
基本的に、昭和初期のエログロナンセンス系は好きなんですが、あれは単なる安っぽいエロ趣味とは一線を画していると思います。あくまでも人間の深層心理の表現の一手法であり、重点はその背後にある屈折した病的心理の描写だと私は捉えていますが、この本はなんか違う。もっと個人的な「なんかあったの? 貴女? 過去にひどいことでもされた?」といった感じの属人的な感性が強過ぎるなあ~。しかも、(社会から or 世界から)捨てられた女性の悟りの境地のごとき。とにかく私には相容れないモノですね。端的に言うならば、私には美しく感じられない!ってことです。
もう、この人の作品は読まないかも? 「ぼっけえきょうてい」の一発屋さんだったのかな。ちょっと期待していただけに残念。ぼっけえ~は、作者の持つアクの強さが出る直前でかろうじて抑えられていた、その危ういバランスの故に素晴らしかったのか? う~ん、難しいもんですね。作家さんも。
魔羅節(amazonリンク)
この本のカバー絵は、智内兄助さんではないですか?
坂東真砂子の著書などにも使われていたと記憶。
彼の絵はとても大好きなんです。
妖しくおどろおどろしい中に置かれた少女たち・・・
本の話じゃなくてごめんなさい。
なんか妖しくて怖いくらいの不思議な気分にさせられますね。惹き込まれます。