
元々の本の一部分だけ翻訳し、独立して新たに本としたもの。原本は相当な分量があるようです。
もっとも本書だけでもそれなりの量があり、明確なテーマが最初から設定されているので本として問題はないでしょう。歴史学でいうところのアナール派の本です。
本書はとにかく豊富な図版が入っているのが特徴。非常に数が多く、それだけでも読む、というより眺める価値はありそう。
ただ、中世における「迷信」の概念の説明については、あちこちで既に相当何度も聞いてきた説明とさほどの相違は感じられなかった。格別、目新しい概念が提示されているわけではなさそう。
民衆の中に深く根を下ろした俗信や異教の残滓、カニバル的な祝祭の概念など、キリスト教が警戒しつつも巧みに操作し、自らの管理下へ置こうとした経緯も解説されています。
ただ、個々の具体的な迷信の説明には、面白いのも幾つかありました。個人的には泉に関するものとか。私は、シャルトル大聖堂の地下にあった”聖なる泉”に大変関心があるのですが、ケルト的な宗教観以外にもそれがいかにして民衆の心を捉えていたのか。また、いかにして教会側が危険視し、それを抑圧しようとしたのかが面白かったです。
ただねぇ〜、一度読めば十分なような気がします。わざわざ高い金を出して手元に置くほどの価値を私には見出せないなあ〜。
【目次】中世の迷信(amazonリンク)
第1章 ローマとラテン教父における「迷信」概念の基礎
第2章 異教から「迷信」へ
第3章 中世初期の魔術師と占い師
第4章 村の「迷信」
第5章 中世末期の魔女のサバトとシャリヴァリ
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