山海塾 公式サイト
彩の国さいたま芸術劇場で行われた蜷川氏と山海塾の天児牛大氏の対談に行ってきました。
蜷川氏の作品としては、シェークスピアの「リア王」と幾つか、山海塾の作品は、三茶(三軒茶屋)のキャロットタワーのとこで何回も観ていたので、以前から大変興味があり、天下のWネームでもあり(ミーハーですみません)、すっごい楽しみにして出掛けました。
灰皿飛んでくるかなあ~と思ったりしましたが(ナイナイ!)、終止和やかな雰囲気でありつつも、舞台の世界で活躍していくバイタリティと緊張感溢れる話は、実に面白かったです!
演出に際し、表現の仕方などでどのように外国のスタッフと意思疎通していくかという点一つとっても、理屈も大切ではあるが、あくまでも時間的制約の中で作り出す作業であり、理屈はそれぞれの人の考え方で最終的には平行線になってしまうので、具体的に見せてしまうというのは、確かになるほどと思った。
これは、別に演劇の世界の話だけではないでしょう。時間的制約のない仕事など有り得ない以上、有限な中でベストな成果を出す、これは絶対に必要なことだと思った。
それにも関連することですが、山海塾がパリ市立劇場を本拠地に活躍しているのは私も知っていましたが、まさかそれが短期の2年契約を毎回更新しているのだとは知りませんでした。
最初は短い期間でもある程度実績が出たら、メジャ-リーグのように(長期の)複数年契約だと勝手に思い込んでいたので、その熾烈さは改めてスゴイ!と思いました。だって、2年契約の更新で26年の長期ですもん。
蜷川さんもおっしゃられてましたが、劇場の担当者が替われば、普通はそういった契約も全てガラっと変わったりすることも多々あるけれど、担当者が変わっても常に評価され続ける(=契約を更新され続ける)のは、並大抵ではないんだろうと思います。
その緊張感を受け止めつつ、二年に一度新作を生み出すリズムが一番ご本人には合っているそうです。また、創作に関して、一切口を出さないというパリ市立劇場も凄いですねぇ~。自由ではあるけれど、成果に関しては徹底的に厳しく評価する。口先では言えますが、これは相当難しいはずですし。
そうそう、蜷川氏曰く「二年に一作かあ~。俺は一年に10本ぐらいやってるなあ~(笑)」。実にうまいんですよね。この手の台詞がさらっと言えてしまう蜷川氏の会話も実に心憎く、来ていたお客さんは私も含めて皆、笑っていました。
他にも、さりげなく天児さんが言った用語で業界特有の言葉なんかも、皆が理解できるようにさりげなく蜷川さんが解説してくれたり、話の持っていき方などもこの人、頭切れるなあ~とつくづく思いました。
(一緒に行った人曰く、「蜷川さんって普通のおじさんだね」って話ですが、どうして&どうしてやっぱり曲者だと思います(笑))
他にも最初の20年ぐらいは山海塾の人数はずっと5人でやってきたとか、新しい人を入れる時はどうするのか? 辞めたりする時は1年前に話して準備期間を持つようにしているとか、実にリアルで楽しかったです。
1年の半分は、山海塾としての活動をし、残りの半分は自由にソロや外部の活動をして良いなど、初めて知ることばかりで益々好奇心はつのるばかりでした。
対談途中で、山海塾の演技の映像が流れたのですが、それ観てたら私も以前観た記憶を思い出し、改めて舞台を見たい!!と強く心に思いました。今年の秋にやる新作がなんとも楽しみで待ち遠しいです♪
最後に質問を受け付けていたので、私もついつい最前列に陣取っていたところから、今回の新作の特徴とか月並みな質問をしちゃいましたが、内容を伺って更に益々どんなことしても劇場へ行こうと思っちゃいました(満面の笑み)。内容は【秘密】です。
さすがに Phantom 観た時の her majesty theatre ではないですから、ブラボーは叫びませんが、感動したら、手が真っ赤になるくらいの拍手をしたいですね♪♪
つまんなかったら、悲しい感想(酷評)を速攻で書こうと思いますけど。そんなことは無いだろうと期待でいっぱいです。うわあ~、ワクワクしてきます、本当に。
今回は実に有意義で、楽しい対談でした。早く&早く、作品観たいなあ~。
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