
まず、感想を述べてしまうと物語として面白いといえる部類でしょう。対立し、互いに敵愾心を抱く超一流の奇術師の二人が主人公であり、それぞれが残した手記を辿る事で二人の人間の人生と、不思議な交流を描き出しています。
また、二人の得意技が人間の「瞬間移動」であり、現代だとプリンセス天功とかラスベガスのホワイト・タイガーかというぐらい(比較にならないぐらい、それよりはるかに勝っていたはず)当時は人気を博した演目だったんだと思う。そのタネを巡るプロとプロとのメンツを賭けた争いというのも読み易いながらも、充実感あふれる筆致で描いていて読み応えがあった。基本的にマジック系にほとんど興味のない私でもそう思えるのだから、筆力はあると思う。
退屈しないで読めるのですが、なんというんでしょうか? 心底充実感があったかというとそうでもない。潜在意識レベルで、感情移入できないんですよ。奇術の仕掛けを探し求めつつも、結局その程度なの?そんなレベルで終わってしまっていて、ますます私の場合は奇術自体への興味が薄れてしまったかも。
本書の最初と最後の部分で、これらの奇術師の子孫が現代において、先祖達の謎に注目するという舞台設定だが、これらの子孫の役割もあやふやで何故必要なのかが分からない? また、子孫達の最後の方で判明する行動・説明も私には全然理解できなかった。全体を通して、良く分からないままで終わっている。私の理解力不足なのかもしれないが。
話自体としては、読んでいる間はそれなりに引き込まれるが、読み終わった時に何も残らないように感じた。少なくとも感銘はないし、私が感動した世界幻想文学大賞をこの作品が受賞したとは信じられない。一瞬を読んで楽しむ、ただそれだけの本にしか思えないのだが…。
秋の夜長に、本当に読書を満喫したいなら間違いなく「死の王」をお薦めする!! たくさんの読者諸氏を敵に回すことがあったとしても「ハリーポッター」を読むよりは絶対に&絶対に面白いことを保証する。子供でもなんなく読める作品ながら、そこに描かれる世界観の奥深さには、大人でなくては理解できないものがある。
小説としても面白いし、ファンタジーとしても傑作だが、それほど知られていないのが不思議でしかたのない作品の一つである。いかにも英国作家だなあ~と良い意味で感じられ、その上品で洗練された文章には、読書の純粋な喜びを味わえると思うし。また、私自身も読み返したくなった作品です。既に3、4回は読んでいるんですけどね。大好き~!
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タニス・リーがお好きと知って嬉しいです。
僕も、一時期、タニス・リーにはまっていました。「闇の公子」シリーズも読みました。このシリーズ何故か「死の王」だけ王になっています。残念ながら、「死の王」以外、絶版ですね。「ハリーポッター」より、面白いのは当然です。なにせ僕は、タニス・リーの名前は覚えていますが、「ハリーポッター」の作者の名前は知りません。我ながら、片寄っていると思いますが。(苦笑)
えっ!絶版なんですか?「死の王」。全く知りませんでした。つい、最近まで早川さんで出ていたと思ったのに…。なんか気がつかないところで面白い本、素敵な本ほどすぐ絶版になりますね。残念です。
ハリポタは映画も観ましたが、あえて観なくても後悔はしないと思いました。ハーマイオニーだけ、ちょっといいかもと思いましたが(笑)。タニス・リーは知らなかったら、絶対に後悔するかも? 勿論、私の場合はブログ自体が大いなる偏向の産物ですので(笑顔)。
日本帰国を目の前にして、買う本の参考資料がわり
サイト内ウロウロしている途中です。
ははぁ、これが原作だったんですね。
映画のほうを見ました。面白かったです。
原作を未読なので比べることはできませんが、
映画自体は良く出来ていたと思います。
ハリポタも嫌いじゃないです。(笑)
特に映画は石の建物フェチなので、ホグワーツ
みるためだけにでも行くくらい!(爆)
映画あったんですね、私知りませんでした。映画の方は面白かったんですね。ちょっと見てみたいかも?
原作と映画で見比べるのも面白そうですし・・・。
もっとも実は見ようと思いつつ、読書に時間を取られて映画まで最近時間がないalice-roomです。
ハリポタの映画自体は、私も悪くないと思っているのですが、あまりに世間様がちやほやするので、そこまで特別扱いしなくても~という、いささかひねくれた心情もあったりします(苦笑)。
でも、できることならタニス・リーとかの映画を観たい!と強く思ったりもします。
そうすると映画化はビミョ~!(笑)
どんな原作でも屑みたいな映画を作れるネガティブ(?)な才能の持ち主っていますから。
「指輪物語」は唯一期待を裏切らなかった傑作でした。
「ナルニア国物語」もシリーズで映画化されていくようですけれど、第一作はうーん、でした。
かなり原作に忠実だったんですが・・・・・
原作を超える映画もありますが、それってむしろ例外の部類でしょうし・・・。
「指輪物語」に「ナルニア国物語」ですか、実は原作も読んでいなかったりします。なんか、きっかけがなくて有名ところは、つい避けてしまうもので(苦笑)。
でも、改めて考えると、難しいものですね、ホント!