ただ、非常に不可思議などよ~んとくすぶった重々しい感じが最初から最後まで全編を通して一貫して漂っています。なんか、異様な感じに囚われることだけは間違い無しです。
これはこれで強烈なスタイル(文体)を持った作家さんであることが分かります。少女達が次々と死んでいくのですが、謎解きはあるものの、どうにも私にはよく分かりませんでした。決して悪い意味ではないです。むしろ、不可思議な感覚が永劫に続いていくようで、かえってじわりじわりと響いてくる違和感というか、恐怖感があります。
すっきりと納得がいかないままに本は終わるのですが、どうにも生理的に異様な感覚が読後感として後引くカンジですね。
確かにそういう意味では現代的かもしれませんが、基本がしっかりしているのでうわべだけで全然怖くない最近のものとは違うから、読むだけの価値はあるように感じます。
設定としては、田舎の閉鎖された空間である地方が舞台。住民が未だにカトリック的な慣習に支配されている地域。そんな場所にあるカトリック系の学校に聖職者になることをやめて心理学の教師になった人物が赴任してくる。それから次々と連続自殺事件が起こり始める。
当然、疑われる余所者(よそもの)とそもそも彼をここに招聘した修道院長(兼、学校のトップ)の複雑で微妙な関係。修道院長が開く集会「殉教者聖ペテロの会」なるものとは?
分量が相当あるので秋の夜長に読むのもいいかも? 気になって眠れなくなりそうですけどね。途中でも、読み終わっても・・・。
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私は彼のしつこい暗さがとーっても苦手です。
少女殺すの好きだし(汗)
鬼才って言われてる人だけど、ほんとーに秋の夜長に
推薦しますか?ほんと?ほんとなんですね??
(笑)
あの異様な暗さを含めて、読んでいて鬱になりそうな感覚が新鮮だったもので・・・ついつい、一度くらいは読んでもいいかも?って思ったんですけど。
あっ、でも「眠れなくなるかも?」ってちゃんと言い訳も書いてありました。それでお許し下さいませ(お辞儀)。
実は、他の方の書評を読んでいたら、後味の悪い作品としてこの本挙がってました。私も同感なんですけど、文章だけでここまで雰囲気を生み出せるのは別な意味で才能かもしれません。
ただ、何冊か読むと食傷気味で鬱になる可能性は高いかもしれませんね。ちょっとだけ反省。