当時、後進国だったロシアを世界に名だたる大国にしたのが、かの有名なピョートル大帝。それは知っていたのですが、地元のロシアでもあれほど親しまれているのはちょっと意外でした。だって、確かに中央集権的な街作りで、何もない湿地帯をこれほど立派な都へ作り上げたのは、本当に非凡な才能と何よりも鉄の意思で困難を克服した立派な人物だと思います。
でもね、その為に酷使された人民はどうだったのでしょうか? たくさんの犠牲者があり、何万人もその為に殺されたはずなのにみんな気にしてないんだ・・・。農奴という土地に縛られた奴隷まがいの人民による暴動が勃発し、最終的にロシア革命につながった点には番組でも触れていたけど・・・正直民衆が誇りに思っているのかなあ~疑問?
日本が戦争中に、中国や朝鮮の人びとを酷使して「大連」を作ったのと全然変わりないじゃん?当時の若手官僚(岸信介等)が大いなる夢を持ち、征服者としての特権的立場から、あらゆる障害無しに近代的な都市計画のもとで作り上げた人工都市。どうしてもそれとだぶってしまうんですがねぇ~。異なる点は多々あるものの、本質的に立派な都市を作ろうとすると、どうしても同じ発想になるのでしょうか? ナポレオンによるパリの近代化も、結局は強制労働や私権の抑圧によってできた放射状都市計画だもんなあ~。まあ、余談ですが。
でも凄いよねぇ~。湿地帯でそのまま建物を建築しようとすると沈んでしまって建築できないから、杭をたくさん地面に打ち込んだうえに石を積んで建物作るなんて。ロシア国内の他の地域では石材の使用を禁止して、すべてをこのサンクトペテルスブルクに集めて建材をまかなうなんてのも強権政治でなければできませんわ、こりゃ。もっともそれだけの情熱と強権が相待ったからこそ、これだけの素晴らしい都市ができたんでしょうし、なかなか事情は複雑です。
それはおいといて、エルミタージュ美術館。いいなあ~コレ。世界3大美術館制覇の為にもいつか行ってみたいんだけど、なんかロシアに行く気にならなくて。エアーなんて5万円代でいつでもいけたんだけど・・・。他国に少しでも追いついて、一流の国家になろうとした皇帝が必至になって集めた美術品だけあって、素晴らしい作品の数々。国家の威信がかかってると凄いもんです。いいな&いいな♪ やっぱり、これ見とかないとね!
今回、TVみて初めて知ったのが夏の離宮。いやあ、至るところに噴水が湧き出ていて1日中止まらないんだって! これは素晴らしいですよ~。湿地帯で水が多いという困難を逆用してモーター等の動力装置無しで地面の高低差を利用するだけで、あれだけの噴水を可能にするというのは本当に素晴らしい。アルハンブラ宮殿の噴水も素晴らしかったけど、ここのもなかなか良さそう。是非、ロシアに行ったら寄ってみたいなあ。市内から簡単にいけるといいんだけど・・・。いつもかって気ままな一人旅だから、公共機関がないと大変なんだよね。
オーソドックスな番組の作りで特に工夫もなかったですが、素材がいいのでそれなりに楽しめた番組でした。ポイントは夏の離宮でしょう♪ サンクトペテルスブルク観光の際には、是非寄ろうと心に決めました。
関連サイト
エルミタージュ美術館
私も昨日世界遺産観ました。
水圧を利用しただけの噴水!凄かったですね。一年中止まらずに放水できるなんて凄いですよね。
私事ですが、元土木の現場監督として驚いたのが、木の杭を打って建物を建てるってとこです。
現在は、コンクリート杭を固い地盤まで打ち込んで、その上に建てます。その当時からこのような工法があったのか!って。やるなピョートルって感じでした。
木の杭でどこまで地盤が安定するのかと思っていたんですが、軟弱の地盤を通り越して固い層まで打ち込んでるんですね、アレ。あ~なるほど、相当深い層まで軟弱そうなんで、あの杭で固定できるのかなあ~とちょっと不思議だったんです。浮力を増すだけじゃ、石を十分に支えられないですよね。納得しました。どうも有り難うございます。
やっぱり夏の離宮は難しいようですね。現地発の半日ツアーとかあれといいけど…? あちらで探してみようかな、もし行けた時には。
エルミタージュは、できれば丸1日くらいそれに費やしてみたいです。楽しそう♪とても参考になりました。どうも有り難うございます。