2007年11月05日

「芸術新潮 2007年04月号 イギリス古寺巡礼」

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いつも思うが、芸術新潮は写真が大きくて綺麗なのがイイ♪ また写真の選択基準が普通の美術雑誌とは異なった独自の視点なのがポイントかと思う。

この号は「大特集 イギリス古寺巡礼―中世を訪ねる旅―」というテーマだったが、より具体的に言うと、イギリス国内のあまり知られていないロマネスク建築を訪ねる旅だった。

素朴だが、地元の人々にしっかり愛されている生きている歴史遺産。そんな感じで、いささかマイナーっぽいのを選んでいるセンスがなかなか素敵。

写真も普通ロマネスクなら、まず建築から入るものだが、かなりの部分が彫刻(洗礼盤含む)で占められているのは珍しい。また、ラザロとマグダラのマリア、マルタが共に描かれた「ラザロの復活」に関する彫刻などもなかなか楽しい。

文章はエッセイに紀行文が混ざったような感じで、予備知識無しに誰でもが歴史への旅として気軽に読めるようになっている。非常に間口が広い。だからこそ、今時雑誌が売れない時代にこれだけの値段を設定できるのだろう。

その反面、まともにロマネスクに関心を持って読むと、知的好奇心を満たすだけの水準には程遠いのも事実だ。想定読者層が明らかに異なるのだから、これは無いものねだりかもしれない。

あくまでも割り切って眺める分には大変楽しいと思う。ただ、料理の記事は、いかがなものか? 個人的にはかなりうざいんだけどなあ~。料理のことは、料理の本読めばいいと思うのだけど、総合誌の辛いところでしょうか・・・。

芸術新潮 2007年 04月号(amazonリンク)

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「芸術新潮1999年10月号」特集「黒い聖母」詣での旅
「芸術新潮1996年10月号」生きている中世~スペイン巡礼の旅
「ロマネスクの美術」馬杉 宗夫 八坂書房
「図説 ロマネスクの教会堂」河出書房新社
「ロマネスクの図像学」(上)エミール マール 国書刊行会
posted by alice-room at 21:44| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2007-11-07 22:54