2007年11月21日

「デジタル書斎活用術」紀田順一郎 東京堂出版

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翻訳や創作をはじめとして、様々な本に関する著書を多数出している紀田氏によるデジタル書斎に関する各種提言(?)を含んだ本だが、大変失望した。

執筆時の2002年という時代を考慮しても、その時点でも有用であったと思える情報が皆無でした。書斎に使う机や照明等も単なるお年寄りの独り言だし、なんら参考になることはありません。

更に辞書や蔵書がデジタル化していく話についても、通り一辺倒のどうでもいい一般論に終止し、とてもではないが、あの紀田氏の本だとは信じられないレベルです。

勿論、今現在の観点から見たら、あまりの見通しの無さに情けなくほどでしょう。個人的に、非常に尊敬している方でしたのでこのうえなくショックでした。

幻想文学や古書業界への深い造詣は、今も素晴らしいとは思うのですが、こんな本を書くべきではなかったでしょうし、出すべきではなかったでしょう。誰しもスーパーマンではないのですから、得意不得意や専門、専門外があって当然ですが、何故こんな本を出されたのか・・・悲しい限りです。

あの当時も含めて、今なら尚更、本書に有用な点を見出せません。私には。これを読むなら、普通のコンピュータ雑誌でも読みましょう。日経コンピュータとかの方がはるかに有用だし、デジタル書斎の観点からも使えます。間違いなく!
【目次】
1 デジタル書斎の構築
デジタル書斎に似合うデスク
書斎椅子の話
書斎と照明
紙辞書からweb辞書へ
執筆生活と電子百科
紙の蔵書と電子蔵書
紙をめぐる随想

2 デジタル書斎の方法
インターネット検索の可能性
インターネットで本探し
<電網快々>古書店のホームページ
海を渡ってくる本
電子本の愉しみ
電子書評の可能性
横書きか縦書きか
国際化時代のローマ字

3 書斎生活その日その日
ホームページは一日にして成らず
メディア環境と読書
朗読とスピーチ
机の上の映画館
インターネットに見る文化の継承
戸外の書斎
入院生活とインターネット

4 電子書斎の周辺
オンラインショップでペン探し
電子手帳とシステム手帳
デジカメの可能性
眼鏡よまやま話
書斎の時計
理想のカバンを求めて
100円ショップのやさしい文具たち

巻末エッセイ
インターネットと知的生産
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関連ブログ
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「古書街を歩く」紀田 順一郎  新潮社
「第三閲覧室」紀田 順一郎 新潮社
「われ巷にて殺されん」紀田順一郎 双葉社
ラベル:書斎 書評
posted by alice-room at 21:08| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスA】 | 更新情報をチェックする
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