2007年11月30日

「本を読む本」M.J.アドラー、C.V.ドーレン 講談社

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確かに書かれている内容は正論であり、大枠で言うならばもっともなことだと思う。でもね、著者自身も書かれているが、あまりにも厳密で時間を消費する読書方法であり、膨大な本を読む人でも生涯で数冊あるかないかの極めつけの良書を読む時に使うものらしい。

ということは、普段の読書にはおよそ不要であり、私的には貴重な読書時間がこれによって浪費され、むしろ弊害さえ生じかねないと危惧する。

当然、著者もそれは分かっており、適宜、本に合わせて読書法を省略したり、簡略化して行うことを推奨しているが、その点についての具体的な方法はほとんど述べられておらず、『実用性』というよりも『実現性』に極めて乏しい。

少なくとも読書法を教授する意図で書かれた本であり、これを使う事でより良い読書ができることが期待されるはず。所詮ハウツー本である以上、より簡素な明確さが必要であり、分かり難いとは言わないまでもあまりに冗長な文章はいただけない。実際の読書での実現性に乏しい点に至っては重大な問題だ。何よりもこれ読んだら、読書したくなくなってしまうんですが、これって致命的な欠陥だと思うのだが・・・?

私は、この本は絶対に推薦しない。

小説や文学で本書で書かれていることを意識しながらでなければ読めない人は、その時点で読まない方がいいと思うし、学術的な論文を読むなら、そもそも冒頭にabstractがついていて内容が簡潔にまとめられているはずだし、論文の構成は、完全にパターン化しているから、本書のような読み方をわざわざ必要としない。

amazonの多数の書評とは、真っ向から反対の意見です。概念的には言いたい事が分かりますが、理想論者の話に過ぎず、とにかく空虚。勿論、私の意見が偏っている可能性もあります。もし、本書に興味がある方は、他の方の書評やレビューも参考にされた方がいいかもしれません。

しかし、どうして本書がいいと思うのか、私には分からないなあ〜。レビューを読むと分かり易いというが、私には全然そう思えない。もし、本当に分かり易く説明するならば、図解を入れるか、例えば、章末ごとに明示的に要点整理などのまとめを入れるべきだと思う。

本の読み方なら、即物的なハウツーものか、『読書百遍義自ずから通ずる』の二者択一でいいと思うのですが、本書の内容は、内実の無い教養主義のようで私には首肯できない。むしろ、徹底した教養主義ならとにかく社会で役に立たない本を読めば・・・と思ってしまうんですが・・・。

まあ、いろんな考え方があるものです。

そうそう、最後に本書のまとめ。
読書レベル・・・4段階
1)初級読書:読み書きのできない子供が初歩の読み書きの技術を習得するためのもの
2)点検読書:限られた時間内に、系統立てて拾い読みする技術
3)分析読書:時間制限無しに、徹底的に読むこと
4)シントピカル読書:一つの主題について、何冊もの本を相互に関連づけて読むこと
このシンプルさが、本書のどこにも書かれていない時点で実用性に難有り。目次でさえ、イマイチだもん。

ちょっと話は変わるが、やはり日経の書評は本を読まずに書いていると確信した。なんだかなあ〜残念だ。紹介してる内容と本が違うんだもん。
【目次】
第一部 読書の意味
1読書技術と積極性
2読書のレベル
3初級読書―読書の第一レベル
4点検読書―読書の第二レベル
5意欲的な読者になるには

第二部 分析読書―読書の第三レベル
6本を分類する
7本を透視する
8著者と折り合いをつける
9著者の伝えたい事は何か
10本を正しく批評する
11著者に賛成するか、反論するか
12読書の補助手段

第三部 文学の読み方
13小説、戯曲、詩の読み方

第四部 読書の最終目標
14シントピカル読書―読書の第四レベル
15読書と精神の成長

日本人の読書―訳者あとがきにかえて
本を読む本(amazonリンク)

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タグ:実用書 書評
posted by alice−room at 20:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネス】
この記事へのコメント
なるほど。
でも、全く読書してない人には案外指南書になるかも・・・・ってならないかな。
こういう本読んでる暇あったら、最初の一冊始めるべきでしょうか。
ただ、表紙かわいいです。表紙買いしてがっかりのパターン??!
Posted by OZ at 2007年12月02日 19:54
OZさん、こんばんは。
この本なんですけど・・・決していい加減な本ではなく、逆に内容がしっかりし過ぎているのが私には辛い感じがしました。内容は堅いです。

学校で先生が講義として「本の読み方というのは・・・」と定義から、延々と話されているカンジでしょうか? すご〜く真面目な生徒なら、役に立つと思うのですが、7、8割くらいの生徒はその間、携帯でメール打ってそう。

私が不真面目な生徒だったんで、お薦めはしないのですが、世界中の学校でテキストに使われているそうです・・・前書きによると。数十年前の話だと思いますが。

本は人によって相性がありますし、面白そうと思ったら読んでみるのも悪くないかも? もし、合わなければ、その時点で止めてもいいですし・・・。

ちなみにこの本、私は珍しく(?)ちゃんと読了しました。内容は悪くないのですが、私が有用だと思った点は他の本と重複してるのでその点厳しめの評価になってます。ご参考まで。


Posted by alice-room at 2007年12月02日 20:53
alice-roomさま、
改めて、なるほど。
わかりました。ありがとうございます。

個人的には買うことはないと思います。
人の薀蓄きくのが案外好きなんですが、ハウツーものにはどうも興味がもてない。
特に速読法とか。本の読み方なんて指南されるものなのかなぁ、という疑問があるわけです。
でも、しつこく表紙は素敵(笑)
Posted by OZ at 2007年12月02日 23:58
この表紙、言われるまで全然気付きませんでした。どこから採ったデザインだろう?

私の場合は、もう根っからの天邪鬼&懐疑主義者なんで・・・です。でも、表向きは素直な人とよく言われます(自分を偽ってるもんで)。
Posted by alice-room at 2007年12月03日 19:51
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