2007年12月08日

犬神家の一族(2006年)市川崑監督 

いわずと知れた名作「犬神家の一族」を同じ監督、同じ役者(可能な限り)で再度作り直した作品です。

どうしたって、あれだけ評判が高くインパクトのあった作品を、再び作り直すのだから、厳しい評価になってしまうのはしかたないところなのですが、以前の作品と比較することなく、本作品だけ観たら、それなりに面白いと思う。決して、つまらない作品ではないし、前作とは明らかに異なっている点もかなり有り、楽しめると思う。

しかし、普通の作品でしかないのも事実だろう。

前作のあの愛憎ドロドロの複雑さと人間としての想いの深さを本作品では、それほど感じない。「戦争」というある種の特異な影響下で、それを観ている人々も経済成長下における漠然とした不安を抱えつつ、時代が変化している時の巨大資本とその背後では変わらない個人の想い等、雑多な感情の中で、見ていた。そういった観客側の事情もあるのかもしれない。

観終わった後に、後味の悪さも含めた人間の業の深さのようなものが一切感じられなかった。一方で、殺人シーンなども以前のような安っぽくて巷の『お化け屋敷』のような陳腐さがなくなってしまい、逆にどぎつさがなくて、普通のTVドラマのようにさらっと流れてしまっていた。

B級的な陳腐さは、用い方によれば、かえって人の心理に及ぼす影響が大きい好例かもしれない。今回のは、お上品過ぎてちょっとね・・・。

まあ、私が下世話なものが結構好きという嗜好の問題かもしれませんが、さらさらと流れ過ぎですね。刺激が足りないかも・・・。

犬神家の一族 通常版(amazonリンク)
ラベル:横溝正史 映画
posted by alice-room at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 【映画・DVD】 | 更新情報をチェックする
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