2008年01月23日

「歌行灯」泉鏡花 岩波書店

あの泉鏡花の小説である。なんというか、文体、スタイルとにかく読んでいて読者を必ずや惹きつける魔性の力を有する文章と言っていいでしょう。

こういう文章を読むと、愕然とする自分に気付かされますね。どんなに頑張っても自分には、こういう日本語を書けないと痛いほど、感じさせられます。とてもではないが、自分が普段使う日本語ととても同一の言語と思われません。

読んでいて、文意を捉えるはずがどこか文体に酔っている、そんな感じがしてなりません。あるいは、鏡花の紡ぎ出す世界(魔界)に酔っているのかもしれませんが・・・。

実は短い小説なんで、2,3度読み返してみたんですが、恥ずかしながらどうにも未だに内容が分からないのですよ。単語が分からないわけではないし、物語世界の状況が分からない訳でもないのですが、どうにも本作品を理解したという(例え、誤解であってもいいのですが・・・)なんらかの主観的な満足感さえもないのです。

なんか分かっていない感じがして、釈然としないのです。う~ん。まだまだ私なんぞが読むには10年早い作品なのかもしれません。でも、気になるんですよ・・・。

うまく言えませんが、関心がある方読まれるといいと思います。旅の道中、おじさん二人が宿で経験する出来事というか・・・話なのですが・・・。駄目ですね、粗筋書いても意味ないし、現物の本をお手にとって確認してみて下さい。

未だによく分からないのですが、日本語の可能性を感じる文章であることだけは間違いないと思います。実に不思議で気になる文章でした。

歌行灯 (岩波文庫)(amazonリンク)

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ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 21:25| Comment(2) | TrackBack(1) | 【書評 小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
alice-roomさん、こんばんは
TBありがとうございました。
>なんか分かっていない感じがして、釈然としないのです。
僕も同感です。文学史的には鏡花の代表作で、或る意味芸道小説の到達点の一つだだと思うのですが、何かもどかしさを感じます。薄いベール越しに作品に触れているような、間接的にしか触れられないような。
鏡花の小説は、近代的な小説ではありませんが、かといって江戸文学と比べてもやはり異質です。まさに鏡花の小説としか言えないような独特な世界が現出します。その世界にすんなり入り込めるときもありますが、僕にとって『歌行燈』は上手く入り込めなかった作品の一つです。
やはり、『草迷宮』、『沼夫人』、『黒百合』等の幻想的、或いは伝奇的作品の方が好きです。
Posted by lapis at 2008年01月23日 22:58
>その世界にすんなり入り込めるときもありますが、僕にとって『歌行燈』は上手く入り込めなかった作品の一つです。

私だけかと思っていたので、少し心強いです。すごい何かの魅力は感じるのですけどれどねぇ~。おそらく、もどかしいというのが、一番の感想かもしれません。

私の場合は、実はまだ読んでない鏡花作品がたくさんあるので、少しづつ折りをみて読んでいきたいです。まだまだ楽しみを残している感じで、ちょっと嬉しい余裕かもしれません(笑顔)。楽しみ・・・♪
Posted by alice-room at 2008年01月24日 21:31
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