2005年08月08日

衆議院解散(歴史的転換点)

このブログではできるだけ政治的な話は触れないようにしてきたのですが、今回はまさに日本の政治史にも残るであろう歴史的転換点だと思うので一言感じたことを書きたい。
(かなり自分本位の主張を書いてますので、興味無いとかウザイとか思われる方は読まない方がいいと思います。以上、宜しくお願いします)

政治家として田中角栄氏を尊敬する私としては根回しが下手、否、根回しの力量不足を感じさせ、党内基盤の弱い小泉氏については、正直どうなんだろうなあ~と思ってみていた。特に小泉内閣成立時から、かなりの不安を持って眺めていたのも事実だった。

むしろ、しばらく前までは世間から冷ややかな視線を浴びせられていたが、名実共に実力のある小沢一郎氏が政権をとらないものかとずっと熱望していた。

しかし、小泉首相が就任時より一貫して郵政民営化を主張し、その実現の為に最大限努力を払い、自民党を変えようとしている姿には正直頭が下がる。ニュースでみるだけで、選挙の時に投票するくらいしか行動していない我が身には大それたことは言えないが、一市民として日本が変革していくこの瞬間に出会えたのは幸運だと思う。

勿論、今回の行動にもいろんな批判が出ているが、民主主義における政治は批判が出るのが当然であり、人の数だけ異なった見解が出るのは当たり前である。政治家に求められているのは、その中でその政治家本人が日本という国家にとって何が大切で何を為すべきかを明確に表明し、その人が政治家として選ばれた権限の範囲内でその信念に基づいて行動することが求められていると思う。

その点から、考える限り、小泉首相の行動はまさに政治家として望まれるべき資質と行動を実証していると思われる。道路公団ばかりではないが、政府の外郭団体が高い賃金で人を必要数以上に雇い、公共の福祉に使われるべき財源を企業への天下りや癒着、賄賂の資金へと流用していくことを批判するマスコミは多いが、それを可能にしているのは郵便局が集めた資金に他ならない。民間で使われるべき資金が官である郵便局を経由して財政投融資という形で、国民の目につかない形でばら撒かれる。この構造がある限り、日本の将来は無いというのが小泉首相の論理であり、それを変革することで根本から日本を変えることこそが日本の将来に資するというのが信念なのだと思う。

この内容は大学生レベルの教科書に書かれていることであり、文字が読める大学生なら分かるはずである。要は遊びまくるドラ息子に、バカ親が小遣いをあげるのがいけないのであり、親が金さえ与えなければ、悪い遊びがそもそもできなくなる、こんな単純な論理なのである。しかし、そこに特定郵便局という利害が絡むと一筋縄ではいかない。もともと地元の名士が金でその地位を購入したような制度であり、一度なってしまえばこれほどおいしいものはない、世襲の公務員なんておかしいでしょう? 一方、地元密着のその影響力は絶大で農協さんなどにもひけをとらない選挙の後援団体であって自民党の議員には、足を向けて寝られない存在である。当然、郵政省の官僚自体が散々法案成立の邪魔をしたうえで、自民党内部も反対する。この法案によって息の根を止められ、天下り先や各種の談合の温床がつぶされては困るとそこで恩恵を蒙る企業や外郭団体も含めて、政官民一致の反対勢力ができたのだから、これは厳しい。

郵政民営化は、おそらく国鉄民営化やNTT民営化とは比較にならないほど影響が大きく、今後の日本の経済構造が変革するのは間違い無いはずだ。だからこそ、今の既得権益を失う人びとは必死になって反対する。せいぜい10年から20年の自分の安泰を求めて30年後の国益を放棄するのでしょう。まあ、個人レベルでは止むを得ないところもあるが、それで日本が良くなるのであろうか? 少なくとも現在40代以下は泣きを見ることになる。まして20代や10代では、日本を捨てて逃げ出す国民がいてもおかしくない。所得水準が下がる一方の現役労働力世代に対して、増える一方の財政支出(医療費・年金)。所得税がこれ以上、とれない以上、間接税(主として消費税)に頼らなければいけないことは明白なのに、税率は押さえられてきた。そのしわよせが確実に来るのだ。

しかし、どんなことがあっても必要な医療費や年金自体をなくすわけにはいかない。だとしたらより重要でない所を削るのが一番なのも明白だ。それが郵政民営化に他ならないはずなのに…。日本のマスコミが嫌いな点に、こういった基本的なことの説明が不足しているのに、やたらと政治家間や派閥間の争いばかりに焦点をあてて説明していること。タレントの痴話げんかの報道と同じレベルの報道をする民放各局には不快を覚える。むしろ、海外の新聞に書かれている日本の政治ニュースの方が紙面のスペースが小さいわりに本質を捉えていることさえ、ままある。何故、日本のマスコミはこういう時に頑張ってくれないのだろうか?

勿論、いろんな意見があって当然であり、それを採り上げるのはいいが、安っぽい庶民の立場から、民営化したら、地方では郵便サービスが低下してしまうとかいうのはおかしいと思う。いかにも「マスコミは市民の味方です」的な姿勢には、強烈な嫌悪感を抱く。今回の法案にも織り込まれているようだが、地方については特別な規定や特別な予算措置をして一定水準のサービス維持を政策的に確保すればいいだけで、郵政民営化の本質的な問題にはなんら関係しない。それをあたかも国民の既得権が奪われる的な発想と報道、歪んだ情報操作であろう。余談だが、そもそも免許制度で守られていて内輪の競争しか行わないTV局の責任はどうなのだろうか?新聞社に至っては、一部の新聞社だけが警察庁内に記者クラブとしての部屋まで用意され、至れり尽くせりの中、自由競争を行っていなし、人権の為と称して報道の自粛をするというのは…?

いささか話がずれたが、今回の小泉首相の民意を尋ねる手段としての衆議院解散は、まさに総理大臣の憲法に保障された権限であり、それ自体に異論を唱えるのは不適切であろう。自民党は戦後以来、いい意味でも悪い意味でも日本の社会の縮図で有り、妥協と調和を維持しながら、漸進的に日本を改革しようとしてきたと(好意的に)思っているが、それでは間に合わなくなっているのだと思う。ソ連はもう地図上に存在し無いし、人口が多くて歴史のある国が中国では無い。世界有数の工業国で有り、日本にとって重要な市場であるのが中国であり、経済力に比例して海軍力を猛烈な勢いで増大させている近隣国でもある。これまでの日本では、間に合わなくなってきているのだと感じる。

それらの事柄を思いつつ、8時台の総理の解散にあたっての記者会見を聞いて、ちょっと胸が熱くなってしまった。これは感動ものだと思った。かなり率直に総理が考える政治指針を政治姿勢を国民に語りかけていると思った。勿論、今回の選挙が自民党を決定的に潰す恐れが、現実にあるからなのだろうけど、それでもやはり心に響いた内容だった。日本にとって必要だと自分は政治家として確信しているし、それを党の公約としても言ってきたのだから、それを実施する為に可能な限りのことをする。そしてそれをYESというか、NOというかをまさに国民に課題として投げかけたわけであり、これについては率直に一国民として答えていきたいと感じた。

自民党にとっても過去にいろいろな修羅場があったにしろ、今回のはその存続さえ危ぶまれる政治的決断(言葉を悪くいうと「賭け」)であり、法案に反対した議員を公認から外す、反対した勢力とは組みしないというのは、理屈では誰でも考えつつも、誰もが実行できないことをした点でもまさに歴史的な決断だと思う。少なくとも政治家が指針を示し、決断をする仕事ならば、まさに政治家であり、リーダーであろう。勿論、その内容が正しいかどうかは、別である。決断しても、間違っている場合だってある。しかし、どの政治家を選べばいいかを国民の手に委ねた訳である、私達にとっては素晴らしい機会を手に入れたのだと思う。みんなが各人の判断で選んだ人が、まさに日本の未来を変えていくのだから、これはオリンピックとかとは比較にならない興奮モノである。

成功しても失敗しても、歴史に残る転換点だと私は信じる。あとは選挙の時の投票率があがることだけが願いだ。まあ、棄権も一つの意思表示だという考えられなくもないが、私はそれを怠け者の言い訳と考える。少なくとも投票所まで行って無記名ならまだ分かるが、選挙に行かない人には、決められたことに一切の意見・批判を言うべき権利はないだろう。「天はみずから助くる者を助く」。当たり前のことだ。

う~ん、珍しく今回のニュースは刺激を与えられた。改めて日本は、そして世界は変わろうとしている。その中で私は、どう生きるのか? 何ができるのか? 趣味に生きるのもいいが、そうでないのもいい。とにかくできることを一つ一つ行動しなければと感じた。とにかく、まずは一歩動いてみよう!! それが私の今日からの課題だ。そう思った。

関連サイト
首相官邸

関連ブログ
[衆議院解散を受けて]小泉内閣総理大臣記者会見 8月8日
posted by alice-room at 22:59| 埼玉 ☁| Comment(18) | TrackBack(10) | 【その他】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もAlice-roomさんと同意見です。小泉さんは総理にしては珍しいLonly Wolfで頑張っていると思います。ナアナアにして済ませない総理です。正に有言実行の人ですよね。こういう世の中、時代だからこそ、小泉さんのような人が総理でいるべきだと思います。
ただ、郵政民営化を何故しなくてはいけないのかの説明がうまく出来ていない。国民についてきて欲しいのならわかり易い説明をすべきだと思います。
以前、オーストラリアで消費税の話が持ち上がったとき、やはり説明不足でうまくいきませんでした。知識階級、会計関係の人たちは必要だとわかっていたのですが、一般の人たちにはわからなかったみたいで法案は通りませんでした。数年後に説明の上に説明を重ね、やっと通り、今は消費税は密着していますが。
やはり、一部の人が理解しているだけでは、どうにもならないと思いますね。多数の国民は何故、郵政民営化が必要なのかがわかっていないと思います。
小泉さんに頑張ってもらいたいです!
Posted by メグミ at 2005年08月09日 12:39
そうですね、やっぱり一般の人に理解してもらえなかれば、いけませんよね。おっしゃる通りだと思います。今回の選挙でもそこがどこまで国民に理解されるかが決め手かもしれませんね。

今回のことがきっかけで選挙が本当に自分達の将来に関わる意思反映の場になっていないという現状が変わるといいなと思っています。
Posted by alice-room at 2005年08月09日 23:30
これは感動ものだと思った、ですか。。。
それは、嘘をつかない人に対する態度で、小泉さんに対する態度ではないでしょう。

「公約なんて守らなくていいんだ」といって史上最悪の借金を作り、法律に違反しても「人生色々、会社も色々(法律なんて守らなくていいんだ)」と言う人ですから、どんなご立派なこと言われても、感動しませんけどね、私は。
Posted by mij at 2005年08月22日 14:03
mijさん、コメント有り難うございます。そうですね、小泉さんは聖人君子ではないと思います。いろんな捉え方があってしかるべきですよね。
但し、変化をもたらそうとしている姿勢に私は意義を見出しました。それは改善か改悪かは、歴史が評価するものでしょう。吉田茂然り、田中角栄然り。それぞれの国民が自分の信じる人(=自分にとってプラスだと思う人)を選ぶ、それが選挙ですしね。
私の個人的な考えでは、批判するよりは行動を選びます。実際の所、別に自民党でなくてもいいんですけどね。今、一番行動している(=リスクを負っている)のが自民党だと私には思えました。
Posted by alice-room at 2005年08月22日 16:02
財政投融資は2001年に廃止されているはずですが、にも拘わらず、郵政公社が特殊法人への資金垂れ流しの原因にされているのは何故でしょう? 「バカ親がバカ息子へ無尽蔵に小遣いをやるのがいけない」といった表現がありますが、この場合、バカ親(郵政公社)よりバカ息子(道路公団etc…)を教育することの方が優先されるべきではないでしょうか? 少なくとも世間のバカ息子は社会経験も少ない未熟者でしょうが、特殊法人は歴とした大人の集団であるはずです。自制が効かないのであれば、彼らを解散させるべきでしょう。むしろ、特殊法人に対する直接的な風当たりを一時的に避けるための「郵政民営化」のように感じられてなりません。
Posted by ΜαSÅ at 2005年08月22日 19:23
ΜαSÅさん、コメント有り難うございます。分かり易い財政投融資という捉え方は、現在ではおっしゃられるように違いますね。不正確な表現でした、すみません。ただ、郵貯財源による国債購入の実体は相変わらず継続し、あたかも迂回融資のようになっているのはご存知の通りです。本質的な構造は変わっていません。

特殊法人はそもそも設立当時には意味があり、経済合理性もそれなりに考慮されていたはずですが、時代の進展により、当時の合理性や必然性が薄れたり無くなってもなお存在し続けようとするのは、官僚組織に顕著に見られる普遍的な組織存続欲求や肥大化欲求によるものです。彼らは、ただある為だけに理由を見出し、協力者を募ります。現実に利権が存在し、政治家やその監督官庁自体にもプラスである以上、それを特殊法人自体の問題に帰するのは、はなはだ困難だと思います。実際に特殊法人の統廃合も行われていますが、実体はいかがでしょう?特殊法人の数自体は減少したものの職員の人数や予算で減少したものは少なかったようです。

長々と失礼致しました。特殊法人は資金の非効率性の顕著な例(いやらしい表現で言うと、一般に一番受ける例)ですが、私が愚考するところでは民間への資金シフト「官から民へ」のブレイクスルーとして郵政民営化を認識しています。
Posted by alice-room at 2005年08月22日 22:33
ヒットラーの有名な著作「我が闘争」の中にこんな一節があります。
「大衆的なものの大部分は、きわめて女性的な性質と見解を有している。彼らの思想と行動は理性的な考察によるよりも、はるかに感情と情緒によって支配されるのが常である。従って女性の感受性は、厳然たる支配者を好み、なかなか理解しがたい理論よりも、簡単にして力強い教義に満足する。一人としてその意味がわからない者がなくなるまで、繰り返し繰り返し宣伝はしなければいけない……」
これはまさしく小泉首相の戦術です。首相はこの方法を取り入れているのだろうが危ういことだと思います。現在は女性の投票率が男性を上回っているので、女性の心を捕えたものが勝利するのです。
女性刺客候補もしかり…。しかし、果たして日本の政治はこれでいいのでしょうか。女性のみなさん、こんな恐ろしくも人をバカにした戦術に騙されないでほしいと思います。
Posted by 独裁 at 2005年08月24日 13:13
独裁さん、私もヒットラーの「我が闘争」読みました。思っていたよりは面白くなかったですが、個人的にはマキャベリの君主論の方がいいかも?
それはおいといて、ヒットラーは言ってましたね、大衆は忘れ易い。単純なスローガンにして繰り返し、繰り返し伝えていかなかればならないと。
これは、いつの時代も&どこの国にでも当てはまる普遍的なものみたいですね。目先を変えて新鮮さを出す新しいタイプの候補者については、私個人も正直、どうかなあ~?って思います。

でも、大丈夫だと思いますよ。女性だけではなく、私は日本人はそれほど思慮分別がないとも思いません。もっとも都知事だった青島氏や大阪府知事の横山ノック氏に投票するという、私には信じられない事もありましたが…。追い詰められば気付くでしょう。だって、全ては自分に返ってくるのですし。

そんなふうに私は考えております。独裁さんコメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年08月24日 19:04
TB と Comment をありがとうございました。
当方は開設したばかりで、初 TB と Comment になりました。
さて、人の意見は人の数だけあり、同じ人の意見も時間と共に変化して当たり前だと思っているわたしなんぞは、これからブログやテレビやネットから受け取る情報によって考えが変るだろうと自己分析しています。
9月11日には、そのタイミングで何を考えているかを投票したいと思っています。
Posted by AMITY at 2005年08月25日 11:28
AMITYさん、こんばんは。私もずいぶんと自分が良いと思っていることが変遷してきています。いろんな情報や意見を聞くことで、自分の考えが深まったり、状況が変われば当然選挙で支持するのも変わってきて当然だと思います。
私も政党のサイトとかを覗きながら、改めて自分が支持したい人や政党を見極めていきたいです。コメント&TB有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年08月25日 18:47
こんにちは。色々悩みながら読ませていただきました。この記事を読んでて色々引っかかりました(批判してるのではないです。そのように受け止められたらすいません。ただ、疑問を感じて引っかかったということです。色々悩んでいますので…)。

その1
>せいぜい10年から20年の自分の安泰を求めて30年後の国益を放棄する

という文章がありますが、この場合の国益というのはなんなんでしょう?

その2
>だとしたらより重要でない所を削るのが一番なのも明白だ。

とありますが、綿貫氏の話http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/305.htmlでは、郵政事業は全体として黒字計上であり、また衆議院議員ジミ氏によればhttp://www.jimisun.com/yusei.htm郵政の公務員の給料は全て郵政事業の利益から出されているということで、僕には削るメリットがよくわかりません。少なくとも国庫には影響がない、と取れますが・・・

初めて政治について考えたのでまだ賛成すべきか反対すべきかわからないです。偶然ネットで辿りついただけの人間ですが、よろしければ解説いただけると有難いです・・・
Posted by 郵政民営化に迷う青年 at 2005年08月29日 20:41
郵政民営化に迷う青年さん、こんばんは。あくまでも私個人の思うところでしかありませんが、お尋ねされた事に答えてみますね。

①について。どうしても抽象的になってしまいますが、あえて言うと資金循環の点で同じ金額(例えば100万円)を官で使う場合と、民で使う場合とでは経済波及効果が異なってくると思います。官で使った場合、仮に1000万円の経済波及効果があったとしたら、民だと5000万円とか(この辺りは、マクロ経済のモデルを使って説明されますが、済みません。ここではそこまでの説明は省略させて頂きます)。当然、経済波及効果が大きい方が、国民総生産も増加しますし、税収も増加します。
また、同じ金額を投資しても、民間では市場の下で常に競争圧力にさらされるので費用対効果がより良い物になり、最大効果をもたらす方向で進んでいくと思います(談合発注の可能性が低くなります)。
結局、日本の経済をより効率的な資金循環で発展させて、それに伴う税収増が長期的な国益になるのではと思います。雇用増や社会的安定といった副次的な効果も大きいですし。

②について。黒字になるのは、端的に言うと郵便料金が割高に設定されているからだと思います。ヤマトが親書の取り扱いを求めていましたが、永年通信の自由という条文の下に、却下されていますが、これにより郵便局は独占企業として儲かる金額設定が出来た点も見逃せません。ヤマトが郵便料金について、郵便局の半額で行えると言っていたのもあながち嘘ではないと思います。メール便や宅急便により、競合した部分の郵便料金が激減したのからも明らかかと。逆に、民営化して自由競争下で料金が安くなれば、それこそ国民経済全般に対してメリットだと思います。
また、これは自民党が声高に訴えていて、いささかいやらしい話ですが、民間にすると今まで国の施設として税金負担が無かった固定資産税や事業税の増収によるメリットも大きいと思います。
また、郵便貯金に関して言えば、国債での運用ということでそもそも損をしない枠組みでシステムとして機能しているのも、大きな問題かと。本来ならば、民間で引き受けてもらえるか否かで、国の赤字国債発行額にも制約がかかるはずなのに、郵便貯金の存在は、その自立的な赤字抑制機能を損なっているようにも思われます。
以上のようなこと(まだ一部ですが)が組み合わさって②への答えになるかと思います。

コメント欄ってちょっと長く書くと、書きにくいし、私の説明不足もあると思いますが、こんなふうに私は捉えています。

少しでも参考になれば幸いです。勿論、私も専門家ではないのでもっといろいろな方の意見を参考にされた方が間違いないとは思いますが、複数の人の意見を比較すると、いろいろと見えてくるのもあって興味深いです。私もそれで、結構自分が間違っているのに気付いたりしましますんで(苦笑)。コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年08月29日 22:17
迅速かつ丁寧な返信有難うございます!実は俺、今回の選挙が初選挙なんです(笑)類まれな幸運と思うので、頑張って色々調べ続けようと思ってます。

1について、なるほど、官でやると内輪で金の流れが止まってしまうということですね。経済波及効果ですか。公民も倫理だった自分には新鮮なお話です。具体例がないのはやはり難しいところですが、自分で出来るだけ調べてみようと思います。

ただ、雇用が増えるというのはやはりよくわからないかもです(^ ^;)現在の郵便サービスって、問題がほとんどない気がするので、人が減ることはあっても増えることは無いような。

でも大体わかりました。有難うございます。勉強になります。

2です。料金の削減についてはなるほど、という感じです。しかし、ユニバーサルサービスってやつと折り合いがつくのかはちと疑問ですが(メール便の状況からしてあながち不可能でないかもしれませんね)。もし本当に安くなるなら良いことですが、正直わからないと思います。
税金の問題については、郵政公社でも50%の税金がかかっているということが気になりますなぁ。
郵便貯金の運用のシステムについては難しくて正直よくわからないかもしれません。一番の問題点らしいというのはわかりますが、「じゃあそれが無くなったらどうやってやりくりするのか」というのが釈然としないところです。
ただ、郵便貯金が多額のお金を集金できるのは、国という後ろ盾があるからじゃないでしょうかね。民営化したら自分は銀行に全部預けることにしようかと思ってます。不安なので。

ご回答有難うございます。今日一日色々考えました。継続的にネットをチェックして勉強していきたいと思います。あ、もちろんまた来ますよ。では今日はこれで。
Posted by 郵政民営化に迷う青年 at 2005年08月30日 00:54
郵政民営化に迷う青年さん、初選挙だったら、今回は素敵な機会ですね。いつも以上に、投票する価値を実感できるような気がします。

いろんな人がいろんな意見を持っていますし、立場が違えば、同じものでも見方が変わってくるかと思いますが、是非、比較検討しながら、ご自分の一番納得のいく意見で投票されて下さい。それが一番だと思います。

もっともえらそうなことを言っている私が初投票の時は、本当に何も分からないまま投票してしまいました。お恥ずかしい話ですが(苦笑)。

それでは、私も今後の政治動向を最後までしっかりみたうえで、投票に行きたいと思います。有り難うございました。






Posted by alice-room at 2005年08月30日 18:06
はじめてコメントします。結論から言うと、私はあなたの意見には賛成できません。私は今回の郵政民営案には多大な疑問を持っています。以下、それについて書き込むので、ぜひ反論を期待します。さて、まず、郵政民営の議論の出発点は財政投融資改革だったはずです。郵貯や簡保によって集められた資金が財投という形で特殊法人や不要な公共投資に回るという構造を改革するというものでした。これについては大賛成です。そしてこの構造を打破するために、郵便事業は日本郵政公社に生まれかわり、財投への資金の直接的流入は終わったわけです。もっともまだまだ財投債の問題がありますが、基本的には郵貯資金の問題は是正の方向に進んだわけで、ここでまたなぜ郵政公社を完全民営し、株式を市場に売り出さなければならないのか、ここが最大の問題です。郵政公社の株式総額は優に兆円を超える規模になるでしょう。これだけの株式をどこが吸収できるのか、言うまでもなく、その多くはリップルウッドやリーマンブラザースなどの外資にわたるはずです。郵貯は明治以来、日本人が営々と築き上げてきた国民的財産です。それを外資に売り渡す意図はどこにあるのか。それはもう1点だけ、株式の売却による巨額の売却益による財政の再建しかありません。でも、それは過去の国民の財産の切り売りであって、構造改革も糸瓜でもない。私に言わせれば、それこそ孫子の世代に渡すべき貴重な財産を売りわたす自爆的行為に他なりません。この時点で、なぜ完全民営なのか、そして私たちの生活がどうしてそれで豊かになるのか、私にはまったく理解できない。さらに、小泉は「民間でできるものをなぜ官でやるのか」という。では聞きましょう。私立の小中学校があるのに、なぜ公立の小中学校があるのか、私立の病院があるのになぜ公立の病院があるのか、救急車はなぜ無料なのか、水道はなぜ公営なのか、消防署はなぜ公営なのか(江戸時代の火消しは民営だった)、なぜ郵便だけが民営でなければだめだと言うのか。国家が国家として成立するには全国民があまねく享受できるような公的サービスが不可欠です。郵便事業が公的な存在なのは世界的な常識です。万国郵便連合加盟の国150(これはうろ覚え)のうち、民営なのはドイツ、ニュージーランドなど10に満たない。しかもドイツもNZも民営化によって国民生活に多大な影響が生じて、民営化は失敗だったといわれています。また米国でえさえ、郵便は公営です。そこで再び問いましょう。なぜ郵便は民営化でないといけないのか。公務員を減らすというなら、国民の税金で食っている公務員を減らすべきで郵政は独立採算です。公務員減らしなら、自衛隊員を半減するほうがよほど効果的です。さて、いささか長く書きすぎましたね。あなたからの反論をぜひお待ちしています。
Posted by ふじおか at 2005年09月03日 00:47
ふじおかさん、コメント有り難うございます。反論をご期待とのことですが、誠に恐縮ですが、当ブログはそういった目的のものではございません。あくまでもダ・ヴィンチ・コード中心の趣味のブログですので。

そもそも私は基本的にみんなが同じ考えを持つよりは、個々人が異なる自己の見解を持つのは素晴らしいと思っていますし。今回の件で、みんなが政治に関心を持つことの素晴らしさが一番だと感じています。

ふじおかさんが述べられているのも、一つの見解でしょうし、それに相反する見解が無数に為されているのもご存知の通りです。例を挙げていうと、前提としておっしゃられたドイツポストの評価も、最高から最低まで人により様々です。

それ故、あえて私が述べる必要もないと思いますし、当ブログの性格から乖離する一方ですので、今後も個人的な感想はブログにも書いていきますが、それについて論争する気はございませんので御了承願えれば幸いです。

私は日本人が自分の判断で選挙に投票し、自分達の明日をリスクを負って決めていくのを当事者として見つめていく、この一瞬一瞬を楽しみにしてみておりますので。
Posted by alice-room at 2005年09月04日 13:41
alice-roomさん、ご返答ありがとうございます。論争はしないということなので、私もこれ以上の議論はやめておきます。ただ、私は今回の選挙で小泉自民党に勝たせることは、日本の将来にとってもっとも愚かで取り返しのつかない選択であると考えています。私はこのブログのきわめて知的な雰囲気が好きですし、このようなブログを構築された貴兄にも敬意を持っています。それだけに、今回の郵政民営化に関する貴兄の意見は意外でしたし、残念にも思いました。このコメントは本来ならメールで書くべきものかもしれませんが、アドレスがわからなかったのでコメントにしました。貴兄がごらんになったら、どうぞ削除してください。最後に、もし時間あったら、下記のブログを覗いてみてください。それでも今回の郵政民営化案を支持されるでしょうか? もうコメントする機会もないと思います。どうぞお元気で。ブログは今後も楽しみに拝見させていただきます。
http://tech.ciao.jp/blog2/archives/2005/09/post_85.html
Posted by ふじおか at 2005年09月08日 01:10
ふじおかさん、こんにちは。サイト拝見しました。そういったことは知りませんでした。原文の英文をそのまま読み取ることができないので、正直私には、それがどこまで真実か分かりません。でも情報は複数ソースを持つことで、判断材料になりますし、私も考えるきっかけを与えて頂いたと思います。どうも有り難うございました。

そうですね、ご参考までに先日読んだ記事でちょっと面白かったもので、「週刊エコノミスト」2005年7月5日号P48より、宮脇淳氏が学者の立場から、郵政民営化を扱っています。ネット上で見れないので恐縮ですが、これも一つの見解でしかありませんが、参考になるかもしれません。もっともこの学者さんが言われているのも、納得のいかないところがあるんですけどね。お近くの図書館等が利用できると置いてあると思います。

まあ、複数の情報ソースの一つとして参考になるかもしれません。どうも有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年09月08日 14:22
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