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先日読んだ本「サファイアの書」がまさにこことアルハンブラ宮殿(グラナダ)を舞台にしており、TVで放送されて内容も既知ではあったが、映像で確かめられたのですっごく良かった! トレドの大聖堂になる聖体顕示台。まさに金銀で作られてエメラルドやルビーといった宝石で飾られ、往時の繁栄が強烈に想像させられてしまいます。すごい、半端じゃなく金かかってます。
そればかりでなく、中世のキリスト教にとっての最先端の学問・知識はほとんどアラブ経由であったことは有名であり、映画「薔薇の名前」にも見られる通りだが、その辺の事をそれなりに分かり易く説明してくれていてとっても楽しかった。
ギリシア以来の西洋古典知識が、ヨーロッパにおいて混沌と混乱の中で失われていく一方、それらの知識をアラビア語に変えて保存し、蓄積していたのがイスラム教徒であった。トレドは、キリスト教とイスラム教が目まぐるしく入れ替わるイベリア半島にあって、その両者の架け橋となり、保存されていたギリシア知識をローマ・カトリックに引き継ぐ西洋の学問の中心地であった。
というのもトレドは当初、宗教的に寛容であったのでイスラム教徒、キリスト教徒の他にユダヤ教徒がおり、語学に堪能なユダヤ教徒がイスラム教徒の言葉をスペイン語に翻訳し、キリスト教徒がスペイン語からラテン語に翻訳するという形で、ラテン語による知識の蓄積を支えていたのであった。(この辺が実に分かり易く説明されていてイイ!)
しかしながら、レコンキスタ(国土回復運動)が進み、スペイン王国が成立してキリスト教による悪名高き異端審問が行われるようになると、ユダヤ教徒、イスラム教徒が迫害されていく。その結果、彼らの協力が得られなくなった知の最先端地域トレドは、歴史に埋もれていってしまう。
まさに、この迫害が生じた頃を描いたのが前述した「サファイアの書」で。内容がイヤってほど、リアルに詳述されていて本の内容と番組がオーバーラップしてしまいました。小説の中では、異なる宗教の権威者がそれぞれ協力して聖なる至宝を探し出すというアドベンチャー物なんですけどね。一種の宝探し小説だったりする。
それはおいといて、トレドの魅力をなかなかうまく映像化してます、ホント。教会から買った建物をホテルにしたという人物。改修中に、掘っていくと15世紀中世の壁が出てくる。更に改修を進めると、地下に大きな空間が。2000年前のローマ時代の石組みまで出てくる。いいよねぇ~、こういうのがたまらなく好き。ローマとかもこんな感じだよね、歴史と共に、日常を生きるってなんかいいなあ~。トレドもローマの植民地から始まったのかな? ヨーロッパの大都市ってたいがいこのパターンだね。ふむふむ。
しかし、これ見てたら、やっぱりトレド行っておきゃよかったと思う。以前、行った時はバルセルナとマドリード、グラナダの3ヶ所を回るので精一杯だった。本当はトレドも考えていたけど、距離的・時間的に無理でね。スペイン国内も飛行機で移動してたし。あ~あ、行きたかった。メスキータだっけ?あれも見れなかったし…。
中世好き、大聖堂好きにはお薦めですね、トレド! うん、この番組は良かった。当初は、レポーター役のアナウンサーがでしゃばってせっかくの映像を台無しにしていたけど、今は適度に押さえ目で映像を邪魔せず、とてもいいカンジになってます。時々、見損なってしまうけど、できるだけ今後も見ていこうっと。楽しみな番組です(笑顔)。
2005年08月25日
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トレド
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初めて行った海外が、スペインで、最初に訪れた大聖堂がトレド。日本の教会すら満足に知らない無知な者には圧倒的な迫力に言葉を失ったものです。
もう一度行きたい場所です。
cafenoirさん>あっ、やっぱりそんなに良かったんですか。いやあ~、最近前にも増して大聖堂熱が上がってるので、「行きたい」病にかかってしまいそうです(苦笑)。うっ、行きたいです。コメント有り難うございました。