2007年11月04日

「幻の特装本」ジョン ダニング 早川書房

古書を巡る殺人事件を描いたシリーズ物の二巻目に当たります。前回のような暴力シーンは減ったものの、やっぱりアメリカのベストセラー小説なんでしょうね。SEXとバイオレンスは必須みたいです。

私的には、そういったしょうもない付け足しが無かったら、大いに楽しめる娯楽小説として評価するんだけど、毎回、興をそぐそれらのお約束シーンにげんなりします。陳腐。

その為、評価もどうやっても並の上ぐらいにしかならないけど、面白いのは事実です。本に関心のある人なら、心惹かれる要素があります。でも、本を安易に金・金・金で評価しているのはどうなんですかねぇ~。

今回稀稿本として出てくるのは、限定出版された装丁や活字に凝った特装本。勿論、素晴らしいものもあるのでしょうが、私的には一番興味あるのは本の内容なんだけどねぇ~。

全てをお金に換算して評価するアメリカっぽいと言えば、アメリカっぽいのだけれど、どうしても違和感が残る。イギリスとかだったら、こういう話にはならないんだけどねぇ~おそらく。

でも、本の世界の話としてはそれなりに面白いと思います。但し、アメリカでいい本が作られたなんて話は聞いたこともないし、私には信じられないんだけどなあ~。お金で購入する事はあっても、決して生み出さない国というのが、私のイメージだったりする。偏見だとは思うのだけど、アメリカで印刷した本(出版社がアメリカなのはOK)を購入したいと思ったものないしなあ~。

実は、数日前に読めもしないフランス語の本を買おうとして、入手できず、いささか不機嫌な私です。ちっ、惜しかったなあ~。別なところの洋書のバーゲンフェアでも掘り出し物が見つからず、今週は全然ついていない私です。

くじけずに古書展を回るかな・・・本書の主人公とは違い、掘り出し物は手元に置いて眺め、一人悦に入るアイテムにしちゃう私です。気に入ったら本を売るなんて死んでも嫌ですね。逆に要らない本は、頻繁に売ってしまうけど。

古書店は利用したいものの、自分がなりたいとは一度も思ったことがない私でした。従って、本が好きで古書店主になるという主人公にも共感できないんだけどね。むしろ、本好きが一番なってはいけないのが古書店主のような気がするんだけどなあ~。

単純に宝探しをするだけなら、割安な株買って、株価の化けるを待った方がよほど興奮するけど、本探しは違うような気がする。

本としては面白いんだけど、どうしても素直に喜べない部分が残るシリーズです。正直、微妙。

幻の特装本(amazonリンク)

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「死の蔵書」ジョン ダニング 早川書房
ラベル:書評 小説 古書 古本
posted by alice-room at 19:28| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
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