
(聖カタリーナの殉教 木版)
かつて、お金がいっぱいあって日本が12000円割れなんて、嘘のような株価が想像できなかった頃に存在した西武美術館による版画展の図録です。

(ヨハネの黙示録 福音記者ヨハネの殉教 木版)
実際の展示は、見ていないのですが、先日どこぞの古書市で発見して購入したものです。

(ヨハネの黙示録 神の御座の前のヨハネと24人の長老 木版)
いやあ~、これだけ充実したデューラーの版画というのは、なかなか見ることができないんじゃないかと思うくらいの圧倒的な量です。確認してみると、この図録に載ってる図版の数だけで200点あるようです。
す、凄い!!

(ヨハネの黙示録 第六の封印切り 木版)
少しだけ、ここで紹介していますが、木版画に銅版画、エングレービング等々。それぞれに違った味わいがあって、実に楽しくありませんか?

(ヨハネの黙示録 太陽の女と七頭の龍 木版)
しかもしかも、そこに示されている象徴としての図像が殊更に関心を惹かずにはいられません。こういうのって、スキ♪

(大受難 十字架のキリスト 木版)
膨大な図版を見ているだけでも十分に楽しいのですが、本書の冒頭に書かれている解説がまさに目から鱗でした!

(マリアの生涯 受胎告知 木版)
デューラーは、単なる技術の巧みな職人としてではなく、当時有数の教養人・文化人の第一人者としても看做されていたなんて、知りませんでした~。
デューラーはレオナル・ダ・ヴィンチと同様、人体をより美しく表現する為に「比例論」を生涯に渡って研究し続けたそうです。それこそダ・ヴィンチ・コードではないが、ウィルトルウィルスなどの研究も行っていたんだそうです。

(マグダラのマリアの法悦 木版)
そして彼のドイツ芸術における影響力としては、実際の作品よりも彼の美術的理論の方がはるかに、その後のドイツ芸術の水準を高めるのに役立ったというのは、驚き以外の何物でもないです。
私は、全然そんなこと知りませんでした。へえ~。

(三王礼拝 木版)
従来と異なり、デューラー作品を見る視点が変わりました。ホント。

(書斎の聖ヒエロニムス エングレーヴィング)
大変勉強にもなったし、何よりも見ていて楽しい図録でした。是非、この展示を再度やって欲しいなあ~。切に思いました。

(皇帝マクシミリアンの凱旋門)
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ここのブログ、RSSさせてもらってるazusaです。
デューラーの版画ですが、先月オックスフォードのクライスト・チャーチ・ギャラリーで見ましたよ。
細部にわたって見飽きないですね。
今月の30日までやっているようです。
デューラーの版画も本当に彫りが繊細で細かいですね。しかも独特の味わいがあって、目を奪われますね!
うわあ~、今クライスト・チャーチの方でやってるんですね。素敵ですね、観に行きたいなあ~。日本でも、もっと&もっとデューラーの展示会とかやって欲しいです♪
ゴールデン・ウィークは、日程的に海外に行くのは難しそうなので、夏休みにでもどこか海外の美術館でたっぷりと楽しみたいです。情報有り難うございました(笑顔)。
デューラー版画はいいですね!
新潟県立美術館は確か、彼の代表作ともいうべき
「メランコリー」を所蔵していた筈ですよ。
私はこの展覧会を見ました。黙示録の版画のなにかまがまがしさに圧倒されました。福音書の版画はなにか別人のように温和なものでした。
デューラーはデモーニッシュな面と天使のような面の対極的ものがありますね。
それではお元気で。
>デューラー版画はいいですね!
はい、私もやっぱりデューラーはイイを思います!!
新潟県立美術館にあるんですか・・・、見てみたいです(笑顔)。時々、新潟には行くのですが、全然知りませんでした。新潟市と長岡市に親戚が多数いるのでその絡みで行った時には、是非寄ってみたいです。素敵な情報どうも有り難うございました。楽しみです♪
おお~っと、ご覧になったんですか、この展覧会。実に、羨ましいです。全然あることさえ気付いていなかった迂闊な私です(トホホ)。
おっしゃられるようなそれぞれの面を持ち合わせつつ、独特の情熱というか、執念というか、とにかく強烈な『想い』を通じて、訴えかけてくるものに心惹かれます。
意識して、これからもいろいろ見てみたいです♪ 不思議なもので人間って意識すると、気付かなかったいろんなものが見えてきたり、出会う機会が増えたりして素敵な事が起ったりするので期待しちゃいます♪(笑顔)