文庫は段ボールの奥にしまわれていて、所有しているかどうか、とても開けて調べる気にならなかったのですが、古書店で見かけたら面白そうでつい買ってしまいました。(重複して持ってる可能性大)
で、読んでみると、面白いです! こんなに面白いとは思ってもみなかった。いやあ~なんか思惑と違って騙されたかと思うぐらい、魅力的なファンタジーとなっています。
タニス・リーにも十分匹敵するんじゃないでしょうか?
ストーリー的には定番中の定番であり、魔法使い有り、妖精有り、錬金術有り、恋愛有り、騎士道有り、で、影無し。
当ブログの筆名たる alice-room には、まさにうってつけのファンタジーでしょう(笑顔)。
とある地方領主の息子がお家存続の為、卑しいながらも必要な『黄金』を得る為、父に頼まれて魔法使いへ弟子入りします。そこで錬金術を学んでくるように言われているのですが、そうは問屋が卸さないということになります。
若者は様々な経験をし、冒険を経て・・・めでたし&めでたしとなります。
こう書くと単純ですが、あの荒俣氏が最近のようにTVに出るのに慣れてしまい、すっかりお茶間御用達の文化人になる以前の真面目な英米文学翻訳家だった頃の作品ですので、いい意味で情熱がこもっていてお薦めです。
クリスマス・プレゼント向きかも? この本にお金かけて(or 手間かけて)オリジナルの装丁とかしたら、絶対に素敵なプレゼントですよ~♪
今年読んだファンタジーの中では、一番良かったです。
なお、現在、早川書房の方は絶版みたいで代わりにちくま文庫で出ているようです。
魔法使いの弟子 (ちくま文庫)(amazonリンク)
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「幻魔の虜囚」タニス・リー 早川書房