2005年10月25日

The Da Vinci Code  Dan Brown Corgi Adult

code1024.jpg【勿論、ネタバレ有りなんでご注意!!】


いやあ~、長い&長い。読破するまで何ヶ月かかったんだろう?確か7月にルーブル行って、モナリザの前でダ・ヴィンチ・コード持って写真に写る為に買ったような記憶が・・・?

まあ、英語でも読んでみたいという気持ちもあったのですが、それにしてもずいぶんかかったなあ。まあ、実際には辞書を使わずに分からない単語を推測と無視して読んだので正味一週間かかってないんだけどね(2割から3割ぐらい単語読んでなかったりして…)。日本に戻ってきてからも先週まで全く読んでなかったし。

粗筋分かってるし、状況描写はどうでもいいので謎解き部分に中心を当てて読んでみました。ストーリーはほとんど頭に入っているし、関連書もだいぶ読んだので著者が書いているのをサマリーとしてみると、相当分かり易かったです。

でね、改めて思ったのが本当にエンターテイメントに徹してるなあってこと。登場人物の人名の名付け方もそうだし、イエスとマグダラのマリアが結婚していたという辺りも大筋はちゃんとした伝承や有名な本の仮説を採用しているが、場合に応じて、かなり大胆に著者の創作を混入させていますね。

読んでいるうちに記憶が怪しくなってきたけど、確かマグダラのマリアとともにマルセイユに流れ着いた二人の子供の名前として『サラ』が知られているとか書かれてたけど…、有名なプロヴァンス地方の伝承だとマグダラのマリアの姉妹として一緒に辿り着いたマルタの召使で黒人だった女性がサラとして知られていたはず。その辺のこととかはダン・ブラウン氏は知りながら、あえてインパクトを増す為に創作してるんじゃないかな?

まあ、他にもいろいろと他の本からそのまんま引用したり、大胆に創作している箇所も多いけど、小説として面白くしようとしているんだから、目くじら立てずに楽しめばいいと思うんですけどね。実際に効果を挙げていて面白いし、小説としては魅力的だと思うし。

小説の前書きに「これは全て事実である」と書かれていたって、信じちゃ駄目でしょ、信じちゃ。新聞やTVだって、頻繁に間違っている記事出てるもん。以前、教科書の地図にさえ間違えがあり、指摘してあげたら、丁寧な詫び状と次回から訂正する旨の連絡あったもん。当時、高校生の私が指摘するまで誰も気付かなかったのもなあ…。

余談はともかく、英語で読んでも読み易いし、分かり易いです。だてにベストセラーじゃないですね。英語の勉強したい方は、日本語で読んでから読むとすっごく勉強になるかも? いきなり英文だと私みたいな英語力のない人には辛いです。知らない単語の嵐にあいますから(苦笑)。

あとね、英文で読んでいて思ったのが暗号文の詩のところ。日本語訳でもさすがにそこには英文も併記されてましたが、日本語で読んだ時は、英文なんて見てませんでした。今回は、頻繁にその詩が出てくるのでしっかり読みましたが・・・やっぱり詩は分からないなあ~。省略されている部分が多くて、文の構造が??? まあ、日本語の時よりは暗号文を解いている気にはなりましたけどね。

もっともこの本ってミステリーといいつつも、ミステリーでもないような気がするなあ。歴史的にも正しい知識がたくさん紹介されてもいる一方、かなりのトンデモ説も意図的に混入して読んで楽しいエンターテイメント・ノベルってとこでしょう。この本は謎解きをテーマにしていながらも読書に謎を解かせるのではなく、その過程をあくまでも傍観者として読者に見せる一方で、常に時間や種々のモノに追われている切迫感のみを読者に共感させることを主眼において、ハラハラドキドキさせているのかなあ~なんて感じました。

間違っても推理小説と同じ物を求めてはいけないでしょう。たま~に感想で推理小説としてつまらないとかアンフェアという評価を見たので、もっともな評価ですが、そもそもの前提が違うかも?って個人的には思いました。

あくまでも作り物として捉えると、すっごく楽しいし、そういう話もあるんだと啓蒙されるいい本だと思うんですけどね。だって、キリスト教には全く関心のなかった私がこれだけ、キリスト教関係の本を読むなんて考えられなかったし。そのおまけでゴシック建築や中世全般についての関心もより一層高まりました。これは、ダ・ヴィンチ・コードに感謝しないとですね(笑顔)。

関連ブログ
ダ・ヴィンチ・コードにはまりまくり
初めて読んだ時の感想です。
ルーブル美術館 ~パリ(7月4日)~
「フランスにやって来たキリストの弟子たち」田辺 保 教文館
この本の中に「サラ」の伝承が出てきます。レビューでは特に触れていません。

The Da Vinci Code(amazonリンク)
posted by alice-room at 04:09| 埼玉 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメント&トラックバックありがとうございました。
私の方はまだ81章あたりをうろついているところです。なんとか年内には読み終えたいものです(^^;

なんだかダヴィンチコード関連情報がいっぱいあるようですね。また読み終えてから参考にさせていただきます。
あと、ご迷惑でなければリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
Posted by daitatsu-o at 2005年10月26日 06:44
読み終わられましたか。お疲れ様でした^^。
確かに、謎解きの文は英語での方がより謎っぽくて(?)私は好きなんです。
私はこれから日本語で読み始めます。
その時はまたaliceさんのこのサイトに度々お世話になることでしょう。
どうぞよろしくです。
Posted by なな at 2005年10月26日 11:19
daitatsu-o さん>こちらこそ有り難うございます。でも、まともに読もうとすると単語大変ですよね、やっぱり。マイペースで頑張って下さい。私も改めて参考にさせて頂きながら、再読したいです(できるかどうかは怪しいですが?…笑)。
リンク大歓迎です。こちらこそ宜しくお願いします。

ななさん>なんとか形だけではありますが、読み終わりました(笑顔)。謎解き文はやっぱり英語じゃないというのは同感です、ハイ。分かっていながら、できない私も情けないのですが…(苦笑)。
これから、日本語で読まれるんですね。きっと、あっと言う間に読み終わってしまいますよ~。存分に楽しんで下さいね♪ うちのサイトも少しでも役に立てたら嬉しいです。こちらこそ、宜しくお願いします。
Posted by alice-room at 2005年10月26日 13:24
こんにちは、完読お疲れ様でした^^

僕はこの本のバックデータ的書籍を読んでないので、どこからどこまでを信じて良いか解らないのですが、エンターテイメントとしては秀逸な一冊だったと思いますねっ

Dan Brownが次に何を出してくるのか楽しみです。
Posted by sesosoto at 2005年10月30日 17:11
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

Chapter 80
Excerpt: leery:疑い深い、用心する snob:俗物。社会的地位が下の人々を馬鹿にし、地位や財産などを崇拝する上流気取りの人 laissez-faire:無干渉主義の、自由放任主義の mea cu..
Weblog: 英語で読むTHE DA VINCI CODE
Tracked: 2005-10-26 06:45