしょうか?(いささか悪意のある笑い)
なんか、いつもとは違った感じですご~く心に響いた本ですが、まずは粗筋を。羊飼いの少年が自分の為の宝が隠されているという夢を信じ、彼を取り巻く日常を捨て去り、己が内なる心の欲するまま旅をする。その過程で世界には全てが示されており、それを自らの心の声に耳を傾けることで予兆として認識し、正しい道を歩むことができることを学ぶ。
人間がその本性に素直に生きることで、その人が本当に願う目的を達成することが可能になる、実にシンプルなストーリー。しかしながら、そこに含まれる含意は深い。目的達成の為にいくら努力をして困難を克服しても、最後に自分の自分に対して持つ恐れ故に、夢半ばにして消え去る者がいかに多いか。まさに真理かも?
これを読みながら、自分と比べつつ、ある人は挫折感を味わい、ある人は目的に向かうパワーを与えられるでしょう。読了して今、気付いたんだけど、この本に書かれていることって2年ほど前に私が起業家セミナーとかをハシゴしてて聞いたアントレプレナーとしての心構えとまさに瓜二つ。経営者が決断に迷った際に、いかにしてリーダーシップを発揮していくかというテーマと同じなんだもん。真理に至る道筋はいくつもあるが、真理そのものは、普遍且つ唯一なのだから、当然なんでしょうが、ちょっとそれも驚き!
役に立たないリーダーシップ論や起業家セミナーよりは、こっちをお薦めしますね。本当に素晴らしい本だし、絶対にお薦めですよ!! 但し、自らの人生に対して前向きな方限定。ただ生きてるだけの方では幼児期への憧憬で終わりですから、何にも意味ないかと。逆に、自分の人生を生きる気力のある方には、是非読んで役立て欲しい本です。
私はこれ読んで、大いにやる気が出ました。改めて、本書で紹介しているような自分の心の声を聞こうと思います。勿論、「星の巡礼」も買うことにしました。この本も買おうっと!
【追記】
他の方の感想を読んでて思ったんですが、やっぱりいろんな解釈や感想があるんですね。人の思いは千差万別、当然なんですが…。私は、この本はただ頑張ろう!というのではなく、たいていの人は日常に甘んじているだけなんだよ、というある種、痛烈な批判さえ伴ったものだと感じてもいるのですが…。ここまで言ってはいけないのかな???
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「星の巡礼」パウロ・コエーリョ 角川書店
TBありがとうございます。
色んなことを考えさせられる本でしたね。
こちらからもさせていただきますね。
この本は本当に素晴らしい作品だと思います。
パウロ・コエーリョの作品はどれも生き方について定義してくれているようで、読むたびにはっと
させられます。
僅差というのは、メッセージ性が似ているから。
そして、終了部分が案外あっけないから。
だけど、読んでいる最中は、一気に読んでしまうのではなく、巡礼のペースにあわせるかのようにちょびちょび読んでみたくなる気にさせる不思議な本でしたよ。
・・これ以上はやめときます。
つまんなくなるからね(笑)
結構、単純なんで感動したりすると、すぐ行動に移そうとしてしまう・・・。まあ、今は軍資金が枯渇してるから、当分出れないでしょうけど(笑)。
本当に良い本ですね。
ブックオフで100円で文庫本買って読みました。
これはポケット用にして、ハードカバーを買うつもりです。