2005年10月16日

国立国会図書館「描かれた動物・植物」展

アホウウドリ 

「描かれた動物・植物」国立国会図書館電子展示会

ずいぶん長い間、国会図書館に行く機会がなかった。学生の時に何度か行ったことがあるが、あそこって資料を借り出したり、複写をとるのに物凄く時間がかかった覚えがあり、面倒なことが嫌いな私にはよっぽどのことがない限り行くまいと心に刻まれていたせいもある。まして論文を書くわけでもなく、単なる好奇心で本を探すには閉架式は辛い。これも昔の思い出だが、当時は一回につき3冊までしか借り出せず、その3冊を確認したら、みんな役に立たない資料だった経験もある。これは悲しかった。

今回は本を借り出すわけでもなく、単に江戸時代の博物誌関係の資料が展示されているのを知り、それを見に行った。あまり物を知らない私は、荒俣宏氏の本で博物学と言うジャンルがあることを初めて知ったくらいだが、元々好奇心は旺盛なのでこういうのは、結構好きだったりする。いろんなところでこの手の展示はよく見に行くしね。

大概の人は、有料でたくさんの人が来る展示会には大勢行くが、いささか天邪鬼な私としては、人がほとんど来ないこういう展示会が好ましい。まして無料だしね。ゆっくりと本物を眺めているのはとても楽しい。これも税金の一部なんですから、少しでも回収させて頂かないと(笑顔)。

そもそも資料なんて人に利用されてこそ価値があるんだし、あることさえ知られずに書庫の中で眠っているよりはこんなふうに展示されて、人を喜ばせてくれた方が立派な利用価値があるってもんです。まあ、本来は国会議員の先生方が政策や法案を考える際の資料として使えるように収集してた図書文献だろうけど、まず、そんな目的に使われることもないんだし。今では、広く国民の知る権利に奉仕するってのがメインじゃないのかな?

こういう素敵な試みは、今後もドンドン増やしていって欲しいですね。

山椒魚

さて、今回の展示内容。
国立国会図書館所蔵の白井文庫と伊藤文庫にある江戸時代の博物誌関係の中から、動植物画のものを中心にして選ばれているようです。植物とかもいいけど、私はやっぱり珍獣や奇獣が好きです。変わったところでは鯨の解体図なんてのもあり、余すところなく利用されているのが興味深かったです。河童のもいいけど、ちょっと絵の質が・・・イマイチだったかな?

アザラシ

江戸時代版タマちゃんのアザラシなんかもあり、なかなかユーモラス。アホウドリやトキ、シマフクロウとか現代では、絶滅しかかったいる貴重な鳥達も当時はたくさんいたそうです。マンボウやリュウグウノツカイなんてもカッコイイし、サンショウウオなんかも結構好みかも?
他にも植物画や蝶の絵なんかもあります。

捕鯨

河童

当時は写真なんかもなく、誰かが入手した図版をみんな手書きで転写した為、元は同じなのにそのコピーのようなものがたくさん出回っていたそうです。その辺の話もなかなか面白く、荒俣氏の本なんかでも似たような記述を読んだことがありますが、転写にはそれを行った人の技量の巧拙があり、また精密且つ複雑な図版の転写には根気がいる為、その良し悪しには大きな差があるそうです。

元は一緒なのに、転写されたものは似ても似つかない(ちょっと言い過ぎですが)ようなものもあったりして、そういった違いも見れるような展示になっています。こういうのは百聞は一見に如かず、関心のある方は行ってみると面白いかも? 国会図書館も新館は初めて行きましたが、まだ綺麗でした。みんな黙々とモニターで資料を検索しててなかなか珍しい光景でした。静かで本は読み易いかもしれないです。当然ながら、館外帯出禁止ですのでお忘れなく!!
【内容】
序章: 博物誌資料について
博物誌資料について注意を要する点を、いくつかの実例で示しました。
第一章: 江戸博物誌の歩み
江戸時代の博物誌に大きな影響を与えた漢籍『本草綱目』の伝来から幕末までを、17世紀・18世紀・19世紀に区切って、おおよそ年代順に配列しています。
第ニ章: 独自の園芸の展開
当時世界一の水準だった日本の園芸品の数々と、この時期に海外から持ち込まれた草木を紹介します。
第三章: 珍禽奇獣異魚
当時の人々を驚かせた珍鳥や奇獣、逆に当時は珍しくなかったけれども、今日では希少になった動物を紹介します。

『梅園介譜』拡大版 

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posted by alice-room at 19:13| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎日見ているつもりなのに、あっと思ったら記事が沢山更新されてました。
こういうの私も好きですね。思いがけない感じに不思議で可笑しいのもあったりしていいですね。

Posted by seedsbook at 2005年10月17日 16:12
いつも&いつもご覧頂きまして有り難うございます。私自身が、見たり感じたことを忘れないようにメモ代わりにブログ書いてますので、質より量の内容で恐縮ですが・・・(笑)。

でも、こういうのって私も本当に好き!写真集や図鑑よりも何故かこういうイラストみたいなのっていいんですよねぇ~。題材もユーモラスで、当時はまさに未知の生き物だったのも多いと思います。また、手書きだから微妙に異なり、同じものなのに、同じものでないところもかえって好きだったりします。
Posted by alice-room at 2005年10月17日 21:29
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