2008年02月03日

「妖怪談義」柳田國男 講談社

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まさに妖怪関係の先駆者の一人である柳田氏の本です。個人的には「遠野物語」のような、採集した伝承等をまとめ本が好きですが、それを他の地方で収集された類似の話と比較しつつ、共通点・差異点を明確にし、合わせてその成り立ちや伝播状況、ローカル化などの解説を加えた本書も面白いと思います。

現代から見ると、そうでもないように見えてしまうのですが、あの時代に率先してこういった視点から、妖怪に取り組まれたのは、まさに先駆者だったのではないでしょうか? 

そういえば、以前荒俣氏の本で、妖怪学の基本書(or定番)的な紹介をされていた文章を読んだ覚えがあります。何の本だったか、忘れちゃいましたけど・・・。

暖かい目で読むと、いいような気がします。ただ、個人的にはもっと&もっと、採集した生の伝承や伝聞なども読みたかったです。解説については、私の基礎知識が無さ過ぎる問題があるのでしょうが、もう少し深く、元の文献自体の説明やそれからの伝わり方なども解説があったら、面白かったのになあ~と思いました。

でも、目を通しておくべき本なのは確かだと思います。大昔に読んだような気がするんだけどなあ~。残念ながら、ほとんど覚えていませんでした。
【目次】
自序
妖怪談義
かはたれ時
妖怪古意
おばけの声
幻覚の実験
川童の話
川童の渡り
川童祭懐古
盆過ぎのメドチ談
小豆洗い
呼名の怪
団三郎の秘密
狐の難産と産婆
ひだる神のこと
ザシキワラシ(一)
ザシキワラシ(二)
己が命の早使い
山姥奇聞
入らずの山
人の市に通うこと
山男の家庭
狒々
山の神のチンコロ
大人弥五郎
じんだら沼記事
 付 小太法師伝説四種
一つ目小僧
一眼一足の怪
片足神
天狗の話
妖怪名彙
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posted by alice-room at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類A】 | 更新情報をチェックする
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