2007年12月16日

「金刀比羅宮の美術」伊藤大輔 小学館

konpira.jpg

NHKの新日曜美術館をみて、速攻で読破した本です。本自体は、知ってたのに一度も読まないでいました・・・(オイオイ)。これだよ~。

NHKで紹介されていた前半から30分ぐらいまでの内容はほぼ本書でも説明されています。番組よりかなり詳しく、綺麗で大きな写真なんでこれは大いにお薦めです。

七賢の間に暴漢が侵入して、お顔のところに墨をぶちまけた話とか、若冲の「花丸図」は現在、金砂子の地の上に描かれているように見えるけど、書かれた当初は白紙の上に描かれていてずいぶんと印象が違ったであろう・・・という話など、実に魅力的で面白い話が書かれています。

あと素晴らしいなと思うのは、各『間』がどのようにつながっているか間取り図が書かれていること。絵師達がいかにその間取りを踏まえた空間芸術を意識していたのかを理解できるようになっています。

TVでは映像だったので、その空間感覚が非常に分かり易く、それが何よりも素晴らしかったかも? 是非、本書と合わせて番組見るといいかも。

内容からすると値段も手頃でしょう。手元に置いておきたい本ですね。この本いいと思います(笑顔)。著者は新日曜美術館の番組内で解説されていた方だし。さて、夜も再放送見ようっと!
【目次】
はじめに―金刀比羅宮の文化財について
 表書院・奥書院の平面図

表書院
 鶴の間、虎の間、七賢の間、山水の間、富士の間、表玄関

奥書院
 柳の間、菖蒲の間、春の間、上段の間

まだまだある金刀比羅宮の宝物
 高橋由一、金毘羅祭礼図

現在の参道
 金刀比羅宮の境内概要
金刀比羅宮の美術―思いもよらぬ空間芸術(amazonリンク)

ブログ内関連記事
NHK新日曜美術館「「こんぴらさん」の美をさぐる」
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展~東京国立博物館
三の丸尚蔵館第40回 花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>
「伊藤若冲」新潮社
「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展、埼玉県立近代美術館
posted by alice-room at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック