2008年03月16日

「新約聖書」NKJ/新共同訳 日本国際ギデオン協会

我ながら、大胆不敵で不遜な企てのように思えるが、非信者としての書評ですので、キリスト教徒の方、気分を害しませんように。

実は、ダ・ヴィンチ・コード読破以後、また、シャルトル大聖堂訪問以後、こりゃ「聖書」を読まないと、私の関心のある事はいくら本を読んでも理解できないなと痛感していました。

エミール・マール氏のキリスト教図像学の本を読んでも、写本の解説見ても大元の聖書を知らないんじゃ、論外ですからね。ここんとこ、あしかけ2年以上かけて毎日数頁づつ読んで、ようやく読破しました!!
思った以上に時間かかったなあ~、やっぱり。

プロテスタントの友達いわく、「聖書を読むだけでは駄目でその文言の本当の意味を知る為の解釈が大切なんですよ。」とのことですが、まあ、そこまでやってらんないし、私が興味があるのはカトリックの中世時代における解釈だからなあ~。

そもそも資料文献としての読書なんで意味合いがずいぶん違っていたりする。まあ、それでも単純な読み物としても、結構面白かったです。

特に私の場合は、別な意味で予備知識があったので、ゴシックの大聖堂の建築に表現された理念(タンパンとかね)が、聖書内の文言に相当しているかとか、ステンドグラスの図像が聖書のどの話に由来するのかと、読んでいてネタ探し的な楽しさがありました。

今まで図像を知っていても元ネタを知らなかったんだからねぇ~。言うならば、同人誌を読んでいても原作を読んだり、アニメを見たりしてない状態ですもん(←ひどい比較の仕方でサーセン)。

改めて、新鮮で本当に面白いんですよ~。ただ、信徒へあてた手紙部分は、つまんないです。そこいらは我慢して読んで、最後のヨハネの黙示録でおおっ、こういうの有りなんだあ~? って別な意味で驚いたりします。

天使ばんばん、ひどいことしますよ。極悪非道の限り。俗人の私には、むしろ悪魔の使いにも見えたりしますが・・・。

本書(聖書)を読んで、写本に出てくる象徴的な図像の解説が、ようやく納得いくようになりましたし、シャルトル大聖堂のタンパンのあの図像の意味が、にわかに今まで以上の深い世界観と渾然一体となってきます。サン・ドニのシュジェール院長が目指していたものが、漠然と感じられるような気にもなってきます(大いに不遜な発言だったりして・・・)。

でもあれこれ考える前に、やっぱり読んでみないといけませんね。やっぱり、絶対に必要なことですね。これ読まずして、西洋美術は理解できないと言われている意味がようやく実感できました。ふむふむ。

となると・・・やっぱりコーランも読まないといけないですよねぇ~。神道や仏教は、何を読めばいいのやら? 何気に何にも知らない自分に気付かれますね。はてさて???

まあ、それらは置いとくとして。
私的には得る所が実に大でした。当然、本書はお薦めです!! どちらかというと、旧約よりも新約の方が美術とか文化理解には役立つかも。両方読むべきなんでしょうけど、なかなかそうもいかないですしね。

聖人伝を集めた「黄金伝説」との関連からも、当然、非常に興味深いです。つ~か、先に読め、私(自爆)!
posted by alice-room at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 宗教B】 | 更新情報をチェックする
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