
この本も以前、読んだかもしれません。今回は正直読んでも新鮮に感じなかった。面白いか否かと問われれば、面白いんですが、今回読んだ感想としては、まあまあってとこでした。
粗筋はというと。
本人も誰もが受かると思っていた科挙(中国の官吏登用試験)に落ちてしまい、呆然自失の時に、たまたま奴隷として売られていた西夏(西域の新興国家)の女を助けることになる主人公。その時にもらった布キレには西夏の文字が書かれていた。野蛮な国である西夏に、文明的な漢字がある。そして、その文字を読めるものがこの都市には誰もいない。文字をきっかけに西夏にとりつかれた男は、西夏の地を目指して旅に出る。想像もしない危難と偶然に翻弄され、男はいつのまにか西夏の軍の一員になり、そこで仏教と向き合うことになる。
まあ、更にいくつかの事件を経て、敦煌に仏典を隠すに至る話なのですが、どうでしょう?人物の描き方が淡々とし過ぎていて盛り上がらないのかな? 冒険譚としては、たいした冒険でもなかったりする。恋愛ものとしては少しかするものの、そうではないし。英雄譚でもないしなあ~。人生のはかなさはあるものの、イマイチでした。私的には。
女性を巡る争いにも、どちかというと主人公があまりに消極的過ぎて、いささか嫌になるくらい。中途半端に気にしたり、状況によってはやることはやっときながら、すぐどうでも良くなるし。本気じゃないんだったら、娼婦でも買いなさいって。
また仏教に関する情熱もどうも主体的に感じられない。知識もあるし、関心もあるんだけど、全てを犠牲にして「事を為す」っていうわけでもない。どちらかというと、状況があってそこでこうしたという感じ。どうもこういうタイプはあまり好きになれないかも。もっと、面白かったような気がするんですが、この小説がそれほど評価されるのって現在は理解できないかも。
井上氏の作品はあと2、3読んだことあるけど、う~ん、どれもほとばしるような情熱を感じなかったなあ~。確かにじわ~ってくるものあるんですが、どうにも不完全燃焼でストレスが残ったような気がします。決して、悪い作品ではないんだけど、ちょっと微妙。
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どこかに失ってしまって読み返すことは出来ないのですが。。。。
ものすごく想像力を掻き立てられた記憶があります。
敦煌よりも楼蘭が印象的だったかもしれない。
う~ん、もう一度読んでみないとわからないなあ。中途半端なコメント書いてしまいました。失礼しました(笑)。
楼蘭は読んだことないですが、興味はありますねぇ~。NHKのシルクロード紀行でも楼蘭はやっていましたが、歴史に埋もれてしまった都市・文化。憧れてしまいます。敦煌にも是非、行ってみたいですねぇ~。
seedsbookさん、コメント有り難うございました。