
去年、神田の古書市で購入したもの。たま~に眺めていたりするのですが、地の文は実は少ししか読んでいない。

以前購入した「Hours of Catherine of Cleves」のように一頁毎に図像の説明がされていたのとは異なり、本書はたくさんの装飾写本を紹介しているものの、個別にその図案の解説をしているのものではなく、写本自体の概要ぐらいになっています。

それもそのはずで、NYのモーガン・ライブラリーで開催された15世紀オランダの装飾写本の企画展の為に、世界中から集められた一級の美術作品を紹介しているのが本書だったりします。

逆に言うと、本書の一番のウリは大変綺麗なカラー図版となります。前回、少し紹介したのでそれらとできるだけ重複しない範囲で選んだものをいくつか載せておきますね。

実際に見てもらえると分かりますが、実に綺麗です。これで個々の図版にエミール・マール氏の解説でもあったら最高なんですけど・・・(それだったら定価の倍でも価値ありそう!)

とにかく実に美しいです。見てるだけで十分に楽しいです。出版社はアメリカの会社ですが印刷は西ドイツとなっています。賢明だよねぇ~。アメリカでなくて良かった!(オイオイ)

そうそう、ついでに言うと本書から図版を借りて去年のクリスマスカードを作成していたりする(うっ、ネタばらしちゃったよ)。

あと、本書の欠点というと、本書の写本の中でも中心になるのはやっぱり Hours of Catherine of Cleves。従って、そちらを既に持っている方には図版が重複しちゃうのが欠点ですね。まっ、しょうがないですけど。この点と解説の点がマイナスですが、写本好きなら買っておいて損は無いものでしょう。
今年もいろいろな写本絡みの本欲しいなあ~。
遅ればせながら、本年のお年玉として目の保養になれば幸いです。
The Golden Age of Dutch Manuscript Painting(amazonリンク)
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第48回東京名物・神田古本まつり~其の二
「The Hours of Catherine of Cleves」John Plummer George Braziller
2007年 クリスマス・カード
「中世彩飾写本の世界」内藤裕史 美術出版社
「美しき時祷書の世界」木島 俊介 中央公論社
「Les Tres Riches Heures Du Duc De Berry」Jean Dufournet
「ケルズの書」バーナード ミーハン 創元社
「中世の美術」アニー シェイヴァー・クランデル 岩波書店
「美しい書物の話」アラン・G. トマス 晶文社
こういう本を手元においておいてみたいけれど、複製でもすごく高いんでしょうね。。
去年京都の古本市を覗いたときにちょっと探してみたけれど、こういう種類の本は見つかりませんでした。(古本市なんてめったに行かないから、探し方がわからないのもありますが。)
自分のものにできなくても、手にとって見てみたいものです。
まあ、他のモノを諦めればいいだけなのですが、煩悩の多い私としては、それも結構大変だったり・・・というのが実情だったりします(苦笑)。幸い結構、楽しめるので元は取れたかも?
古書って特に、運というか出会いみたいものがありますから、意識しているとふと何かの機会に出会ったりするもののようです。
去年は時祷書に関心を持っていたので、何かと時祷書や写本に関する本が多かったような気がします。今年も何か面白い本に出会いたいなあ~、な~んて思っています。
大阪のマリアさんも何か好きな本を思い浮かべていると出会う機会が増えるかもしれませんよ~。今年も宜しくお願いします!