と同時に、あまりにも安易過ぎて一昔前の方法論という感じがしないでもありません。というのは、王道というか基本に沿った対処方法であり、正しいのですが、あくまでも対処療法の域を出ず、現在のビジネスを考えた時にこのレベルでいいのか疑問を感じます。
例えば、製品の不具合が発生したら、効率良く原因を追究し、その原因だけへの対処でその問題を解消したというレベルであり、一歩進んで問題となる根本原因をそもそも無くすような、より生産性が高く、効率的な生産方法自体の開発等に繋がっていくようなことは、本書のやり方では生まれない感じがします。
本書で例示される各種企画の意思決定なども、勿論、事前の見積もりなど当然していて当たり前だが、何が『当たる』か不確実性の要素が増す時代には、予測は単なる希望的数値である場合が多いので、むしろ一定の枠内での損失限界程度に留め、最終的には担当者の直観・センスが大切だと思うのですが・・・。
本書では、ナンセンスと切り捨てられてますが、どうなんでしょう? 勘だけでは、勿論駄目なのは自明ですが、データに頼って売上の上がる企画が出来るなんて考えてる人は、今時いないでしょう。それで失敗したデータベースマーケティングは、事例に事欠きません。
どんなことにも当てはまりますが、標準レベルまでは、正統派手法が効果的ですが、非凡になるには、一度それらを捨てて個人のセンスが最後にものを言うと思います。つ~か、そう私は信じてます。
努力しても結果を出せない人は、確かにいるもん。どんなに頑張っても売上の上がらない人。もっとも適材適所で別な場所では、センスが光ったりすることもあり、だから人は面白い!
本書は、とにかくつまらない。論理的な思考が身に付いていない人なら、役立つかもしれないが、それなりに分かっている人には不要。つ~か無駄。面白くない本でした。要約する気になれません。
【目次】難問を解決する 意思決定の思考法(amazonリンク)
プロローグ 「いま思考力の強化が求められている」
第1章 意思決定「四つの思考手順」とは
第2章 手順の適用…ハナブサ製薬の場合
第3章 原因分析
第4章 決定分析
第5章 リスク分析
第6章 状況分析
エピローグ 「筋道の立った思考力をつけよう」