2005年08月08日

「ステンドグラスの絵解き」志田政人 日貿出版社

sutend.jpgしかし&しかし、なんでこんないい本が絶版のままなんでしょうね。まだ発売して間もないないのに(2001年の出版)、もう無いなんて。出版社は増刷するにはリスクありと踏んでいるのでしょうか?その辺りの事情は分かりませんが、ステンドガラスが好き、ゴシック建築が好き、教会建築が好き―――このどれかに当てはまる人は絶対に買っておいて損は無い一冊です。これ以外の人でも、美しいものが好きで知的好奇心がある方とか、或いは旅先でよく教会をうろうろしてる人、高いけど無理して買っておくと“絶対に”貴方の人生が広がりますよ〜。

stend4.jpg

専門家の方には、どうか分かりませんが、とにかく素晴らしい解説書だと思いました。フランス中の教会・聖堂を著者が自分の足で歩いて古いステンドガラスを探し出し、自分の手で撮影をしたまさに苦心の成果がこれだけのものにしているんだと思います。言葉が悪いですが、出版者の企画に乗ってカメラメンを伴い、それなりに名の通った先生が有名な教会で高い金払って取材してそこそこ書いたような本とは、全く違います。

本書内にも撮影時の苦労話はエピソードとして挿入されてますが、とにかく著者自身がステンドガラスが好きで好きでたまらず、長年に渡ってコツコツ自分の趣味で集めた写真がまず最初にあり、恐らくはそれを知った出版社が印刷の話を持ちかけたのかな? この本を見て、著者の非常に熱い情熱が伝わってくるような出来上がりになってます。解説も聖書をきちんと通読したことも無く、孫引きくらいの引用でしか聖書を知らない私が読んでも非常に分かり易いし、大きなステンドグラスの写真と共にその意味を詳しく解説してくれるのがなんとも嬉しい! 当然、出てくるステンドグラスも非常に美しく、先月フランスに行ってきたばかりなのに、また行ってあそこの修道院見たい、どこそこのも見たい!ってもう、参ってしまうぐらいの魅力です。

本の頁

この本を読んで、見て、ステンドグラスが『貧者の聖書』と言われている言葉の意味を初めて実感できました。頭では絵で解説してるんだあ〜って思ってはいたのですが、そんなもんじゃないですね。ステンドグラスが直接、見る者を聖書の世界に連れていくんですね。御伽噺の世界ではなく、自分が見て感じられる世界になるんだと思いました。あ〜もったいないことした!これ読んでから、シャルトル大聖堂行けば良かった。内容の理解が全く違っていたかもしれない。知らなくてもあれだけ感動したシャルトルで、この本の内容知っていたら、大聖堂から出れなくなったかもしれない。う〜残念(涙)。

でもね、皮肉なことにシャルトル行ったから、ゴシック建築の資料本やステンドグラスの本を改めて熱心に探してるわけで、難しいもんです。にわとりが先か、卵が先か?って話になってしまいます。とにかく、これからそれらを観に行く予定のある人は、なんとかして目を通しておきましょう。幸せになれますよ〜、きっと! もっとも道楽者として、その後、人の道を踏み外しても知りませんが…?(笑)

本の頁

参考までに幾つかの頁をデジカメで撮ったのを載せておきます。こんな感じで、あっちこっちのステンドグラスがいっぱい&いっぱい見れます。古書市かどこかで定価ぐらいで見かけたら、即購入しましょう。これは当りです!! 見た目以上に侮れない本です。中を読み込めば、読み込むほど、楽しくなってきてしまうし、実際に聖堂見学に持ち込みたくなります。著者は、単なる写真集みたいにしたくはなく、持ち歩けるサイズにしたと書かれてますが…重いし、大きい…軟弱な私にはせいぜい、フランスのホテルまで持っていくので精一杯だなあ。

恐らく、重い機材を一人で抱えてフランス中をステンドグラスを求めてさ迷い歩いた著者なら、あれぐらい軽いと思うんでしょうが…。もう使われなくなり、数十年も鍵を締めてあった聖堂を開けてもらい、撮影した貴重なステンドグラスなんかもあるそうです。凄いなあ〜、こういうのプロジェクトXでやらんかいNHKさん。って言いがかりをつけたくなるほどのパッションです。

stend3.jpg

私みたいに素人で知識のない人ほど、役に立ち、勉強になる本です。著者が純粋な「オタク(勿論、いい意味です)」だからこそ、情熱にあふれ、説明にも細やかな気配りがあります。似たようなステンドグラスの場面でも、何を基準にどの場面の作品か分かるポイントまで教えてくれて、なんとも嬉しい♪♪ 貧者の私でも聖書が分かりそうな気になります。

普通に手に入らないのを薦めるのは恐縮ですが、これは間違いないと思うので見つけたら、即GET!!です(ポケモンじゃないけど…)。

ステンドグラスの絵解き―フランス教会に見る光の聖書(amazonリンク)

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posted by alice−room at 00:24| 埼玉 ☔| Comment(13) | TrackBack(1) | 【書評 美術】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いいですよね。ステンドグラスも。。。シャルトルで溝にはまり込んで、抜けられなくなったのですね(笑)シャルトルはやはり圧巻。もう一度みたい。
私は昨日ゲントに行って来ました!ステンドグラスも写真を何枚か撮ったのですが、今ひとつでお目にかけてもよくわからないかなあ?写真一枚に小さなヴォリュームのデータで取っていた為、ろくなもんが撮れず無かったのでがっかり。我が家から車で30分ぐらいのところにある修道院はストイックな宗派で木の葉や実しか描かれていないステンドグラスを持っています。中々それも良い。私の友人がステンドグラス作家で、州吹くなどもやっていました。いずれにせよゲントの話はそのうちに記事にしてみますので、お楽しみに。
Posted by seedsbook at 2005年08月08日 00:52
またまた絶版本のご紹介ですね(笑)でも、最近は本当に良い本ほど早く絶版になるような気がして、とても残念です。僕は、ステンドグラスにかんしては、ただ眺めて綺麗だなと思う程度なので、まさに僕のために書かれたような本ですね。何処かで、見つけたら、即GETします。
ところでalice-roomさんは、ポケモンをご覧になるのですか?僕は、ゲームは当然として、アニメすら見たことがありません。(苦笑)ドラえもんも好きではないという変わった人間です。(笑)
Posted by lapis at 2005年08月08日 01:06
seedsbookさん>抜け出れなくなりました…困った(笑顔)。seedsbookさんの方も行かれたんですね!写真はちょっと残念だったみたいですが、レポート楽しみにしてます。ステンドガラスに関するいろんなお話が聞けると、ワクワクしちゃいます。ご友人は修復もされてるんですか、いろんなお話がうかがえそうですね。そういうインサイダー的な話ってのもいいですよね。

lapisさん>やはりlapisさんの恨めしそうなお声が…ブログ書きながら想像しておりました(苦笑)。そんな古い本では無いのでもし見つけたら、是非どうぞ。きっとlapisさん向きだと思いますよ〜。
ポケモンは何回か観たことがある程度ですね。最初に海外で見てから、興味を持ったんですが、どうしても話がワンパターンでキツイので今はほとんど観ていません。ドラえもんは、子供の頃好きだったんですが、物心ついてから、パスしてます。あと、大きな声では言えないのですが、私はあまり手塚アニメ好きじゃないんです。アニメファンからは石を投げつけられそうで、内緒にしております(ニヤリ)。
Posted by alice-room at 2005年08月08日 01:37
めちゃキレイ!
Posted by ともみ at 2005年08月08日 20:57
ともみさん、こんばんは。本当にこれ綺麗でお薦めです。図書館か古書店で見かけたら、是非ご覧下さい。楽しいですよ〜。
Posted by alice-room at 2005年08月08日 23:29
ステンドグラスの件あまり触れていないので心苦しいTBですが、しまいの方に2,3写真を入れましたので、やっぱり入れさせていただくことにいたしました。
Posted by seedsbook at 2005年08月09日 06:30
seedsbookさん、うちからもTBさせて頂きました。TBは勿論、大歓迎です。有り難うございま〜す。
Posted by alice-room at 2005年08月09日 23:22
aliceroomさん

こんにちは〜☆
わぁ〜aliceroomさんも熱く語られていて
とても嬉しいです!!
私はただ図書室で見ただけだったのですが、
絶対、購入しようと思っています!
alice-roomさんも《受胎告知》を掲載されて
いますが、これが私も一番好きでした!
マリアの表情が絵画よりも浮き出ているし、
大天使ガブリエルの羽の色彩の美しいこと!
素晴らしいですよね☆ 私もTBが残念ですが
飛ばないと思いますので、URLをここに記させて
頂きます。また、拙ブログからもリンクを張らせていただきますね。シャトル大聖堂も素晴らしいお写真ですね!
http://julian.cocolog-nifty.com/floral_muse/2006/07/__689d.html
Posted by Julia at 2006年07月15日 07:24
Juliaさん、こんばんは。本当に素敵な本ですよね。美し過ぎますって!! こんな本を見たらいてもたってもいられなくなりますね。困ったもんです(笑)。

ああっ、今年もフランス行って大聖堂巡りしてステンドグラスを観に行きたいです。でも、今年はヨーロッパ行けないかなあ〜(涙)。

URLも有り難うございました(御辞儀)。ほんと、お互いにTBできるといいんですが・・・。
Posted by alice-room at 2006年07月16日 00:44
もうご存知かもしれませんが、
新装版が2009年に出版されていて、
現在でも入手可能なようです。
http://nichibou.shop-pro.jp/?pid=11958903
Posted by clair at 2011年09月22日 08:26
clairさん、情報有り難うございます。

私も新しく出た時、見つけました!
良い本がこうして再び流通するのは本当に嬉しいですね♪(笑顔)

まあ、お値段はいささか張りますが、好きな人なら、買って損はない一冊だと思います。

また、何か情報等ございましたら、宜しくお願いします。
Posted by alice-room at 2011年09月23日 08:58
新装版刊行は英断だと思いますね。僕もフランス行く前にこの本に出会っていれば、他の荷物を下ろしてでも持っていったのに。
もちろん、眺めているだけでもステンドグラスは十分に美しかったですけど、そこに込められた思いとか意味とかわかれば、なお楽しめるわけですしね。
Posted by clair at 2011年09月29日 11:51
clairさん、
ゴシック大聖堂巡りをするなら、本当に必携かもしれませんね♪

意匠(デザイン)の意図することが分かると何倍も楽しめますし、光線の加減で刻一刻と変化していくステンドグラスは、何度見てもその度に違った姿を見せ、本当に飽きません。

来年辺りは、またゴシック大聖堂巡りをしたいと常々思う今日この頃です(笑顔)。
Posted by alice-room at 2011年10月02日 18:53
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