
【書評の前に】
ちょっと手というよりも指が腱鞘炎ぽくなってしまったので、しばらくブログの更新を休むかもしれません。おそらくニコニコ動画のせい? 仕事に影響しても困るので自粛モードに入るかもしれません。更新ペースは落ちると思いますのでいつもご覧頂いている方、気長に見守って下さいませ。
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ちょっと毛色の違うファンタジーです。しっかりしたストーリーに、独自の世界観、キャラクターの立て方などなど、欠点の挙げようもないほど、よく出来ている小説だと思います。
実際、読んでいると明らかに現実界とは異なる異界の出来事でありながら、どっぷりと作中世界に読者を引き込む(溺れさせる)力は、著者の他作品にも見られる特徴であり、魅力でもあります。
読んでいて、面白かったです。でも・・・知らない作家さんなら、誉めて終わるところなのでしょうが、何冊か読ませてもらっている作者の力量からすると、どうなんでしょう?
もっと&もっと、有り得ない世界像を提示して欲しかった!という欲深い願望を感じてしまいます。いつものような極端に淡白な側面とそこに怜悧に突き刺さっていく『ナイフ』の組み合わせではなかったような気がします。最初こそ、毒気を感じたものの、中盤以降はストーリーがあまりにも良い人になってしまい、えっ、えっ・・・となってしまいました。
決してラストが悪いということではないのですが、あまりにも綺麗にまとまり過ぎで、意外な感じがしたのです。まるで良質のファンタジーみたいなんだもん!
悪意の『ネバーランド』ではないようです。
面白いんだけど、私の考える牧野氏らしさとは、ちょっと離れている作品でした。
具体的な粗筋は・・・。
ごみためのような地区に住む人々。そんな彼らの住む所を軍に焼き討ちされ、追われた人々がいた。そのうちの一人の少年が、復讐を目差して競技会に出場する。その競争の完走者には、復讐を目差す相手のいる、警護の厳重な都市へ入る資格を得られるだった。
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