それよりも、如何にしてこの組織が生まれ、発展し、当時の政治・社会情勢において大きな影響力を有する組織であったか、そしてその組織が如何にして廃止されたかまでを、数々の資料をもとにして説明していってくれます。これ以上は無いっていうくらいの正統派の歴史の本です。
本書の中でも、軽く触れていますが、歴史学的なものを装って適当な憶測や噂だけを助長した本や雑誌がいかにあてならないか。また本書は、それとは対極にあるものです。まあ、正直興味がないようなことにも非常に詳しく説明されているんですが、それはしょうがないでしょう。事実とは、個々の何の変哲もない事柄の積み重ねであり、それが歴史の土台ですしね。でもこれを読むとの当時の政治情勢や駆け引き、人びとの物の考え方など、しっかりと納得がいきますね。人がいるところ、常に『政治』があり、なんとしても勝たねばならぬ!そういうことを痛感させられますね。
正義が勝つのは、童話の世界だけであり、「勝てば官軍」は皮肉でも揶揄でもなく、単なる事実なのかなあ~とも思いました。勿論、勝利に正義があれば、それはより強力ですが、必ずしも正義が勝てると限らないのも普遍ですね。これは現代でも変わらないのか???
あまり悲観的な歴史観も気持ちのいいものではありませんが、たまにはこういうきちんとしてものを読んでおかないと、オカルト本に影響されちゃうからなあ~。話としては夢があって、オカルト本やトンデモ本もいいですが、そればかりだと正常な判断力が失われるので、時々こういうのも読まないとね。きちんとバランスをとって、土台はしっかり押さえたうえで、いろいろな仮説を楽しみたいですね!
そういう意味では、読んでおいて良い本かも? ちなみにテンプル騎士団は、捉え方によって幾通りにも多面的に捉えられる複合的な機能を有する組織ですので、商業面や軍事面、宗教面とか、他の切り口の歴史の本も読んでみたいですね。
それからだよね、錬金術うんぬんとかは…。
テンプル騎士団(amazonリンク)
関連サイト
松岡正剛の千夜千冊「テンプル騎士団」
またも、僕の積読本のご紹介ありがとうございました。(笑)文庫クセジュは、良い本が揃っていますね。「錬金術」「死海写本」等も積読状態です。(苦笑)
テンプル騎士団とくれば、大抵は、オカルト本やトンデモ本ですので、真面目な文庫クセジュは貴重ですよね。澁澤龍彦が何かで書いていましたが、文庫クセジュが揃うと百科事典になるそうです。とても揃えられませんが。(笑)
だって、次に読もうかなと思っているのが、同じくクセジュの「錬金術」だったりしたんで…絶句しちゃいました!
でも、確かにクセジュが揃うと百科事典になりますね。逆に読んでいて感じたのが百科事典のノリをそのままに記述の量だけ増やしたものが、まさにこの本だったりします。的確に言い当てられてしまったと思いました。さすが澁澤さん&lapisさんですね。
次はちょっと軽めのいった後で、錬金術かなあ~(笑)。
ところで、チスタチエンザ会は日本ではシトー会と呼ばれているのがわかりました。それならAlice-roomさんもご存知でしたでしょうね。私が物知らずなので惑わせている事でしょう。だから訳せば↑はクラヴォーのベルナドスまたはベルナールです。お騒がせ。
と、それはおいといて。
そうですか、シトー会ですか(大きく手をうって首をタテに頷く)。いえいえ私の方こそ、何も知らなくて。国や場所によって当然名称が異なりますもんね。テンプル騎士団だって、日本語の訳だと聖堂騎士団とか様々な訳語が当てられてますもん。難しいもんですね。
教えてもらえば、なるほど~って納得いきました。ベルナールといえば、当時の超・有名人ですもんね。いや~お恥ずかしい、気付きませんでした。テンプル騎士団の会則を作った方だったんじゃなかったかな?
いろいろ教えて頂き、有り難うございました。