
だいぶ大きいサイズの画集で、大好きな絵金(=絵師金蔵)を扱っているというので楽しみにして購入したんですが、失敗した一冊!
頁数が少なく、サイズは大判でこの値段だもん、それなりのもの期待するでしょう。やはり。物の見事に裏切ってくれます、この本。全部がカラーなのは当然だけど、レイアウトというか写真の撮り方が完全におかしい? 大判なのだからわざわざ見開きにして2頁を使う必要ないのに一枚の写真を分けてしまっている。迫力を出したいのかもしれないが、1頁で済むを分かることでかえって見にくくなり、紙面を浪費すると共に、煩雑さが増してしまっている。

更に悪いことに、全体を写した頁の隣に、わざわざ細部を拡大しているがそもそも紙面が大きいのでそれらも一切が不要。中途半端に部分を取り出すことで主題から乖離してしまい、何がなんだか分からなくなっている。完全に製作者側の一人よがりで読者サイドの事が理解できないでいる。せっかくの絵金の作品が、色褪せて見える。
そもそも絵金については、テレビ東京の昔の番組「極めるⅡ」で絵金が採り上げられているのを見て、感動してしまったことに始まる。それ以来、ずっと気にはしていたが、特に調べていなかった。たまたま、アマゾンで見て衝動買いして失敗した(鬱)。相当ヒドイ本。決して定価では買わないように。きっともっと絵金の素晴らしさを教えてくれる画集があるはずですので。老婆心ながら、ご忠告まで。

絵金については、関連サイトを以下に挙げておくので興味のある方は見て欲しいですが、元々は町民の子供だったのが、絵がうまいというので土佐藩のお抱え絵師になり、苗字まで許されて大層出世した絵師でした。
若い頃からその才能を認められ、江戸にまで留学して基本をしっかり身に付け、周りの者が羨む出世を果たすのですが…。いつの時代でも出る杭は打たれる、ではありませんが、とある陰謀によって贋作を作ったことにされ、その罪故に、お抱え絵師の地位を失うのでした。

ですが、そこは大物。町絵師として以前にもまして自由な作風で素晴らしい作品を残していったのです。それが現在でも高知の赤岡町で見れるそうです。7月第3週の土曜・日曜日に、絵金祭りが行われ、大通りに沿った町内各氏子の家の軒先で、絵金の芝居屏風絵が一枚ずつ並べて置かれるんだそうです。これに是非、行きたくて!! 以前、TVで見たのもその祭りでの様子を取材したものでした。夏の夜に蝋燭で照らし出された、血色で毒々しいまでに鮮やかな芝居屏風絵。幻想的過ぎますって! う~、今年も行けなかった(残念)。
いつか行きたいなあ~、このお祭り。と、その前に絵金のいい画集が欲しいな。
絵金(amazonリンク)
関連サイト
絵金に関するページ 高知県立美術館
サムライ・ニッポンの異端画家 絵金
絵金祭りの写真
絵金の作品はやっぱり色彩が印象的ですよね!
新しい絵具にも大変興味のあった方だったようですね。
この毒と色気がある作品大好きです★
絵の具や画法にも、きっと積極的に新しいものへ挑戦されていたんだと思います。
でも、絵金祭りには絶対に行きたいですね!うっとりと魅入って恍惚としてしまいそうです(笑顔)。
うちの大学の先生が取材に協力してたみたいです!びっくり!
一応貼っておきますのでもしよろしかったらご覧になってください^^
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/frame/frame3.htm
学校の先生が協力されていたんですか?だったら、何か他にもいろんな資料をお持ちだったり、詳しくお話聞けるのでは?羨ましいなあ~。
そうそう、今日の日経新聞だったと思いますが、絵金に関する記事が載ってました。後で、うちのブログでも採り上げたいのですが、御報告まで。