いやあ~、最近はpixivにはまっていて、すっかり忘れ気味だったダ・ヴィンチ・コード絡みのネタです。
あやうく当初のブログ立ち上げ時の初心を忘れるところでした。実際はもう忘れてるんですけどね・・・(苦笑)。
何はともあれ、早速昨日観てきました。
【原作読破済み、ネタバレ有り前提で以下書きますので、ご注意下さい!】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
率直なところ、映画化一作目よりは、面白いと思います。映画だけでしっかり完結しているし、映画に関する限り、原作の予習は不要です。
最後の落とし所もきちんとあったし、結構、ぐっと来るところがあったり、さすがは歴史を尊重しない文化破壊者のアメリカさんと思われるアーカイブの破壊行動(&本人じゃないにしろ、歴史的資料の無断持ち出し)など笑えるところも満載ですね♪
公用語がラテン語のあのバチカンで何故英語メインで会話してるのか、とかベタな点はおいといて、国家としての歴史など無きに等しいアメリカ人が歴史の無知さ加減を歴史の長い国の人に対して嘆くなど、いかにもアメリカ人喜びそう。
英語を純粋言語として説明しつつ、裏側で自分達(英語を話す人々)を啓蒙された人々の後継者的に重ね合わせているのが、背景的に自尊心をくすぐる形なのは・・・まあ、アメリカ映画ですから!
前作でローレックスの時計のように、今回ミッキーマウスの時計を一瞬写しているのも原作読者に対するちょっとしたサービスですね。原作読めば、気付かない人はいないでしょう。
そういえば、ラングドンと絡むCERNのビットリア、陰薄いなあ~。あの映画だけ見るといらない存在だったかも?
長い原作を映画化するに当たり、はしょられた部分の一つですね。殺された父との関係やCERNのトップがバチカンに来るところは、全部脚本から外されてました。
あとラングドンの華麗な(?)ありえないはずの空中ダイブはさすがに無理だと判断したらしい。
カルメンゴが教皇に選出された後、犯罪がばれる原作(たしか・・・?)に対し、映画は選出されない段階でアレでしたね。
カルメンゴが何故あの事件を犯したのか動機の部分がある意味、原作では感動を呼び起こし、余韻がもっとも残る部分でもあったのですが、そこはばっさり切って、つまんなくなってます。
個人的には、あそこは削ってはいけない感動シーンだと思うのですが・・・。まあ映画の尺の問題や、いろいろあるんでしょう。
今は亡きヨハネ・パウロ2世の写真が使われていたように思えたのですが・・・あれっといいの? ラッツィンガーさんはさすがに悪役そのものの見た目のせいか、出ていないです(笑)。
ラッツィンガーさん、イルナミティーとか言われたら、信じちゃいそうですが・・・・。今、イスラエルとかで聖地巡礼されてますね。日本ではあまり報道されませんが、世界中のニュースではpopeの話題が出ない日はありません。
この映画についても、公開前にいろいろありましたが、ヴァチカン系の新聞が割合好意的なコメントを載せて、批判してむしろ宣伝に使われるよりも実質、放置して無視する方が得策だと判断したんでしょうね。
諸々の記事はBBCやロイターなどまとまなメディアからも多数出てましたが、私はもう面倒なんで流し読みしかしてませんでした。
土曜日の映画館も結構ガラガラだったし、そんなに盛り上がっていない感じですね。昨日、ダ・ヴィンチ・コードの映画をTVでやってたから今日は少しは人気出てるかな? うちのブログのアクセス数もだいぶ増えていたから。
さて、昨日、一緒に見てた人と飲みながら話したことですが、イルナミティーってilluminateや光の単位のルクスの元のラテン語由来のですよねぇ~。
キリスト教に限らず、宗教における『光』ってのは無知蒙昧な民衆に叡智の光を差し込む存在であり、まさに『啓蒙』って単語に結び付きます。
日本の学校で教える啓蒙主義とか上っ面な意味ではないことに注意!
キリスト教に限って言えば、初めの「光あれ」とか、それを理論的に体系化した「光の形而上学」とかありますが、それをそのまま借用したのが、科学により啓蒙を訴えたとしているイルナミティになります。
(当然、イルナミティなんて無いけどね。最近、日本でも馬鹿なオカルト雑誌で特集組んでるけど、あんなの嘘ばかりで全然調べてないのは明白過ぎ~。どんな人が買うのか知りませんけどね)
これはゴシック建築の思想的指導者シュ・ジェールが拠って立つ哲学であり、私の熱望してやまないシャルトル大聖堂のステンドグラスで結実したものでありますが・・・、
「黄金伝説」を読めば分かるように聖人の名前からして、啓蒙であり、光であったりします。
マグダラのマリアの「マリア」が蒙(もう)を啓(ひら)く者、蒙をひらかれた者を指すという説明が黄金伝説にあります。
そうそう、あと大司教かな? バチカンの広場に集まった民衆を爆発の危険から避ける為に非難させるか否か聞かれた時の返事が素晴らしかったです!!
確か、信仰の為に集まっている信者だから、何があっても安心しろ!ってなことを言ってましたが、これって痛烈なカトリック批判じゃないの?
当然、念頭にあるのは、異端のアルビジョワ派十字軍により、カルッソンヌを攻略した際に指揮官が兵士がカトリック信者とそれ以外の異端をどうやって識別するか尋ねられた際のあの有名な話ですね。
前線の兵士が異端を攻撃し、滅ぼすにあたり、いかにしてカソリックの信者を見分ければ良いかを指揮官に尋ねた。指揮官はためらわず言った。「皆殺しにしろ。神は神の民をご存知だ。神が異端か否かを見分けて下さるだろう。」というアレです。
信仰の為の殉教は、天国に入るパスポートみたいなもんでしょう。あの映画の台詞は絶対にこれを念頭に置いてますね。ツレも当然ピンと来てたし、あざといアメリカ映画です(笑)。
まあ、いろいろとつっこみどころありますが(カソリックの信仰の為に犯罪を犯したというカルメンゴが何故、自殺をするのか? 自殺こそ一番の大罪とされるカトリックなのに・・・知っていてわざとそうしている脚本の意図は?)、映画そのものとして楽しめますし、私のようにいささかうがった見方をしても楽しめます。
前作のように時間に追われてドキドキするスピード感は今回なくなりましたが、客を楽しませられる映画となっています。それにつけても、原作者のダン・ブラウン氏の小説は、より一層面白かったのを痛感しました!
まだ今年の秋だったかな、次回作が発売予定ですが、既に映画化で話が進んでいるのは、当然の話ですね。お金持ちで羨ましい限りです♪(笑顔)
映画館で見て悪くない作品でした。
それにしても、ローマに行きたくて仕方なくなった。インフルエンザの件が、心配だけど、う~行きたい&行きたい!!
きっと、世界中の人がそう思っているんでしょうね。会社ばっくれて、来週中にでも行きたい気持ちでいっぱいになってしまいました。単純な私。
【個人的追記】


ふと懐かしくなって以前サンタンジェロ城に行った時の写真を載せてみる。
最初が、バチカンとサンタンジェロ城をつなぐ橋。
次がまさにイルナミティの本拠地、サンタンジェロ城の頂上から、サン・ピエトロ大聖堂を夕闇のバックに写したもの。イケメンの顔を出せなくて恐縮ですが・・・(どこが!とかつっこみ不要(笑)。会社の人にばれたらやだもん!)。
私が行った時、サンタンジェロ城の観光客はほんの数人しかいなくて貸切みたいな状況でした。ゆっくり、ドリンク飲みながら読書していた時ですね。写真はお店の人に撮ってもらったような?
今行ったら、すごい混んでそうですね。
ブログ内関連記事
「天使と悪魔」ダン・ブラウン 角川書店ゴシックということ~資料メモ・・・光の形而上学
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳ガリレオ異端審問「容認」発言で抗議運動、ローマ法王が演説中止法王を選出するコンクラーベ1法王を選出するコンクラーベ2関連サイト
「天使と悪魔」の虚と実 50のポイント天使と悪魔オフィシャルサイト建設的な形で人々を刺激 「天使と悪魔」のロン・ハワード監督~読売新聞の記事