2005年08月14日

ギュスターヴ・モロー展 Bunkamura

ギュスターヴ・モロー展 公式サイト

今日はちゃんと遅刻もせずに、渋谷で待ち合わせ。大好きなモロー展へ向かう。モロー美術館からたくさんの作品が借り出されているようで、ちょっと楽しみ。お盆でしかも朝だからかなあ~、予想以上に人が少ない。人込みが苦手な私にはなんとも嬉しい限り。のんびりと絵を楽しむ。

一角獣

今回の一押しは、やはりなんと言っても「一角獣」。こいつはやっぱり傑作でしょう。ご存知の通り、一角獣(ユニコーン)は処女(おとめ)にしかなつかない難しい生き物なのですが、これが実に見事に描かれている。モチーフも好きだが、いかにもモローらしい、非常に尊かい線画のような属裳の模様や飾り、もうあの魔力的な美しさには忽然としちゃいます。そんな装飾に彩られた少女もまた、魅力的なんだよねぇ~、ほんと大好き!! まさにモローにしか書けないモローの一角獣ですね。特別な霊獣である一角獣がまるで子供のようにおとなしくなついてしまうのもあにはからんや?ってね。

一角獣

私なんかも、もうすぐになついてしまいそうです(って、オイ)。もう一つの一角獣もいいよ~。これも好きですね。

逆に、ちょっとなあ~少しだけ不満があったのが「出現」。勿論、モローにとっては定番中の定番ですが、ちょっと前に西洋美術館で来てた「出現」とは違うものですね。タイトルは一緒だけど。今回のは、ちょっと好きになれなかった。繊尊な文様はしっかりあるのですが、どうも首の浮いている位置がしっくりこないような気がしてしまって…。決して悪い作品ではないのですが、単純に私の感性にあわなかったなあ。う~ん、展示の仕方も良くないように感じました。モロー美術館は、本当に素敵な小宇宙であり、何よりもあの螺旋階段も良かったのになあ~。そういった雰囲気も含めて、モロー美術館の収蔵品を展示して欲しかったかも? 別に西美の回し者ではないですが、あちらの時の方が展示も良かったと思います。

出現

でも、今回のもそれなりの作品は揃ってますので、見ておいて損はないです。今回の展覧会では前期と後期で展示物の入れ替えがあるそうです。既に、次回分のチケットも入手済みですので後期のも楽しみにしています。どんな作品が見れるかなあ~。

最近、モロー展が多いけど、そんなに人気があるのかな? 確かに数年前にパリのモロー美術館に行った時には日本人が多数来たので、日本語用のパンフレットとかなくなってたけど。数年に一度くらいの割合でやってくれると嬉しいなあ~。

ケンタウルス

そうそう、このケンタウルスも結構好きだなあ~。あとヨハネの斬首もありましたよ~。これもそこそこイイ。ここで紹介したものは、絵ハガキから取り込んで加工したものです。他にも綺麗なクリアファイルとかありました。お金ないので我慢しましたけどね。

何故なら、その後、渋谷の東袖デパート古書市に出掛けたのでした。つまり、軍資金確保の為に自粛。

8Fに上がってみると、思ったよりもたくさんの売り場面積がありました。昭和時代の本をだいぶ多かったですね。で、当然隅から隅まで一通り見ましたが、欲しい本は一冊も見つかりませんでした。ちょっと関心があるかなあ~って本も値段が高いのでパス。今回だけは珍しく幸運(不運?)にも本を一冊も買わないで済みました。パチパチ~、大快挙達成!!

なんとも嬉しい限り、実は来週、西武池袋で古書市があるからね。当然、そこにも行くし。これで八月はもう買わなくても済むかな? それ以外にも絶版になりそうな本があって、それらを今買うか、もう少し我慢して買うか思案中。本当に日々、悩みが多いです。ふう~。

関連ブログ
聖チェチリア(モローの画像有り)
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
posted by alice-room at 00:03| 埼玉 ☔| Comment(19) | TrackBack(14) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
モロー繋がりでTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
仰るとおり、「一角獣」は傑作ですよね。
今回は、「羨ましい」の一言につきます。(笑)いいな、いいな、、、、、、。
Posted by lapis at 2005年08月14日 00:27
《一角獣》は色彩も構図も素晴らしいですね。でも原題は"Les Lincornes"と複数形だから《一角獣達》とした方が正しいような、、、。別の1頭だけの作品の場合は単数形で"La Licorne"とちゃんと使い分けされてるのに。なんてちょっと細かいですね(^^;;
Posted by Megurigami at 2005年08月14日 00:58
あらまー。
また、行かねばならんものがひとつ増えてしまいました。
上京往復するだけでお金も時間もかかるからしんどいなぁ。嬉しい悩み。切実だけど。
まさに単眼鏡に相応しい展覧会かもしれませんね。忘れないようにしなくちゃ。
Posted by マユ at 2005年08月14日 01:55
こんばんは。

私も観てきました。一角獣、よかったですね...
この展覧会を観たら、モロー美術館に、ますます
行きたくなってしまいました...

TBさせていただきます。
Posted by lysander at 2005年08月14日 02:12
はじめまして TBありがとうございます。
一角獣すばらしかったですね!部屋に飾りたくなりましたが、300円のファイルでがまんしました。私も後期行けたらいいな。
Posted by ミュ at 2005年08月14日 09:23
兵庫県でもやっていたのですが
行きそびれてしましました。
関西圏の私にとっては近かったのにね(笑)
Posted by ともみ at 2005年08月14日 10:17
lapisさん>この一角獣は観る者のハートをしっかり押さえてしまいますね。久しぶりに大満足でした(笑顔)。

Megurigamiさん>こんばんは。な、なるほど~。しっかり原題には、そういうふうに書かれていたのですね。日本語のタイトルと絵ばかりに見とれていて、そこまで気付きませんでした。他の絵画でもそうですが、原題と日本語タイトルでずいぶん意味が違っている時もありますよね。(私が気付くのはせいぜい英語の時だけですが)特に、絵の解釈が幾通りもあるような時には、その影響もタイトルに出ていたりする時があるようにも思います。今度から、絵を見る時には、私ももっと注意してみようっと。コメント有り難うございました。

マユさん>じっくりと単眼鏡でご覧下さいませ。やっぱり、なんだかんだ言ってもモローはいいですね(ウットリ)。そうそう、後でまたブログに書きますが、弥生美術館で高畠華宵を展示しています。お時間があれば、こちらも是非どうぞ! 何気に好きなんですよ~この方も。すみません、あれこれと、勝手に進めるだけ紹介してしまいまして。

lysanderさん>こんばんは。コメント有り難うございます。いいですよねモローは、ホント。是非&是非、機会があれば行ってみて下さい。住宅街の中にあって分かりづらいですが、人に聞きつつ探して下さいね。あっ、その際は開館時間に御注意! お昼は閉まってます、2時間くらい。気をつけないとそのせいで見れない場合がありますので御用心を。


ミュさん>こんばんは。こちらこそ初めまして。ファイルもとっても綺麗でしたよね。誘惑に負けて今度行く時に買ってしまいそうです。うちにいろんな展示会のファイルがまだあるのですが…。コメント有り難うございました。


ともみさん>そういう時ってありますよね。私も何年か前に西洋美術館でモロー展をやっていた時、 開催を知りつつ、行こうと行こうと思っていたのに、結局いけなかったことがありました。でも、またチャンスはありますよ、きっと。その時には是非!!
Posted by alice-room at 2005年08月14日 23:11
なぬ。経済援助希望(笑)
弥生美術館に行ったら、付属してる喫茶の二階で懐かしのオムライスも食べなきゃならんではないですか!
モローのほう、会期が長くて一安心していたのに・・困ったもんじゃ。
Posted by マユ at 2005年08月14日 23:51
えっ、授業料ですか? 私の出世払いにしといて下さい。じゃなかったら、某杉田さんのようにセレブでも見つけて下さいね!(笑)

華宵の方は、常設だと思うので特別展メインでなければ、焦らなくてもいいと思いますよ。モローとあわせてのんびり行って下さい。一応、ブログもアップしときました。
Posted by alice-room at 2005年08月15日 13:43
・・・某○田さん、大方の予想を裏切らず見事にセレブ失敗したじゃありませんか(笑)
不慣れなことは手出しせぬがよろし。(私のことね)。
新記事、後ほどうかがいます。
Posted by マユ at 2005年08月15日 15:49
えっ、お金だけ慰謝料として頂いて、あとは自由な独身生活。それはそれでなかなか幸せかも~?
って思ってました(ちょっと、斜めに見過ぎかな)。

うちのブログは内容がないけど、量だけあるので時間のある時に斜め読みして下さいね。まともに読んでたら、生活に差し支えますので(御辞儀)。
Posted by alice-room at 2005年08月15日 23:43
TB&コメントありがとうございます。
僕は前期に行けなかったので、後期すごく集中して見ました。
平日の午後だったのでとても空いていてよく見られましたよ。
ただ前期にしかなかった「ケンタウロスに運ばれる死せる詩人」が見られなかったのは残念でした。後期のオススメは「夕べの声」です。よかったですよ。
「一角獣」は本当に感動しました。
モローというとサロメに代表される残酷な女性像を確立したイメージが強く、教科書にも生首を持つサロメが載っていますが、この絵の清清しい感じもモローなんですよね。
こっちが表に出るとイメージ的にももっと楽しい絵だということが伝わるのにな、なんて思いました。
Posted by 秋山亜軌 at 2005年10月01日 00:43
秋山亜軌さん、こんばんは。本日、またまたモロー展観に行って参りました。二度目でもやっぱり良かったです。おっしゃられるようにケンタウルス~の無かったですね。ちょっと残念かも?3人の女性が描かれた「夕べの声」、私も結構好きです。モローは何度行ってもいいですね!やはり。
コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年10月01日 23:37
こんばんは♪

コメントありがとうございます。
本来ならこちらから、TBする際に足跡残すべきところ
無作法をいたし申し訳無いです^^

モロー、Yockも好きになりそうです^^
これからもお邪魔させてくださいね

では、おやすみなさい
Posted by Yock at 2005年10月23日 21:28
Yockさん、こんばんは。無作法なんてとんでもないです。わざわざコメントまで頂きましてどうも有り難うございます。こちらこそ、これからも宜しくお願いします。おやすみなさいませ。
Posted by alice-room at 2005年10月23日 21:35
alice-roomさん、こんばんは
モローつながりということでTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
今さらですが、モロー展行きたかったです。(笑)
やっぱりモローは良いですね!
Posted by lapis at 2006年03月12日 02:10
モローTBどうも有り難うございます。モロー展をやると、たいていの場合はかなりの人が入りますのでこれからも何度かやると(勝手に)確信しております。次の機会にでも是非、ご覧下さい。などと言いつつ私も見に行くと思います(ニヤリ)。
Posted by alice-room at 2006年03月12日 09:24
TBありがとうございました。
モロの本を読んだ直後だけに、猛烈にモロー展に行きたくなってきました。(苦笑)
是非とも、また開催して欲しいものですね。
Posted by lapis at 2007年03月07日 21:25
本当に、次回開催を期待しちゃいますね。日本ではモロー展の人気も高いですし、人も集められるから、また4,5年も待たずに企画してくれるのは? な~んて勝手に思っていたりします。
モローのいろんな絵を見たいですねぇ~。
Posted by alice-room at 2007年03月07日 22:28
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