
内容としては、実に的確な指摘であり、実際にそれを実践し、成果を出してきた方のものだと思うが、文章としては駄目。
あまりにも無駄が多くて前半は特に冗長、非効率的な文章の典型例。最初はかなり飛ばし読むすることをお薦めする。ポイントは数点のみ。本書独自のものは、一切無い。
以下、要約して列挙してみる。
仕事には明確なデッドラインを設定する朝、定時に会社に来て新聞を読んでいる人がいる。私の経験でこういう人で有能だった人はいない。同様に朝の一服などをしている人で使える人はいないだろう。
⇒スピードと密度が上がる
問題処理のフロー:
1)緊急対策・・・最優先で処理すべき事に対して、対処療法
2)再発防止・・・原因を追究し、二度と起こらない予防措置の実施
3)横展開・・・類似の現象が生じる可能性があるところへも予防措置を実施
複雑な問題は、複数要因の組み合わせである場合が多い。
⇒問題を小さな問題に切り分けたうえで、問題処理のフローを適用し、緊急性の高いものから処理する
「リーダーシップよりもフォロワーシップ」
フォロワーシップとは、リーダーの指示に従いながら、リーダーをフォローする能力。指示の背景にある意味を把握したり、全社的な視点から、その指示の必要性を理解していることが同時に必要とされる。
仕事の範囲が明確になっていることが高い生産性を可能にする。
朝イチは一番生産性の上がる時間帯であり、電話がかかってきたり、会議の始まる前に、最優先事項の処理と一日の作業スケジュール作成(まさに当日内でのデッドライン設定)は必須でしょう!
問題の切り分けもあまりにも常識的過ぎるが、突発的なトラブル発生時、それが的確且つ迅速にできる人は、数少ない。
フォロワーシップですが、私は若いときに嫌ってほどやったのでこれは実感として分かりますね。社長直属で他部署や役員に指示の伝達やプロジェクトの進捗確認等のフォロー、経営戦略資料の作成&立案等、ありとあらゆることやったから、本当に勉強になりました。
もっとも著者もかかれてますが、どんなにフォロワーシップが出来てもそれがリーダーシップに繋がるかということは別問題で、たぶんに個人的資質に影響される、というのがやはり正解のような気がします。
どんなに優れた従業員(管理職)でも、経営者とは根本的に違うというのは真実だと思います。経営者は、当然、業務を理解していなければなりませんが、業務を遂行する能力はなくてかまわないのですから!
ビジネス書としては、読む価値は無いでしょう。仕事のできる人は、間違いなくすべて実践している、常識範囲です。勿論、それを実践していて成果を出している点が著者の非凡なところですが、一番大切な実践上の経験やアドバイスが足りないように感じてなりません。
端的に言うと、安易な本で時間の無駄。
【目次】「残業ゼロ」の仕事力(amazonリンク)
第1章 御社の残業がなくならない理由
第2章 問題はとにかく「分けて」考える
第3章 次に「会議」を変えていこう
第4章 「続ける」ための考え方
第5章 「速くて強い」チームの作り方
第6章 「仕事の常識」はこれだけ変わった
第7章 ほんとうのワークライフバランス