
私的にはタイトルからしてセンスに合わないし、役に立たなそうな印象の本で本来ならば絶対に読まないタイプの本なのだが、日経の書評で挙がっていて、その書評自体に不信感を抱いたのであえて読むことにした本。
一言で感想を言うと、メモ書きの羅列。目次を見れば分かるが、だいぶ項目が重複しているし、並べ方や整理の仕方が不十分でしっかりと練り上げられていない。たま~に有用な内容もあるが、深みがなく、思いつきレベル。著者ご自身が気付きのブラッシュアップの必要性を説かれるが、この本自体がまさにブラッシュアップの必要性を痛感する出来。
なお、内容についてだが、80%以上は新入社員以上のビジネスマンには不要で、残りの18%ぐらいは仕事で資料を読み込んでいる人には、最低限の常識レベル。最後に残った2%は有用だと思う。
この本こそ、キラー・リーディングの必要性がある本だろう。
著者は確かにたくさんの本を読んでいるだろうが、失礼ながらそれは字面を追えば良い程度の文章で、深く思索&理解しながら読む文章ではないし、専門書では無いような感じがする。また、著者は年20冊を執筆しているというのは凄いとは思うが、本書レベルの本なら、申し訳ないがいくらでも書けるだろう・・・(但し、それが出版社から評価されて本として出ている点は、非凡だと思う)。
読んでいて思ったは、多作のせいか、実用本としても水準がかなり低いし、書きなぐりのような気がしてならない。忙しいビジネスマンの友人に薦めたら私自身の評価が下がるような気がする・・・。
本書を読むなら、絶対に「仕事に活かす!本200%活用ブック」の方をお薦めします。本書の著者も確か記事を書いていたはず? そちらに本書の使えるエッセンスはほとんど入ってますし、もっと整理されていて非常に有用な形になってます。
後は、本書での気付きをメモしていきます。
【追記】
事件の点景(=インテリジェンス)から全体像を紡ぎ出す構想力(=イマジネーション)
・・・私の言葉でいえば、『気付き』から『企画&行動』ってところかな。
問題意識(視点)を持った読書 ―> 気付き ―> 実際に直面している場面での応用。
著者はここまでまとめていません。バラバラのまま、書き散らしてます。
キラー・リーディング= 速読 × 多読 × 省読
・・・私に言わせれば、こんなのできていて当たり前。問題はとりあえずの課題に対処した後、いかに欠落部分を埋めて更に深い理解ができるか? この点で手を抜くか否かでその人が伸びていくかどうかが決まる!(立花氏の本で触れられていた点)
「あとがき」には著者の人間性がさらけ出されている、
と本書では書かれているが、それはしょうもない本を読んでいるからでまともな本では、本文内で書き切れなかった点の説明(資料不足、各種しがらみ等々)や一歩下がって異なった視点で見た場合のその本の評価など、大切な情報が含まれていることが多い。だから、それを知る為に読むべきで著者の人間性なんて、情報を得る為の読書でなんで必要なのか私には意味不明?
「困り果てる」という行為は、問題点を明確にし、且つ問題点を解決するプロセスの一つだ。困れば困るほど、考えに考え、結果として賢くなる。
=「困る」―> 問題意識の発生
この単純な図式でOK。著者は、アイデアをまとめて整理するという作業をしないまま、本書を書いている感じがしてならない。重複が多く、アイデア間の流れが断絶しているし、中途半端なカタカナ英語は意味の不明確さを生じさせていて私の評価はかなり低い。
【目次】キラー・リーディング 「仕事脳」が劇的に回り出す最強の読書法(amazonリンク)
第1章仕事脳をたちまち変える!キラー・リーディングの秘密
インテリジェンス×イマジネーション=キラー・リーディング
キラー・リーディング(キラー・ワード×キラーフレーズ)は仕事を一翻あげる
キラー・ワードとキラー・フレーズに遭遇できる確率は低い?
キラー・ワードやキラー・フレーズに人を引きつける「フェロモン」がある
キラー・リーディングのコツは「速読」×「多読」×「省読」にある
テーマに集中すると、思わぬ副産物が得られる
キラー・リーディングは知的消費を知的生産に変える
「正解など、どこにもない」と考える
「調べる脳」を「考える脳」に変えるにには、”一人ブレスト”が効果的!
キラー・リーディングには「翻訳作業」が求められる
読書スタンスを「ヒーロー(ヒロイン)・モード」に切り替える
キラー・リーディングの「チョイスの法則」-どんな本を選ぶか
キラー・リーディングは脳をフル回転させる
脳は「オートマトン機能」×「オートリサーチ機能」×「アラート機能」の複合体
第2章「速読」×「多読」×「省読」でキラー・リーディングを完全にモノにする!
「本を読んでいる時間がない」は真実か?
ナレッジを「インテリジェンス」にバージョアンアップさせる
キラー・リーディングは情報武装法である
キラー・リーディングでらくらく情報武装できる
キラー・リーディングは「速読」×「多読」×「省読」の三位一体リーディング
本は1ページ目から読んではいけない!
キラー・リーディングをモノにする5つの読書法
1)「80:20の法則」を読書に生かせ
2) この順序で読めば、効率的かつ生産的な読書ができる
3)「面→線→点」の3段階読書法
4)1週間かけて精読するな、1時間ずつ3回読め!
5)「パラレル・リーディング」のすすめ
第3章芋づる式にアイデアがひらめく!キラー・リーディング
参考図書をチェックしても新しいアイデアなど生まれるわけがない!
アイデアは「異質×異質」の化学反応から生まれる
社長が書いた本と社員が書いた本は、どちらが信用できるか?
読んだことがない種類の本にチャレンジせよ
書店の足を踏み入れたことがないコーナーで1時間立ち読みしてみる
「読むこと」と「書くこと」はまったく違うものという認識を持つ
「ここが足りない!」という自分の”穴の部分”を前もって押さえておく
本当に困っていると、ヒントが向こうからささやきかけてくる
脳に「フィードバック・システム」を組み込んでおく
新聞は最初に広告欄をチェックする
電車の中吊り広告も欠かさずチェックする
本との出合いも”一期一会”と心得る
「ネット・クルージング」で発想を次々に誘爆させる
「スパーリング・リーディング」で著者に反論しながら読む
第4章どんどん情報が得られる!キラー・リーディング
「ザイガニーク・リーディング」で早朝の1時間を読書タイムに充てる
出掛けるときは、本を忘れずに!
「他人の脳みそ」をネット書店で物色する
ベストセラー本はネット書店で買ってはいけない!
絶版本はネット書店で探してみる
アマゾンでの古書購入で思わぬ人脈ができた!
リアル書店では「思わぬ拾い物」が見つかる
「オーディション・システム」で見切り千両、損切り万両!を実践する
古書店を自分の本棚代わりに活用する
図書館のそばに住もう
待ち合わせ場所はいつも書店にする
第5章3000冊をとことん消化しつくす!キラー・リーディング
年間3000冊読破、20冊執筆、50冊プロデュースするわたしの方法
インテリジェンスをゲットする3つの習慣
1、考える習慣 2、まとめる習慣 3、メモる習慣
本をとことん消化しつくる「アナログ・リーディング」の道具術
アナログ・リーディングの道具術
1)「ポストイット」はマーキングの絶対必需品
2)ノート、手帳で情報を整理する
3)「京大カード」を使ったマインド・システム
4)「ローロデックス」を使ったマインドマップ・システム
5)クリッピングしたらA4サイズでコピーする
デジタル・リーディングの道具術
1)パソコンの検索機能をフル活用する
2)Skipping Skimming、Scanning の法則
3)デジカメからパソコンにインプット
4)便利な「音声入力ソフト」を活用する
5)ケータイで速読する
6)読んだ本の内容をブログに発表する
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