
ずっと昔、私が高校生の頃に怪しげな古書店で見つけたもの。確か近代映画社から出ていたもので、透明なプラスティックケースに入った写真として売られていた。封が開けられていなかったので、売れずに在庫として流れたついたものであろう。その当時から、本屋と古書店、図書館は私には非常に近しい存在だった。

当時の私は、全く人形に興味が無かった。いつも行く古書店に、この人形の写真は売れずにいつまでも残っていた。この頃だったろうか?中学生から高校生にかけて澁澤龍彦氏の本に影響され始めていた時期でもあった。今まで、意識にものぼったことの無い人形の事がふと、気になるようになった。
値段は安かった。100円か200円。購入したものの、何故か若干の後ろめたさを覚えた。女性の裸体が載った本を買うのとは次元の違う感覚。Hとかどうとかではなく、人に有らざるものに関心を抱く”非人”とでもいうような・・・反社会的なものにあたかもなってしまったような・・・。
それ故、一度見たままそれはずっとしまわれていた。それ以来、見られることもなく、何故か捨てられることもなく。

先日、部屋の中を整理した時にその写真が突如、現われた。既に精神の清純さを失い、世事に長け、ためらわずに世間と共に共存するだけの堕落を経験した我が身には、既に驚異ではなくなっていた。
時期が来たのであろう。特に何かの意味があるわけではないが、ここで紹介してみよう。この人形達は、何故にこうして写真になっているのか?誰が定価でこれを買ったのか?今見ても、不思議な気持ちは変わり無いが、謎は謎のまま、ただここにある。
関連ブログ
物言わぬ美しき者達へ~人形愛~
元お嬢さんの娼婦とか、没落貴族みたいな感じがします。
着ている物からすると、そんなに高い着物ではないようなので、没落した田舎の名家のお嬢さんといったところでしょうか。
磯辺で 全裸で寝ているのを見ても、昭和30年代あたりのお嬢さんですかね。
とにかく、なんらかの、物語の筋立をした上で、写真を撮ってあるようで、
それぞれの被写体のポーズ、アングルなどから、写真家さんが、女優さんを撮ったかのような、
淫らながらも、上品な造りの写真集だと思います。
観る人によって、いろんなストーリーをイメージさせてくれるものかもしれませんね。素敵なコメント有り難うございました。
中学・高校のころから澁澤龍彦を読まれていたとは、凄いですね。流石は、alice-roomさんです。僕などは、大学に入ってからやっと読みはじめました。(笑)
人形つながり、ということでTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それにしても、いろいろお持ちですね。
自分でもよく分からないものが好きで変なもの持ってます(苦笑)。TB、いつも本当に有り難うございます。
また人形つながりでTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
高校生に買った本と何年かぶりに再開する、
そのようなドラマチックな体験は、残念ながら僕にはありません。
ちょっと羨ましいです。
しかし、ドラマチックと言えるかどうか・・・ただ、単に自分の蔵書管理ができていない故のトホホ体験かもしれません。でも、見つけたときは本当にドキッとしました。ヤバイもの、見つけちゃった!そんな気持ちでした。