
正直な所、ダン・ブラウン氏に言いがかりつけてるのでは?と内心思っていたのでそれほど、期待することなく読み始めたのですが・・・。結構、面白い。間違ってもダ・ヴィンチ・コードを期待すると、アマゾンのレビューに書かれているようにマイナスっぽい評価になるかもしれませんが、通常の読み物として読む分には、十分に面白いです。ダ・ヴィンチ・コードもエンターテイメントを相当強く意識した作品(知的好奇心もそれ以上に満たしてくれますが)でしたが、本著は完全にエンターテイメントにアクションシーンをふんだんに盛り込み、ダ・ヴィンチ・コード以上に映画向けの作品です。
私はとっても楽しめましたし、ダ・ヴィンチ・コードよろしくヒロインの女性も昔懐かしい○○○で僕は大いに満喫致しました(笑顔)。この作品が20年前に書かれてものだと思うと、水準以上の娯楽作品だと思います。ここで描かれているダ・ヴィンチも、結構よく調べられており、この小説に背景として出てくる情報なども決して侮れないものがあります。
但し、著者はあくまでも娯楽アクション小説に徹しているので、背景的事実についての説明を簡単にしてしまっているので、ダ・ヴィンチ・コードのような目からうろこ~的な知的好奇心を満足させるまでには至っていません。だけど、ダ・ヴィンチについてちょっと調べると、この本に描かれている世界観や情報も、それなりに大いなる含みがあるのに気付くと思います。私はとっても満足した一冊です。あ~、内容をもっと書くと、伝わるかもしれないけど、読む時につまんなくなるからなあ~。
ネタばれにならない範囲で内容をご紹介すると。
主人公はメジャーを越える独立系石油会社の地質調査学者。通常ではおよそ考えられない確率で油田を見つけ出す、その道では超一流の凄腕。しかもそのその石油会社のオーナーの養子でもある。と同時に、若き頃は資金稼ぎの為に独自の必勝法を編み出し、カジノで連戦連勝を重ねてありとあらゆるギャンブル場から出入り禁止になった人物。しかも彼は、アマチュアながらレオナルド・ダ・ヴィンチの世界有数の研究者でもあった。
こんないかにも…という型破りのスーパーマン的人物がダ・ヴィンチの古写本の中に偽造ページがあったことを発見する。その失われたページには、現代においてもなお、世界を震撼させるダ・ヴィンチの発明があった!!
彼をアカデミック界の異端児として敵視する女性がいつしか味方になりながらも、この主人公の回りでは、問題のダ・ヴィンチの古写本に関係した人物が次々に消されていく。登場人物は自らの命を狙われながらも、大切なものを守る為、愛しい者達への復讐の為に立ち上がり、謎の存在に挑んでいく。
ダ・ヴィンチの残した大いなる遺産(秘密)を中核に据えながら、それを巡る宗教・政財界の黒幕たる結社等の組織を相手に大立ち回りを演じます。娯楽活劇みたいなもんかな? スケールが非常に大きいし、楽しく読めますね。軽~く読書を楽しみたい方には最適。お約束の怪しげな組織やら秘密結社やらもたくさん出てきますので、その手のがお好きな方もどうぞ!
余談ですが、今公開しているダ・ヴィンチ氏の直筆レスター手稿ですが、あれにも何か隠されてないんですかねぇ~? なんか期待してしまいますね(笑)。
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