2005年10月23日

ダ・ヴィンチ・コードの出版社が法廷事件に

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【以下、邦訳】
二人の著者が彼らのアイデアを侵害したとして、ダ・ヴィンチ・コードの出版社に対して高等裁判所での訴訟を進めている。

マイケル・ベイジェントとリチャード・リーは、彼らの1982年出版の本「The Holy Blood and the Holy Grail(邦題:レンヌ=ル=シャトーの謎)」からベストセラー本が剽窃していると主張し、ランダムハウスを訴えている。

高等裁判所の聞きとりは、来週行われる予定で来年の裁判まで引き続かれる。

ランダムハウスはブラウン氏がイエスが子供を持っていたというアイデアを盗んだという主張に関するコメントはしなかった。

ベイジェントとリーの代弁者は、著者達は、彼らの歴史の本がダ・ヴィンチ・コードと同じようなものと見做されることに衝撃を受けていると述べた。

最近の再出版

代弁者いわく、事件の根本は知的財産の窃盗である。

ダ・ヴィンチ・コードには彼らの本からの剽窃した部分がたくさんあると、彼らは言っている。

それは「暗号化された羊皮紙、秘密結社、テンプル騎士団」を特徴とし、それらを「不明瞭なフランス王達の王朝」と聖杯に結びつけている。

批評家達に嘲笑され、怒り狂った宗教論争の主題になっているダ・ヴィンチ・コードは、今年のイギリスブック賞でベストブックを勝ち取った。

映画はダイレクターロン・ハワードによって製作されており、トム・ハンクスが主演している。

ベイジェントとリーは3番目の著者ヘンリー・リンカーン、彼は体調が悪く、法廷訴訟に参加していないと共に彼らの本を書いた。

8月にブラウン氏は、ニューヨークで結審したルイス・ペルドゥー氏との裁判で勝っている。
ペルドゥー氏は彼の小説で2000年に出版された「神の娘」と1983年に出版された「ダ・ヴィンチ・レガシー」の2冊の要素をダ・ヴィンチ・コードが剽窃していると主張していた。

ペルドゥー氏は150,000ドルの損害と共に、本と映画の将来的な流通を防ぐことを求めていたが、陪審員達はどのような類似性も”守られるべきとされない”アイデアに基づいていると述べた。

しかし、本当にあちこちから訴えられてますね、ダン・ブラウン氏。これも有名税でしょうか?せっかく、こないだ「ダ・ヴィンチ・レガシー」の著者との裁判に勝ったばかりなのに・・・。

もっとも前回と異なり、今回の「レンヌ=ル=シャトーの謎」はダ・ヴィンチ・コードの中でもしっかり出てくるし、この本のアイデアを元にして小説書いているは事実でしょうけど、アイデアの剽窃とか盗作とかには当たらないと思いますね。

だって、ダ・ヴィンチ・コードはあくまでもエンターテイメント小説だし、出典も明らかにしてるしね。どんなものでもアイデアの発明者・発見者は尊重されるべきでしょうが、そのアイデアが利用できなければ、人類は発展しないでしょうし、まして単なる仮説なのに・・・。
アイデアが科学的なもので、これが勝手に論文としてネイチャーにでも投稿されて採用されたとかいうなら、訴えるのも分かるけどねぇ~。

そもそも、ダ・ヴィンチ・コードのおかげで訴えている彼らの本もまた読み直されて、だいぶ売上も上がり、感謝していいくらいなのにね。ちょっといいがかりっぽいです? たぶん、裁判負けると思うけどね。話題性が増して本が売れるからいいのかな?それともそれが狙いだったりして…。

あとね、ヘンリー・リンカーンは裁判に加わってない理由に健康状態を挙げているけど、あの人は以前、何かの映像で発言を聞いた限りでは極めて良識的な人のように見えたから、馬鹿げた訴訟に参加するのを控える為に、便宜上、健康を理由にしている感じがします。まあ、これは私の勝手な推測ですけどね。


Da Vinci publisher in court case の記事(BBC)

【BBCより、以下転載】
Two authors are launching a High Court action against the publishers of The Da Vinci Code, which they say infringes upon their ideas.
Michael Baigent and Richard Leigh are suing Random House, claiming the bestseller lifts from their 1982 book The Holy Blood and the Holy Grail.

A High Court hearing will be held next week, followed by a trial next year.

Random House was unavailable for comment on the claim that Brown stole the idea that Jesus had a child.

A spokeswoman for Baigent and Leigh said the authors had been struck by alleged similarities to their history book.

Recent re-release

She said: "The basis of their case is theft of intellectual property.

"There are huge chunks of The Da Vinci Code which they say is lifted from their book."

The Holy Blood and the Holy Grail was recently reissued through Century, part of the Random House group.

It features "cryptically coded parchments, secret societies, the Knights Templar" and links them to "a dynasty of obscure French kings" and the Holy Grail.

It also claims that Jesus and Mary Magdalene married and had a child together.

The Da Vinci Code, derided by critics and the subject of furious religious debate, won best book at this year's British Book Awards.

The novel sees an art historian follow a trail of codes and puzzles to explore claims that Jesus and Mary's bloodline survives to this day.

A film is being made by director Ron Howard and starring Tom Hanks.

Baigent and Leigh wrote their book with a third author, Henry Lincoln, who is not taking part in the legal action due to ill-health.

In August, Brown won a court ruling in New York against writer Lewis Perdue, who claimed The Da Vinci Code plagiarised elements of two of his novels, Daughter of God, published in 2000 and 1983's The Da Vinci Legacy.

Perdue sought to block future distribution of the book and forthcoming film, as well as $150m (£84m) in damages, but the judge said any similarity was based on "unprotectable ideas".
レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説(amazonリンク)

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posted by alice-room at 14:34| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 【ダ・ヴィンチ・コードB】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうかなあ。「レンヌ ル シャトーの謎」の著者たちは、訴えて当然だとおもうけどね。
最初に彼らに断りを入れてから出版すべきだったんじゃないの。
「レンヌ・・」本は、日本では知られてないけど、ヨーロッパでは、爆発的ベストセラーだったんだし、薀蓄の部分は、「レンヌ・・謎」と「マクダラのマリアと聖杯」の二冊からのネタがほとんだったし。
訴えない方が、まぬけじゃないの。
Posted by ミケ子 at 2005年11月09日 21:44
ミケ子さん、こんばんは。コメント有り難うございます。
私の場合は、逆にベストセラーであり、本文中でも明らかにそこからアイデアを持ってきているのが分かるので、逆に盗用とは思えませんでした。利用しているのと、盗用は別物かなあと思っていましたので。勿論、裁判所の判断がどうなるかは分かりませんけど?
アメリカの特許がらみでは数式の利用まで争っていた歴史がありますが、盗用と利用の境目はなかなか難しいみたいです。
Posted by alice-room at 2005年11月09日 23:01
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