
明治大学の図書館で写本の展示があることを知ったので、早速出掛けてきました。行く前にネットで調べたけど、あんまり詳しく説明ないんだよねぇ~。
ネットの時代なのに・・・使えん!

まあ、論より証拠行ってみました。お目当ての中世の彩色写本ですが、本物はほとんどありませんでした。がっかり・・・。所詮は日本の私立大学の蔵書だからなあ~。勝手に期待する私が悪いのでしょう(反省)。
何度も印刷博物館とか行っている私としては、大いに不満足。そりゃ無料は嬉しいけどね。

いくつかある本物の写本は、正直言って彩色写本の美しさを十分にアピールするレベルではないでしょう。かなり地味。

ケルズの書やリンデスファーン福音書など、ファクシミリ版で展示されていたが、本物でもないのガラスの奥に展示され、何気に遠い。しかも暗い照明とガラスによる光の反射でよく見えない。つ~か、全然見る人の立場を考えていないんじゃないでしょうか?

勿論、美術館や博物館ではないんだから、展示に凝ってなんかいられないというのは分からないわけではないのですが、あまりにも手抜きっぽくて呆れてしまった。説明板は、吊っている一箇所が外れて90度に傾いてました。泣けてきます・・・。
私以外に誰も見学者がいないのも分かるような気が・・・。

そこそこ分厚い解説文があるのですが、説明はこんなもんでしょうか。大学だから、もう少し知のかけらでも感じたいところです。文章がどっかの引用文みたいで薄っぺらだし、やっつけ仕事みたいに思えてしまうのですよ~。全体からして。
ただ、今回ケルムコットプレスのものは結構数がありました。でも私、あんまり興味ないんだけどね。

あっ、でもジャン・ボダンの「魔女論」(上図)の本物があったのは嬉しかったかも? 知ってますよね、魔女裁判における魔女の定義や理論的根拠を明確化して名著(?)のアレです、アレ!
もっともこれも展示が全然なっていなくていまいち楽しめなかったんですけど。
甚だしく不満ですが、せっかく蔵書があるんですし、有意義に活用していこうという意図は素晴らしいと思います。後は、担当者とそれを支える組織のパッション次第でしょうね。 展示方法を変えるだけで、ずっと見栄えのするものになるのが分かるだけにもったいないです。口惜しい展示ですね。今後に期待します。
関連ブログ
「ケルズの書」バーナード ミーハン 創元社
「図説 ケルトの歴史」鶴岡 真弓,村松 一男 河出書房新社
「The Hours of Catherine of Cleves」John Plummer George Braziller
Hours of Catherine of Cleves 獲得までの経緯
「Les Tres Riches Heures Du Duc De Berry」Jean Dufournet
「The Golden Age: Manuscript Painting at the Time of Jean, Duke of Berry」Marcel Thomas George Braziller
「中世の美術」アニー シェイヴァー・クランデル 岩波書店
「美しい書物の話」アラン・G. トマス 晶文社
「中世彩飾写本の世界」内藤裕史 美術出版社
本物の、ケルズの書やリンディスファーンは美しかったです。書物愛という言葉が理解できます。
正直、もったいないですよねぇ~。せっかくの展示ですし、大学の図書館における本の展示ですからね!
労力の割に誰からも評価されないのかもしれませんが、だからこそ、そういう次元ではなくて、大学には期待したいですね♪
本物をご覧になったことがあるのですね。それは羨ましい限り。私は当分無理かなあ~?
でも、手彩色写本は夏にでも見にいけそうです。フランスですが、楽しみ♪