しかし、結論から言えば、全然面白くなかったです。
最後に基本部分の謎解きはしっかりとされるのですが、その部分は大して面白くもないです。そこにいたる部分まで、東インド会社の大株主とか、その富の9分の1とか、カバラやら、さんざん思わせぶりに振っておきながら、アレレ?! っていうのが私の感想です。
また、相当予備知識がないととりとめもないような(意味があるような?)描写が全く理解できません。私は、恥ずかしながら教養が無いせいか意味不明部分が頻出しました。そして、その描写が小説としてどのような効果があるのかも不明です。
というか・・・それらの予備知識を十分に持っている人なら、原書で読むべきでしょう! また、原書でそれらの本を読んで理解できるレベルでないと日本語訳になっててもとうてい太刀打ちできないような気がします。
そそる雰囲気はあるのですが、どうしてもそれにふさわしい中身のある小説だと思えません。『辞書』の本当の意味もくだらなかったし・・・、もったいつけ過ぎでしょう。西洋の古典知識を知っていると楽しめるのでしょうか?
おそらく日本人の9割9分くらいは、読者対象外だと思いますけど・・・。いくらアメリカ版でも全然分からないんですが・・・???
すっごい不毛な時間を費やしてしまった気がしてなりません。歴史小説とか、バロック小説とかコメントがついていたような気がしますが、私的には、どうやったらそんな風に捉えられるのか非常に疑問です。
これを文庫本で出す創元社もすごいですが、絶対に売れないと思うんですけど・・・訳者はともかく編集者は会社をつぶす気なのだろうか、英断というよりは暴挙としか思えないのですけど。
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (amazonリンク)
ジョン・ランプリエールの辞書 (下) (amazonリンク)