【VOICE OF INDIAより以下、転載】凄いねぇ~、確かに四大文明発祥の地だし、仏教が興った土地だもん、たくさんの古写本があっても当然ですね!
インドの知恵の大部分は、家や寺院、学校、文化機関などに所蔵される古い写本に詰め込まれている。インドで印刷技術が普及する前に書かれたものも少なくなく、それらはヤシの葉、羊皮紙、木などに書かれている。美しいイラストやカリグラフィーと共に書かれたものもあるし、古い寺院や僧院などの記録に過ぎないものもある。
二大叙事詩「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」には数え切れないほどの異伝があり、真言、賛歌、聖典は、インドの宗教的、文化的、社会的伝統を記録している。南インドの歴史的市街地や学問の中心地、またガンガー河沿岸の都市などには今でも、知られざる宝が埃をかぶり、朽ち果てながらも残っている。
インド政府は数年前、それらの貴重な文化財を収集・保護するための国家写本ミッション(NAMAMI)を始動させた。この事業のユニークな点は、現代技術と古代文化の融合にある。写本はそのまま集められて一ヶ所に所蔵されるわけではない。それらはスキャンされ、デジタル形式で保存される。最新技術を使い、それらを後世に残すのである。
まずは、ボランティアのソフトウェア・エンジニアたちが、多国籍企業向けの仕事の合間に写本保存のためのソフトウェア開発を行った。その統括はバンガロールを拠点とするマハーバーラタ研究基金が行った。写本収集家、碑文研究家、さらにインド科学大学バンガロール校やインド遺産グループといった有名な機関の協力も受けた。このような過程を経て、各種素材や媒体に、さまざまな言語や文字で記された写本を記録するソフトウェアが完成した。
このミッションは昨年までに、インドの膨大な写本を収集・保存するため、何百もの寺院、文書局、機関などに働きかける段階まで来た。NAMAMIは1年を通してインド全国の15万の写本を特定し、2007年にさらに40万を獲得することを発表した。
ミッションを先導するスダー・ゴーパーラクリシュナン計画部長は、科学的、美学的、精神的価値のある古い写本をすべて収集することを決定した。特に、劣悪な状態にある消滅の危機に瀕する文書の保存に重点が置かれた。
南インドのスィッダ医学派、オリッサ州の宗教文書、カシミール峡谷の美しい美術コレクションなど、失われつつある古代の知恵の保存もプロジェクトの一部である。インディラー・ガーンディー国家芸術センターもNAMAMIの支援を行っている。
科学者でもあるAPJアブドゥル・カラム大統領もプロジェクトを注意深く見守っており、インドの古代遺産を保存するためにナノテクノロジーの活用を主張した。2007年には、文化省の支援により移動バンが導入され、ミッションのさらなる進展が期待されている。このバンにはハイテクスキャン装置が積み込まれており、山の中にいても衛星を通じて結果を送ることができる。このように、NAMAMIはインドの至る所に存在する写本を見つけ出し、子孫のために残そうとしている。
バンは、この途方もないミッションを遂行するため、南インドの歴史的都市マイソールを出発した。ミッションの発案人であり、責任者でもあるラーマチャンドラ・ブディラールは、これまで記録されたインドの写本はまだ全体の0.1%ほどに過ぎないと推定している。
人間の想像力にとって、何世紀も前に書かれた知恵の海を思い浮かべることは大変なことである。ブディラール氏はバンガロールにいながら、遠隔操作によってバンにアクセスすることができる。NAMAMIのセンターはバンガロール、デリー、チェンナイに置かれており、スキャンされた文書の衛星画像を受信することができる。その後、画像は美化処理され、システマティックに保存される。バンに積み込まれたソフトウェアの価格は約1,000万ルピーであり、セキュリティーシステムも搭載されている。すべてのデジタルファイルは国家デジタル写本図書館に保存される。
ミッションはインド国内に留まらない。古代インドの医療写本が多数発見されているインドネシアやカンボジアでも同様の作業が行われる予定である。パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ミャンマーなどでも写本捜索が行われる。これらの国々は、古代にはインドの一部であり、同じ遺産を共有している。よって、インドの古代遺産に興味があるなら、寺院やグルドワーラーの埃っぽい棚を引っ掻き回す必要はない。今や、ナノテクノロジーを活用したスクリーン上で見ることができるのだ。
現物の保存も進めて欲しいところですが、まずはデジタル画像であっても残せるものなら是非&是非、保存して欲しいと切に思いますね。インドだけの財産ではなく、まさに人類の財産でしょう!
おそらく誰にも知られずに眠っている大いなる叡智の書とか、本当にありそう。ソフト開発がボランティアで行われている辺りも、インドのスソフト産業の興隆を想起させてなかなかタイムリーな感じがします。
そのうちにネットでその写本を見たりすることができる日が来そうですね。本当に楽しみです♪(笑顔)