2018年01月28日

「銭湯遺産」町田 忍 光祥出版

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温泉は行くのですが、もう銭湯にはほとんど行ったことがありませんでした。
昔、子供の頃は銭湯行ってましたけどね。
あと・・・新潟のおばあちゃんのとこに行くと、あちらは銭湯が良くってね。内風呂あっても銭湯に行ってたかも?

私は銭湯の壁絵、富士山が定番ですがやっぱり好きですね。
あと七福神とかも。

本書は写真が大きく、説明も簡潔ながらもしっかりと押さえてあって、イイ感じでした。

見ていたら、急に銭湯に行きたくなり、近くの温泉止めて、わざわざ、隣町の銭湯へ車で出掛けちゃいました。

しかしながら・・・振休で平日に行ったのですが私以外の3人の客がいて、そのうちの二人にモンモン(刺青)入っているのにはびっくりましたねぇ~。たまに地方の温泉とかにもいるけれど、あまりにも高確率過ぎるぅ~!しかも隣町の近さなのにネ。

泡風呂や電気風呂とか頑張ってましたが、壁絵が飛翔している鶴ってのは、残念でした。
あまり私の好きな絵じゃないなあ~。

しかも銭湯の湯の温度、何度かい?ってぐらい熱かった。
身体は火照って血行が良くなったのは間違いないけれど・・・・。

さて、本書に戻りますが、値段以外は個人的にお薦め。
数が出ないから、この値段なのでしょうが・・・ちょっと買うのはためらうなあ~。
【目次】
第1章 全国選りすぐりの銭湯10選
第2章 東京都の銭湯遺産
第3章 東日本の銭湯遺産
第4章 西日本の銭湯遺産

銭湯遺産(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「銭湯の謎」町田忍 扶桑社
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2013年06月02日

山海塾『歴史いぜんの記憶―うむすな』5/25 『二つの流れ―から・み』6/1

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先週土曜(5/25)と昨日(6/1)の土曜、連ちゃんで山海塾 in 三軒茶屋を見てきました。
いつものポターンです。

うむすなは2階席の最前列。
全体を見るなら、確かにここは見易いし、演出がよく分かる。いつも1階でしか見たことなかったからなあ~。

でもね、昨日、1階から見たら、やっぱり1階で見たほうがいいかもしれない?
音響効果が全然違う感じがする。ここの劇場は小劇場向けにどこからでも舞台が見えるようによくよく考慮されて作られていると思うんだけれど、山海塾は音や視覚効果が他の舞台以上に、よりはっきりと明確に感じられるタイプのダンスだもんねぇ~。

1階だとお腹に響くような重低音が特に強烈に感じられる。
静と動、明と暗。
シンプルでメリハリが利いた舞台演出故、音や光の影響は、非常に大きいと感じました。

とまあ、一般的な話はおいといて。

先週観たうむすな。
2階で見たってのもあるんでしょうが、正直、それほど感銘を受けなかった。
演出の構成が、慣れたパターン的に感じられて新鮮な驚きが無かった!

勿論、決して悪くはないのですが、常になんらかの驚きや気付きを感じさせてくれる私の中の「山海塾」のイメージからすると、全て想定内でなんか、物足りなさを感じてしまいました。

視覚的な意味でも、なんというか、想定内範囲内?
いつもは、一本、山海塾らしさの延長線上ではあっても、必ず、えっ、こういうのあり?っ的なものが感じられたので、残念な気がしていました。

でも、昨日のから・みは良かった!!
観客はうむすなよりも少なかったけど、カーテンコールでの拍手や賞賛は、絶対に土曜日のから・みの方が大きく熱かったと思います。私も大きく拍手してたもん(笑顔)。

さて観劇した感想。

いやあ~硬直したまま横たわる人間を立てるって、どんだけハードなんでしょう?
立てる方ではなくて、立てられる側の人。絶対に大変!!
全身をピン!っと張り詰めて硬くしておかないと、いくら両脇に人がいても持ち上げられないしょうしね。
肉体を硬直させているから、その反動で逆に前に倒れないように、足を押さえる人もいたんじゃないかと思いました。

あとカクカクした、通常有り得ない、関節の動かし方にもホオ~っと思いました。
他でない演出というわけではないですが、山海塾のは一味違うようにも思えました。

もっとも、今回目を見張ったのは、何よりも指先を真っ赤に染め、それを絶えず振動させながらの演出。

あれだけ究極的なシンプルさなのに、見ている観客に与えるインパクトは、衝撃的!! 
世界中でもあの演出は、唯一無二で世界初ではないでしょうか?
世界有数の先鋭的ダンス・カンパニーの名に恥じませんね。

それなのに・・・・何故、あれほど観客が少ないのかが不思議で仕方ありません。
もったいない。大衆受けはしないかもしれませんが、世界中で絶対に一部の層からは強烈に支持されると思うんだけどなあ~。

真っ白な衣装に首周りに薄くさす赤、腰に細い1切れの垂れ下がった赤が相まって、なんともいえませんね。演出上、特異な効果を出していたのはアクリル板でしょうか、単なる透明な板があれほどまでの視覚効果を生み出すものなのでしょうか?

やっぱりいいなあ~好きだわ。

間違っても、アメリカでは生み出されない芸術です。
ヨーロッパでさえ、あのシンプルさ・間・空間には耐えられないかと、要らざる要素をどうしても積み込みたくなるんじゃないでしょうか?

でも、日本と言われると納得出来はするものの、それでいてよくよく考えると、日本では別な意味で無いような作品だとも思いました。

冗談でいうと、予算がかからず、どんだけコストパフォーマンスの良い舞台かと思いますが、背景を黒で隠すか否かだけで、全く別次元の空間を生み出す、あの感性は非凡の一言に尽きるかと。

本質的に異質過ぎて、追随者が出ないでしょう。
だって、マネしようにも山海塾ならざるものがマネした時点でおそらくあの空間演出は成り立たなくなるなりそうですもの。

今回は非常に満足した舞台でした。
そういえば、指先の朱ひらひらの音楽は、雅楽のアレンジしたようにも感じられましたが、う~ん、音楽も良かったです。

ちゃらいマニュキュアやネイルアートで満足しちゃってる女性の方々には、更にその一歩先の世界を是非、知ってもらいたいなあ~などと思ってしました。

昼に三軒茶屋で食べた老舗の洋食屋さんも美味しかったし、昼からデキャンタでワインを飲んでテンションあげあげ状態で、山海塾を観劇。

その後は新橋で美味しい海老をたらふく飲んで食べて、大満足の週末でした(満面の笑み)。
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2012年12月09日

ジーザス・クライスト=スーパースター in 自由劇場(20121208マチネ)

先月エルサレム・バージョンを観ましたが、ジャポネスク・バージョンは初見でした。

しかしまあ、ずいぶんと演出を変えたなあ~というのが最初の印象ですね!

大八車ですかね、あの使い方の演出は、実にクリエイティブといって良いかと。
黒子ならぬ、白子(?)が人力で裏方を支えつつ、視界には入るんだけど、見えていないものとする日本の伝統劇のお約束を持ち込んでいるんですね。

以前、観たギリシア古典劇も舞台上で枠があり、そこを出るとさっきまで演技していた役者が素に戻って淡々と普通に座って出番を待つ、そういったお約束を彷彿とさせます。

あと全体がとにかく『白』なんですね。
衣装として群集が着ている服も舞台上の色彩も『白』がベースになっており、白いジーパンみたいなのもへえ~っと思いました。

顔の隈取り(?)ですかね、歌舞伎調のメイクも本当にやってるんだ。
最初は物凄く違和感があるのですが、慣れていくと、普通に見えてきます。キャッツの猫達みたいなもん?
でも・・・メイクで表情による感情表現が相当限定されている感じではありました。
表情って、多くを語るものですが、それが無いといういうのは一種の制約であることを改めて感じました。

それもあるのかな?
山の斜面という舞台設定と異なり、大八車の演出自体は大変面白かったし、良く考えられていて非常に効果的でもあった反面、いささか役者さんが演じるスペース的には狭くなった感じで、躍動感はかなり抑えられて幹事でした。メイクとの相乗効果か、その辺は強く感じました。

もっとも、舞台の花道ではないが、大八車を縦横に並べて奥行きのある道(橋?)を作り、そこを実に効果的に舞台として使いこなしていたように思いました。京都の八橋みたいな、橋の重なった感じもありました。

照明もそれにあわせてましたねぇ~。

音楽も心理描写を効果的にさせるべき、拍子木等の効果音を本来の音楽に追加したり、微妙にアレンジしているようでした。

まあ、ヘロデ王の演出は、いささか過剰感が出過ぎて、かなり微妙に思いましたね。
人力車&花魁というのでも、エルサレム・バージョンの華やかさには物足りず、悪い意味で日本的であることを強調しようとして、演出の制約に繋がっているような・・・・?
(実際はどうか分かりませんけど???)

そうそう、今回、ジャパネスク・バージョンで微妙に音楽のテンポとかも変えているのかな?
日本語としての台詞は、エルサレム・バージョンよりも聞き取り易かったです。
個人的には、ユダの台詞も明瞭で、ロック調でも違和感はあまりありませんでした。

ジーザス、ユダやカヤパ王、ピラト、ヘロデ王と私的には、今回どれも良かったです!
ただねぇ~、マリアが酷かった感じがします。

発声がくぐもった感じで、音程というかいろいろとぶれてません?
声の調子が悪かったのかもしれませんが、ベテランにして、あれはないんじゃないかと・・・。

こないだ読んだアルプでは、マリアの演出は感情表現を抑えて出し過ぎない様にしているとありましたが、それとは本質的に異なり、なんだあれって?思いました。

最後のカーテン・コールでもマリアの時は拍手しませんでしたもん。私。
特にソロ・パートでは一気にテンション下がりました。あ~あ。

それはそれとして、ユダが地獄に引きずりこまれていく演出。
エルサレム・バージョンでは穴に吸い込まれていったと思いましたが、こちらでは大八車の高みから、下(裏)へ落ちていく演出なんですね。だいぶ印象が変わりました。

エルサレム・バージョンを観たうえで、それを念頭に置きながら、ジャポネスク・バージョンとの演出の差異を見出しつつ、その舞台効果等を考えながら、観るのが面白いかもしれませんね。

そうそう、神の神殿で商売している連中を追い出す場面。
浮かれてウィンドウ・ショッピングよろしくひやかしている人々で、傘を持った女性がいたけど、あれが非常に印象的でした。細かい舞台小道具ですが、あれを開いたり、閉じたり、場面の構図的にもいい演出だったと思います。獅子舞みたいなのを被った人もいましたけどね。

ジーザスが貼り付けになる時、柵越しに見られる民衆の顔の表情が、エルサレム・バージョンの時とずいぶん違っているように感じました。勿論、メイクの影響が多大でしょうが、それを踏まえてあえて、表情も変えてますよね、たぶん?

是非、ロンドンに行った時にでもオリジナルのJSCを観てみたいなあ~と強く思いました。

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ジーザス・クライスト=スーパースター in 自由劇場(20121110)
posted by alice-room at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする

2012年11月10日

ジーザス・クライスト=スーパースター in 自由劇場(20121110)

以前にジャポネスク・バージョンを見損なったので、今回はしっかりとエルサレム・バージョンとジャポネスク・バージョンのセットでチケット押さえました!

今日はエルサレム・バージョンのマチネ。
ジーザス役は体調不良で直前の交代だったようですが、しっかりと声は出ていましたねぇ~。
年齢の若さ故か、声的にはやはりいささか若過ぎるきらいはあるものの、十分に良かったと思います。

ユダは微妙な感じでした。
声域の幅が少し足りない感じですかね、台詞を聞いていてなんかちょっと低いと感じたところがところどころ感じました。

マグダラのマリア。
以前の時はもっと良かった感じでしたが、以前のキャスト表無いので分かりませんが、今回は不満足。
特にソロのパートでなんか心に響かない。
以前に聞いた時と比べると、なんか非常にさらっと、あっさりと通り過ぎてしまった感がありました。

前回はあまり気付かなかった一方で、今回、特に好きだったのはヘロデ王のところかな。
登場人物も背景他、演出も派手になり、それまでの場面から一気に場面転換してメリハリが遺憾なく発揮されている。

なんか歌舞伎の女形とかそういう系の押出しの強い人工的な過剰感のある演出ですが、なんか良いですわ(笑顔)。際立つね、舞台が。

そうそう、最後のキリストの十字架磔刑。
死ぬ前までは肉体が絶えず、動いていたのが、こと切れた後、肉体が静止し続けるのは当然ながら、さすがだなあ~なんて思いました。あれは、きついんじゃないかな? 照明落ちるまで、ずっとあの状態を維持するんだから。

引っ張って&引っ張って・・・・余韻に繋げるあの間だけに・・・・ピクリとも動いたら、台無しだしね。
でも、素人的にはすっごい大変なのではとか頭の片隅で思いつつ、見続けていました。

そうそう、やっぱり手を洗った後の赤いのが印象的!

ユダは銀貨30枚でジーザスを売り飛ばすのですが、最後に穴に引きずり込まれ、沈んでいくのは地獄に落ちたことの演出的表現なのですかね?

聖書だったか、外典だったかには、自殺してバラバラになったような記述を読んだ覚えがありますが・・・。サン・チャゴ・デ・コンポステーラに至る道中にあった教会とかの装飾には、首を吊ったユダの像とかありましたけどね。ま

また密告の代価である銀貨30枚で贖われた土地は、その後、一切の作物がならなかった・・・とか。

そういえば、高価な香油を無駄使いしたとマリア(←まさに香油を注がれたもの=メシア)を責めるユダとの場面、またまた巷ではイエスが結婚していたらしい文献とやらが出てきたとニュースになってましたね。タイムリーに。

本物だとしても、おそらくグノーシス系の福音書の一つなんだろうけどね。

今回も聖書の基本事項を知っていれば、個々の場面が聖書の何を踏まえているか、分かり易過ぎるくらいで、逆にあの場面をこういう風に解釈し、また表現としてそう演出するのか?とか元々の劇作家の発想を踏まえてみると、興味深さが増しますね。

キリスト教を国教とするローマ帝国に罪は無く、神の子ジーザスを貶めた罪を背負うのは、全てユダヤ人とするあの聖書の論理が透けてみえてきますもん。もっとも、それらを含めて楽しむのが本来前提の作品ですしね。

今回も十分に楽しめました。
来月のジャポネスク・バージョンがどんな風に演出が変わるのか、非常に楽しみでしかたありません(笑顔)。
posted by alice-room at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする

2012年08月11日

クラインマイスター:16世紀前半ドイツにおける小画面の版画家たち in 国立西洋美術館

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いつも行ってる西洋美術館の常設展で木版画をやっていたので見てきました。

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「トラヤヌス帝の裁き」

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「パリスの審判」
あの三美神の誰かを選ぶというアレ。
ふと、シャティイー城のコンデ美術館で確かラファエロの作品を観たことを思い出しました。

結構、寸胴型の体型ですよね。
天使は後ろ向きで誰を射るのでしょうか?

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ヤマタノオロチのような、この頭いっぱいはヒドラでしょうか?

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ひざまづいた王に足を接吻させて戴冠を受ける尊大な教皇。

本作含めて、死に連れ去られる人々(カトリックの聖書職者達)を描いた4作品です。

解説にありましたが、明らかに宗教改革時に行われたカトリック批判の意図アリアリだったりします。

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信者に免罪符を売りつける枢機卿。

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子羊(信者)達から連れ去られる豪奢な服を身にまとった司教。

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禁欲生活を送っているはずなのに、肥え太った姿の修道院長。

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捕縛されるキリスト。

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ピラトの前に引き出され、尋問を受けるキリスト。

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キリストの鞭打ち。

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磔刑。

左端にある A のマーク。
版画の作者名の頭文字ですね。以前見たデューラーの D の
マークみたいです。

現在なら、キャラクターの○Cマークに似ていますが、当時海賊版出まくりでその規制はなく、意味もないでしょうから、作者のプライド or 宣伝でしょうか?

かなり・・・目立ってます♪

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十字架降下。

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エジプト逃避。

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キリストの変容。

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マリアのエリザベト訪問。

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キリストの降誕。

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三王礼拝。

こういう木版画は精巧で凝っていて、文字に代わって象徴する意味を持ち、それを強烈に見る人に訴えかけていて、意匠に力があるので好きだったりするなあ~。

なお、実物は非常に小さくて本の挿絵レベル。
(あるいはそれ以下のサイズ)

今回の展示では拡大鏡が置かれていて、それで細部を見れるようにしてありました。
良い工夫だと思います。

私は、写真に撮って拡大しましたけどね。

ブログ内関連記事
ブリューゲル版画の世界 in Bunkamura
アルブレヒト・デューラー版画・素描展 in 国立西洋美術館
「デューラー版画展図録」西武美術館 1980年
「ルターの首引き猫」森田安一 山川出版社
ラベル:アート 版画
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2012年05月04日

蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち in 千葉市美術館(5/2)

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千葉の佐原へ昔の街並みを観光に行った翌日、立ち寄ったもの。

千葉って、国立民族博物館や川村美術館以外、ほとんど行ったこと無いんだよねぇ~。
あとは鋸山だっけ?

温泉とかあるようだし、近くだから行ってみたい気はあるものの、どうしても歴史が無さそうで無機的に作られた郊外都市って感じで、ちょっと微妙な感じがしてねぇ~。100万超えた政令指定都市でも、歴史が無いイメージが・・・。

私がよく知らないだけなんだろうけど・・・・ね。

さて、前置きはこのぐらいでせっかくなんで日帰りでも問題ないんだけど、わざわざ千葉に泊まって千葉をぶらぶらしてた時に、曾我蕭白の展覧会をやっていたのをたまたま知ったもの。

実際、GWなのにほとんど誰もいないし・・・・(オイオイ)。
GWだからなのか? 場所柄、関心持つ人がいないのか?理由は定かではないものの・・・・。

開場ちょっと前に行ったら、10人を越えてなかったかもしれない。まあ、すいていておかげさまでじっくり蕭白の作品を堪能できたのは嬉しかったです!(笑顔)

どうしても色彩の鮮やかなのと、人物の独特の味わい深い表情が印象的ですが、それが全ての作品に共通する特徴って訳でもないんですね。

また、人物の独特の表情とかも先行する中国の作品を範にしたものがあったり、完全な独創ってわけでもないことを知りました。勿論、それらを発展、消化・昇華させて蕭白以外の何者でもないレベルにまでしていると思いましたが、そういった背景なども知ることが出来て、面白かったです。

それに風景や墨絵など、モノクロの作品が大半でしたね。
色彩の強烈なインパクトで印象付けられていたせいか、ちょっと意外な感じがしました。

ただ、何点か気に入った作品があり、あの有名なのも出ていましたよ~!

「雪山童子図」・・・しばしば画集とかでも見る、蕭白というと頭に浮かべる色彩の作品の一つですねぇ~。

そういやあ~先月、東博で見た「ボストン美術館 日本美術の至宝」でも蕭白のコーナーが有りましたね。ここんとこ、辻先生の奇想の本で有名になった観がありますね。

もっともあちらもモノクロだったような・・・。
あの力強さだけでも、十分にインパクトありますけどね。

料金は、いささか割高のような気がしないでもないですが、すいていて作品をじっくり観れるのは素敵ですね。あとここの建物、微妙なこだわりをもって作ってるんですね。
1Fの昔の建築物部分を保存したところは良いのですが、それ以外の部分は、頑張ってますが・・・・。

後で別な機会に撮った写真でもアップしましょう。

そうそう、ここ、後期は前期のチケットもって行くとリピーター割引(半額)になるそうです。
さて、行こうかな?どうしょうかな?

展示内容を再確認してみますかね。

ブログ内関連記事
特別展「対決-巨匠たちの日本美術」東京国立博物館
「奇想の江戸挿絵」辻 惟雄 集英社
ラベル:奇想 アート 千葉
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2012年02月26日

エビータ in 自由劇場(20120225)

昨日、劇団四季の「エビータ」のマチネを観てきたんですが・・・。

いやあ~良かった!
アルゼンチン国民にとっての精神的拠り所、国の聖母、みたいに慕われていたあのファースト・レディ「エビータ」を真っ向から、採り上げた作品でした。

以前、マドンナかな? 
映画で「エビータ」をやるってので大騒ぎになったんだよね。エビータ役にふさわしくないってんで・・・。
成り上がりで成功したという、類似点はあっても、あれと一緒にするんじゃない!ってね。

最初、ちょっと興味を持って予約を入れたのですが・・・。
正直、私はこの舞台観るまで、ここまで政治的な側面が出てくるとは思いませんでした。

野心を持ち、強い意志を持って、男性を利用して首都ブエノスアイレスに出てくるエビータ。
様々な男性遍歴を経て、着実に社会的階層を登っていき、ついにはファースト・レディにまで至る。
肉食系女子のはしり、でしょうか♪

ただ、どこでも新興勢力は毛嫌いされ、排除される力が働くが、大いなる野心でまさに各種の抵抗勢力を各個撃破していく。

その方法こそが、大衆(貧しき民)からの圧倒的支持による既存権力層からの収奪と富の再分配でした。

もっとも、大衆に媚を売る政治は、独裁政治につきもののパターン。
よく民主主義と独裁主義は別物と考える無知蒙昧の輩がいるが、民主主義はその決定手段として多数決を採用することが通常である以上、その行き過ぎた究極の形は、民衆多数が支持する独裁主義へ至るのは、むしろ自然だと思われる。

だからこそ、物事の意思決定としては、はなはだ効率が悪く、迅速性が損なわれ、無駄の多い三権分立とかを採用することで、民主主義の行き過ぎを抑制せざるを得なかったりする。余談だけどね。

そちらは置いといて、大衆からの支持を基盤とした独裁主義は衆愚政治の側面も併せ持つ。
熱狂的なカリスマへの支持は、大衆の求めるものを不断に与え続けなければならない。

舞台の中では、様々な産業の国有化、貴族達からの剥奪、エビータ基金設立を通じて、大衆へのばらまき政策がなかなか見事に演じられていた。思わず、民主党(?)とか思っちゃいましたよ(笑)。

マルコス大統領にしろ、サダム・フセインにしろ、出身地域や貧民層にはえてして、強力な支持を獲得していますからね。少数派では、一定期間以上の政権維持は難しいからね。

さて、国内を押さえた後、視点は外へと向かいます。
国内外に敵はおり、国際政治でも華やかな外交を繰り広げる為、ヨーロッパへの歴訪。

アルゼンチンは、イギリスからの独立へと歩んでいくわけです。

そうそう、このミュージカルの面白いのは、自らの為、同時に自分が以前同じ状況であった貧しい国民の為に、何かをしたい!!

自己の欲望(野心)と国民の為に何物かを成し遂げたいという思いが、混然と一体化していくところ。

と同時に、開幕初めから、登場人物達の行動に対して、醒めた講評を語るナレーター。

いかにもイギリス人らしい(アンドリュー・ロイド・ウェーバー)皮肉の効いた淡々として説明が、登場人物達の生の情熱・苦悩にオーバーラップした外からの評価として語られ、そこがまたなんとも興味深く、作品に深みを与えている感じがします。

もっとも、単純な私は、すぐに登場人物の方に感情移入し、涙流しながら観てましたけどね。

よくぞ、こういった政治を真正面から捉えたうえで、エビータという人物をミュージカルに仕立て上げたものだと感心させられました!

素直に面白かったし、胸が熱くなりました。

小さい自由劇場で真ん中ぐらいの席だったので全体もよく眺められたし、役者さん達との距離が非常に近くて、その辺も大変良かったです。

観客は圧倒的に女性が多かったですが、年齢層が高めの人が多かったですね。作品の性格によるものでしょうか、席は普通に全部埋まったいたようですけど。作品毎の顧客層の差異ってのも興味深いですね。

先月観たオペラ座の怪人よりもこっちの方が私には面白かったです(笑顔)。
大変満足しました。外国でも同じ作品観てみたいかも・・・と思いました。
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2011年12月11日

東洋文庫ミュージアム

あの東洋文庫が一般向けにミュージアムを作ったことをニュースで知り、雑誌「東京人」で特集されていたので購入した読んだところ、大変興味を惹かれたのでとりあえず土曜日に行ってみた。

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真新しい建物です。TOYO BUNKO(The oriental library)と書かれています。

1Fをちょろっと観て、いざ2階へと上がる。

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東洋文庫の基礎であり、生まれるきっかけとなった「モリソン書庫」をビジュアル的に演出しています。

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3階層になっているかな? 上へ上へと連なっています。
一瞬、いい感じかと思いましたが、でもね、正直微妙です・・・。

蔵書が学術的に貴重なのは勿論、知っていますし、その価値も理解していますが、基本、ここの本って割合新しいものも多いんですよね。一部は、古いものもありますが。

世界のあちこちの図書館を観た私としては、まあ、こんなもんかなあ~っと。プラハのストラホフ修道院図書館とか、他にもいろいろなところのもの比べると、建物的にもそんな大層なものではないです。

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また、研究者でもない単なる読書家としては、歴史の古い彩色写本やインキュナブラ。稀覯本の類いの方が、そそられるのは確か。

稀覯本フェアとかの方が楽しかったりする。あれ無料で、金出せばその場で買えてしまうからねぇ~。

未だにロンドンの古書店から送られてくるカタログの本の方が美しいし、そそられます。まあ、何千万円~数十万円まで価格もさまざまですが、金銭的に買えないのはおいといてもラテン語とか読めないし・・・。

はあ~、教養無い&努力していない自分が悲しいです。

という訳で今週取る有休期間は、国会図書館におこもりして本を読みまくるぜい!
溜まっている洋書もいっぱいあるしなあ~。

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こちらはチベットの経典。

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墨の黒が金箔等に映えて、実に素敵な感じです。伝統的な日本の技法ですね。

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小泉八雲のお手紙。

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釈迦の涅槃図。たくさんの弟子や動物達に囲まれる中で、入滅。ってやつです。
これも非常に綺麗な色彩で、こういうのは好きですね。

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こちらは中国のもの。

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これは、本阿弥光悦がデザインした作品です。
この頁の美しさ。センスの良さが堪りません!

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これ以降は、荒俣さんが好きそうな博物学系の本です。

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クールドとかもう定番中の定番ですね。

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細密画、ミニアチュールです。

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楽譜ってのも珍しいかと思いますが、天正遣欧少年使節が印刷機を外国から持ち帰ったというのが惹かれますね。長崎刊って、そういうことなんですね。

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これ、面白い!
「受胎告知」の図像、構図が中国風にローカライズされてます。

こういう構図の伝播、変容等ってなんとも興味深いです。エミール・マールの本に出てくるのと本質は一緒ですから。

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遠い異国に思いを馳せて。といった感じだったのでしょうか?
写真は一冊ですが、全巻あったみたい。装丁と所有者でプレミア付き?(笑顔)

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殷、周、秦、漢・・・の中国王朝の甲骨文字。それの本物だそうです。
吉兆やいかに?!

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えっと、これはマルコ・ポーロの当方見聞録だったかな?たくさんの国の本が並べられていました。
こちらはインキュナブラですね。年代的に。

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日本の京都で書き写されたもの。司馬遷の「史記」。
国宝だそうです。

千年近く前のものですが、普通にしっかりと文字が読み取れます。やっぱり和紙すげぇ~って思いますね。
綺麗なもんです。

デジタル情報に保存された脆弱さを考えると、モノとしての本の方が情報は残りそうな気がしないでもないですね。そういやあ~大手の本屋がつぶれて、大量に廃棄される本達の写真をこないだ見たな。将来的にどうなるんでしょうね???


総括。
一度行けば十分です。これで880円は正直ぼったくりです。
経費考慮して有料でも200~300円レベルかと。
(だって、無料でもっと素敵なものを何度も見てるし、有料ならそれなりに満足させないと・・・)

展示スペース小さ過ぎ。正直、全く物足りない。
まあ、写真や動画撮影は基本、自由なのは良いけれど、ちょっとねぇ~。人がいないわけです。
期待はずれに終わりました。

逆に「東京人」のカメラマン、腕良過ぎ。
みんな騙されちゃうって!(笑)
私とツレの共通の意見でした。

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東洋文庫のすぐ近くで見つけた駒込教会。カトリックだと思う。
このXとPのモノグラム。キリストの象徴であるラバルム(Labarum)ですね。
日本の教会では、私、初めてみました。

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閉まっていたので中に入れませんでしたが、もうすぐクリスマスですね。

この後は、六義園へ行って紅葉を楽しみました。
東京散策シリーズ~六義園の紅葉&スパニッシュ料理(20111210)へ続く。

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2011年07月18日

ジーザス・クライスト=スーパースター in 自由劇場(20110709)

これは先週末に観たエルサレム・バージョン。
ツレのご要望では、歌舞伎調のジャポネスク・バージョンと両方を観たいとのことでしたが(私も両方見比べてたかったのですが・・・)、残念ながらこっちしかチケット取れなかったので。

私は初見でしたが、うん、結構面白かった!
久しぶりにアンドリュー・ロイド・ウィーバーのを観たってカンジですね♪

シンプルなフレーズで、リフレインする歌声が1回しか観てないのに翌日までしっかり残っていたもの。翌日から何日か、気がつくとフレーズが頭の中をグルグルしてました。凄いなあ~、中毒性あるわ(笑)。

舞台自体は非常にシンプルで、かなり急な丘の斜面ですね。
演者があの場所で、動き回るのって、すごく体力を要するし、あそこで安定して演技をし、歌うわけでしょ。いやあ~役者は体力が基本とは言うものの、やはり日頃の鍛錬の賜物なんでしょうね。

その一見すると単純な斜面が、照明その他の魔術であれだけ奥行き深く、多様に観れるのは、それだけでも素直に凄いと思う。今のご時世、いくらでも背景その他を変えられるのにあえて、あのシンプルさはかなりの意図的なものを感じましたが、それがイイ意味で成功してましたね。

そうそう、ジーザスが鞭打たれて、吊るされたまま、あちこちへ移動していく場面。
あれ、引きずられる方がよほど体力を要求されてますよね。決してぶら下がっているわけではなく、移動後、低い位置で吊られているように見える為に、ジャンプするようにして、さりげなく脚を折り畳んでいたし・・・。

それをあの斜面で何度も移動して行いつつ、台詞を言うのだから・・・う~む。

キャスト表、ツレに渡して手元に無いので誰だったか分からないのですが、マグダラのマリア役の女性、歌声とか聞いていて、何故かファントムのマダム・ジリーを思い浮かべてました。

いささか怜悧でキツメな感じのお声でしたので、ビシビシとロッテとかを教育している姿が・・・。
その配役で観てみたいかも・・・・?(私的には、今回のマグダラのマリアさん好き)

いささかそれましたが、このジーザスの舞台では、ユダとジーザスの関係が大きなテーマなのですね。そしてマグダラのマリアとイエスの関係の捉え方は、ピスティス・ソフィアに出てくるようなイエスが特別扱いしているマリアであり、他の使徒達が何故、あの女だけ特別扱いするのか・・・と言ったというそのマグダラのマリア像で話が構成されています。

カトリックで現在は、混同されていたマグダラのマリアのうち、明確に否定されているものも含めて、広く大衆に広まったレベルのマグダラのマリアのエピソードが使われており、苦悩する人間ユダという、これまた西洋では典型的(?)なユダ像を描いています。

ロック調と言われてますが、時代のせいもあるんでしょうかね? 最初に出た当時とは、だいぶ違うのかもしれません。ツレがオーストラリアで観た時は、エレキギターとかまで持っていて完全にロックだったそうですし。

私が観た限りでは、ロックつ~よりも、バラードみたいな感じでしょうか? 
そんなにロック、ロックした感じではありませんでした。

そうそう、見所はいっぱいありますね。
ピラトが手を洗った時の真っ赤な演出も、非常に意味深ですが、西洋では宗教的にも政治的に大変有名な行為の象徴ですよね。

あくまでもジーザスを死に追いやったのは、ユダヤ人であり、統治者であるローマ人(ローマ帝国)ではないこと。今、現在にまで続く、キリスト教徒のユダヤ人へのいわれない(?)偏見、それはカトリックの下で喧伝された聖書中のこの場面であることは、あまりにも常識ですし。

ただ、日本人であの舞台観て、どれだけの人が理解しているのかなあ~?少しだけ疑問に思ったのも事実。
その意味が分からなくても、ミュージカルとして、エンターテイメントとして楽しめてしまうのだけれど、少なくともそれは、本来あの舞台が持つものを十二分に理解した他国の人の楽しみとは、いささか違うのでは・・・などと余計なことを感じてしまったりもする。

日本ではニュースで報道されませんが、未だにユダヤ教とカトリックの間では、ジーザスの十字架刑についてしこりがあり、それに関するコメントが出される度に大きく、信者に影響を及ぼし、報道されてるんだけどね。日本のマスゴミは、そういうのにニュースバリューを見出さないからね。

演出と言えば、ジーザスが掛けられる十字架の照明は、なかなか凝った演出でした。
最初は4方向から、あえて光源の方向が分かるまま消す事なく、照らし出されており、途中で2方向に変わってましたね。

えっと、その時になんか非常にうまいと感じたんだけど・・・。
やっぱり観て一週間も経つと細かい感想をドンドン忘れちゃってるなあ~。この記事も記憶頼りに書いているので、だいぶおおざっぱに書いてるし、詳細はかなり忘れてる。残念!

まあ、また次の機会にでも行ってみたいと思います。
その時にここで書いた事と照らし合わせてみると、また楽しいしね♪

しかし、ジャポネスク・バージョン観てみたいなあ~。

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2010年08月22日

東京国立博物館 土蜘蛛草紙絵巻(20100821)

何気に行ったブックオフで、以前購入しようと安いの探していた「TOYOTA WAY」の原著を格安(700円)で見つけたので即GET!

アメリカのamazonでもそんなに安くなかったんだけどねぇ~。日本人、英語読まないらしい(笑)。翻訳本も悪くなかったはずだけど、この手のは原書で読むべきだろう・・・。まあ、いいんだけど。

行きつけの中華料理店でホイコーローの刀削麺を食べ、テンションも高く東博(東京国立博物館)へ向かう。

広くて涼しいからね。特別展も人気の無さそうなやつだし、あまり混んでないのがイイ。科学技術館はお子様で溢れかえってるからさ。

夏は奈良国立博物館とかで地獄草子とか餓鬼草子を観るのを楽しみにしている私ですが・・・(どんな私だ)、今回、夏っぽい素敵な絵を見つけたので書いてみた。

それは「土蜘蛛草紙絵巻」。
大変有名な作品ですよね。「まつろわぬ民」とか、荒俣さんの「帝都物語」で一般にも広く知られるようになったアレです。そう、アレ!

touhaku2010082101.jpg

そうコレ!
いやあ~、なんかすっげぇ~楽しいかも♪

鬼退治で有名な四天王とか出てくるんだなコレが。

絵草紙につけられてた説明によると「巨大な土蜘蛛が正体をあらわし、頼光と綱はこれを退治する。腹を割くと、ドクロが1990も出てきた」とあった。

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説明:「巨大な鬼が現れる。白雲の中から一筋の光が飛び出し・・・。」

えっと、確か鬼退治に行った連中は、自分たちの身代わり用の人形を持参し、その人形が刃物が刺さる場面だったかな?

鬼達しか写ってないけど、右側に綱とか頼光、人形が描かれていたりする。まあ、広げて展示されてますので観に行きましょう♪

私が子供だったら、こっちの方がはるかに楽しいけどなあ~。

touhaku2010082103.jpg

巨人鬼を頼光と綱がつかみ出す場面。

他にもいろいろあるからさ。変な小説や漫画よりか、ずっと面白いです。こういうビジュアルが秀逸なんだよねぇ~。うん!

あと木乃伊(ミイラ)も展示されてますよ。粉々にして飲むと薬になるやつ(まあ、昔はそう信じられてましたから)。

落語の怪談とかも聞きにいきたいけど、行くのが面倒なんだよねぇ~。困ったもんだ、出不精で。


ツレは具合の悪いわんちゃんのお世話で先に帰ったので、暇になった私は、この暑いのにサングラス&サンダルというなめたいでたちでアキバ巡り。

月1回ぐらいここんとこ、そんなことばかりしてるよ~。
iPhone&iPad関連商品が最近、異様に増えているのを実感する。

ASUSの30GB外付けハードディスクが久しぶりに入荷したらしく3000円で売ってた。これUSB接続で軽いし、便利なんだよね。USBメモリより使い勝手良さそうだし、コストパフォーマンス異様に高かったりする。

まあ、5000円で1TBのHDD売ってるのや2TBで8千円台を見ると、ちょっと抵抗感を覚えるけど、これはこれで十分ありだろうなあ~。

私は使い道が今は無いので買わなかったけど、ツレが以前購入してすっごいお気に入りだったので電話でお伺いをたてて、代理購入しておいた。

今回も見てるだけで、自分自身のものはなんも買わなかったなあ~。

そうそう先月にも増してこの辺のジャンク街で見かけるようになったのがANDOROIDOタブレット(端末)。7インチ~10インチだけど、本当に増えたよ~。深釧あたりから買い付けて来てるんだろうなあ~。

私的には、秋ぐらいに出てくる大手のちゃんと快適に動くANDOROIDOタブレット購入する気ですが、すっごい気になります。今日も、ちゃんとJAVAの本読んで勉強しないとなあ~。

akiba20100821.jpg

写真はアキバの駅前で。なんかの販促キャンペーンみたいですね。
思わず写真撮っちゃいました(笑顔)。

ブログ内関連記事
「The Toyota Way」Jeffrey Liker McGraw-Hill
「図説 地獄絵を読む」澁澤龍彦、宮次男 河出書房
「日本絵巻大成7」小松 茂美 中央公論社
「短編小説集」荒俣宏 集英社
「妖怪図巻」京極夏彦、多田克己 国書刊行会
埼玉散策シリーズ~岩室観音、吉見百穴
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2010年07月19日

特別展「誕生!中国文明」 in 東京国立博物館

午前中、Bunkamuraで「ブリューゲル版画の世界」展見て、ランチに鯨屋でくじらのお刺身定食を食べた後は、暑さを逃れて東京国立博物館へ。

中に入って、アイス食べてお茶飲んでゴロゴロしてたんだけど、ふと見ると一応、特別展やってる。

十分に涼んで、椅子に座っているのも飽きたので見ることにしました。(なんともいい加減なノリ)

ブリューゲル展が、想像以上に当りだったのでおまけってとこでしょうか?

それでも決して悪くはなかったです。殷・周・秦・漢・・・と学生時代に覚えたものでしたが、それよりも以前の王朝の遺跡からの出土物や、本当にここ最近10年以内に発見されたものなど、私の古い知識には見当たらない新しい発見物がたくさんありました。

「金縷玉衣」。
いわゆる玉(JADE)で全身を覆い、腐敗しない肉体のままで永遠を願う当時の信仰が強く印象付けられます。

実際、細かいところまでよく出来ています。耳栓や鼻栓など細かいところに手抜かりは無し。

「七層楼閣」
この高層建築は、なかなかビジュアル的にも興味深いです。バビロンの空中庭園みたいで、いやあ~庶民を上から眺める特権階級のエリート意識バリバリだったんだろうなあ~。

都心にある高層ビルとかの最上階層なんて、大概、そういう客筋でしょうからね(笑)。まあ、世界中、どこも一緒か。

「王尚恭墓誌」
そうそう「資治通鑑」の著者で有名な司馬光の筆を記した石もあって、普段、あまりこの手の文字には関心無いのですが、これは良かったです。
実に、司馬光らしい性格を如実に現した筆跡で、確かにこういう文字書く人なら、ああいう歴史書書くんだろうなあ~と思っちゃいました。

百聞は一見に如かず。
見るだけの価値はあると思いますよ~。

あと、いろんな石に浮彫や線刻された図像が結構、楽しい♪
中国の神仙思想によく出る仙人達の理想化された姿が描かれていて、私は好きでした。

この日(土曜日)は、たくさんの作品に触れられてとっても有意義な日でした!(笑顔)。
ラベル:アート 中国
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2010年07月18日

ブリューゲル版画の世界 in Bunkamura

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ベルギー王立図書館所蔵「ブリューゲル版画の世界」展 公式サイト

元々、この手のは大好きでしたが、今までブリューゲルというと「農民のブリューゲル」というイメージが強過ぎて、今回の展覧会を見るまで誤解していました。

いやあ~、想像してた以上に素晴らしい!! 公開初日の土曜日に行ってきて大正解でした。

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作品の解説にボス風とかコメントされていたものがありましたが、非常に近しいものを感じる作品もあると共に、いかにも中世末期の時代背景が濃厚に反映した宗教的なテーマを扱った作品などもたくさんあり、実に&実に楽しい!!

グーテンベルクの印刷術が広まり、印刷物がすごい勢いで広がる時代、まさに宗教改革と重なっていく時代でもあり、いやあ~風刺がこのうえなくピリリと効いて絶妙の味わいを出してます。

なんとも楽しい♪

20100716c.jpg

「ルターの首引き猫」を彷彿とさせる作品もありましたねぇ~。

解説にもありますが、当時のアントワープを中心とした国際的な商業ネットワークに組み込まれて、当時としては相当大規模に流通していたことが分かります。

今回の展示作品にあるブリューゲル周辺の作品というのは、それだけ知名度の高くなった彼の模倣者・追従者達のことでしょう。当時は著作権とかないですからね。人気があるとすぐパクられたんだと思います(笑)。

20100716d.jpg

エミール・マールの本でも触れられていましたが、宗教的な寓意やシンボルなどを現す意匠(デザイン)等は、共通且つ共有されるべきものであり、そもそも個人がどうこういう筋合いのものではなかったりする。

ルネサンス的な個人的才能の発露という概念自体が、却下されていた時代を引きずってますからね。

マールの「中世末期の図像学」とかに、ブリューゲルの作品も重なるところがありますね、やはり。

あとね、個人的には「阿呆船」とかあの系統の作品の流れを引くものが、今回の展示にたくさんあって、すっごくドキドキして堪能しちゃいました♪

そういやあ~稀覯本フェアで売ってたな、「阿呆船」は。改めて欲しいなあ~。

20100716b.jpg

上の作品なんかもそうですが、大きな魚が小さな魚を全て飲み込んでいる姿は、強者が弱者を虐げていることを現した当時の諺とかだったそうです。

時代は変わっても、人の世界に変わりはないですね♪
今も搾取されるのは、庶民ってことでしょうか?(ニヤニヤ)

他にも実にたくさんの当時の世相や教訓・諺などを現した作品は、読んでいて共感でき、絵柄も繊細で興味深くて、印象に残ります。

今の人が見ても十分楽しめますね。

もっとも、教養がある人が見れば、それ以上に深~くジワジワと楽しめそうです。これは強くお薦めしますネ。

個々の作品につけられている説明も、結構詳しく、みんながそれぞれの作品の細部にまで目を凝らすので、行列がなかなか進まないのが残念ですが、これは必見です。

行ける人は、絶対に行っておくべきでしょう!!

あとね、図録が更に解説詳しくて超・楽しい♪ 印刷も良い図版が多数載っていて、結構詳しい説明がたくさんアリ。これで2500円なら、買っとくべきでしょ。普通のこの手の本よりは、ずっと良いです。
但し、読んで楽しめる人ね。ノリで買う人はもったいないと思うなあ~。
余計なお世話ですが。

あとあと、この展覧会のパンフ。
これは絶対に持って帰るべき。強調しておきます。これ金と手間隙かけてるよ、絶対に。広げて部屋に飾っておけば、十分にポスターになりますもん。

Bunkamura、名前に負けず、しっかり文化してるねぇ~。以前のモロー展もここのは良かったけど、いや、西武があっけなく文化事業をたたんじまったのに比して、今、このご時勢にこういうのをきちっとやっているのは、本当の意味で大変だと思いますが、今後も期待しちゃいますね。本当に。

いやあ~、もう一度ぐらいは行っておきたいな、これならば。

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「ルターの首引き猫」森田安一 山川出版社
「ヴィッテンベルクの小夜啼鳥」藤代幸一 八坂書房
2008年 国際稀覯本フェア開催のお知らせ
「デューラー版画展図録」西武美術館 1980年
国立西洋美術館、平成14-18年度新収蔵版画作品展
「中世末期の図像学〈上〉」エミール マール 国書刊行会
「中世末期の図像学〈下〉」エミール マール 国書刊行会
「中世ヨーロッパの社会観」甚野 尚志 講談社
ラベル:アート 版画
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2010年01月20日

劇団四季「キャッツ」(20100116) in みなとみらい

【未見の方は、ご注意! 楽しみが減っちゃうので観て読んでね】





先週の土曜日、ずいぶんと久しぶりに「キャッツ」をマチネで観劇してきました。会員先行予約で2時間以上かかったもんな、チケット取るの。大変でした。

最後に観たのはいつだろう? 相当昔の話です。

まずは、アルプで読んでいて知ってはいたが、新しい円形舞台に驚く。
客席を含めて壁・天井等の至るところがキャッツ空間と化している。

回転する座席の仕組みがよく分からなかったので、最初、どうなるのかなあ~と不思議に思っていました。

あと、最初は舞台の前が壁になっていて中身が見えず、この壁は始めると沈むのかなあ~と勝手に想像していたのですが、まさかまさか回転して後ろの背景になり、見えなくなる部分について、そこまで気合入れてるのかなあ~と驚きましたよ!

最初から、度肝を抜かれっぱなしでした。

メモリーを歌われていた方、声量があるのは非常によく分かるのですが、かなり声質が太い感じで正直、今まであちこちで聞いてきたキャッツの中では異例中の異例に感じました。

その歌声は、繊細で過去の失われて栄光を振り返り、同時に蘇らせつつ、でもやっぱり現在でも只者ではない、その複雑さを余すところ無イメージさせ、現在の哀愁と共に、観ている人、聞いている人の心を根底から揺さぶって、感動で涙する、そういう従来のイメージのキャッツじゃなくなったのですね。知らなかった!ビックリしました!

これまでの最終的に「メモリー」の歌に全てが集約される方向性ではなく、なんというかコーラスラインのように一人一人が語るオムニバス形式、短編集みたいな感じですね。

これはこれで十分に面白かったのですが、かつてのキャッツの印象が強いとそのギャップの克服に結構苦労します。

や、だって、上から落ちてくるし、あの演出ファントムだろ?ってみんな思うでしょう。舞台の役者さんが、あそこまで客席と一体化するというのも驚きでした。私も二匹の猫さん達と握手しましたよ~(満面の笑み)。

一緒に行ったツレは、だいぶ前にオーストラリアで観たそうですが、本当にビックリしてました。これが日本のキャッツなのって?もっともやはり猫のしなやかな動きは、やはり外国の人の方がうまいのではと言っていましたが、ロンドンで私が観た限りでは、そうでもなかったけどなあ~。

ただ、ジャンプとかの高さは、相対的に外国の方が高いかも? タッパがある分、それだけでも映えるしね。

でも私が観ている限りでは、やっぱり『四季』凄いと思いました。あれだけの動きをしていても伸ばした際、きちんと足のつま先まで伸びているし、静止すべきところはきちんとためているし、動きながらでの発生も声がぶれずに、しっかりと台詞が聞き取れるのですよ。

以前読んだ本で、台詞が聞き取れるように発声する事、それが一部で揶揄された四季節の評とは相容れない素晴らしい事であることが書かれていましたが、実際に意識して観ていると本当に非凡なことであり、またその大切さを実感します。

台詞を聞いて意味が分からなければ、感動を生む舞台は、無理でしょう。当たり前のことが当たり前に出来る事こそが、まさに日々の鍛錬なんだろうなあ~とつくづく思います。

ハイテク満載とでもいうべき凝った舞台装置の数々ですが、それがあくまでも舞台を盛り上げる道具であるという基本が厳守されているのも、う~むと思いますね。これも当たり前のようでいて、難しいと思いますよ。

この手のものは、どうしてもあれもできる、これもできるとやればやるほど、一人歩きして、かえって観客の興醒めになることも有り得ますが、その辺、きっちりと観客を楽しませる、舞台をより効果的にする為の演出の一部に徹するのもなるほど~と思いました。

あとあと、本当に客席の至るところに猫さん達が現れるのですが、私はセンターブロックの通路側にいたので隣の通路を猫さんがいつも通るし、実に身近な感じがしました。

子供達に限らず、大人でも結構、嬉しいし、リピーター増えるだろうなあ~。観ているというよりも参加しているという体験は、主体的で個人に強く印象付けられるからね!マーケティングの基本です。

しかし、ライオンキングの舞台と客席との関わりを一層、ラディカルに進めた感がありますね。客席と舞台との近さ、独特の構造、天井や壁など客席全体が一つの劇場になっていることの意味が相互作用で結び付いて、素晴らしい演出効果を出していました。いやあ~、私が過去に観たキャッツとは全く異なる次元のキャッツがありました。

以前のものに捉われると違和感がありますが、新しい『キャッツ』も十分に魅力的ですね。誰もが楽しめるファミリーミュージカルって感じでしょうか? 

誤解があるといけないのですが、そこいらにあるような、着グルミ着てお遊戯しているモノとは、根本的に別次元ですので!

あれほど観客と舞台が一体化したのも、私は初めて経験しました。かつての「キャッツ」しか観た事なくて、新しくなってからまだ観ていない人、絶対に一度は観ておくべきです!!

かつての「キャッツ」とは全く別物と言っていいほど変わってます。いやあ~、久しぶりに舞台の良さを実感しました♪

あれは、生で体験するっきゃないですね(満面の笑み)。

あっ、ただ劇中劇の「海賊」の部分は、個人的にあまり好きではなかったかも? イマイチ動きが小さくて、ちょっとなあ~。

その後のマジシャンみたいな猫。あれ好きぃ~。実に芸達者で、本当に巧いです。キャスト表、どっかしまっちゃって見つかりませんが、素直にあの動きや身体のキレに目を奪われました。


横浜の「キャッツ」も見る価値のある作品でした(笑顔)。

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2009年12月05日

山海塾『卵を立てることから―卵熱』in 東京芸術劇場

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【未だ観劇していない方は、せっかくの感動を損なう恐れがあります。演出内容についての感想が含まれていますのでご注意下さい!!】








フェスティバルトウキョーの一環として、東京芸術劇場で開催された山海塾の舞台です。

結構前に、三茶で2回ほど観た覚えがありますが、何度観ても感動を覚えます。今回もどうしょうもないほど、ルーティン化した日常に埋没しそうだった私ですが、一気に別な世界へ引きずり込まれた(否、進んで招待に与った)感のあるような体験をさせて頂きました。

舞台に水を張るというのは演出として、いろいろなものがありますが、正直こちらは非凡です。演出ではあるのですが、何か根本的に違うモノ、まさにそこにある特異な空間を現出させているとしか思えません。

開始早々、水面に音叉のように広がっていく水紋。それを映し出す背景。

絶え間なく、降り続け、注ぎ続けられる、水と砂。ハイキングなどで山に行った時に出会う、滝壺に注ぐ水音をずっとイメージしていました。
α波確実に出ていたっぽいカンジ?

そして、世界に潜む可能性、ありとあらゆるモノの元を凝縮したかのように存在する卵。

演者の、観客の、世界の視線が一点に集中する中で、異様なまでに凝縮された力を、熱を帯び始める卵。天から注ぐ水を受ける卵は、まさに神から祝福されたかのような、絶対の存在感を示します。

その力が凝縮に、凝縮されたある瞬間。

【パ~ン!】

と世界は、存在は、破裂します。

ビックバン?! あるいは、初めて言葉を体得したヘレンケラーのwaterのような衝撃が走ります。

均衡が崩れ、世界は、空間は動き始めます。
躍動、いや律動する世界。

いつもながら、天月氏のソロには、目が離せません。というか山海塾の舞台で、目を休められるのは、一瞬の暗闇の時だけなんだけどね。

ツレ曰く、卵を扱う天月氏のソロパートは限りなくセクシーだという評でしたが、なかなか面白い感想だと思いました。私には、むしろ中性的というか没性的な世界の管理者に思えてなりません。

う~ん、うまく言えませんが、地獄で閻魔様の命令に忠実に従う獄卒とかそういう類いにも重なってしまうんです・・・。

もっと恰好いいですけどね(笑顔)。

背景は、黒と青に二色の緞帳(?)だけでしょう。それで全てをあれほどまでに鮮やかに描けるのは何故なの・・・・? 下のごくいちぶだけが鮮やかなブルーに変わり、停止していたあの美しさも目に止まりました。

衣装も勿論、お気に入り♪

それ以上に本当に演者の方々の、肉体の動き、その制御には、目を見張ります。まさに舞踏家集団の名に恥じないと思います。

最前列のセンターブロックB13、B14に座っていたので全体の構成などはイマイチ把握しずらかったのですが(私は、何度も観てるから分かるけど)、本当に数メートル前に演者の方がいるので、その筋肉の動きまでもが肉眼で克明に追え、実に興味深かったです。

迫力が違います!!(満面の笑み)

やっぱり行って&観て良かったです♪ カーテンコールの時は、あまりに強く拍手し過ぎて、手が真っ赤に充血して血行が良くなっちゃいましたが・・・(おやおや?)それだけの価値アリ。

やはり本当に良かったと感じた時、観客が出来る事は、拍手で迎えることかな、って思います。今週はいろいろとありましたが、うん、幸せでいられそう。良かった&良かった!

今年の舞台はこれで見納めです。来年は一月の横浜キャッツまでおあずけ。キャッツもずいぶん久しぶりなんで楽しみ&楽しみ♪

来年は、シェークスピアとかもまた観に行きたいな。ツレに蜷川さんの連れて行けとせっつかれてるし・・・。

何はともあれ、素敵な時間を過ごせました♪

山海塾 [卵熱] SANKAI JUKU [UNETSU](amazonリンク)
販売されているDVDとは、結構印象違いますので、ご注意を!

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NINAGAWA 千の目第14回 天児牛大(振付家・演出家)×蜷川幸雄(演出家)
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2009年10月12日

「皇室の名宝―日本美の華 1期 永徳、若冲から大観、松園まで」in 東京国立博物館

おおかたの人達同様、お目当ては、伊東若冲の動植綵絵。皇居の三の丸尚蔵館蔵での展示の時は、一部の回しか観に行けず、大変悔しい思いをしたのでとっても楽しみにしていました。

連休中日の日曜日だったので、みんな外出しているかと思ったのですが・・・甘かったですね。10時頃に着いていましたが、結構、混んでいます。ただ、列はほとんど待たずに入れたのはぎりぎりセーフかな?

でも、中に入るとやはり密集しています。特に若冲の動植綵絵が始まるところは、いきなり渋滞状態。

室内は異様に温度が上がり、観ていて酸欠状態になりました。ぷはー。

でも、大嫌いな人混みであっても観に行くだけの価値がありました。観た事の無い作品もいくつかあり、本当に行って良かったです。何度観ても鳳凰図は、尻尾のハートマークも含めて素敵ですね♪

色使いの独特の感性は、他の方の描く鳳凰では観られません。

あと、貝甲図とか海の生き物達や川辺の生き物達の姿も大好きです。緑基調の色彩がなんかいいんだよねぇ~。そこはかとなくユーモラスでいて、丹念に&丹念に描き込まれた感じがなんかイイ♪

会社さぼって、平日の午前中にもう一度行ってもいいくらい。それぐらい、気に入りました。相国寺の時にも行きたかったんだけどねぇ~。う~ん、残念でした。

まあ、なにはともあれ、観れて満足。

そうそう、小栗判官絵巻。行く前は全然気づいていなかったのですが、これはデフォルメが実に効いていて、しかもこの力強さは、何者だ~!

あまりの人込みで他の作品は、結構スルーしていたのに、これだけはさすがに目が留まりました!!

今、このブログを書き始めるまで気づかなかったのですが・・・うっ、愚かな私。あの岩佐又兵衛の作品なんですね。大いに納得!

皮膚病に冒されたまま、連れて行かれる描写もなかなかですが、圧巻なのが、なんと言っても閻魔大王のお姿。これは、迫力満点です。

いやあ~。これはお薦めでしょう。

若冲と又兵衛見れば、それだけで元が取れた感じです(笑)。まだ行ってない方、会社休んで是非、混む前に行きましょう♪ 超・お薦めです。

関連サイト
東京国立博物館 展覧会サイト
小栗判官 wikipedeia

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三の丸尚蔵館第40回 花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展~東京国立博物館
「伊藤若冲」新潮社
細見美術館「細見コレクションリクエスト展05」 (8月22日)
NHK新日曜美術館「「こんぴらさん」の美をさぐる」
ラベル:アート 若冲
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2009年09月06日

丸善創業140周年記念「グーテンベルク42行聖書」展

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皆さん、稀覯本にはご興味の無い様子で、本当に見に来る人が少なかったです。土曜日なのに・・・そもそもお店にも人がいなかったけど、日本橋はオフィス街だからかな?

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こないだも東博で慶應大学の見てはいるんですが、もう一度観にわざわざ行ってみました。

ファクシミリ版を自由に触って閲覧できるのは良いと思いましたが、なんかねぇ~。大仰な警備に割に、展示がしょぼい。

あの洋書の丸善さんでしょ。創業140年記念とうたっている割には、丸善さんの凋落を物語っているように思えてなりません(大変失礼ですみません)。

でも、今時、洋書はamazonか直接海外から買えちゃいますからね。よほどの覚悟でビジネスモデルを再構築しなくちゃ、既存の仕組みの延長で存続できるとは思わないのですが・・・・?

この聖書だって、たった10年ぐらいで売り飛ばすなら、最初から・・・あえて申し上げませんが・・・・。形だけ所有したという肩書き持ってもね・・・・。

展示を見る限り、企画担当者の思い入れや熱意が感じられません。同時に学識も怪しいのでは?

高い本を見せればいいというものではないと思います。安易なパネルの説明だけでなく、羊皮紙や写本、活版印刷の歴史まで含めた、価値ある展示にして、関連本も紹介すれば売れるのに・・・。

あのグーテンベルク関連書の紹介は、地に落ちた印象を受けました。紹介すべき本ももうちょい選べよ~。素人じゃなくて、本のプロでしょうに。

志無き者は去れ・・・という感じですね。正直がっかりしました。せっかくの機会なのに、本当に歯痒い限りです。残念でした。

まあ、紅花でランチして結構美味しかったから、日本橋まで出たのは無駄ではなかったですけどね。どらやきもGETしたしね。

そうそう、東京国立博物館で見たものとは別な頁が開いてありました。それだけは良かったかな。

改めて、モーガン・ライブラリー行こうと心の中で思いました。

関連サイト
丸善 企画展
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2009年04月19日

月岡芳年展 描く in 専修大学図書館

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月岡芳年展 専修大学特設サイト

いつも拝見しているtakさんのブログで芳年の情報があったので、早速土曜日に出掛けてきました。

芳年大好きっ子としては、何はともあれ、百聞は一見に如かず!

実は、行く途中、大学構内で9号館を探していて迷ってしまったのですが、親切な学生さんに道案内して頂きました。大変感謝です(笑顔)。

そういやあ~、うちの従兄弟がこちらの大学出身だったなあ~とか、一緒に行ったツレのおじいちゃん(or ひいおじいちゃん?)だったかがここの理事だったとかというので少しは縁があるのかしらん?

駅からはちょっと遠かったのですが、校舎の屋上から見渡す眺めはなかなか良かったです。8Fか9Fだったかな? 最近の大学は立派なビルなんですね。私立はやっぱりお金持ち~♪ 
国立大学二つ行ったが、うちの大学は、なんもなかったからなあ~。図書館の蔵書が足りないって! 本ぐらいは、買ってくれよぉ~。まあ~、いいんですけど・・・。

おっと、関係のないことばかりで失礼。

さて、本題。
わざわざ手間かけて、出掛けただけの価値はありました。しっかり芳年のいろいろな作品が展示されていて、嬉しい~♪

美人画、婦人図とかは、まあ、特になんとも思いませんが、「新形三十六怪撰」の二十四孝狐火乃図とかは実に色鮮やか&艶やか。こういうの好きなんですよ~(満面の笑み)。私の自宅の机のデスクマットには、さぎむすめが印刷物が挟まれてますもん!

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あと、定番中の定番ってなカンジの「奥州安達ヶ原ひとつ家」のおどろおどろしい作品もしっかり展示されております。うわあ~もう、こういうの大スキでワクワクしちゃいます。

他にも血まみれ芳年の名に恥じない(?)作品も展示されていますよ~。

ただ、今回の展示は、そういった方面に特にこだわることなく、絵師としての芳年像を見せようとしているようで非常にバランスがいい展示だと思いました。

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「月百姿」なんて、もうファンタジーの世界ですよ~。孫悟空ありぃ~の、竹取物語ありぃ~のってネ。

土曜日というのもあるでしょうが、ほとんど人がいません。実にゆっくりと展示を満喫できました。しかも無料です。芳年好きなら、観に行って損はないと思いますよ~。ちょいアクセスが面倒なのが玉に瑕ですが、気分が学生時代に戻ります(年寄り臭い台詞だ)。

そうそう、専修大学のサイトで壁紙や携帯の待ち受け画像も配布されてます。展示会場には綺麗な栞も提供されていて、ちょっと得した気分。

お近くの人には、お薦めですね。

以前、別なところでやっていた芳年展などでは、それなりの入場料金取る割に展示物が全然たいしたことなくて、騙されたと思うことがありましたが、こちらはそんなことありませんので、十分に楽しますよ~。ただ、24日までだったかな?会期がもう残り少ないので行く方はお急ぎ下さい。

久しぶりに見たけど、芳年はやっぱりいいなあ~。怪異とか不可思議なものに、溢れ出る血潮を描かしたら、やっぱり秀逸ですわ~。スプラッター映画とかは、(汚くて野蛮で)大嫌いな私ですが、こちらの壮絶さは別種の美学の結晶だと思うんだよねぇ~。

満足&満足♪

町田の版画のとこも、結構持っていると思うんだけど、特集組まないのかなあ~。あと、東博もあるはずなんだけど・・・。み、みたい。

あっと、ついでに思い出した!
「芳年妖怪百景」これも私のお気に入りなんだけど、どっかの段ボール箱に入れたまま埋もれてしまい、見つかりません。どこに行ったんだろう???

芳年妖怪百景(amazonリンク)

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2009年03月14日

山海塾公演 金柑少年 in 池袋芸術劇場(20090308) 

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【舞台を観た事無い方、注意!】
内容が詳しく書かれてますので、これから観る方は面白さが半減します。本レビューを読むのはお薦めしません

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フェスティバル/トーキョー 金柑少年

先週の日曜日に観た舞台です。今週は花粉症で体調いまいちの為、今頃のレビューだけど、まあいっか。自分のメモ用ですし。

今回は、最前列のセンターブロック少し右寄り。ほとんど砂被り席ですね(実際は、白いライスパウダーを少々舞ってましたけど)。もうちょい後ろだと全体が把握しやすいのですが、前は前故の良さがあるんですよねぇ~。演者の息遣い、筋肉や表情の微妙の動き、これらは本当にすぐ側で感じるのと後ろで眺めるのでは全然違ったりする。

まあ、二回以上観て比べるのも良いのですけれどね。今回の作品は初見でしたが、想像とは違ったものの、やっぱり良い!良いのです(笑顔)。

元々の山海塾創成期の頃の作品のリメイク、つ~か、演者が若手になり、演出も変わっているのでしょうが、当時の雰囲気を彷彿とさせる作品でした。個人的には、あまり印象が無いのですが、暗黒舞踏とか呼ばれていたのも分かるような気がします。

土方さんとかは違うのでしょうけどね。

去年観た作品とは異なり、洗練さ・スマートさはありません。どちらかというと土着の、アングラっぽい雰囲気がプンプンしますね。それでいて寺山修司のような粘っこい粘着質はなく、60年代のヒッピーとかのような自由さ、無国籍感が漂います。

かといって、ニューウェーブ系の変な安っぽさは無いね。

以下、ダラダラと感じたことをメモ。

肉体の絡みは、一瞬、ニコ動の『兄貴』かと思いましたが・・・(苦笑)。あの推移も不思議ですなあ~。
中国の唐子のような小人が出て、あの独特の動き・仕草・表情がまたなんとも楽しい。僕は、こういうのも大好きです♪

それと三角の宙吊りの人。ビジュアル的にも、あんなにシンプルなのに、その光と闇の間に強烈な原色の色・イロ・いろ・・・・!!

網膜に焼き付いて離れません。まさか、人がぶら下がってるなんて夢にも思わなかった。そういえば、海外でのパフォーマンスで不幸な事故がありましたが、あれもこれに関係あるんだとふと思い出しました。

おまけにあの回転・回転・回転。血が頭にのぼらないか、なんか心配しちゃいました。でも、美しいのですよ~。あれを観ながら、西洋人だったら、絶対に殉教をイメージしちゃうのではないでしょうか? 私的には、そのイメージが強烈にオーバーラップしてましたが・・・。

そうそう、あと話が前後しますが、孔雀さん。
思わず、四季のライオンキングのザズーとか思い出してました。首をしっかり握っていて、当初挙動があまりにもおとなしく、フェイクだと思っていたのですが、まさかナマモノ(生物)とは夢にも思いませんでした。

舞台から飛び出してきて、私の席に来たらどうしようかと小市民的に心配しながら見守っていましたが、最後まで舞台から勝手に飛び出さなかったんですねぇ~。

演じる『場』にいる、演じない『存在』の存在は、途端に計算され尽したはずの舞台が不確定要素いっぱいの確率の場に移行し、いやあ~ライブ感たっぷりです。何しろ、読めないんですから・・・。

それが演じる緊張感とは、別な緊張感を生み出して、なんとか不可思議な感覚に囚われつつ、目が離せませんでした。

演出のオリジナル当時、匂って大変だったと聞いた干物の尻尾はどこに行ったのかと観ている時は、ずっと思っていたのですが、他の方のレビューを読んで初めて気付きました。

背景だと思っていた、草木は尻尾だったのですね。う~ん、ツレとも話し合ったけど、最後の最後までそれに気付きませんでした。あの部分は、もう少しなんとかして欲しいなあ~。

気付かせないのを意図して新しい演出なら別ですが、観客に伝わらないのはそれはそれで問題でしょう・・・。まあ、個人的な感想に過ぎませんけど。

あとね、あとね、顔が植物のようなもので隠された人物達。
あれも強烈な印象があります。全然眼が見えそうな部分がなくて、どうやって立ち位置とか把握しているのだろうと大変疑問に思いつつ、目が離せません。怖いつ~か、怪しいというか、あの仮面売り出したら、私買います。絶対に買います。でもって、会社の飲み会であれを被って参加したいと強烈に思いました。ファントムの仮面よりも、欲しくなりそう(笑)。

でもね、あれ、いいです。海藻の乾燥して張り付けたような具合に、あの色合いも好きです。やっぱり山海塾は、センスというかスタイルが秀逸ですね。そそられます。

それと、後半にいつもの花の耳飾りではなくて、金属系の光モノをただつけている、本当にただそれだけなのに、なんで?あんなに気になるの?眼を惹くの?

本当に常に新鮮で、刺激を受けます山海塾の舞台。
そういやあ~、天児さん開演前にロビーにいらっしゃってました。ツレは、今回演出に徹して演者ではないことを知らなかったようで、これから舞台なのに、アレレって不審な顔してましけど?(笑)

それはさておき、あの金属のものを投げつけた時、舞台に刺さったのは驚きました。たぶん、想定外だったと思いますよ。あのまま最後の最後まで舞台に刺さったままだったので、演者の方が怪我しないか、個人的にはすっごく心配してしまいました。まあ、幸いそんなこともなくて何よりでしたが、最後のカーテンコールの時もうまく避けられてましたし。

幕が下りた後、舞台の表面を触ってみましたが、あんなに堅いとこに刺さるなんて・・・! う~ん、これだから予想ができない舞台はいろんな意味で興味深いです。

開幕前に白い砂だと思っていたら、舞台に寄って近くで観察していたツレから、これお米だよ~と教えられて疑問に思っていましたが、舞台を観ていて米で良かった~と本当に思いましたし・・・(笑顔)。じゃないと、お腹壊すって。

まあ、いろいろと書き連ねちゃいましたが、山海塾のルーツを知るうえでも興味深い作品です。今見ても十分に新しいのですが、その当時の時代を考慮しても、別な意味で面白い作品だと思います。既成概念に囚われずに、素直に楽しめる方にお薦めです!!

パリの市民劇場だっけ? ホームグラウンド。そこで是非観てみたいなあ~。人気が高過ぎてチケット取れなさそうだけど・・・。日本だから、こんなに楽に観れるんでしょうね、きっと。

有り難いような・・・少し残念なような・・・。

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2009年03月07日

平山郁夫展 at 百段階段(in 目黒雅叙園)

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以前から、一度は観に行こうと思っていた百段階段でしたが、建物だけの見学ができず、食事との抱き合わせだったのでしばし躊躇してました。

食事の値段は安くはないものの(普通に飲みいきゃ、もっと使うしね)、正直美味しそうに見えないし、美味しかったら、こんな抱き合わせ販売のようなことしないでしょ。

どうにも癪に障るので、なかなか行く事ができませんでした。

今回、平山氏の作品の展示会場ということで普通に見学できるようなので大変&大変、楽しみにしておりました。

目黒雅叙園のHPで見る画像もだいぶ綺麗に撮れてましたからね!(後に、まさに写真家の腕が良過ぎたことを知るのですが・・・)

さて、実際に行ってみると・・・スタート場所のエレベータこそ、期待をいや増すばかりの装飾でワクワクしていたのですが・・・ナンダ?コレは・・・? というのが私の感想です。

階段は照明が暗いこともあり、確かに絵は描かれているものの、並の階段でしょう。私はもっと凝った美しい、職人技の冴えを見せつけるようなものを何度も見たことありますもん!

一般の木造住宅のものよりは、金かかっているでしょうが、ハテ?写真のものはどちらとツレと顔見合わせてキョロキョロしてしまったのは、事実です。

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(別なパンフより)

また、階段につながる各部屋ですけど、格天井もねぇ~。本当に格式のある老舗のお寺さん行って御覧なさい。全然レベルがちゃいますって!

彫刻も一見目をひきますが、繊細な職人的な美しさって無いように思いました。私自身の好みも多分にありますが、意匠の斬新さ(主題の独自の解釈)やひたすら手間を惜しまず精巧・緻密に作り上げられた『技』とかが大好きなのですが、どうでしょう。

派手さや華美といった虚飾も徹底的に拘れば、素晴らしいと思うし、嫌いではないのですが、なんか中途半端感が否めません。大衆をなめているような感じがしてなりません。

作品の展示の為に一番見たかった、壁や障子の桟などの細工はほとんど取っ払われていて、見るも無残。なんだかなあ~。

地元の神社仏閣の細工見た方が、感動するんだけど、マジ。

これが昭和建築として保存されるんだあ~。都庁の庁舎に建築として価値を見出すくらい納得がいかないなあ~個人的には。どうにも気概を感じ取れないのだが・・・・。

ちなみに、平山氏の作品には全く興味がないので完全にスルー。できれば、作品も無かった方が嬉しかったんだけど・・・。リトグラフの販売が目的だろうしなあ~。以前、ちょっとそれをやってた人から聞いてますが、私嫌いなんでいろいろと・・・。まあ、それは別な話です。

大いなる失望の後に、帰ろうとすると更に追い討ちが!

行きはエレベータだけど、帰りは非常口みたいな狭い通路の階段を3階分ぐらい歩かされる。あれはひどいと思うんだけど・・・お年寄りにはきつくない?

やっぱりモノもモノだけど、それに関わる人の心もハリボテかと思った一日でした。先々週の話ですが、まあ、一応、備忘録としてメモしておきます。

私は二度と目黒雅叙園行かないなあ~。確かに結婚式場の方は、華やかでハレの空間を演出してたけど、あちらの方がマシかな? テーマパークじゃないんだからという野暮は言わずに、楽しんだ方がいいんでしょうね。ああいう場所は。

でも、完全なる虚構ですね。ディズニーランドに拒否感を覚える感性の私には、違和感アリアリです。砂漠の中にある廃墟のローマ遺跡の方が私にはリアルなんですけどね。まあ、人それぞれです。
ラベル:建築
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2009年01月18日

グーテンベルク聖書「四十二行聖書」の実物が見れました in 東京国立博物館

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以前から興味を持っていて見たいなあ~とは思っていたのですが、まさかまさか全く偶然に憧れの『グーテンベルク聖書』に出会うとは!

うん、きっと縁があるんでしょう。ただの偶然なのでしょうが、大変サプライズな出来事でした。今日は私の誕生日ですが、一日早いお誕生日プレゼントでも頂いた気分です♪(ウキウキ)

土曜日は図書館で西尾さんの「偽物語」を借りた後、新しく見つけたタイ料理店で、久々に大当りのランチを食べてご機嫌になり、その足で東博へ向かう。

年末の12月以来行ってなかったが、ほとんどめぼしい特別展のない閑散とした東博をうろつく。個人的には、人が激減した常設展も好きなんだよねぇ~。

普段だったら絶対に見ないであろう・・・特別展「未来をひらく福澤諭吉展」 にふらりと入って見てしまう。ツレは慶應の幼稚舎へ行ってた人だから、少しは関心があるかもしれないが、私関係ないし、福澤氏って何か偉業を残したの~?と疑問に思いつつ、見る。

当時使用していた日用品や書簡等の展示があるが、個人的には、全くつまらない。いい加減失敗だったかなあ~と思っていた時に、いきなり衝撃のご対面!!

なんだ、こんなとこにあるの~。ちゃんと大きくデカデカと告知して下さいよ~(涙)。あやうく見逃すところでしたよ、ホント!

以前読んだ高宮氏の本で、福澤諭吉がグーテンベルク聖書を見た記録があり、慶應がそれを所有することになったのと奇しくも不思議な縁がある・・・というくだりを読んで覚えがあるが、全く関係ないジャン!

でも&でも、この特別展はこの聖書一点を展示しているだけで十分に観るだけの価値があります。絶対にね!

bible0117.JPG

両開きで、手彩色の模様が入っている綺麗な頁が公開されています。(上の写真参照)。内容的には誤植があるとものの本には書かれていますが、それらを差っ引いてもフォントの美しさ、単語間の空白をバランス良く按分し、文章の両サイドがきちんと揃っています。

これ独力で成し遂げたグーテンベルクは、やっぱり偉人でしょう♪とにかくこれは、素晴らしいです。美しい。

高宮氏の講演録を見ると、丸善が8億円で落札したもの(これは本から知っていたが)を慶應が所有するようになった2002年頃のクリスティーズの再評価では、21億円になったそうです。うわあ~株より上がっているよ~(俗物的表現をお許し下さい)。

それなのに・・・見学者の方は、ほとんどチラっと一目見ただけで素通りしていく。な、なんで・・・。21億円なんですけど??? 金庫から出して展示する1日の保険料が100万円以上の稀覯本らしいのですが・・・!

まあ、みんな見ないのでたっぷりと何度も何度も堪能させて頂きました。完全に前を占領してましたもん。誕生日イブだし(笑顔)。

とにかくご興味のある方、グーテンベルク聖書の価値が分かる方、絶対に行っとくべき!

慶應のホームページを見ると9年ぶりの学外公開で、初日から2月1日までの3週間の展示期間は1週間ごとに展示ページ替えをする予定だそうです。

来週また行っちゃいたい気がします~♪
ちなみに私が見た見開きページは二番目の写真のところでした。
唯一残念なところは、表紙の部分へ十分に光が当たっていなかったので透明なアクリル樹脂(?)を通しても表紙がよく見えなかった点。

紙を痛めずに、もう少し照明をなんとかして欲しかったなあ~。かろうじて、本の表紙と台座の隙間から見れただけでした。この点だけは残念でした。

でも、大満足の展示でした。

夜は、予約していた創作系のイタリアンでディナー。最近、非常に人気が高いらしくなかなか予約が取れなかったのですが、やっと取れました!

京芋のニョッキに鴨のソースがかかっているのが、なかなかの絶品。三陸牡蠣にクリームソースが絡まったもののも美味しかったなあ~。ちょい食べ過ぎたけど、素敵な一日でした(満面の笑み)。

慶應本グーテンベルク聖書のオンライン版
未来をひらく福澤諭吉展 公式ホームページ

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2009年01月12日

山海塾 [卵熱]

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3月の「金柑少年」のチケットも既に入手済みですが、いつもは舞台で見ているものの、どうしても欲しくなってDVDを購入してしまいました。

NHKで放映された作品をDVD化したもので、山海塾の舞台を映像で見れるのは、これしかないはず。また、通常のものとは異なり、大谷石の採掘場跡という屋外での公演を扱っています。

時代の故か、映像は今時のDVDとしては、鮮明さには若干欠けます。また、音声がモノラルというのは、大変残念です。

そしてこれは当たり前過ぎるのですが、ライブで見る、というよりも共感する特別な空間感覚がありません。あのどっぷり山海塾の世界に浸り切ることはできません。

でもでも、それらの欠点を補ってもあまりある山海塾の『舞台』です!『世界』です! 

自宅で映像としてそれを見ることができるのは、大いなる喜びでしょう♪

【分かる】ということに意味がある作品ではなく、【感じる】ことに価値がある作品と言うのでしょうか? 一つ一つの動作から、強い衝動を! 想いを! 感じずにはいられません。

目が離せず、息が止まってしまうんですよ~。

いつもながら、肉体による表現力をまじまじと感じさせてくれます。それと一体化して、筋肉の張り、指先の動き、吐息の白さ、卵を弾く水飛沫、全ての事象の一つ一つが意味があり、価値があり、繋がっていく世界。

やっぱり山海塾の舞台は、心の奥底からの深い感動を生み出して止みませんね! 劇評がいつも似たようになってしまうのは、私の表現力の貧困さ故ですが、毎回深い感動を与えつつも、その表現手法に対しても常に新しいものを見出せるのは凄いんですよ~。

奇をてらうことなく、新奇性を追求していく。新奇性というよりも、むしろ、シンプルにより良い表現方法を模索している結果なのかもしれません。

DVDを見るよりも、まずは舞台を一回観れば、いやでも気付かされるでしょう。その凄さを。あ~、待ち遠しいなあ~。3月8日早く来ないかな♪

金柑少年は、何年も前からずっと観たかったのですが、いろいろとタイミングやら何やらが合わず観る事ができなかったので本当に楽しみです。

夜のディナーでは、それらの話を堪能できるようにお店を探さねば。

山海塾 [卵熱] SANKAI JUKU [UNETSU](amazonリンク)

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2008年10月28日

特別展「大琳派展-継承と変奏-」東京国立博物館

ここんとこ行ってなかったので、久しぶりに東博へ行ってきた(先週の土曜日のこと)。

大琳派展 公式サイト
東京国立博物館

fujinraijin.jpg

お約束ですが、風神雷神目当て。
確かに、確立したパターンとして描かれつつも、画家によって相当印象が異なり、その推移や差異が存分に楽しめるのは良かった!

あまり予備知識のない私のような素人でも比較することによって、それぞれの作品の違いや良さが際立ち、より深い鑑賞につながる展示手法として東博的にも多用し始めてる感じがしますねぇ~。

実際、かなり効果的で人々の反応も違っていたように感じました。

そうそう、今回は酒井抱一の作品がとっても多かったですね! うん、悪くはないんだけど、インパクトというか華やかさにはちょい欠けるのも事実。個人的には人の多さもあり、それほど満足した特別展ではありませんでした。

親指のマリア 東京国立博物館

しかし&しかし、私的には琳派展よりもはるかに良かった展示があったのです。「親指のマリア」。

西美にあるカルロ・ドルチ(Carlo Dolci)の「悲しみの聖母」に惹かれて以来、東博にあるのは知っていたドルチ作(確定はしてないみたいですね)「親指のマリア」をずっと見たかったのですが、常設で展示されていない為、いつも見れないままでした。年間パスポート持ってるのに・・・(涙)。

もう見たいと思ってから、2年以上経ってる感じがします。

期せずして、琳派展の後、常設展を見ていたら、念願のこれを発見しました!! 
企画展示  特集陳列「キリシタン―大航海時代のキリシタン遺物―」

全然期待していなかったのですが、踏み絵を始め、聖遺物箱、エラスムス立像など、滅多に見れない珍品が展示されています。そして、その中の一品(逸品)として展示されていたのが、まさにこの「親指のマリア」なのでした。

作品としては小品で、少し剥落などが目立ちますが、これは私的にはドルチ以外の何者の作品とは思えません! とにかく優美な姿は、秀逸です。絶対に見るべき価値があると思います。

ほとんど見る人がいなかったのが、不思議でなりません。見てる人もちらっと見てるだけで、私などはこの作品の前でしばし張り付いて独占してましたモン! もったいない!

是非是非、ドルチ好きの方、東京国立博物館に行ってじっくり鑑賞して下さい。なかなか見れないんですから・・・。

悲しみの聖母 西洋美術館

そして、当然西洋美術館のドルチの作品(上の作品)と見比べましょう♪ なんとも言えない柔らかさを、感じます。私的には風神雷神の対比よりも、是非、西美と東博のドルチを並べて展示して欲しいなあ!! 

同じ上野にあり、ほんの少しの距離なのに、一緒に展示されることが一度もなかったはず。実に&実にもったいないなあ~。絶対にドリーム企画なんだけど、知名度無いし、客呼べないから、こういう企画はやってくれないんだろうなあ~ふう~(溜息)。

とりあえず、『キリシタン遺物』展これは見とくべきです。私的には一押しです(満面の笑み)。

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2008年10月13日

山海塾東京公演『とき』 in 世田谷パブリックシアター

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山海塾 公式サイト
山海塾「時のなかの時-とき」ダイジェスト映像

先週の『とばり』に引き続いて今週の土曜日(10月11日)も観てきました。2週続きの山海塾です。

この場所で山海塾を観るのは、もう4、5回目だろうか? 数年振りに観てもやはり常に感動を与えてくれるのはさすがという他無い。

「静」と「動」の狭間、静寂の中で表現される脈動感(躍動感ではない!)。人間の肉体がこれほど、表現の『道具』であることを感じたことはなかった。

人は考える葦にあらず、表現のツールではないかと思わず、浮かんだ。

しかし、いつも思うだが、山海塾の舞台道具は決してお金のかかったものでもないし、凝ったものでもない。常にシンプルだ。でも、それが生み出す演出的効果は、想像を絶する! 素人の私がこれほど驚愕するのだから、舞台関係者はもっと刺激を受けるだろう・・・と愚考しちゃうね。ホント。


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【以下、舞台を観たうえでお読み下さい。初見前なら、せっかくの感動を損なう情報が含まれます・・・】








私がまず一番驚いたのは、シーツの端を持ち上げる演出。本当にたった、たったあれだけの事で私は観に来て正解だと確信しました!! 表面的には緩慢な、実は、力を充溢させた動きと相俟って、心が、いや全身が惹き付けられてしまうのですよ~。

呼吸さえ止まってしまう集中力を演者ではなく、観客が持ってしまうあの間、あの空間。他ではまさに味わえない山海塾の魅力、個性でしょう。

一人の人がシンプルな跳躍を続ける、あれってよほどの修練を積んでいないとできないんではないでしょうか? 他の動きもそうですが、ゆっくりと力を溜めつつ、エネルギーをじわりとにじむように表現する、どれほどの基礎訓練をやられているのだろうと思わずにいられませんね。

山海塾で表現される動き、姿勢は一瞬間なら、人間であれば誰でもできそうなのですが、それを継続し、しかも語らずして観るものに何かしら熱いモノを伝える、というのは本当に非凡なことだと思います。

理屈ではなく、観ていて、必ず全身に伝わるものがあります。自分でもよく分かりませんが、興奮したせいか目頭が熱くなっていたこともありました。

そして、そして、あのリング。
リング自体が動くのではなく、棒が出し入れされるだけ。そういってしまえば一言で済む、あれがどれほど観ている人に深く、しっかりと心に食い込んでくることか・・・。演者の動きと相俟って、完全に空間を構成する要素になっているんですね。

出し入れする動きに、ふと『とき』の進行状況を現すプログレス・バーをイメージした私って職業病かな?(笑)

そうそう、モノリスの如く立つ黒い物体。あれが少し傾く。それだけのことなのに・・・いかに空間的に変化していくことか! 演者の動きとの相乗効果、観客のピーンと張り詰めた緊張感、まさに魂消(たまげ)たと言えるのではないでしょうか。意識はあるものの脱魂状態で視線だけが釘付けです。

人とという肉体を通して表現される【モノ】、【脈動】といった【何か】を頭ではなく全身の身体で受容する、そ~んな体験です。エンターテイメントを期待すると期待外れです。そもそもモノが違う。でも、絶対に何かを感じられる価値ある舞台、舞踏、全てですね。

万人向きではありませんが、ある意味分かる人、感じられる人には、絶対に行くべき作品ですね。キャロットタワーでは、今日が最終日ですが、まだまだ全国でやるそうですよ~。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここで先週見た『とばり』について。
日経でも好意的な文面をちらほら見た。私も先行予約で本来ならば、相当良い席であろう場所をおさえ、観に行った。しかし、今まで見たS席の中では、最低でほとんど舞台が見れない場所だった。見切れのあるC席で見たこともあるが、あちらの方がはるかに良い。

絶対にS席としては、販売してはいけない席であろう。同席していたツレは全く舞台が見れず、激怒していたのは当然だ!!

彩の国の蜷川氏と天児氏の対談も観ていて、私ともども非常に楽しみにしていたし、対談後の質問で私も直接天児氏に今回のとばりについて見所を聞いていただけにショックが非常に大きかった(号泣&噴飯ものだ)。

ただ、観終わってから、あまりにも酷かったので今後のこともあるし、製作の担当者の方へ状況を伝えた。真摯に問題点を認め、今後は座席について再検討して対処したいとおっしゃられていたので、今後の山海塾には強く期待したい!! 

せっかくの舞台です。金は高くてもいいんですが(払える程度なら)、観た人が喜ぶものにして欲しいです。山海塾のファンとして、ファンを裏切らないことは、実際の舞台と同様に大切だと思いました。基本中の基本ですからね!

う~、しかし、とばりは観れなくてストレスが・・・。観たい!観たいよ~!(涙)
今度の再演っていつ? 今度、フランスまで行って観て来ようかな?
『とき』が良かっただけに、『とばり』が観れなかったことが残念で堪らない私でした。悔しくて、ついDVD買っちゃったけどね。

でも、舞台は舞踏は、やっぱり生でしょ、ライブだよねぇ~!!

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2008年09月23日

西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」in 損保ジャパン東郷青児美術館

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いつもお仕事に行く途中でこの美術館の前を通るので、気になっていました。今回は、割合私の好きなジョットだったのでようやく行く気になりました。

日曜日の午後(9/14)だったせいか、お客さんはかなり少なくゆっくりと鑑賞できました(笑顔)。

ビザンティンの定型化した表現手法から、自由な表現方法へ移行する契機となったジョットですが、ルネサンス的な表現(勿論、これだって約束事はあるんですけどね)に慣れ親しんだ現代人の私には、感じ方が違うんですよねぇ~。むしろ真逆だったりします。

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ギリシア正教的なイコンの風情を漂わせているのが、かえって新鮮に感じられるのですが・・・。

ジョットの魅力は、定型と非定型の過渡期の微妙なバランスこそではないでしょうか。特に、美術の専門家でもない単なる美しいモノ好きとしては。

実際、今回の展示では、ジョット風の影響下の作品が多数出ています。『マドンナ&バンビーナ』イタリアにいくとそれこそ、至るところで嫌ってほど見る構図ですね。ああ、ここんとこイタリア行ってないなあ~。シエナ行きたい!

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そうそう、今回はスクロヴェーニ礼拝堂を写真で紹介していました。勿論、壁画だし、持ってこれる訳はありませんが、個人的にはいささか不満。

写真で展示するなら、一部でいいから模擬礼拝堂でも作って欲しかったなあ~。そうしないと、雰囲気が想像できません。西美とかじゃないと、そんなことまでやってらんないだろうなあ~というのは分かるのですが、あの圧倒するような雰囲気が伝わってないような気がしてなりません。

だって、極論すると写真でしかないんだから、もっと&もっと展示方法に工夫して欲しいなあ~。知恵は絞れるはずです。今後に期待。

なお、常設展に一時散々話題になったゴッホの『ひまわり』があります。確か53億円 or 58億円ぐらいじゃなかった。別に値段がどうのこうのいうわけではありませんが、あの展示で作品を生かしているようには思えません。ゴッホ美術館に一年の半分ぐらいは、無償で貸与したら、全人類居に貢献する有効な活用方法かなあ~などと庶民でひとごとの私は思ったりしました。

でも、あれは生かしきれてないでしょう、間違いなく。今後に期待せずにいられません。

話は変わります。
ここって実に見晴らしがイイ。都庁の展望台もいいけど、景色を観に行くついでにぶらりと立ち寄るのも良いかも? でも、無性にイタリアに行きたくなりますよ~(笑顔)。

関連サイト
損保ジャパン東郷青児美術館

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2008年09月14日

ジョン・エヴァレット・ミレイ展 in Bunkamura

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午前中は、映画「わが教え子、ヒトラー」を観て、焼肉&生ビールでランチ。匂い消しのグミを食べたら、午後からは、ミレイ展です。

今日はBunkamuraを儲けさせてるなあ~(笑)。

テート・ギャラリーは、結構好きで二回行ったけど、口開けそうそうのパブで飲んでから、観てたもんなあ~あの時も。飲んでばかりの私です。

さて、今回のミレイ展。目玉の「オフィーリア」は、やっぱりどの作品をおいても、まさにこの作品だけでミレイの名は残ったんだろうなあ~と思うほどの逸品です。

何度観ても見飽きる事なく、素敵♪

あの微妙な手の開き具合や、流れに漂う草花。絶妙のバランスでしょう。

狂気のもたらした美の陥穽。狂気は『純粋』故に、美しかったりするのでしょうか? 私の好きなモティーフです。

モデルは、ご存知ラファエロ前派兄弟団の中でのマドンナ的存在だった女性。確か最後に不幸な死を迎えた方でしたよねぇ~。ロセッティの奥さんだった人。長時間濡れたままのモデルで風邪引いて大変だったとか・・・。

う~ん、ずいぶん昔の記憶なんで誤りがあるかもしれませんが、いろいろ思いながら見るとまた、楽しいかも? 本作の隣には、モノクロの習作があり、見比べてみるのも楽しいです。

他には本の挿絵として描かれた作品もあります。「マリアナ」もいい感じでしたが、他の作品は、私の趣味ではありませんでした。

特に肖像画や風景画は、私の興味の範囲外なので。

そうそう、午後からだったので結構人が入ってました。朝10時の時点でもBunkamuraの開場待ちの人がいたしね。今日は日曜美術館のアートシーンでも紹介されてたから、また混むのかな? 大変だあ~。

夜は、日本酒の品揃えの良いお店で、ちびちびと日本酒を飲みつつ、酒の肴をつついておりました。う~ん、良い一日でした。

でもって、今日は近所の山でも散策しようかな? さて11時にもなったしね。 

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「エクラン世界の美術 第13巻 イギリス」主婦の友社
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2008年07月27日

特別展「対決-巨匠たちの日本美術」東京国立博物館

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いやあ~会社休んで金曜日に行ってきて正解でした! 
平日なのにかなり込んでましたが、まさに『一見の価値あり』です。

名立たる巨匠達の作品をグッと絞りこんで、一人対一人で対比させることでそれぞれの魅力を際立たせるとは、なかなかに心憎いばかりの演出です。

なんでもそうですが、漫然と見ていては分からない事、気付かない事ってあります。特に人というのは、他と比べてどう違うという点には敏感なものの機械的なものとは異なり、絶対的な尺度での認識は苦手なものです。

まさに人の特性を生かした展示法ですね♪ いつも以上に面白かったです(笑顔)。しかし、東博って、いつも思うけど頑張ってますよね。常に新しい手法を試行錯誤しつつ、顧客の期待に応えていこうとする姿勢は見習うべきものがありますね。
(おかげで人が多くて、見難いのが残念ですが、成功は次の成功につながるし、展示の質が向上していくのはファンとしては嬉しいです♪)

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さて、あれだけたくさんの方が見ている展示会ですので全般的な感想は置いといて、私が強く感動したのは、なんといっても曽我蕭白ですね。

以前から、美術雑誌や画集で眺めていたものの実物を見る機会がありませんでした。NHK知るを楽しむ「ギョッとする江戸の絵画」でTVを見てた時も狂おしいほど(ごめん、少し誇張入ってる)見たい!と思ったものの、そのままくすぶっておりました。

それなのに&それなのに、まさかいつも行ってる東博で展示されているのを実は行ってみるまで知りませんでした。チラシも持っているのですが、いろんなところのものと混ざって全然チェックしてませんでした(うかつ!)。

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もっとも、そのおかげで何も考えずに展示を見ていたら、突如鮮やかなあの色彩と構図が視覚に入ってきました。「アレレ!まさか、あの蕭白の作品!?」

一瞬、唖然としつつ吸い寄せられたのは言うまでもありません。
(実は誰と誰の対決とか、意識してなかったりする・・・オイオイ)

展示の流れから、若冲の作品を見ながら、やっぱり若冲はいいねぇ~とかゆとりかましてたんですが、一転、こだわりモードへ。離れて見たり、近づいて細部を下から上へと凝視したり、また離れて右と左を同時に見たり、実にせわしない(苦笑)。それらを延々と繰り返し、他の展示を見終わった後にも戻ってきて見たのは言うまでもありません!

円空仏や木喰仏も結構好きで良かったのですが、今回の展示は、誰がなんと言っても『曽我蕭白』だったと私は信じています。 実際に、椅子に座って眺めていた時も他の人達が足を止めて見つめている時間が長かったように感じました。贔屓目かもしれませんが・・・。


私にとって価値の高いものとは、感動を与えてくれるものであり、舞台であったり、読書であったり、絵画であったり、様々ですが、曽我蕭白の「群仙図屏風」は間違いなく感動を与えてくれる作品です。

デフォルメというよりも、描かれる対象の本性をより如実に現した結果としてのある種異形の姿形、構図なのかもしれませんが、決して二次元で収まるようなスケールではありません。

指一つを見ても、その非凡さが分かるでしょう。それにこの色彩感覚の絶妙さが堪りません♪ モノクロが基調の世界に、ポッ、ポッと灯るかのように、それとも別世界が二重に写しになりつつも融合しているかのような色の世界に引きづり込まれます!

しかし、それでいて決してモノクロの世界が単調なのではないのが、また凄い! 可愛らしい目の龍が、それでいて力強さをみなぎらせているのも実に色が生きているように思えてなりません。

妖怪(?)がかじっているのは「仙桃」でしょうか? そういうさりげない部分も私は好きなんですよ~。

是非是非、曽我蕭白好きの方は、この一作品の為だけにでも観に行く価値があると思います。会期末までに、もう一度私も行こうっと♪

そうそう、ついでにもう一つの作品も紹介。「鷹図」これも好き。

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そうそう、一つだけ若冲のもメモ。
「石灯籠図屏風」だけど、点画というのかな? あれで灯籠の石を実にうまく表現している。たいしたことないのかもしれないですが、常に研究熱心に表現方法を試行錯誤していた若冲らしいと思ったのでメモ。
【展示内容一部抜粋】■ 若冲 vs 蕭白 ―画人・画狂・画仙・画魔―

仙人掌群鶏図襖 伊藤若冲筆 江戸時代・寛政2年(1790)大阪・西福寺蔵
群仙図屏風 曽我蕭白筆 江戸時代・明和元年(1764)文化庁蔵
石灯籠図屏風 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 京都国立博物館蔵
寒山拾得図屏風 曽我蕭白筆 江戸時代・宝暦9~12年(1759~62)頃 個人蔵
旭日鳳凰図 伊藤若冲筆  江戸時代・宝暦5年(1755) 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
鷹図 曽我蕭白筆 江戸時代・明和元~4年(1764~67)頃 兵庫・香雪美術館蔵
雪中遊禽図 伊藤若冲筆 江戸時代・宝暦6~7年(1756~7)頃 個人蔵
唐獅子図  曽我蕭白筆 江戸時代・明和元年(1764)頃 三重・朝田寺蔵

関連サイト
東京国立博物館 特別展サイト
朝日新聞社の展覧会サイト

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プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展~東京国立博物館
「奇想の江戸挿絵」辻 惟雄 集英社
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2008年06月01日

ルドゥーテ生誕250年記念『薔薇空間』 宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々 in Bunkamura

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土曜日に渋谷の東急Bunkamuraでやっていた薔薇図譜(ボタニカルアート)の展覧会行ってきました。

事前に河出書房新社から出版された「バラ図譜」の内容見本等を観ていたので、いやがおうでも期待が高まっていたし、午前中は蜷川氏と天児氏の対談を聞いて自ずとテンションも上がっていたのでより一層、期待が増した状態。

実際、会場ではなかなかこれほどたくさんの薔薇の図版を一度に見る機会なんて無いだろうと思われるほど圧巻の量でした。ただね、これだけの量を何の工夫もなく展示しちゃうのって正直疑問?

薔薇の香りを会場にさせたりしていましたが、その程度では単調になってしまっていました。私も含めて最初は熱心に食い入るように見ていた人々はすぐに慣れてしまい、明らかに流してみるようになっていました。

なんとももったいない!

会場入口の中庭みたいなところに薔薇がありましたが、あれ何で会場内に飾れないのでしょう? 作品への影響とかいろいろあるのは、分かりますが、あれだけの図版がある中のほんの一部でも実物の薔薇と並べて展示して欲しかったです。

また、今回の展示では、ルドゥーテに限らず他の人の手になる作品もありましたが、それだったら、同一種の薔薇を描いた他の人の作品と比べるなど、いくらでも見せようがあった感じがしてなりません。

ただ、ただ、ずらずらと展示されているだけで、せっかくの作品が生きてこない感じがしました。

何故、そんなことを私が言うのかというと、最初ルドゥーテの作品だけを観ていたら、ああ、うまいなあ~としか感じられなかったのが、後の方で他の人のボタニカルアートを観てみると、はっきりとどれほど美しいのかが理解できたからでした。

どんなに美しい素晴らしい作品でもそればかり並べては、駄目なんだと思います。メリハリがない展示(工夫が足りない展示)では、感動しないんですよ~。人間は絶対的な感覚より、相対的な感覚に優れているのは、常識ですし。

確かに素晴らしい作品でしたが、個人的には期待したほどに感動も感心もできませんでした。おそらく・・・展示方法を変えるだけでどんなにか、満足度が上がったことでしょう。実にもったいない限り。

一部の薔薇好きの方以外には、個人的にお薦めしません。実際に来ていた方は、薔薇自体を好きな方が多かったようです。本当に素敵なんですけど、素直に感動できませんでした。

もっともこれは単純にどこまで植物好きかによるのかもしれません。一緒に行った人は、すごく綺麗で良かったと大いに誉めていたのも事実でしたので。

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う~ん、本として出版された「バラ図譜」を見ていた方が楽しいかも?勿論、本物の素晴らしさとは違うのでしょうけど。本を買おうか以前からさんざん悩んでいましたが、私の場合はやっぱり買っても持て余しそう。今回、実物を見てそれなりに満足したので買わないことに決めました。お金はPCや写本関係の本代に回そうっと!

Les Roses バラ図譜(amazonリンク)


関連サイト
東急Bunkamuraミュージアム 『薔薇空間』

コノサーズ・コレクション東京 作品を提供している所
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NINAGAWA 千の目第14回 天児牛大(振付家・演出家)×蜷川幸雄(演出家)

NINAGAWA 千の目 ゲスト:天児牛大 埼玉県芸術文化振興財団

山海塾 公式サイト

彩の国さいたま芸術劇場で行われた蜷川氏と山海塾の天児牛大氏の対談に行ってきました。

蜷川氏の作品としては、シェークスピアの「リア王」と幾つか、山海塾の作品は、三茶(三軒茶屋)のキャロットタワーのとこで何回も観ていたので、以前から大変興味があり、天下のWネームでもあり(ミーハーですみません)、すっごい楽しみにして出掛けました。

灰皿飛んでくるかなあ~と思ったりしましたが(ナイナイ!)、終止和やかな雰囲気でありつつも、舞台の世界で活躍していくバイタリティと緊張感溢れる話は、実に面白かったです!

演出に際し、表現の仕方などでどのように外国のスタッフと意思疎通していくかという点一つとっても、理屈も大切ではあるが、あくまでも時間的制約の中で作り出す作業であり、理屈はそれぞれの人の考え方で最終的には平行線になってしまうので、具体的に見せてしまうというのは、確かになるほどと思った。

これは、別に演劇の世界の話だけではないでしょう。時間的制約のない仕事など有り得ない以上、有限な中でベストな成果を出す、これは絶対に必要なことだと思った。

それにも関連することですが、山海塾がパリ市立劇場を本拠地に活躍しているのは私も知っていましたが、まさかそれが短期の2年契約を毎回更新しているのだとは知りませんでした。

最初は短い期間でもある程度実績が出たら、メジャ-リーグのように(長期の)複数年契約だと勝手に思い込んでいたので、その熾烈さは改めてスゴイ!と思いました。だって、2年契約の更新で26年の長期ですもん。

蜷川さんもおっしゃられてましたが、劇場の担当者が替われば、普通はそういった契約も全てガラっと変わったりすることも多々あるけれど、担当者が変わっても常に評価され続ける(=契約を更新され続ける)のは、並大抵ではないんだろうと思います。

その緊張感を受け止めつつ、二年に一度新作を生み出すリズムが一番ご本人には合っているそうです。また、創作に関して、一切口を出さないというパリ市立劇場も凄いですねぇ~。自由ではあるけれど、成果に関しては徹底的に厳しく評価する。口先では言えますが、これは相当難しいはずですし。

そうそう、蜷川氏曰く「二年に一作かあ~。俺は一年に10本ぐらいやってるなあ~(笑)」。実にうまいんですよね。この手の台詞がさらっと言えてしまう蜷川氏の会話も実に心憎く、来ていたお客さんは私も含めて皆、笑っていました。

他にも、さりげなく天児さんが言った用語で業界特有の言葉なんかも、皆が理解できるようにさりげなく蜷川さんが解説してくれたり、話の持っていき方などもこの人、頭切れるなあ~とつくづく思いました。
(一緒に行った人曰く、「蜷川さんって普通のおじさんだね」って話ですが、どうして&どうしてやっぱり曲者だと思います(笑))

他にも最初の20年ぐらいは山海塾の人数はずっと5人でやってきたとか、新しい人を入れる時はどうするのか? 辞めたりする時は1年前に話して準備期間を持つようにしているとか、実にリアルで楽しかったです。

1年の半分は、山海塾としての活動をし、残りの半分は自由にソロや外部の活動をして良いなど、初めて知ることばかりで益々好奇心はつのるばかりでした。

対談途中で、山海塾の演技の映像が流れたのですが、それ観てたら私も以前観た記憶を思い出し、改めて舞台を見たい!!と強く心に思いました。今年の秋にやる新作がなんとも楽しみで待ち遠しいです♪

最後に質問を受け付けていたので、私もついつい最前列に陣取っていたところから、今回の新作の特徴とか月並みな質問をしちゃいましたが、内容を伺って更に益々どんなことしても劇場へ行こうと思っちゃいました(満面の笑み)。内容は【秘密】です。

さすがに Phantom 観た時の her majesty theatre ではないですから、ブラボーは叫びませんが、感動したら、手が真っ赤になるくらいの拍手をしたいですね♪♪

つまんなかったら、悲しい感想(酷評)を速攻で書こうと思いますけど。そんなことは無いだろうと期待でいっぱいです。うわあ~、ワクワクしてきます、本当に。

今回は実に有意義で、楽しい対談でした。早く&早く、作品観たいなあ~。

山海塾 [卵熱] SANKAI JUKU [UNETSU] NTSC版(amazonリンク)

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黒藤院舞踏公演「目覚める前に」
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2008年05月18日

「ウルビーノのヴィーナス」国立西洋美術館

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行こう、行こうと思いつつ、何度も西美の入口前を通りつつ、混んでいそうであやうく行かずに済ませてしまうところでした。ようやく土曜日の午後に行ってきました。

確かにヴィーナスは好きだし、メインの作品も素敵なのですが、事前の情報で一番気になっていたのが写本など本だったりする。

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結論!
行って大正解でした。一部の好事家というか、マニアだったら共感していただけると思うのですが、あのフランチェスコ・コロンナによる『ポリフィロの夢』なんてものがあったりする!!

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おいおい~企画展の公式サイトのどこにもそんなの書いてなかったはず。プリニウスの『博物誌』も勿論、良かったですが、こういうのあるなら書いておいてくれないと・・・。

知ってたら、もっと早い機会に行っていたのにさあ~(ブツブツ・・・)。自分が出不精なのを棚に上げて好きなことを言っておりますが、本当に実物が見れて幸運でした。行っておいて良かったです。

あとね、『天球と諸惑星の解説(天球について)』で永遠の若さとかを象徴する泉の絵があったんですけど・・・。確か、阿部謹也氏の本の中でも解説されていたもの。

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う~んと、記憶が怪しいのですがこの挿絵って、金星のビーナスと共に、錬金術関係にも絡んでいたと思います。(錬金術的な説明は、阿部氏以外の本だったと思う?)いつまでも錆びず、朽ちず、輝きを失わない金属『金』の特性は、永遠に老いず、若いままでいる「不老不死」に通じていたんじゃなかったっけ?

今回の展示では、過去に読んだ本の挿絵でしか知らなかった写本が見れて、すっごく嬉しかったです。ヴィーナスに関する絵画でこれだけのものが集まっているのも確かに素晴らしいとは思うんですが、それ以上にこの手の写本とかってなかなか観に行くのが大変なので、私的にははるかに嬉しかったし、貴重な機会でした。

美術館は現地に行けば、見れるけど、本って常に公開されているとは限らないしね。絵画と比べるとマイナーだけに、個人的には大収穫でした(笑顔)♪

やっぱり写本っていいな♪ 今、手元にロンドンの稀覯本専門の古書店から送ってもらったカタログを眺めているのですが、お金出せば、それらが買えてしまうんだなあ~と別な意味で感慨にふけってしまいます。

本を買うお金が欲しいなあ~。
【企画展で展示されたいた作品 メモ】
プリニウス『博物誌』フィレンツェ、15世紀(1458年) フィレンツェ、ラウレンツィアーナ図書館

『天球と諸惑星の解説(天球について)』ロンパルディア地方、15世紀(1470-80年頃) モデナ、エステンセ大学図書館

フランチェスコ・コロンナ『ポリフィロの夢』(ヴェネツィア、アルド・マヌツイ祈り)1499年12月 フィレンツェ、リッカルディアーナ図書館

オウィディウス『変身物語』、プラートのアツリーゴ・セミンテンディの禰訳による俗語版 14世紀 フィレンツェ国立中央図書館
ブログ内関連記事
「甦える中世ヨーロッパ」阿部 謹也 日本エディタースクール出版部
「フランチェスコの暗号」イアン コールドウェル、ダスティン トマスン 新潮社
「中世彩飾写本の世界」内藤裕史 美術出版社
「The Golden Age: Manuscript Painting at the Time of Jean, Duke of Berry」Marcel Thomas George Braziller
「美しき時祷書の世界」木島 俊介 中央公論社
「The Hours of Catherine of Cleves」John Plummer George Braziller
「中世ヨーロッパの書物」箕輪 成男 出版ニュース社
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2008年03月09日

「アンティーク・ボタニカルアートと博物画古書展」in ロゴスギャラリー(渋谷パルコ)

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渋谷のパルコでやっていたボタニカルアート(植物画)展に行ってきました。

行く前には結構、期待していたのですが・・・。

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感想はというと・・・かなり残念なものでした。ちょっとギャラリーというのには、抵抗を覚えるような展示面積の狭い空間で、展示された点数があまりにも少ない!

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実際、販売を兼ねて置かれているものも私の目にはそれほどたいしたものには見えませんでした。というか・・・どこにもであるジャンっていうのが正直な感想。

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また、それらに対して付けられている値段は、まさに驚くような価格でビックリしました。頁毎に切り取られたものをバラで売っているのですが、本来の書籍としてではなく、こんなふうにインテリアとして使われてしまうのですね・・・さめざめ(涙)。

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まあ、人それぞれ考え方や感じ方は違うので、どうでも良い事なのでしょうが、私的には興醒めでした。ちなみにツレと一緒に行ったのですが、ツレと顔を見合わせて思わず苦笑でしたネ。

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ギャラリーなので無料でしたが、有料でももっと素晴らしいものを展示している方にいかれることをお薦めします。かえって不満がたまってしまいました。わざわざ手間隙かけて行ったので、大失敗しました。

神田で古書を漁るか、秋葉をうろついていた方が良かったなあ~。

さて、明日は新宿の古書市でも覗いてこようかな?

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【展示内容】

1.博物館級の手彩色古書 ※展示のみ
見ごたえのある世界最高レベルの手彩色図譜古書を展示します。

『バラ図譜』 P=J・ルドゥーテ 1824年●『フローラの神殿』
ロバート・ジョン・ソーントン 1812年ロンドン刊行 完本 1冊
史上最美と謳われるこの手彩色古書は、ソーントンが私財をなげうって植物を画期的に体系づけたリンネの分析学を図解したもの。この図譜は優秀な植物画家を総動員して描かれたうえ、多数の彫版師によって当時考えうる限りの様々な印刷技術を用いて刷られているため「同じものは2冊ない」とまでいわれている。
●『バラ図譜』
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ 1824年パリ刊行 完本第1,2巻 2冊
「花のラファエロ」と称される、最も有名なピエール=ジョゼフ・ルドゥーテによる。彼はナポレオン妃ジョゼフィーヌの庇護の元にマルメゾン庭園の植物を点刻彫版技法/スティップル・エングレーヴィング技法で美しく描き、フランスの貴婦人たちを魅了した。彼の『バラ図譜』、『ユリ図譜』など名作の人気が、特定の植物だけを載せた図譜を流行させるきっかけとなった。

2.保存状態の良い美しいアンティーク・ブック (\10,000~\1,500,000) ※販売いたします
各頁に刊行時に手彩色を施された図譜を含む貴重なアンティーク・ブック。
1800年代刊行の手彩色銅版画や石版画図譜を記載した貴重な本格博物古書です。
(植物誌、薬草辞典、園芸辞典、婦人年鑑、植物図譜模範書、児童図鑑、自然科学図鑑)

●『ボタニカル・マガジン』
ウィリアム・カーティス 1833年ロンドン刊行
『ボタニカル・マガジン』は1787年にウィリアム・カーティスによりイギリスで刊行され、植物雑誌の中で最も古くしかも現在も続くものである。園芸家を対象に華やかな異国植物などの紹介と栽培法が記載された。当時第一級の植物画家が原画を担当し、銅版で、のちに石版で刷られ手彩色された。
●『イギリス産植物誌』
ジェームス・サワビー 1799年ロンドン刊行
●『フローラ・メディカーレ』
フランソワ・ピエール・ショームトン編 1814 年パリ刊行

3.ボタニカル・アート(植物細密画)の傑作 (\3,000~\1,500,000) ※販売いたします
1800年代を中心とする植物図譜。手彩色銅版画、多色点刻銅版画(スティップル・エングレーヴィング)、手彩色石版画、多色石版画(クロモリトグラフ)などの時代とともに技術を駆使した名作植物図譜です。

●『ボタニスト』
ベンジャミン・モーンド 銅版画手彩色 1832年
●『メディカル・ボタニー』
ウィリアム・ウッドヴィル 銅版画手彩色 1792年 ロンドン刊行
●『薬用植物誌』
ヨハン・ゾーン 1779年ドイツ ニュールンベルグ刊行 銅版画手彩色
●『薬草辞典』
チャーチル&スティーブンソン 1829年ロンドン 銅版画手彩色
●『イルーストラシオン・オーティコール』
ジョン・リンデン 1870年ブリュッセル クロモリトグラフ(多色石版画) ほか
関連サイト
PARCOの会場案内

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町田市国際版画美術館 企画展「カラフル・ワールド! 版画と色彩展」
NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」
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2008年02月24日

TNM&TOPPANミュージアムシアター「国宝 聖徳太子絵伝」in 東京国立博物館

観よう、観ようと思いつつ、ここんとこしばらく東博にはしばらく行っていなかったので久しぶりに行ってみました。(2月23日)

凸版印刷の印刷博物館で観て以来、VRシアターは結構気に入っているのですが、聖徳太子絵伝自体への関心もあり、とっても楽しみでした。

でもって、結果は・・・。う~ん、微妙。

それなりに面白いのですが、印刷博物館の画面と比べるとかなり小さい感じです。アンケートで有料化についても聞いていましたが、今現在の状況では、正直論外ですね。お金をとれる水準ではないです。

また、映像の内容そのもの以前に、映像を動かすナビゲーターさんあまりにも操作がお粗末。的確且つ円滑に操作できずにちぐはずな操作をしたうえ、時間が足りなくて解説の一部を勝手に削除。

ミスを冗談めかして話しているのは、プロとして最低の行為でしょう。男性の丁寧な対応に比して、仕事をなめてませんか? ナビゲーターの女性の方。あの場合は、淡々と謝罪してフォローへつなげるべきでしょう。ミス自体はしかたないにしても、その後の対応が論外です。お役所仕事と言われても仕方ないのではないでしょうか?

いささか手厳しいことを書いてしまいましたが、東博の新しいことへ取り組む姿勢は、大変素晴らしいことだと思うし、益々頑張って欲しいと切に望むところです。

実際に、結構変わってきていると思います。お正月の2日、3日のイベント等もそうだし、今回は本館特別5室の展示に驚きました。ここ、先日レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を展示した特別展示室ですよ~。
やっていたのは、企画展示 特集陳列「仏像の道-インドから日本へ」特集陳列「仏像の道-インドから日本へ」。

展示されていたものは、従来東洋館にあったものですが、今回の企画に合わせてこちらに移動させたようです。見慣れた仏像が、展示方法を変えただけでこれだけ印象が変わるというのも新しい発見でした。

照明などもずいぶん素敵になったと思います。展示品の解説をしたプレートも前面に出さずに、あえて少し奥まったところにおいて、何よりも作品を見せることに徹した姿勢は成功だったと思いますねぇ~。

そ・れ・と・・・。
今回、じっくりと横や後ろまで全体を見れる展示だったので、今までは気付かなかった線刻画の横や後ろの部分の彫刻などにも気付くようになりました。とても楽しめた感じです。

この時は所用があって、いつものようにゆっくりと全館を見ていられなかったのですが、改めてのんびりしに来ようと思いました。変わりつつある東博に期待していきたいです!! 


そうそう、おまけ。
今回、上映した「聖徳太子絵伝」って廃仏毀釈の時(?)に皇室宛てに献上されたものみたいです。御下賜金とかが代わりに払われたんじゃないかな? 詳しくは知りませんが。
そういう経緯で現在は東博所有となっているそうです。痛むのを防ぐ為に期限付きで公開されてるそうです。今後の予定では、秋ぐらいに公開するらしい。楽しみですね。その時に、この映像とあわせてみるとより興味深そう♪
【東京国立博物館の説明より以下、転載】
聖徳太子(574~622)が一生のうちに行なった偉業や太子にまつわる伝説の数々を絵画化した「聖徳太子絵伝」は、東京国立博物館法隆寺宝物館に収蔵された国宝です。延久元年(1069)、摂津国(大阪府)の絵師秦致貞によって描かれました。
聖徳太子は推古天皇の摂政となり、冠位十二階や十七条憲法を制定するとともに遣隋使を派遣したことなどで有名ですが、後に彼を崇拝する「太子信仰」が広まりました。
この「聖徳太子絵伝」はもともとは太子信仰の聖地、法隆寺東院伽藍内・絵殿の障子絵でしたが、現在は10面に分けて額装され、東京国立博物館法隆寺宝物館で年に一度、一ヶ月間のみ一般公開されています。
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「聖徳太子信仰への旅」日本放送出版協会
「聖徳太子信仰への旅」~メモ
「聖徳太子はいなかった」谷沢永一 新潮社
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2007年12月16日

NHK新日曜美術館「「こんぴらさん」の美をさぐる」

NHK新日曜美術館のサイト
「金刀比羅宮 書院の美」(同宮、朝日新聞社主催)
金刀比羅宮 公式サイト

円山応挙「遊虎図」

「金毘羅(こんぷら)ふねふね、 追手(おいて)に帆かけて しゅらしゅしゅしゅ~」で有名なあの四国の金刀比羅宮が今回の舞台。まさかあそこにこれほどまでの美術品があったなんて、この番組を観て初めて知りました。びっくり~!

円山応挙に伊藤若冲でしょ。他にもたくさんの画家の作品が紹介されていましたが、今晩再放送ありますし、是非、観ましょう♪

伊藤若冲「花丸図」

非公開の奥書院にある伊藤若冲の植物画「花丸図」を特別公開しているそうです。こ、これは凄いです。本当に、本物が是非観たい!! 来年の一月いっぱいまで。四国行けるかなあ~?

ちょっと感動しちゃいますね。なんか思わず『日本万歳!』って叫びたくなります。以前に、金比羅さんを扱った本を見たことがあったのですが、全然意識してなかったので中身を全く見過ごしてました。さきほど、見つけたので後ほどご報告しま~す。

うさあ~久しぶりにワクワクしました。この番組は本日一番のお薦め~!!

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2007年11月18日

「百学連環-百科事典と博物図譜の饗宴」印刷博物館

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雑協・書協創立50周年記念世界出版文化史展「百学連環-百科事典と博物図譜の饗宴」
印刷博物館のサイト

『百学連環』とは西周(にしあまね)が作り出した Encyclopedia の訳語だそうですが、どうしてどうして言い得て妙を得た表現かもしれませんね。荒俣氏が大好きな博物学と大いにオーバーラップするところでしょう♪

いつも行っている印刷博物館ですが、本当にここはさりげなく凄いものが展示されていて困ったものです。何が困るかというと、せっかくホームページもあり、宣伝用のチラシ作ってるくせに、具体的に何が展示されているかがサイト上にもチラシにも書かれていないんですよ~。全く~!

何が展示されているのかが事前に分からなかったので行こうかどうしようか悩んであやうく中止するところでしたよ~(プンプン)。

下手なチラシ作るより、単純に展示される書物の題名をひたすら列挙すするだけで黙っていても今の何倍も人が行くと思うんだけどなあ~。宣伝が下手過ぎでもったいない!! とにかく素敵なものが展示されています。

私もおぼろげな記憶とチラシ見ながら、展示されていたものを挙げてみると・・・。

山海教、禽獣魚介蟲図譜、エジプト史、三才図会、和漢三才図会、ターヘルアナトミア等々、ごめん、全然書名が思い出せない・・・(涙)。

とにかく、ちょっとでもその手の博物学的なものに関心がある人なら聞いたことのある有名どころの本がゴロゴロ展示されています。そしてインキュナブラも!! 私は、展示場入るなり、インキュナブラ見ただけでもう満足しちゃいました。それっぐらい、素晴らしい稀稿本の類いがたくさんあります。

いやしくも本好きというなら、絶対に行ってみるべきでしょう♪ 

昆虫や魚類、人魚に天馬、人体解剖図に技術関係の資料図面などなど、encyclopedia というだけあってもありとあらゆる図もありますし、楽しくってワクワクもんです。残念ながら、写真撮影禁止ということで写真撮れなかったのだけは心残りですが、じっくり見るだけの価値は必ずあると思います。

普通じゃまず見れないと思うんですけど・・・。これだけよくも集めたって感じです。

そうそう、こないまではなかった展示ですが「ヴァチカン教皇庁図書館との共同プロジェクト」(=キケロ・プロジェクト)展示が始まったようです。

昔は羊皮紙が大変貴重だったので、一度使用した後で再利用して新たに文章を書いたりしていたそうですが、その消された以前の文章を特別な技術で読み取るプロジェクトだそうです。それによって、今では失われた数々の貴重な文書・情報が復活するんだって! 以前、何かのニュースで読んだけど、凄いよね、本当に!

その辺のことも説明があるし、バチカンと交わした契約書も展示されています。見ておいて損は無いでしょう♪

それらも含めて、私ももう一度会期中に見に行こうっと♪ 本は眺めているだけでも楽しいなっと♪

関連ブログ
印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展
印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展 2回目
ヴァチカン教皇庁図書館、古文書をデジタル解析する共同研究で調印
プランタン=モレトゥス博物館展カタログ
「エジプト大遺跡」荒俣宏 リブロポート
国立国会図書館「描かれた動物・植物」展
「怪物誌」荒俣宏 リブロポート(図版13枚有り)
「バロック科学の驚異」 荒俣宏 リブロボート(図版3枚有り)
町田市国際版画美術館 企画展「カラフル・ワールド! 版画と色彩展」
NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」
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2007年09月25日

町田市国際版画美術館 企画展「カラフル・ワールド! 版画と色彩展」

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版画美術館に至る公園の中にあった巨大なオブジェ。写真では実寸が分かり難いと思いますが、ものすご~く巨大です。しかも、意味無し。

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でも、個人的にスキだったりします。水の重みでシーソーのように上下に動きます。

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あの噂の『蘭花譜』の中の版画です。戦前、大金持ちであった実業家が金に糸目をつけずに世界中から蘭を集めて温室を作り、独自品種の開発したというアレです。英国の植物協会に世界でここにしかない品種を次々と登録し、生み出された新種の蘭を職人技の極みというべき多色刷りで刷り上げて無料で大学等に配布したんだそうです。

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今のお金持ちと違い、破産するまで徹底的に成し遂げるオタク気質には、神懸り的なものがありますね。その作品を2005年に再刷したもののようです。それでも興味のある方はどうしても見に行くべきものでしょう!! 展示は3枚だけですけどね。

詳しくは、NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」の記事、ご覧下さい。

蘭花譜―天王山大山崎山荘(amazonリンク)

『エジプト誌』よりデンデラの円柱
(『エジプト誌』よりデンデラの円柱)

『エジプト誌』とは、かの皇帝ナポレオンが国家の威信をかけて物凄い数の研究者を連れていき、非常に厳密なエジプトの学術研究を行わせた後、その調査結果を記録する為にこの上なく精確且つ精密な多色刷り銅版画により作成した本なのです。

『エジプト誌』より
(『エジプト誌』より)

この精密さは、肉眼で見たのでは普通の模様にしか見えない部分がガラス直前まで近づいてルーペで拡大してようやく線描画だったり、別なデザインの集合体であったりするのが分かるほどなんです。

『エジプト誌』より王家の谷の墳墓の壁画
(『エジプト誌』より王家の谷の墳墓の壁画)

肉眼では平板に見えたものがルーペで細かく観察して初めて3Dの立体的に浮き上がってくるんですよ~。これは感動モンです!! 是非、関心のある人は行って実物を見るべきです。いやあ~、実に凄かった。

他にも『フローラの神殿』なんかもあったりして、失礼ながら何故、町田市に・・・というぐらいの素敵な作品があります。

『フローラの神殿』より

これらが全て自分の館の所蔵というのが凄いです。そもそもここの美術館に来ようと思ったのは、「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展や西洋美術館の企画展で、ここから版画が貸し出されているのを知ったからなのですが、わざわざ町田まで来て正解だったと言えるでしょう。

その一方で、自館の所蔵品なのに常設展としてではなく、企画展で展示するのは大変違和感を覚えます。常設展は無料としているせいではないかと勝手な憶測で恐縮ですが、市民の税金なら、市民だけでも無料にすべきだと思ったりするのですが・・・???

その一方で常設展は、ここが所蔵している版画がちっとも展示されていない。有料でもいいのでもっと公開できないのでしょうか? 勿論、版画は痛み易いとか理由があるのかもしれませんが、膨大な浮世絵や西洋版画など持っていても外部に貸し出しているだけなのは、おかしいように感じてなりません。

一緒に行ったツレも企画展(本来、常設展の企画のはずですが)は大いに喜んでいましたが、常設展には憤慨を通り越して呆れていました。あまりにも情けないです。

あと、企画展ですが、通常自己の所蔵物以外は著作権の問題があるので、写真撮影を禁止なのは分かるのですが、何故、ここの所蔵品なのに写真が禁止なのかはななだ理解に苦しみます。

海外では、モノにより作品が痛まないようにフラッシュは駄目でも通常の撮影はOKなのが常識だし、必要以上に無粋なガラスもないもんですが。日本でも、国立美術館や博物館では最近、所蔵作品ならば写真OKのところが一般的ですけどねぇ~。
(従って、写真駄目だったのでうちのブログで載せてる写真は絵葉書や別のところから探したものです。)

あれだけ素晴らしい作品を有しながら、入場者が極端に少ないのもそういった姿勢に問題があるのでは・・・?などと邪推したくなってしまいます。

本当に素晴らしい作品をたくさん所蔵されているだけに、もっと&もっと開かれて使える美術館になることを切に望みます!!(合掌)

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実物は展示してなくてハイビジョンの映像だけ公開してましたので、泣く泣くそちらを見てました。浮世絵は、私の大好きな芳年の作品です。

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これとか。

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これね。残酷絵ならではの美しさ。金なら払うから、本物見せてよ~と切にお願いしたい。こないだの企画展の時には間に合わなかったんです(号泣)。

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15世紀末~16世紀初頭の手彩色木版画。他にもたくさんの西洋・東洋の木版画や銅版画を所有されています。

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1488年刊、ヴォラギネ「聖者の生涯」手彩色木版画。

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1519年エングレーヴィング「聖マリア・マッグダレーナの踊り」

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これもいかにもってカンジの作品ですが、こういったものをずいぶんと所蔵されています。素晴らしいだからこそ!今後に期待をしたいところです。

友人の言いわく、「宝の持ち腐れになるならば、西洋美術館か印刷博物館に寄贈してもっと有効に使えばいいのに・・・」。私も同感しちゃいます。だからこそ、しつこく期待!!

余談ながら、サイトもなんとかして欲しいです。これでは集まる入場者も集まりません。予算や人手の関係もあるでしょうが、金をかけずにいくらでも今の時代ならできますよ~。
【展覧会構成】
「色を塗る」 ドイツの書籍挿絵 15世紀~16世紀、フランスの民衆版画など

「色を刷る」
◎木版画 16世紀イタリアのキアロスクーロ(濃淡刷り)、19世紀ドイツの多色刷り木版画
◎銅版画―華麗な18世紀フランス版画
◎色彩の饗宴―19世紀
  石版画の多色刷り:ショッター=ボイス、ヴァロットン、シェレ、ミュシャ、トゥールーズ=ロートレック、ボナール、ドニ、スタンランなど
  木口木版の多色刷り:グリナウェイ、クレイン、ドイルなど

「色を伝える――博物誌の世界」
◎ゴーティエ=ダゴティの解剖図(18世紀)
◎植物図譜『フローラの神殿』(19世紀)、『蘭花譜』(1946年刊 2005年部分再刊)、鳥類誌『オーデュボンのアメリカの鳥』(1827~1838年 ※ファクシミリ版=複製)
◎エジプト誌(18世紀末~19世紀)
「光と闇――――まぼろしの色」
ジョン・マーティン(メゾチント)、オディロン・ルドン(石版画)、長谷川潔(メゾチント)
駒井哲郎(エッチング)、丹阿弥丹波子(メゾチント)など
展示総数 版画約130点
町田市国際版画美術館 企画展 カラフル・ワールド! 版画と色彩展

関連ブログ
NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」
「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展、埼玉県立近代美術館
ラベル:アート 版画
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2007年09月09日

明治大学中央図書館企画展示~「図書の文化史」

明治大学 第21回中央図書館企画展示「図書の文化史」

ケルズの書

明治大学の図書館で写本の展示があることを知ったので、早速出掛けてきました。行く前にネットで調べたけど、あんまり詳しく説明ないんだよねぇ~。

ネットの時代なのに・・・使えん!

リンデスファーン福音書

まあ、論より証拠行ってみました。お目当ての中世の彩色写本ですが、本物はほとんどありませんでした。がっかり・・・。所詮は日本の私立大学の蔵書だからなあ~。勝手に期待する私が悪いのでしょう(反省)。

何度も印刷博物館とか行っている私としては、大いに不満足。そりゃ無料は嬉しいけどね。

ポルソ・デステの聖書

いくつかある本物の写本は、正直言って彩色写本の美しさを十分にアピールするレベルではないでしょう。かなり地味。

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ケルズの書やリンデスファーン福音書など、ファクシミリ版で展示されていたが、本物でもないのガラスの奥に展示され、何気に遠い。しかも暗い照明とガラスによる光の反射でよく見えない。つ~か、全然見る人の立場を考えていないんじゃないでしょうか?

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勿論、美術館や博物館ではないんだから、展示に凝ってなんかいられないというのは分からないわけではないのですが、あまりにも手抜きっぽくて呆れてしまった。説明板は、吊っている一箇所が外れて90度に傾いてました。泣けてきます・・・。

私以外に誰も見学者がいないのも分かるような気が・・・。


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そこそこ分厚い解説文があるのですが、説明はこんなもんでしょうか。大学だから、もう少し知のかけらでも感じたいところです。文章がどっかの引用文みたいで薄っぺらだし、やっつけ仕事みたいに思えてしまうのですよ~。全体からして。

ただ、今回ケルムコットプレスのものは結構数がありました。でも私、あんまり興味ないんだけどね。 

「魔女論」ジャン・ボダン

あっ、でもジャン・ボダンの「魔女論」(上図)の本物があったのは嬉しかったかも? 知ってますよね、魔女裁判における魔女の定義や理論的根拠を明確化して名著(?)のアレです、アレ!
もっともこれも展示が全然なっていなくていまいち楽しめなかったんですけど。

甚だしく不満ですが、せっかく蔵書があるんですし、有意義に活用していこうという意図は素晴らしいと思います。後は、担当者とそれを支える組織のパッション次第でしょうね。 展示方法を変えるだけで、ずっと見栄えのするものになるのが分かるだけにもったいないです。口惜しい展示ですね。今後に期待します。

関連ブログ
「ケルズの書」バーナード ミーハン 創元社
「図説 ケルトの歴史」鶴岡 真弓,村松 一男 河出書房新社
「The Hours of Catherine of Cleves」John Plummer George Braziller
Hours of Catherine of Cleves 獲得までの経緯
「Les Tres Riches Heures Du Duc De Berry」Jean Dufournet
「The Golden Age: Manuscript Painting at the Time of Jean, Duke of Berry」Marcel Thomas George Braziller
「中世の美術」アニー シェイヴァー・クランデル 岩波書店
「美しい書物の話」アラン・G. トマス 晶文社
「中世彩飾写本の世界」内藤裕史 美術出版社
ラベル:アート 写本
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2007年08月29日

「天気待ち」Wainting for the Sun in 池袋芸術劇場

天気待ち 公式サイト
舞台「天気待ち」制作ドキュメンタリー

珍しく自腹でなく、譲られたチケットで観劇に行ってきました(最近、誰もくれないんだもん)。だから、酷評はしません。自腹切っていたら、それだけ真剣味が増すのは当然でしょう!

奈良橋陽子氏の原案・台本・演出の舞台でしたが、キャスティングの世界ではとっても有名な方みたいです。私、興味がないので全然知らないのですが、会場にある花輪もいかにもその系統が色濃い業界関係者って感じで、この手の舞台ってたいがいの場合、期待できないものが多いので嫌~な予感がしてました。

結果から言うと、不幸な予感は当たってしまいました。端的に言うと、傑作「コーラスライン」の話をグダグダにして、冗長に、且つ細切れにしていろんな要素を詰め込んだものですが、感動や熱い思いは、反比例して薄っぺらにしか伝わってきませんでした。

観劇中も心が動かされる場面は一回もなく、最後の舞台挨拶も演者の独り善がり的な満足感を伝えられて、いささか困惑するばかりでした。

常識的に考えても出演者が多過ぎるうえに、出演者が多い必然性を一切感じませんでした。役者さんの語る声量は足りていても、台詞を伝えるべき言葉の明瞭さに欠けている場面が何度かありました。(声が小さいのではなく、はっきり発音されていない)

時々、ダンス系のものが混ざるのですが、どれもこれも不満足。体が動いているだけでキレが一切ないのです。トメの部分のメリハリがつかず、路上で若者が音楽を聞きながら、踊っているレベルみたいでお金を取るレベルとは思えませんでした。

演出意図もよく分かりません。オーディションの際に、最前列を使うアイデアは、格別新しいものではないですが、そのアイデアがストーリーの中では十分な意味を与えられていないようにも思えました。

では、つまらない舞台だったかというと、決してそんなことはありません。私は、観ていて箸にも棒にもかからず、大切な時間を浪費することに耐えられず、幕間で退出して帰った舞台も何度かありますが、本舞台は決してそんなことありませんでした。

というのは、たくさんの疑問を感じた舞台ですが、少なくとも最初から最後までは、論理的に一貫していてストーリーを理解することができたからです。当たり前だと思われる方もいるでしょうが、論理的に破綻して何が言いたいのかさえ、分からない自己満足的な舞台って実はかなり多いんですよ~。

本舞台に限っては、そんなことはありません。見ていてストーリーは明確に追っていけます。ただ、むしろ余計な点を省いて凝縮して濃密な見せ方の方がいいと感じたんですけどねぇ~。まあ、私の素人考えですけど。

コーラスラインの舞台は、この何百倍も楽しいし、心に残って忘れられません! しかし、この舞台は明日には記憶から消える作品でした。TV番組で観てたら、確実にチャンネル変えますし、録画だったら早送りします。途中まで見ると気になりますが、概略だけ分かればOK。そんな感じでした。

料金も高いです。私の記憶だと、この芸術劇場の小ホールを使っている場合ってたいてい4千円以下だった気がします。勿論、内容が良ければ値段はいくらでもいいんですけどね。あの山海塾が4千円ぐらいで見れるのに、この舞台に5千円以上って・・・??? 私は親と一緒だったが、親も見終わって一言、高くてもいいから「オペラ座の怪人」をまた観に連れてっと言われたのが全てを物語っているでしょう。

細かいことですが、入場時に整理番号配っても開場が押してしまって、ロビーに客を入れた時にきちんと並ばせずにぐちゃぐちゃに入れたのでは意味ないし。段取りも悪過ぎ。

全てにおいて観客優先ではなく、製作側の都合優先を感じてしまったのは悲しい。勿論、たまたまなのかもしれないが、細かい配慮が欠けているのは確かだろう。

演じる側、製作側、それぞれに伝えたい思いは、様々あるのかもしれないが、観客は感動・喜び・笑いといったものを求めてお金を出し、貴重な時間を費やす。最低限、観客の欲求を満たすのが必要だと思うのだが、今回の舞台では観客の反応がほとんどないのも特徴的だった。たまにある笑いも散発的。あの手の小さな舞台だと、反応はもっと&もっと良いものなのだが・・・。

ああっ、感動して涙を流しまくりの舞台が見たいなあ~。たまには泣いてみたい気分です。

そうそう、余談ですが、NHKの英語講座で有名な遠山顕氏が出てた。どっかで見たような~って思っていたのですが、ラジオでお声をよく聞いていた遠山氏であることに、帰宅途中のチラシを見ていて気付きました(ボケボケの私です)。

あと、hitomiが出てたけど、役者としては全くいいところがないし、このキャスティングって大いなる疑問? タレントだろうが、歌手だろうが役者として素晴らしい人がいるのは、蜷川氏の舞台など見てればよく分かるが、今回のは全然意味が違う。

舞台終了後、奈良橋氏のトークショーがあったが、この作品を観た後でこれ以上、時間を費やす気になれず、速攻で帰ったのは致し方ないだろう。しかしながら、舞台は空席がほとんどなかったが、関係者間で割り振った感じがしてならない。実際、私が譲られたのも、その関係であったのは明らかだったので。

う~、ストレス溜まりまくりなんで、とりあえず、phantomのロンドンバージョンをCDで聞きながら、感想を書いてみました。自腹では決してお薦めできない舞台です。

そういえば、先日のTVで見た浅利氏の言葉「一音を外す者は去れ」ですが、今回、台詞をミスったのが何回かあったなあ~。う~む。

関連ブログ
黒藤院舞踏公演「目覚める前に」
オペラ座の怪人~10月28日 劇団四季
劇団四季 ライオンキング マチネ
TBS「応援!日本経済 がっちりマンデー!!」で劇団四季の紹介やってた
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2007年08月21日

棟方志功アートステーション in 新潟県六日町

棟方志功アートステーション 公式サイト

棟方志功

実は青春18切符で、いつものように何も考えず、ただ&ただ適当に電車に乗り継いで下っていました。上越線で長岡行きだったので、長岡経由で新潟或いは柏崎とかも考えたのですが、柏崎へ行っても何もできないし、邪魔なだけだもんなあ~って思い、新潟は親戚もあり、幼少の頃、毎年行ってましたが、特に見学したいとこもないし・・・?

とか、ぐだぐだ考えていたら、ふと六日市駅で降りてみようと思い立った。土合で降りてもぐら駅を歩いて地上に出る、ってのも魅力的な案だったのですが、まあ、とにかく六日市駅で降りてみました。

手元の時刻表で見ると、六日市駅からは北越急行も出てるらしい。これって、越後湯沢で乗り換える「特急はくたか」とかあれかな? 数年前に金沢に行ったときに乗った奴。

細かい事は気にせずに、とりあえず駅に降りてみると、まずは観光案内所へ。何たる偶然か分かりませんが、観光案内所内にそのまま併設されているのが、「棟方志功アートステーション」というギャラリーだったりします。駅にあるギャラリーってよくあるけど、ほとんどの場合、たいしたことないし、複製とかばっかりで失望することが多いので、棟方氏の作品が何点ぐらいあるか、確認してから入場券を購入しました。

棟方志功 琵琶弁天妃の柵(版画)

いささか懐疑的な心持ちで入ってみると、驚愕の作品群。私の大好きな棟方氏の作品がずらずら~っと並んでいます。うっ、いい! これはいいです!! 棟方氏の作品だけで版画、肉筆あわせて22作品が展示されていました。 

ちなみに所蔵点数としては144点もあるんだそうです。うっ、全て見たい!! だって、棟方氏の故郷である青森の棟方志功記念館って何気に展示点数少ないんだよ~。以前行った時には、ショックだったもの。都内でやってる棟方志功展とかってほとんど行ってるけど、満足のいくもの少ないしね。

地元の実業家の方が収集していた作品だそうで、お亡くなりになった後に町に寄贈したんだそうです。やっぱり、個人の情熱は偉大ですね。お役所には、できない熱意があればこその作品だとつくづく思いました。

棟方志功 菩薩尊々図(肉筆)

藤田嗣治氏のエッチングやリトグラフ、喜多川歌麿の浮世絵もあれば、伊藤深水に加山又蔵、ウォーホールまであったりして、ええ~っ!てな感じです。

棟方志功 釈迦十大弟子

是非、機会があれば観て欲しいです♪ 料金は500円ですし、なんと上の写真のような棟方志功の「釈迦十大弟子」のハガキまでもらえます。

こりゃ行っとくべきでしょう。ただ、行くの大変なんですけどね・・・。それが問題ですね。私、スキーとかしないし。ちなみに、他の写真は購入した絵葉書のものです。いいですよねぇ~大好き♪
【展示作品~棟方志功だけ抜粋】
海幸妃の柵(版画)
美業の柵(版画)
鷹持妃の柵(版画)
茶韻十二ヶ月 10月 美誕の柵(版画)
大漁妃の柵(版画)
美女神誕生の柵(版画)
故知らずの柵(版画)
変幻無極の柵(版画)
あおもりはの柵(版画)
墨面と板業者の柵(版画)
波乗妃神の柵(版画)
琵琶弁天妃の柵(版画)
沙羅双樹妃の柵(版画)
女人観世音板画巻 仰向妃の柵(版画)
歌々板画柵 吾妹の作(版画)
天妃図(肉筆)
白肌妃図(肉筆)
裸女図(肉筆)
風信図(肉筆)
円窓右向妃図(肉筆)
沖縄慈波の女(肉筆)
posted by alice-room at 22:24| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする

2007年08月05日

黒藤院舞踏公演「目覚める前に」

黒藤院公式サイト

私は山海塾の公演が大好きで、一度見てはまって以来、何度か見に行っています。日本国内の公演ならできる限り見に行きたいと思ってはいるのですが、今年は九州でしか公演なかってねぇ~。予定があわず、行けなかった・・・(涙)。

いつもは三軒茶屋のキャロットタワーで見てるんだけどね。あそこは小さいけれど、実に舞台向きに考えられた劇場で箱もいいんだよねぇ~。

最近は以前のように小劇場、大劇場を問わず、演劇見まくる事もなくなりましたが、蜷川氏や野田氏とかも好き。ただ、どうしても山海塾のような舞台を見たいと思い、観に行ったのがこの黒藤院舞踏公演だったりする。山海塾の公式サイトを見ていて見つけのがコレ。山海塾のメンバー蝉丸氏がやられているらしい。
黒藤院:
山海塾のオリジナルメンバー蝉丸が1990年に旗揚げ。
公演ごとに不特定多数のメンバーを集め、作品を創る。
1999年より富山県黒部川流域にアトリエを構え、毎夏、合宿と公演を行っている。
野外公演が多く、その場所に応じた作品を創り、それを「磁場との対話」と呼び、空間、肉体、精神の繋がりを観察することを好む。
8月4日の公演を横浜で観てきました。

観始めて最初の印象は、ちょっと外したかな、これは? というものでした。キャパの無い狭い観客席は、窮屈な反面、舞台との近さと迫力の伝わり方には、プラスでしたが、最初、音楽らしい音楽がない部分で、違和感があり、舞台の世界に入り切れなかった感じでした。

しかし、観ているうちに山海塾のような『多』による調和と秩序による様式美や深い精神性に訴えかける衝撃とは異質な部分を感じました。どちらかというと『個』の肉体による精神の表現性、そんな感じでしょうか? 

観ている者は、人体の有する表現力、肉体の伝達力といったものを如実に実感させられたような気がします。

強く感じるものがあり、見る価値もあり、決して観に行って無駄だったとは思いません。ただ、全体として面白かった or また観に行きたいかと問われると、疑問ですね?

継続して演じられている舞台の間に、女性がソロで演じてる場面がありましたが、どうしても不要な感じがしてなりません。これは一緒に観ていたツレも感じた共通の感じで、女性が出て場面が変わり、舞台空間に変化を及ぼすこと自体は、むしろメリハリがついて好ましいと思うのですが、彼女の振る舞いに、それまでのものと一貫する肉体による表現を感じられません。酷評すれば、ラウンドガールかと思ってしまうところでしょう。

それと舞台で使用されている音楽。いろいろと考えられたうえでの選択だとは思うのですが、不協和音的なものやむしろ観ていて妨げになるのでは・・・と感じるようなものが結構あり、それが山海塾の舞台などで見られる(私が期待する)人間の心の奥底に響くような音楽とは、異なっていました。私個人の好みや一緒に行ったツレ(オペラとかよく観てた人)の好みには、合いませんでした。

山海塾は、ツレも好きなんですけどねぇ~。まあ、演劇に興味ある人で
山海塾の舞台を見て、衝撃を受けない人なんてもぐりのような気もしますが・・・(笑)。

結論、一度観るぐらいならいいが、今後も観たいとは思わない公演でした。正直、期待が大きかったので残念! 帰りは、銀座ライオンでビール半額フェアをやっていたので、そちらでビール飲みまくって延々と感想を話していました。

やっぱり、劇団四季の舞台で観に行こうかな。最近、ほとんど見ていないし、外れひきたくないもんで・・・安易な私です(苦笑)。それとも山海塾のDVD買おうかな? AMAZONでやっと扱うようになって以来、ずっと買おうか買うまいか悩み続けているのですが・・・。

山海塾 公式サイト

山海塾 [卵熱] SANKI JUKU [UNETSU] NTSC版
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2007年08月03日

祈りの中世‐ロマネスク美術写真展~国立西洋美術館

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先週の土曜日、いつもより混んだ常設展で見てきました。夏休みのせいか、人はそこそこいました。

基本月1回は、ここと国立博物館に顔出して何故か読書してますが、いつにも増してこれは結構当たりの部類の企画でした。

いつも眺めているロマネスクとかの美術全集で見たことはあるのですが、実物はあまり見たことないので、写真とはいえ、こうして大きなパネルで見れるのは嬉しいです♪

マグダラのマリアで有名なヴェズレーのもありますし、ル・トロネとかの写真もあります。

ヴェズレーのも彫刻には<神秘の粉挽き車>なんてのもあります。旧約の教えが粉挽き車を通じて新約の教えになるという図像なんだそうです。以前読んだ時祷書やルターの木版画に出てきた「粉挽き水車」とかと同様の考えですね。実に&実に、興味深いです。こういうのスキ~!

それにル・トロネ修道院は清貧で名高いシトー会のもので、確かに実に簡素なつくりだったりする。まさに「SINPLE IS BEST.」の典型のようですが、映画「薔薇の名前」で教会による私有財産を否定していたウィリアムの属するシトー会(だったと思う?)のイメージを彷彿とさせます。

もっとも今回の解説を読んでいて驚いたのが、あのル・コルビジェにインスピレーションを与えたとかいうのは面白いですよねぇ~。そしてそのル・コルビジェが設計した建物がまさにここ西洋美術館であり、そこでこれが展示されていることを考えると、まるで何かの因果で輪廻がぐるぐる廻っているかのようです。

他にも意識して見てみると、気付かされることが多々ありました。見方によれば、単なる写真の展示ではありますが、それ以上のものを見つけられるかもしれません。私にはそんな十分に楽しめる展示でした。

ちなみに、本展示の写真は写真集として発売されているものから、拡大パネル化されたもののようです。写真集は買おうかな?って思ったんですが、残念ながら、小さい紙面では写真の良さが生きていません。今回は、買わないで済ませました。個人的にはずっと高いけど、「大系世界の美術」シリーズのゴシックとかロマネスクがお薦めですね。

買っちゃおうかな? デジカメが先週の土曜日に壊れてしまい、写真が撮れなくてすっごく不便なんだけどねぇ~。やっぱりデジカメ買うのが先かな?

夏の旅行にも出費がつきまとうし、さてさてどうしたものやら??? 

国立西洋美術館 公式ページ

関連ブログ
「図説 ロマネスクの教会堂」河出書房新社
「ロマネスクの美術」馬杉 宗夫 八坂書房
「ルターの首引き猫」森田安一 山川出版社
「世界の文化史蹟 第12巻 ロマネスク・ゴシックの聖堂」柳宗玄 講談社
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2007年05月23日

探検ロマン世界遺産~天空の大聖堂 美しき国境の街~フランス・ストラスブール

NHK探検ロマン世界遺産のサイト

NHKで放映された世界遺産のTV番組です。ゴシック建築のストラスブール大聖堂を初めて映像で見ましたが、いいねぇ~&いいねぇ~。ゴシック好きをそそって余りあるものがあります。

垂直にぐんぐん伸びるこの垂直性って言ったら、まさにゴシックの真髄の一つでしょう♪ 特に、普通では入れない大聖堂の尖塔内部・頂上部などの珍しい場所は実にそそる。高所恐怖症で閉鎖恐怖症ながら、建築物の塔とか高いとこは、どこであろうと階段を歩いて登ってきた私としては、本当に許可されるなら、是非行ってみたい場所だった!

もっとも、レポーターの女性が外側の囲いがほとんどなくて、足を滑らせたら、そのまま落ちそうな階段を、強い風に吹きっさらしのまま、息も絶え絶えに登っていく様は、いやあ~他人事ではなく、見ていて怖くてしかたがなかった。あの映像に比べると、シャルトルの塔の階段などははるかに安全堅固なのだが、それでも足がすくみそうになりつつ登っていた我が身には、見ていて気持ち悪くなってしまうくらいのリアルさだった。

でも、実に素晴らしい眺めなのだろう。周囲に林や森以外には高いものがなく、付近は人家と畑しかない中世に、この高さから下を眺めた人々は何を考え、どう思ったのだろうか? きっと、想像もできない視界を見たことだろう。なんとも興味深い。

また、この外観も実に繊細で凝っていて、「石のレース網」という言われているそうだが、まさに納得ものだろう。洒落ではすまない、繊細さだ。うわあ~見てみたい。

しかし、フランスって大聖堂が本当に多い。ここはドイツとの国境境だから、ここを見るなら、その後ドイツに抜けてドイツ観光後に帰国するパターンだろうなあ。何故か、旅行した際のロートを考えていたりする私。

見たいものが多過ぎて、困ってしまうなあ~。どうやってゴシック聖堂巡りをすればいいのやら? しかも、その一つ一つを飽きるまでじっくりと見たいと思うのだから、キリがない(苦笑)。世界遺産を見るたびに心躍らせてしまう私でした。うん、でも、ストラスブール大聖堂、実にイイね。

そうそう、あと番組内で大聖堂を建設する為に寄進した人々を名前と寄進した内容を書き記した帳簿が紹介されていたけど、いやあ~なんとなく分かるよね。身分が今まさに上昇していかんとする都市市民階級の気概と死後の安寧を求める気持ち。

以前読んだ本「カテドラルを建てた人びと」を思い出しました。あれも名著だったなあ~。

関連ブログ
「カテドラルを建てた人びと」ジャン・ジェンペル 鹿島出版会
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2007年05月14日

国立西洋美術館、平成14-18年度新収蔵版画作品展

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国立西洋美術館のホームページ

いつものように、国立博物館か西洋美術館のどちらか or 両方でぶらぶらしようと土曜日行ってみると、なんか西美が混んでる。「国立西洋美術館 FUN DAY 2007」とかいうイベントをやっているようだ。独立行政法人化してから、きっと大変なことも多いのでしょうが、利用者側としては待ちの姿勢の美術館よりもアクティブに常に何かをしていこうといる今の姿の方が、かなり嬉しかったりする。

美術館前であおぞらコンサートをやっていたり、布製トートバッグの全員プレゼントなど、いつもと違いだいぶ賑やかだ。普段はあまり見かけない感じの人も多く、混雑しているのは好ましくないが、これで美術館が活性化するのなら、長い目でみてそれは良いことなのだろう。

まあ、勝手知ったる西美なので、いつものように自分の好みの絵だけは重点的に見ながら、新しく入った作品とかをチェックする。

そして、3回目になるかな? 「平成14-18年度新収蔵版画作品展」を見る。新館2階の一番奥にある展示室で、ここは期間限定で展示されている場合が多い。常設展で見れるのだが、実は常設でないのがポイントだったりする。

モローの「聖なる象」を見たのもこの場所だったと思う。痛み易いから、期間を限って展示されるらしい。タイミング良く行かないと、見れないのでなかなか難しい。私も二度くらいしか見たことがない。

さて、それは置いといて、今回の版画であるが、これもなかなか素晴らしい。最近、活版印刷と宗教改革から、本に挿絵として印刷される版画などに関心を持つようになったので、ちょうどタイミング的にも良かった。

気に入ったのは以下の作品かな。かなり趣味がはっきり出ているし、新しいものはあまり興味ないなあ~。デジカメ持っていかなかったから、写真取れなかったのは失敗だったね。
マルティン・ショーンガウアー エッケ・ホモ 『受難伝』
マルティン・ショーンガウアー キリストの鞭打ち 『受難伝』
アルブレヒト・デューラー ばったのいる聖家族
アルブレヒト・デューラー 魔女
ハンス・ゼーバルト・ベーハム 聖マタイ 『四福音書記者』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム 聖マルコ 『四福音書記者』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム 聖ルカ 『四福音書記者』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム 聖ヨハネ 『四福音書記者』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム ケンタウロスと戦うヘラクレス 『ヘラクレスの十二功業』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム ネメアのライオンを殺すヘラクレス 『ヘラクレスの十二功業』
ハンス・ゼーバルト・ベーハム ヒュドラを退治するヘラクレス 『ヘラクレスの十二功業』
アルフレート・クビーン 表紙 『死のいる版画集』
アルフレート・クビーン 老婆 『死のいる版画集』
ジョルジョ・ギージ エゼキエルの幻視
カルロス・シュヴァーベ 第1回「薔薇十字」展のためのポスター
こういう版画とかもまとめて図録で出してくれると嬉しいんだけどなあ・・・。需要はそんなに無さそうだし、採算に乗らないかな?最近、こういうのが結構好きなんだけど・・・。

6月3日までらしいので、今度もう一度行って見てこようっと。

関連ブログ
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
カルロ・ドルチ(Carlo Dolci)
今日の国立西洋美術館2005年2月12日
NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」
「ルターの首引き猫」森田安一 山川出版社
ラベル:アート 版画
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2007年05月04日

企画展「澁澤龍彦 カマクラノ日々」鎌倉文学館

企画展「澁澤龍彦 カマクラノ日々」

企画展のチラシです。上が表面で下が裏面。これ見たら、行きたくなりますね♪

企画展「澁澤龍彦 カマクラノ日々」

先日埼玉で「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展を見て、しばらく忘れていた澁澤さんへの思いを再燃させたので、GW中で混みまくりの鎌倉へ出掛けてきました。

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江ノ電は例年と同じく、予想通りのギュウギュウ詰めでしたが、みんなこちらには来ないんですね。天気がいいので鎌倉のハイキングコースでも歩いているのでしょうか? 鎌倉文学館は、数えるほどの人しかいないのでゆっくりと澁澤さんの生原稿を堪能しました(笑顔)。

こないだ行った幻想美術館展は、澁澤氏を取り巻く外面的な環境とするならば、こちらの展示は澁澤氏の直筆原稿や草稿メモなどが多数多数展示され、澁澤さんの内面的な側面にポイントを置いたものと言えるかもしれません。両方を見ることで、初めて澁澤さんが書かれた作品をより感慨深く感じられるかもしれません。両方の展覧会は、何気に相互補完的な関係にあるようです。

鎌倉文学館

ご存知の通り、鎌倉は澁澤氏が居を構えられた所であり、実際の執筆をされていた地でもあるます。また、今回の展示を行っている鎌倉文学館自体も旧前田侯爵家の別邸で大変、味わいのある建物です。

ベランダに出て椅子に座って眺める湘南海岸もまた心地良く、静かな環境と相俟って、喧騒とは一線を画した素敵な時間を過ごせました。展示品の点数が多いわけではありませんが、澁澤さんの作品がお好きな人なら、十分に楽しめると思います。出来ることなら、澁澤さんの文庫本でも持ってきて、ベランダでそよ風に吹かれながらの読書もいいし、お庭でござをひいて、食事や読書などゴロゴロして過ごすのにもいいかも?

GWでもこれですから、他の日なら、更に静かに素敵な環境を楽しめると思います。こちらもお薦めです(笑顔)。

関連サイト
企画展「澁澤龍彦 カマクラノ日々」鎌倉文学館

関連ブログ
「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展、埼玉県立近代美術館
「黒魔術の手帖」澁澤 龍彦 河出書房新社
「神聖受胎」澁澤龍彦 現代思潮社
「図説 地獄絵を読む」澁澤龍彦、宮次男 河出書房
澁澤龍彦氏の書斎を紹介するサイト
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2007年04月20日

「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展、埼玉県立近代美術館

澁澤龍彦ー幻想美術館ー

「澁澤龍彦ー幻想美術館ー」展:埼玉県立近代美術館

おおっ、もう澁澤さんが亡くなられて没後20年になるとは・・・。なんとも隔世の感がありますね。私の中では、まだお亡くなりになったことが実感として思えないのだけれども・・・。最近、いささか忘れられてきたようで澁澤氏の初版の価格が一時の高騰から、恐ろしいまでの下落に至っているのを古書店で見るにつけても、溜息ばかりです。

個人的な蔵書の価格が下がるのなんてどうでもいいのだけれど、澁澤氏の評価が忘れられつつあるようでなんとも寂しいとしか言いようがない。少年期から青年期にかけて、私の精神の大きな部分を形成してきた必須要素であるが故に、どうしても思い入れが強いのです。

そんな折も折。たまたま澁澤氏の展覧会をしているのを知ったのは、偶然なのでしょうか? 私には必然のような気がしてなりません。昨日、初めて知り、あわてて今日行ってきました。何が展示されているのか、かつての熱狂を抱けない自分を見出さないか、一抹の不安を抱きながら・・・。(以前、池袋西武の澁澤展に行き損なって以来の後ろめたさを覚えつつ・・・)

杞憂、杞憂、杞憂。

私は愚かでした。実際に行ってみた展覧会は、実に澁澤さんらしい。否、澁澤さんでなければ、思い描けないような内的宇宙空間(ミクロコスモス)の渦巻く濃密でいて、どこか透き通って達観した、でもいたずらっ子の混沌を孕んだまさにどこにもない、ここだけの世界でした。

澁澤さんが生きられた空間の断片でしかありませんが、それは決して過去のものではありません。澁澤さんの著作を読んできた読者なら、きっと!おそらく絶対に!たぶん間違いなく! ――― 感じられるものがある展覧会です。

確かに澁澤さんゆかりのものが展示されているのですが、単なる展示会以上のものを感じます。まさに世界観というか、空間自体の一部を切り取った観があります。

見学者が少なかったせいもあるでしょう。私はこの世界に十分に浸ることができました。もし、貴方が澁澤龍彦という作家の名前を知っていて著作を読んだことがあるならば。そしてその作品から何かしら感じることがあったならば。

迷わず、この展覧会には行く価値があります。学生なら、学校休んで行きましょう♪(貴方にとっての学校が自分自身より大切だと思えるなら別ですが・・・) 社会人なら身内の不幸を捏造して行きましょう♪(身内の不幸なんて、そんなことでしか有効な使い方は無いのですし・・・) 

それだけの価値があると思うのです。それぐらいの気持ちで見たいほどのものなのです。この澁澤展を見た後、私は川越に行きました。澁澤さんにもゆかりのある土地ですし、私が澁澤さんの作品に浸かり切っていたのは、川越市立図書館の蔵書そのものだったから。気がつくと展覧会の余韻の赴くまま、図書館にへ向かい、懐かしい図書館で澁澤さんの本を探していたのでした。薄っぺらい郷愁じみたものかもしれません。でも、やっぱり澁澤さんは私にとってなんとも思い出深い作家さんなのでした。

澁澤龍彦ー幻想美術館ー

なんか久しぶりに感極まってしまい、いささか突っ走った文章を書いてしまいましたが(苦笑)、具体的な内容なども紹介しますね。

本展覧会では、澁澤龍彦氏にとっての生活空間、身近なもの、知人・友人・関係者との関わりなどなどを圧倒的物量で所狭しと展示しています。そのどれもが、澁澤さん自身の一部と言ってもよいかもしれません。

膨大な展示品故に、展示品名が全て紹介されていたら、それだけで貴方もきっと見に行かねばと思うこと間違い無しでしょう。まずは、私が個人的に強く関心を惹いたものを列挙してみます。

サド侯爵の自筆の手紙。池田万寿夫「聖澁澤龍彦の誘惑」。ジュゼッペ・アルチンボルド「ウェイター」。横尾忠則「劇団状況劇場公演~腰巻お仙忘却編~」。ギュスターブ・モロー 聖セバスティアン 群馬県立近代美術館。ギュスターブ・モロー ダヴィデ(エッチング)。ギュスターブ・モロー ユピテルとセメレー(エッチング)。ギュスターブ・モロー 出現(エッチング)。ポール・デルヴォー 森。金子國義 花咲く乙女たち。四谷シモン 未来と過去のイブ。伊東若冲 付喪神図。酒井抱一 春七草。アタナシウス・キルヒャー「シナ図説」。「高丘親王航海記」自筆原稿・自筆地図。野中ユリ「狂王」。アルブルヒト・デューラー 四人の御者。土方巽の写真等々。

これでも本当にごく一部でしかありません。まさかモローの本物や伊東若冲があるとは思いませんでした。キルヒャーまであるし・・・凄い、凄過ぎる!! でも、ほとんど人がいない。な、なんでだ~!!

正直言って場所が悪過ぎるんですけどね。駅から近いけど、都内からだとちょっと不便でしょう。そして、それ以上にいけないのがこの展示会の告知・広報。これだけの展示会をするのは、すっごく大変だったと思うですが、それにしても宣伝なんとかしてよ~。

澁澤龍彦ー幻想美術館ー

私の手元に出品リストがあるけど、総計(延べ)310点。一部は前期後期での入れ替えがあるけど、ごく一部。とにかくこのリストは、ネット上ですぐ分かるように紹介すべきでしょう。だって、私がネットで検索しても何が展示されるのか、イマイチ分からなかったもん!これだけのものが展示されているとなれば、見に行く人が絶対に増えるはず。

ただ、出品リストをネット上に載せるだけで見に行く人の数が大幅に伸びるような気がします。せっかくの企画展なんですから、手数を惜しまず、一番基本的な展示品のリストを公開すればいいのに・・・。

モローの本物とエッチングだけでも十分に見に行く価値があると思う。あの若冲だってあるんですよ~。当然、ハンス・ベルネールもあるし、佐伯俊男まである。私だって、ここに展示されているもの全てが好きなわけでもないが、絶対に何か好きなものが見つかるはず!! ツボをしっかり押さえた何かが・・・。

東京国立博物館にはご存知のようにダ・ヴィンチの「受胎告知」が来ています。これは、私も見たけど大変素晴らしいと思います。世界的にも評価されていますし、もっともだと思います。でもね、それに勝るとも劣らないだけの展覧会がこれだと私は密かに思っています。

誰もが見て納得がいき、素晴らしさを実感できるダ・ヴィンチに対し、ごく一部の人が人知れず、ニヤリと心の奥底で舌を出す展覧会。いささかやましいような、理由のない(?)後ろめたさを覚えつつ、見に来ている他の見学者とは視線を合わしたくないような展覧会。ダ・ヴィンチの100分の一どころか千分の一、恐らく万分の一くらいしか見る人のない展覧会でしょうが、好きな人にはどんなことをしても観て欲しい展覧会でした。

私も絶対にまた見に行くつもりです。そして、良くも悪くもごく一部のご同好の士、貴方は絶対に見ておくべきです。何があっても、見ないといけないと思いますよ~。心からそう思います。

今、他のところでも澁澤龍彦に関する展示があるようです。そちらも是非行きたいと思いますが、合わせて紹介しておきますね。

「澁澤龍彦の驚異の部屋」展:ギャラリーТОМ
没後20年 「澁澤龍彦 カマクラノ日々」展 (4/28~7/8):鎌倉文学館

【追記】
手元にある澁澤龍彦集成(桃源社)、澁澤龍彦全集(河出書房新社)、「血と薔薇」などの初版本の数々。もう一度ダンボール箱から取り出して読みたくなってしょうがありません。本箱が崩れ落ちそうで怖い・・・誰か、助けて・・・!

関連ブログ
企画展「澁澤龍彦 カマクラノ日々」鎌倉文学館
「黒魔術の手帖」澁澤 龍彦 河出書房新社
「神聖受胎」澁澤龍彦 現代思潮社
「図説 地獄絵を読む」澁澤龍彦、宮次男 河出書房
澁澤龍彦氏の書斎を紹介するサイト

以下、ギュスターブ・モロー関係:
「ギュスターヴ・モロー」ギュスターヴ・モロー 八坂書房
ギュスターヴ・モロー展 Bunkamura
オルセー美術館展~東京都美術館(2月3日)
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
聖チェチリア(モローの画像有り)
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2007年03月26日

「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展~東京国立博物館

レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」

毎月2回程度は来ている東京国立博物館ですが、何かと話題の豊富はレオナルド・ダ・ヴィンチの絵ですのできっと混むのではないかと思い、覚悟をして観に行きました。

実際、朝10時で20分待ちだったので午後からはもっと&もっと混むぞ~と思っていたのですが・・・。(ダ・ヴィンチ関係の特別展を見終わった後のお昼頃にはかなりすいていました。並ばなくても見れたようです。あ~あ、こんなことなら、午後から観に行けば良かった)

そうは言っても普段は使われない特別な展示室での展示というのも興味があったし、確かに人はいるけど、押し合いへしあい見るというほどでもなかったので少し後ろからなら、ゆっくりと立ち止まってみることもできました。最前列では、さすがに動きながらでないと駄目でしたが、それでもよく見れた方だと思います。

ウフィツィでは4回ぐらい見たことがあるけど、さりげなく壁にかかっていたので見る人も実にさりげなく見る感じだったのを覚えています。絵の前にはいても4、5人だし、ちょっと止まって見ていると誰もいないので一人きりで見てる時間も多かったしね。

今回、こうやって特別待遇で鎮座まします、な~んて感じで見られて絵も喜んでいるのではないでしょうか。

ただ、岩窟の聖母やモナリザ、この受胎告知とかダ・ヴィンチの有名な作品はあちこちで本物みたことありますが、素人目からいうと非常に上手でバランスがとれていると思うんですが、決して情熱的ではない感じがするんですよねぇ~。優等生が冷ややかに数学の問題を解いている感じがいつもしてしまう・・・。

えっと確か告知に来ているのは天使のガブリエルだったかな? それに比して告知される側のマリアが実に堂々としているのと、マリアと天使の間のスペースがいささかあき過ぎていること、歴然としたマリアとの距離感(疎外とまではいわないが、少なくても親しみや親密感の距離ではないよなあ~)も優美さや神聖さは感じられても温かみを覚えないのは私だけかな?

どうしても受胎告知というとリッピやフラ・アンジェリコを思い出して比べてしまう。サン・マルコ美術館の階段を登っていく時に、ばあ~んっと目に飛び込んでくるアンジェリコの聖母の神々しさと暖かさとは、ダ・ヴィンチの聖母は違うんですよね。個人的な好みとしては、やっぱりあちらが好きだけど、この展示はかなり凝っているのは確かだし、全体として雰囲気も含めて素敵だと思います。

想像よりもずっとゆっくりと絵も見れたので、私的には二重丸です(笑顔)。これから混む可能性が高いですし、見に行こうと思うなら、是非今のうちにお薦めします。

そして、今回力入っているなあ~と思ったのがこの絵を展示する第1会場の他に、第2会場でダ・ヴィンチゆかりの各種資料の展示とその資料の内容を解説していること。私は科学博物館かと錯覚するぐらい、かなりの精力を尽くして作りこんでいると思いました。

今回の展示会の主題は、絵画のみに留まらず、レオナルド・ダ・ヴィンチその人全体像を採り上げているんだなあ~と感じます。実際にいろいろな実験を体験したりと面白そうだったんですが、いかんせん、人多過ぎ。ミーハーなくせに人混み嫌いの私としては、大変残念ですが、ほとんどスルーしてしまいました。連れはこういうのが大好きなので喜んでみたり、やったりしていましたけどね。

あとね、すみません私ってひねくれものだなあ~と思うんですが、ダ・ヴィンチの資料以上に密かに個人的に喜んだ展示物があります。それって、普段はなかなか見れないインキュナブラ(初期印刷本)。天文学の本とか地図、建築学、数学の本なんかが展示されています(ファクシミリ版もあるけど、本物もあり!)。

こないだ読んだ「謎の蔵書票」に出てきた書物の本物が見られるんですから、ダ・ヴィンチ好き以外の本好きの方も隠れてこっそり見に行く価値があります。みんなきっと意識しないで見ているはずだよ~。稀稿本マニアも是非、行きましょう♪ 

もっとも私はこちらの本を見るのにエネルギーを使い果たし、他の実験系のものは見るのは諦めたんだけどね。週末は馬場や神田じゃなくて上野でしょう♪(笑)

で、話は変わる。 
そうそう目立たなくて見ない人も多いようですが、特別陳列「桜」というのもやっています。東博が山ほど持っている浮世絵のうち、桜に関するものや陶器などが展示されています。せっかくの花見シーズンです。こちらも見ておくと楽しいかも?

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で、その後は春の庭園解放をやっていますから、本館と東洋館の間から、庭園散策がお薦め。私が行った先週土曜日では、上野公園が全然咲いていないのに、もう綺麗に咲いていました。職員の方かな、「大島桜が咲いていますよ!」って教えて頂きました。こちらもせっかくですので是非どうぞ!!

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博物館でお花見というのもまた乙なもんです。

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そして庭園には、由緒正しいお茶室や小さな五重塔があったりもします。

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足元には、小さな花が咲いていてもう春だなあ~と感じました。
春のお散歩がてら、足を伸ばすだけの甲斐がありますよ~。

おまけ:
ダ・ヴィンチ展の図録が実に内容豊富。これだけの内容があって、この値段ならお得でしょう。変なレオナルド・ダ・ヴィンチ解説本を買うなら、こちらの方がいいと思います。行かれた方は手に取って確認しておいた方がいいですよ~。

関連サイト
特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像」東京国立博物館
展覧会公式サイト

関連ブログ
心臓外科医にとって、ダ・ヴィンチの手がかり
ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」に隠された人物像を発見か
ダ・ヴィンチの新しい絵
ダ・ヴィンチによるかもしれない新しいスケッチ発見
失われたダ・ヴィンチのフレスコ画を探す鍵
何かがある?謎の空洞と文字 ルネサンスの絵
ダ・ビンチ実はアラブ人だった?…指紋発見で仰天仮説
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2007年02月04日

オルセー美術館展~東京都美術館(2月3日)

ガラテア

久しぶりにギュスターブ・モローに会いにオルセー美術館展へ行ってきました。まだ始まったばかりだからと午後から出掛けたら、大変な人混みでした。一歩入るなり、いささかげんなり。人の頭越しにしか絵が見れません(涙)。

以前、フランスのオルセーに行ったときも結構人多かったけど(無料日だったので)、あそこって新しい作品が多く、あまり私の好きなタイプのものがないので今回もあまり期待せず、軽い持ちで出掛けたのでなんとか我慢。

展示内容を書かれた紙をチェックして目差すモローのみを探す。

あった&あった!モローの絵「ガラテア」です。私のおぼろげな記憶では、オルセーにモローの絵は二枚ぐらいしかなかったはずですが、そのうちの一枚ということでちょっと嬉しかったです。モローは個人蔵も多いからね。

展示場所はなかなか目立つ好ポジション。しかも壁の背景の色もそこだけ他の絵画のところとは違っていて、明らかに展示に際して意図的な演出をしているようでした。その演出も絵の雰囲気とあっていて良かったです。

とにかく人は多かったのですが、さすがに展示のもう終わり近くという場所なんで、人混みも注意してタイミングをとるとかなりすく瞬間があります。私は少し離れたところにいて人がいなくなると、絵の真正面を陣取りじっくりと鑑賞。人が増えると、しばし離れて遠くからぼんやりと全体像を眺めるということを5回以上も繰り返していました(笑)。

暗闇に浮かび上がる女性の裸体とそれを闇から見つめるキュプロスの対比がまた良いかと。いかにもモローらしく深夜に一人でこっそりと見たい作品でした。人混みには似合わないなあ~。女性の髪の毛の描き方が実にモローらしいです。

私にとっては、モローが見れただけでしたがとりあえずOKでした。

関連サイト
オルセー美術館展

関連ブログ
ギュスターヴ・モロー展 Bunkamura
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
聖チェチリア(モローの画像有り)
ラベル:芸術 モロー
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2006年10月30日

オペラ座の怪人~10月28日 劇団四季

どれくらい久しぶりでしょうか?劇場でファントムを見るのは。映画で「オペラ座の怪人」を見て、一緒に見ていた連れが大変気に入っていたので、映画もいいが是非劇場で見とかないとと勧めつつ、自分も是非久しぶりに見たかった作品です。

会員予約で受付開始から約一時間。ようやく土曜のマチネに予約を入れられたのはもう半年以上前の話でした。相変わらず、いい席を押さえるのは大変なんだよね。ふう~。

さて、カレッタ汐留に行くのは実は初めてなんだけど、う~んスタイリッシュではあるかもしれないが5年もすると全て変わってしまいそう。薄っぺらな建築計画だと思ってしまう私はひねくれ者かもしれません。亀の噴水って子供騙し? 天下の電通さんにしては・・・?

まあ、それはおいといて。
新しい劇場を見て一言。狭い。狭過ぎる。座席に至っては飛行機のエコノミーではないんだから・・・もう~。一万円以上も出してこの席かよ~と愚痴の一つも言いたくなります。四季の春や秋の劇場と比べてもはるかに狭い。ロンドンのHer Majesty TheaterやNYでファントム見た時でもこんなに狭いとこなかったぞ~。

正直非常に狭い空間である。但し、それ自体は悪いことではない。劇場が狭いということは、舞台の演者と観客の距離が近いのでそれだけ身近に見れるのだから。

まどろっこしいので一挙に結論から言ってしまおう。良かった点、とにかく観客と舞台が近い。前から5列目のセンターブロックでシャンデリアが落ちる位置を狙って席を取ったが、正解でした。演者の表情や微妙な手や体の動きが実によく見える。また、声が直接聞こえる感じである。
逆に悪かった点。舞台が開始されたら、席の狭さなど全然気にならないが、演じる舞台空間まで狭いことに気づいた! バレエの部分など、私がこれまで見た中では非常に小さく踊っていることを感じた。まだ、人の動きもいろいろな部分で演出上変更されているように感じた。シャンデリアも小さい。シャンデリアの動く範囲も狭い。赤坂でやっていた時と落ちてくる迫力が違う。

まあ、こんな感じで生意気なこと言ってますが、やっぱりファントムは大好きです。あと何回か千秋楽までに行こうっと!クリスティーヌの声は、何人もの女優の方のを聞いているが結構良かったと思う。非常に綺麗だし、声量も申し分なし。アリアの部分では、うっとりと歌声を堪能させて頂きました。最後のカーテンコールでも一番いっぱい拍手しました。今回の一押し。

ラウルは無難で問題なし。ファントムは前半に声がおかしいところがあって興醒め。後半はそこそこ良かったかも。ただ、もう少し渋みがあるとねぇ~。個人的にはあまりいいと思いませんでした。

残念だったのは、カルロッタ。ある意味もっとも声量が必要な役どころなのに、全然声が響かない。クリスとは違いながらも、プリマドンナとしてキラリと光るものが欲しいですよね。

以前、四季好きの人達とオフ会で話していて盛り上がった話題にカルロッタは、実はとっても可愛らしい女性でクリスティーヌの為に主役を降ろされる悲劇の女性という解釈もできるというものがありました。私もそれを結構強く支持していたのですが、それは我儘であっても無邪気な人気女優であれば、クリスを非難するぐらいは普通の行動だろうと思うのです。普通に見ると、クリスティーヌと比較して嫌な自惚れたおばさんぐらいに見られがちですが、素晴らしい歌声を持ち、人気があるのを支えているその声量と、クリスとは違ったアリアの美しさが必須ですよね。それが今回の舞台では無かったと思うのですよ~。

クリスだけではファントムとしては、物足りないです。とまあ、好き勝手なファンの独り言ですが、やっぱりファントムはいいです。10回を超えてから数えてませんが何度見てもイイ! 早くまた観に行きたいな♪ とっても楽しく過ごさせて頂きました。久しぶりに泣けたし、不満はあっても満足です(満面の笑み)。

ただ、今度は全てに大満足できるといいな。何度か行っていて本当に素晴らしいと思ったときは、大声で「ブラボー」と叫びます。是非、久しぶりにそれも叫んでみたいものです。
【出演者】
オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 北澤裕輔
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 宮内麻衣
マダム・ジリー 戸田愛子
ムッシュー・アンドレ 林和男
ムッシュー・フィルマン 青木朗
ウバルド・ピアンジ 石井健三
ムッシュー・レイア 喜納兼徳
ムッシュー・ルフェーブル 深見正博
ジョセフ・ブケー 塚本信彦
関連ブログ
オペラ座の怪人
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2006年10月16日

新日曜美術館「科学の目で見た国宝“伴大納言絵巻”」

出光美術館でなにやら絵巻物をやっているらしいということは知っていたのですが、これをやっていたんですね! 「伴大納言絵巻」。子供の頃に読んだ日本の歴史を扱った学習漫画でこの話について書かれていて、未だに鮮やかにストーリーを覚えていますが、本物は見た事が無かったので興味津々で見てみました。

400人以上もの登場人物を貴族から庶民まで一つ一つ丹念に描き分け、リアルに描写をしているのは手元にある雑誌(1982年11月の芸術新潮「特集 病気も地獄も怖くない 中世人生絵巻」)にも採り上げられていて知っていたのですが、今回の調査で更に判明したこととして顔料の純度が高い事や紙の継ぎ足し部分で明らかに以前のものとは異なっていることなど、面白い話がたくさんありました。

中でも特に印象に残ったのは芸大の先生の言葉。日本の絵画史上でその前にもそれ以後にもいない、突如として現れた素晴らしい才能を持った画家の筆になる作品であり、当時では世界でも唯一の存在だった(のでは?)といういささか興奮気味の熱い思いのこもった言葉を聞くと、こりゃ見に行っとくべきかな?と思っちゃいますね。

感動は伝染性ですから! また優れた作品であればあるほど、その伝染性は高くなるような気がします。ただなあ~、なかなか時間が取れるかが悩み??? 頑張って融通つけねば。

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2006年09月15日

細見美術館「細見コレクションリクエスト展05」 (8月22日)

京都旅行の際に、Takさんのブログを拝見して、若冲の作品あるんだ~って思い、これは寄って見なければと細見美術館に行ってきました。

京都御所の近く、へえ~あんなとこにあったなんて今まで全然知りませんでした。何十回も京都行ってるのに・・・ね。

とってもこじんまりした感じの美術館ですが、人がほとんどいないのでじっくりと楽しめます。イスを自由に置いて、好きなだけ独占できるのは、大いなる特典ですね!(笑顔)

でも、でも約1ヶ月前のことなんで肝心の作品の記憶が既に怪しかったりする。情けない・・・(涙)。

hosomi1.jpg

ねずみ、ねずみ。ねずみの婚礼。右側のねずみは引きずられていますね。

若冲

伊藤若沖筆 鶏図押絵貼屏風

伊藤若沖筆 鶏図押絵貼屏風。やっぱ、これいいかも。鳥の尾がまるで書道で書かれた文字のような勢いの良さ。ピシっと決まっている鳥なのに、なぜかこの尾がある種コミカルなようでいて、全体のバランスはGOOD。じっくり見ていたい作品ですね。

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これはなんだったかな?人間ではなく、動物(かわうそ?)の行列。これもなんかコミカルでユーモアがあって好き。

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絵の中なのに、あえて簾があるってのもこれまたなかなかに乙なもんです。どうってことなさそうですが、このアイデアだけでも実にイイ♪

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シメは葛飾北斎の五美人図。やっぱり最後は美人でないと。お粗末様でした(御辞儀)。そういえば、京都の国立博物館でもたまたま伊藤若冲の絵を見ることができました。これも非常に斬新で、展示室の中で1つだけ独特の輝きを示していて近寄ってみると、それが若冲の作品。ただ者ではないことを痛感させられました。

関連サイト
細見美術館

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ラベル:アート 京都 若冲
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2006年07月16日

三の丸尚蔵館第40回 花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>

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先日、東京国立博物館で若冲を取り扱ったプライス・コレクション展を見て「うおお~こりゃイケル!」と安易に感動した私は、マユさんのブログを思い出した。

そういえば、若冲って皇居のとこでも展示しているとか・・・? 実は何度かブログの記事で若冲のことを拝見していたのだが、自分の中で若冲のイメージがあやふやで観に行くぞ!っていう気合がなかった。しかし、今回は先週の余韻の醒めぬうちに、TVの番組でも見たし、気合十分で大手町駅へと出掛けたのだった。

久しぶりの皇居でしたが、今日も本当に暑かった!! いつもはもう少し人がいるのだが、暑さと3連休中でもあり、ガイドに連れられた外国の人ばかりが目立つ皇居でした。

旭日鳳凰図

さてさて、どんなもんかなあ~といざ入ってみると、展示場所は非常に小さい。だけど&だけど、実に素敵な作品がありました(満面の笑み)。

旭日鳳凰図。
この鳳凰、白いんです。鶏冠(とさか)がまたなんともいえず、尾の部分はまるで孔雀のようです。赤と青が相互に強烈な印象を残します。実に美しいし、見る人の目を捉えて離しません。実際、たくさんの人がこの絵の前で止まってしまいました(勿論、私も)。

いやあ~、もっと早くから観に行くべきでした。あと残り1期分しかないよ~。ちぇっ。でも、本当に見れて良かったです。これで暑くなかれば皇居で散策もありなんですが、さすがに今日は遠慮しちゃいました(笑)。

群鶏図

でも、見て損はないですね。こんなに素敵な作品を持っていたんだあ~。全然知りませんでした。ヨシ、残りも忘れずに観に行こうっと♪

関連サイト
三の丸尚蔵館第40回展開催要領

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プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展~東京国立博物館
「伊藤若冲」新潮社
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2006年07月09日

プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展~東京国立博物館

なんか今年の東京国立博物館って、ずいぶん頑張っていません? お金払っても十分に納得、というか大満足の展覧会が多いなあ。10月から常設展も値上げされるので、少し残念に思っていましたが、これなら今後も期待できそうです(笑顔)。

入谷の朝顔市からここに涼みに来たわけだが、ここに来て大正解! 漠然と若冲観に行こうかと来たのだが、これだけのものとは思いも寄らなかった。いやあ~、ほんと最近の東博って侮りがたし。

美人に犬図

「美人に犬図」山口素絢。

この着物から、身体のラインの流れまでが実に美しくていい。でも、この美人だけではそんなに好きにならなかっただろう。足元にいるワンちゃんがすり寄る姿がこの女性を、他とは違う特別な美人にしているに違いない。ワンちゃん無しには、成立しない美人図である。美人にすり寄る気持ちはワンちゃんでなくとも私にはよく分かるだから・・・(時々、すり寄ってるし・・・)。

鳥獣花木図屏風 伊藤若冲

「鳥獣花木図屏風」伊藤若冲。

まずは、ビザンティン美術のモザイク画とサン・マルコ寺院を同時に思い浮かべた。描き方の技術もすごいのでしょうが、とにかくこの作品から受けるインパクトは圧倒的です。色彩とデザインの斬新さには、いささかポップ調のモダン・アートかとも見間違うほど。描かれる生き物と空間は、南国の楽園といってもおかしくないでしょう。

ど真ん中の白い象は、仏教では聖なる動物であるとともにその知性でも秀でた聡明な生き物。しばしばお釈迦様が乗って現われる生き物でもある。

この象の背中も私はとっても気になった。まるで風呂敷じゃん!? まさに尊いお方がそこに座る聖なる御座所として、リザーブシートかよ~となどと勝手に思って喜んでいたりする。タイ行った時に象に乗り損ね、チュニジアではラクダに乗り損ねたが、この象には是非乗ってみたいものだ。

鳥獣花木図屏風 伊藤若冲

ここの孔雀も他で描かれる孔雀とは全然違う。ツレはまるでアニメのような、と評していたが、シンプルさを全面に出しながら、その深い表現力は脱帽ものでしょう。日本人以上に、外国人、特にアメリカのメトロポリタンとか高いお金出して買ってくれそうな気がするのは、私だけでしょうか???

唐人物図 伝曽我蕭白

「唐人物図」伝曽我蕭白

インパクトという点では、ちょっと別な観点でダントツでしょう!! デフォルメとか、そんな生易しい表現からでは、こんな人物描けません。

鯉の勢いの良さと強烈な人物像、どうしても立ち止まってしまいますね。

紫陽花双鶏図 伊藤若冲

「紫陽花双鶏図」伊藤若冲。
これは感想を述べると言ってもねぇ~。美しいとか緻密に描かれているとしか、私には表現する語彙がないが、一目見れば、説明要らないでしょう。

狐の嫁入り図 鈴木其一

「狐の嫁入り図」鈴木其一。

題材が好きなんだから、まずは。実際に描かれているのもやけに背景というか周囲を大きく扱ってません? 普通なら嫁入りの行列をもっと大きく扱いそうなもんですが、周囲との位置関係から、延々と続く行列の長さ。それだけ豪勢な儀式であったことを感じますね。

幾分どんよりとした感じも、天気の『狐の嫁入り』にもまさにふさわしいものかもしれません。江戸なら王子の狐とか言いたいところだけれど・・・。


とまあ、個々の作品で気に入ったのがたくさんありましたが、最後の展示スペースでも実に、実に心憎いほどの演出で作品を楽しませてくれています。刻々と屏風を照らす照明の角度や強さを変化させることで、描かれている絵が同じ物のなのに、全然違ってみえてくるんです。

私はすぐにシャルトル大聖堂のステンドグラスが差し込む光に合わせて無限且つ夢幻のヴァリエーションで煌く姿と重ね合わせてしまいました。日本家屋で障子を通して光が入ってくる薄暗い室内や夜に蝋燭で照らされる屏風は、普通に光を当てて見る姿とはきっと違っていたんだろうと思います。

同じ作品が光次第でどこが強調され、どこが鮮明に色鮮やかになるのか、そんな当たり前のことを今回初めて気付かされました。いやあ~、こんな演出までやってくれるなんて、以前の展覧会では見たことないです。ある種、感動物ですよ~。

同じ絵の前で少し離れて、光が変化するのに合わせてどのように見え方が変わるのかじっくり味わうとその素晴らしさが実感できると思います。私とツレが延々とその変化にあわせて立ち止まっている中、周りの人は、一瞬の光で見える一面だけ見ると、足早に去られていました。

余計なおせっかいで差し出がましいとは思うんですが、なんかとってももったいないよ~。こんな機会は滅多にないんでこれから行かれる方、是非その面白さを味わってきて下さいませ。見終わった後も、戻ってきてまたずっと見てたもん、私達。

あっ、今は思ったよりもすいてますんで狙い目です。でも、昨日TVの「美の巨人」で出ちゃったから、混んじゃうかな? とにかく見て外れのない素敵な展覧会でした。大満足。

関連サイト
東京国立博物館
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展  公式サイト
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展 公式ブログ

関連ブログ
三の丸尚蔵館第40回 花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>
「伊藤若冲」新潮社
ラベル:アート 若冲
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2006年07月01日

flugsamen・飛行種子~感想

もったいなくもseedsbookさんの解説付きで展覧会を楽しんできました(笑顔)。普段何気なく見ているものを、ちょっとした視点から切り口を変えて捉えてみると、それがまた違って感じにみえて、なんか面白いかも?

微妙に動く飛行種子の動きが、静的なものから動的へ移行するのも下から眺めるといいカンジ。きっかけがないと、あまりギャラリーとかには行かないもんで十分に楽しめました。お近くの方はどうぞ。

関係ないけど、近くに青山熊野神社というのがありました。結構、小奇麗なカンジ。縁起がなかったのでどれくらい古いのかは不明ですが・・・う~ん、何の脈絡もない話で失礼。

そうそう、今回はブログでお世話になっている皆様に初めてお会いすることができて楽しかったです。皆さん、なかなか個性的でキャラが立ってました(ニヤリ)。いやあ~、おとなしい私は地味~にしておりましたけど・・・ね(あっ、どなたからツッコミ入りそう・・・)。

改めて思いましたが、やはりそれぞれの方のブログにはそれぞれの個性や人柄が自然と反映されるものですね。お会いした時に、それぞれの方のブログをイメージしながらだと何倍も会話が面白かったです。

これからも皆さんのおかげで楽しくブログを続けていきたいと思います。このブログをご覧頂いている皆様、宜しくお願いします。(たま~にしおらしいことを書く私)

会場:トキ・アートスペース

関連ブログ
flugsamen・飛行種子

今回お会いした皆様のブログ
散歩絵、記憶箱の中身 seedsbookさん
カイエ lapisさん
Sweet Dadaism マユさん
Page Voice peperoncinoさん
Floral Musée Juliaさん
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2006年06月29日

flugsamen・飛行種子

いつもお世話になっているseedsbookさんがユニットで都内で展覧会を開かれていらっしゃいます。

普段はドイツにいらっしゃるのでお会いできる貴重な機会ですし、作品を拝見するのも楽しみです。ちょっと好奇心をそそられる感じの展覧会みたいですよ~♪

明日にでも実際にお邪魔する予定ですが、本当は行ってから感想を書こうかな?って思っていました。でも、それだと遅くなりそうなので(展覧会終わってから感想を書いてもねぇ~、誰も観にいけないし・・・)感想は【補足】として書くことにしました。

7月2日が最終日みたいですので、ご興味ある方は今週末に行った方がいいかもしれません。

知り合いで個展を開いたり、入賞した友人は何人かいるのだが、私も欲しいな。できれば鏡花賞とか・・・欲しいな♪ 誰かくれないかな?

中学生の時には、読書感想文をパクって全校最優秀賞をもらったことがあるのだが・・・(極悪人の私)。まず、何か書かないと・・・話にもなりませんね(苦笑)。昔の書きかけの草稿メモでも出しますか、う~む。


展覧会の詳しいことはこちらです。
トキ・アートスペース 「flugsamen・飛行種子」

seedsbookさんのブログ
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2006年06月04日

NHKスペシャル 千年の帝国 ビザンチン~砂漠の十字架に秘められた謎~

またまた~たまにこういういいモノ作るからね。NHKって。普段やっている世界遺産もこれを真似て作れないのかな?そしたら、全然違ったものになると思うのに・・・。

と、思わず言ってしまうほど、逆にこれはいい出来の番組でした。

そうかあ~番組見てるときは聞き逃してましたが、世界最古の修道院だったんだね、あれって。実に興味深い映像でした。

私的に非常に驚いたのがキリスト教の修道院の中にモスクがあるっていうこと! これって凄いでしょう。勿論、イスラム教徒に破壊されずに生き残る為の方便であったにしても宗教的寛容性を感じます。実際に巡礼者の場合は、キリスト教徒・イスラム教徒を問わず宿泊地として宿を提供してたらしいしね。

と同時にそこの修道院の人が十字軍について語っていた言葉が、心に残った。同じキリスト教徒であるはずなのに、十字軍を差して彼らは平和をもたらす為と言ってやってきたが・・・。実際は災いのみをもたらしたそうです。聖なる大義に燃えた情熱は、まさに語るに落ちたと言えるのでしょう。

しかし、去年イスタンブール経由でチュニジアに行こうとしてて、今回出てた聖ソフィア聖堂も見学したいと思っていたので、美しい映像を見て思いもひとしおでした。パリ経由にしたので行けなかったけど、今度は行きたいなあ~。

イスタンブールの単純往復って結構エアー安いもんね! 是非、本物を見るべし、っと強く思っちゃいました。ビザンティン様式のモザイクも本当に綺麗でした。

そういえば、十字軍が第四回十字軍の戦利品として彫刻を運んできて、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院に据えたのも映してましたねぇ~。あの有名なもの。金色に輝くサン・マルコ寺院の姿も思い出しました。私が行った時には荘厳なミサもやっていた実に神秘的でした。

いやあ~こういう映像には弱いです私。再放送があったらまた見たいです♪

関連サイト
NHKスペシャル公式サイト
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2006年05月06日

最澄と天台の国宝 東京国立博物館

せっかくのGW。天気もいいし、みんな遠出しているでしょう。まさか上野の博物館にそんなに人がいるとは思いませんでした。やられた!

特別展見るのにわざわざ祝日に列を作って並ばなくてもいいのに・・・(うざ~)。いささか、嫌な予感とともに見に行ったのですが、予想に反してなかなかの充実ぶり。事前に調べもせずにいきなり行ったもので、これだけのものが集められているとは知りませんでした。

普通ではなかなか見れないはずの秘仏等がゴロゴロしてるジャン! えっ~と驚いてしまいました。よくここまでのモノ集めたなあ~。人込み大嫌いの私ですが、これだけの物があれば、腹をくくってじっくり見ることにしましたよ。

正直時間はかかりましたが、見るだけの価値はありました。特に私のお気に入りはというと・・・。

もう決まってますね、六道絵。悪行を働いた人が死して落ちる所である六道(地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天)を描いたものですが、これがなかなか秀逸だったりする。いやあ~、なんでか知らないけど大好きなんですよ~。この手の地獄絵図。極悪人が頭から臼のようなものですりつぶされたり、針山を追いたてられたり、火焙りされたり、引き裂かれたり・・・。犯罪者の可塑性をあまり斟酌しない私としては、同害復讐法(目には目を、歯には歯を)ではありませんが、徹底的な因果応報はとっても望ましかったりします。

今回は、この絵の前を4往復くらいしていたでしょうか(笑)。全部見終わってからも、戻って見ていましたから。中でも、ちょっと感銘を受けたのが子供連れのお母さんがお子さんに六道絵を見ながら、語った言葉でした。
「ほらっ、見てご覧。手足を引っ張られているでしょ。こっちの人は両側から押しつぶされて、真っ赤な血をたくさん流している。生きているうちに悪い事をすると、死んでからこういう目に合うんだからね。悪いことしちゃ駄目なんだよ。」って。

いやあ~、田舎のお祭りで地獄絵図の辻説法でこれに近い話を聞いたことがありますが、実際に現代のお母さんが博物館でそんなこと言うとは思いませんでした。逆にいうと、いかにこういった絵が強烈なインパクトをもたらすかを再認識しましたね。お堅い言葉でいうと、民衆教化とでもいうんでしょうか、仏教説話などと並んでビジュアルの持つ力の凄さを実感しました。キリスト教でいうなら、ステンドグラスに描かれた宗教画のようなものでしょうか? やっぱり、凄いね!!

そういえば、往生要集まであるとは思いませんでした。まさにHOW TO 極楽往生って感じですが、この絵もイイ♪ 京都の青蓮院が持っているなんて知らなかったなあ~。何度も桜の季節に夜間拝観に行ってたのに・・・。

他にも奈良の談山神社(大化の改心の殺人事件のあった場所)のものとかも出品されていて、現地で見た覚えがあり、懐かしかったりする。

勿論、仏像などは見たことのあるものもたまに紛れ混んでいるが、初見のものがほとんどでいい勉強になりました。できれば寺で見たかったなあ~。

人が多いという欠点にもかかわらず、結構堪能したんですが、今になって出品目録見てて失敗したことに気付きました。六道絵、私が見たのは極楽寺のものでこれはこれで十分素晴らしかったし、良かったんだけど、これって会期が前期・後期で入れ替えがあり、な・なんと前期は聖衆来迎寺のやつが出てたみたい。うわあ~、失敗した!! 知っていたら、前期も見に行ったのに。是非、見たかったものなのに・・・(号泣)。

ちっ、しかたない。直接、見に行くしかないか。でも、普通に見れるのかな?それも心配だったりする。なんせ有名どころだし、抑えておくべき絵だもんね。しかし、それが見れなかったのが本当に残念だ。

この特別展の他に、平常展では尾形光琳の風神雷神図屏風やっていた。これも定番だが、いい絵だと思う。結構好きだな。土蜘蛛草紙絵巻も、ベタではあるが、やっぱりイイ! 楽しい一日を過ごせました。

関連ブログ
「図説 地獄絵を読む」澁澤龍彦、宮次男 河出書房
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2006年04月11日

NHK新日曜美術館「レオナルド・ダ・ヴィンチ~天才の真実」

4月9日のNHK教育でやってました「ダ・ヴィンチ」の特集。

レオナルド・ダ・ヴィンチによる作品って思ったよりも少ないんですね。TVの中で司会の人がしきりに言ってましたけど。お約束の「モナ・リザ」に「最後の晩餐」「岩窟の聖母」等々、お約束の作品ばかりがしっかり出ていました。

普通、新日曜美術館で採り上げるのって最近展覧会があるものや、もうすぐやるものをやるんですが、レオナルド展なんてないと思うんだけど・・・。司会もダ・ヴィンチ・コードのことを言ってたけど、これってダ・ヴィンチ・コード絡みっていうだけで採り上げたのかな?

なんかNHKにしては珍しいことするなあ~。だって映画や本の流行りに便乗ってNHK嫌いそうなのネ。

ただ、説明はどうなんでしょう? 正直面白いとは思わなかったし、そこいらにある本に書かれているよりも解説内容はなかった感じがします。解説をされていた田辺氏もあまり話されている印象がなかったのですが・・・。かわぐちかいじのレオナルドを扱った漫画も見たことあるけど、解説は興味が湧くようなこともなかったです。ちょっと残念。

どうせなら、こんな表面的な説明よりももっとレオナルドが私生児扱いされた複雑な当時の状況や、それが彼に与えただろう影響。その後の彼の生き方や華やかなルネサンス期における独自の存在、等々掘り下げれば掘り下げるだけ、人として画家として関心が持てたような気がしました。

人が生きていくのは奇麗事じゃないんだけどなあ~。NHKも「その時歴史が動いた」だけでなく、他の時にもその辺を突っ込んで欲しいですね! 今後に期待します。今回は、つまんなかったけどね。

関連ブログ
レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ
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2006年02月27日

東京国立博物館のお正月

東京国立博物館 正面

本当は1月中には間に合わせようと思っていたけど、いろいろあって忘れていました。「お正月は博物館で~」とかキャッチコピーがあって入場者増加を目指した試みでしょうが、こういうのは大歓迎!! ただ所蔵しているのを展示しているだけでは怠慢でしょう。年に10回くらいは行くリピーターとしては、こうやって展示物以外にも楽しめる要素があると本当に嬉しいですね。

東京国立博物館 法隆寺館内

東京国立博物館

東京国立博物館 階段の途中

東京国立博物館 照明

こういった何気ない照明も雰囲気があっていいですよね。何かデザインがついてますね(下の写真参照)

東京国立博物館 照明デザイン

東京国立博物館 窓

ここにも何かの文様が・・・。なんだろう???

東京国立博物館

ここの照明は、JR日光駅2階にある(元)貴賓室とかの照明に似ているような・・・?

今月もこないだ行ってきたばかり。喫茶店に行くくらいなら、本を片手に博物館内を散策&読書が快適ですね。何度も見ているから、新鮮さはありませんが、見て飽きるくらいなら、それは名品ではないでしょうしね。こないだは国宝の雪舟の水墨画やってましたよ~。私的には、あまり好きな絵ではなかったけど(生意気な私)。

鳳凰

鯉

お正月だけに縁起のいい文様ですね。鳳凰と川を登る鯉です。出世しそうかな(笑)。
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2005年12月26日

TBS世界遺産「リトルポーランドの木造教会群(ポーランド)」

TBS世界遺産公式ホームページ

キリスト教の教会というとすぐ石造りのロマネスク式のものやゴシック大聖堂などが頭に浮かぶが、木造のものもあるんですね。ちょっと意外。先日、知人からヴァイキングの作った11世紀頃の木造教会の記事を教えてもらい、感銘を受けたところだったんで今回のTVも非常に興味深かったです。

同じキリスト教の教会でも石作りの建物と木造の建物では、全然感じが違いますね。木造建築だと、やはり非常に優しくて優美な印象を受けました。雪山に閉ざされた中、ほっと一息つける肉体的にも、精神的にも癒しの空間。そんな印象を強く受けました。

おまけに壁画に描かれているものも、私がヨーロッパで見たデザインとはだいぶ違っています。どちらかというと、シルクロードとかで発見されたギリシア風の仏教壁画に近いような・・・? これは私の思い込み過ぎでしょうけど、ちょっと新鮮な壁画でした。

そういえば、ポーランドって亡くなられたヨハネ・パウロ2世の故郷でしたね。常に大国の権益に左右され、ソ連の圧力下では信仰を維持することさえ、大変だったそうです。新しい教会を作ることが許されなかったが故に、より一層の愛着と愛情を持ってこうした古い教会を大切に守ってきたんだそうです。

日本の法隆寺なんかもそうですが、古い歴史を持った建築物はどんなものであろうともそれを大切にし、守り続けてきた無名のたくさんの人々の思いがあって初めて存在するんですよねぇ~。この世界遺産もそういったたくさんの人々の思いを背景に持っているんだろうと思うと、感慨深くなりますね。いつまでもこうしたものを守っていって欲しいですね、本当に!

とっても素敵な木造建築でした。そうそう、その一方でちょっと気になったことも。木造の教会が建てられたところは、もともといた古い神々の聖地だった場所に建てられ、それ以前の神が祀られ、供物が捧げられていた木の柱が映し出されていました。あれって、やはりドルイド教? 番組内ではそこまで触れていないので分かりませんが、ちょっとそれも気になる。

しかし、敬虔な信仰、それ自体をどうこういうつもりはないのですが、キリスト教にとって代わられたいにしえの神々。決して、それは奇麗事ではすまない確執があったんでしょうけど・・・。それらの話や伝承とかも興味あるなあ~。シャルトル大聖堂もそうでしたが、必ずそれ以前の神々を祀った聖地に教会を建てていくね、キリスト教は。う~む、いろいろと考えさせられます、ホント。
ラベル:世界遺産 TV
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2005年12月07日

印刷博物館コレクション展

印刷博物館コレクション展

またまた行ってきました印刷博物館。いつ行っても人がほとんどいなくて、ゆっくり見れるのがいいですね。デートにお薦めです。まあ、それはおいといて。

展示されているのは、もともと所蔵しているものなんですが、疱瘡(ほうそう)になるのを防ぐ護符として赤一色で印刷された疱瘡絵や、多色刷りの麻疹(はしか)絵。大地震を描いた鯰絵とか、個人的には結構好きな印刷物があって楽しかったです。満鉄絡みのポスターとか、かなりレアっぽいものがあり、何気にそそるモノが多かったです。

フランスの百科全書なんかには、ローマ字で日本語の発音まで記されていて、とにかく何でも知識を集めることに夢中になっていた当時を偲ばせるものでした。

そうそう、浮世絵をする実演もやってました。体験もできるんですが、面倒なことをしたがらない私は、そのままスルー。

久しぶりに凸版さんが誇るVR(バーチャル)シアターで唐招提寺を見ました。いつもながら、映像が本当に綺麗!! これだけでも見る価値ありますよね。前も書いたような気がしますが、是非これで世界遺産をドンドン撮っていって欲しいなあ~。個人的願望としては、バチカンの禁書図書館とか見せてくれると嬉しいんですが・・・(笑)。

さて、今週はどこに行こうか? 枕元に積み重ねられ、倒れてきそうな本に埋もれながら考えている私。

関連ブログ
印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展
ヴァチカン教皇庁図書館、古文書をデジタル解析する共同研究で調印
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2005年11月23日

NHK よみがえる源氏物語絵巻 「浄土を夢見た女たち」

NHK よみがえる源氏物語絵巻 「浄土を夢見た女たち」
【以下、NHKの番組紹介転載】

 平安時代に作られた現存する日本最古の物語絵巻、国宝・源氏物語絵巻。その復元プロジェクトを密着取材し、日本文化の源流を探るシリーズの最終回(第5回)。
 科学調査に基づく復元模写の開始から6年。平成17年秋、ついに国宝絵巻19図すべてが平安の色彩で華麗によみがえり、プロジェクトはクライマックスを迎える。
 最後に復元される五島美術館所蔵の4図は、光源氏を主人公とする源氏物語のラストシーンを描いた絵巻屈指の名画である。愛のはかなさと浄土への祈りが描き出されている。
 復元の過程で平安の絵師が絵巻に込めた繊細で大胆な仕掛けが明らかになってきた。主人公を描かないことで、出家という物語のテーマを強調した「鈴虫(一)」。特殊な絵の具で月の光を表現し、秘められた親子関係を浮かび上がらせた「鈴虫(二)」。そして死に直面する紫の上の心を、風に吹かれる秋草で象徴した「御法」。科学の力と現代の絵師の技が、絵巻に秘められた奥深い世界を解き明かしていく。
 900年前に育まれた日本人の豊かな感性の世界に迫るプロジェクトの完結編。


五島美術館が国宝の源氏物語絵巻を持っているとは知りませんでした。あそこは何度か行ってるけど、中国とかの磁器・陶器が多いからなあ。ちょっと意外な感じ。だてに東急グループの創始者五島氏が集めた美術品ではないです。

丹念に絵の具が剥落した作品を調査し、復元していく姿は凄いなあ~と頭が下がるばかりですが、番組全体の比重からすると、その辺の所はごく一部でほとんどは源氏物語のイメージ映像と語りで構成されていました。

内容としてはあまり中身がないようにも感じましたが、高校生の時に大好きではまりまくった源氏物語だったので久しぶりにいろんなことを思い出しました。特にこの番組の良かった点は淡々とした映像と語りの中で静かな曲が流れ、実際に読んだことのある人にはかつての思いを呼び起こすには、とっても効果的でした。

私もTVを観ながら、勝手にかつての源氏物語に対する思いでいっぱいになり、思わず感情移入しておりました。だって、若紫なんて私にとって永遠のアイドルですから!!(夕顔も捨て難いがちょっと年いってるので2番目)

高校時代には、若紫(&夕顔)をそらんじながら、源氏の君計画を密かに友人達と練っていたもんです(オイオイ、犯罪者予備軍?)。でもねぇ~番組の中では、女三宮の不義密通についての源氏が思い悩む点での説明が足りない、って思った。源氏がかつて義理の母である、天皇のお妃に密通して冷泉帝が生まれたことには触れていたが、自らの父である亡き帝が体験したことを、再び世が巡り自分が体験するというその因果は巡る的な無常観がなんともいえず、胸に来るのに・・・。

また、紫の上の苦悩はそもそも源氏が自分の中に見ている姿に、失った義理の母の面影を見続けている点のようにも思うだが・・・まあ、解釈は人それぞれですが。源氏が最愛の人だったのは、決して許されない義理の母であり、自分にとって一番身近な存在だった人。紫の上は、その最愛の人の血族であり、幼い子供の頃から自分色に染めてきた自分の分身のような存在。TVを見ている時にも、勝手にいろんな思いが湧き上がり胸が苦しくなりましたが、今もこれ書いていると、何かうまく表現できないままに胸がいっぱいになります。

一人で京都とかをふらっと旅したくなりました。現実では今日も祝日で休みなのに、半日以上仕事に追われて、余裕がないのにねぇ~。仕事は嫌いじゃないし、常に全力を尽くさねばと思うものの、まあいろいろありますね。それはいつでもどこでも同じことで与えられた範囲内でまずは、頑張らねばならないわけだけど・・・ね。ふう~。

本を読んだり、ブログを書いている時ぐらいが息抜きかな。後は大切な人と話したりする時ぐらいです。それとお酒かな?(笑)

そうそう、「あさきゆめみし」10数巻まで買った覚えがあるけど、もう一度是非読みたくなりました。あれ読むと泣けてきますけど・・・。円地源氏もイイ!!

あさきゆめみし―源氏物語 (1)(amazonリンク)
源氏物語 巻1 (amazonリンク)

関連サイト
徳川美術館開館70周年・NHK名古屋放送局開局80周年記念 特別展「国宝 源氏物語絵巻」
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2005年11月13日

忘れ去られた人形達

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ずっと昔、私が高校生の頃に怪しげな古書店で見つけたもの。確か近代映画社から出ていたもので、透明なプラスティックケースに入った写真として売られていた。封が開けられていなかったので、売れずに在庫として流れたついたものであろう。その当時から、本屋と古書店、図書館は私には非常に近しい存在だった。

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当時の私は、全く人形に興味が無かった。いつも行く古書店に、この人形の写真は売れずにいつまでも残っていた。この頃だったろうか?中学生から高校生にかけて澁澤龍彦氏の本に影響され始めていた時期でもあった。今まで、意識にものぼったことの無い人形の事がふと、気になるようになった。

値段は安かった。100円か200円。購入したものの、何故か若干の後ろめたさを覚えた。女性の裸体が載った本を買うのとは次元の違う感覚。Hとかどうとかではなく、人に有らざるものに関心を抱く”非人”とでもいうような・・・反社会的なものにあたかもなってしまったような・・・。

それ故、一度見たままそれはずっとしまわれていた。それ以来、見られることもなく、何故か捨てられることもなく。

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先日、部屋の中を整理した時にその写真が突如、現われた。既に精神の清純さを失い、世事に長け、ためらわずに世間と共に共存するだけの堕落を経験した我が身には、既に驚異ではなくなっていた。

時期が来たのであろう。特に何かの意味があるわけではないが、ここで紹介してみよう。この人形達は、何故にこうして写真になっているのか?誰が定価でこれを買ったのか?今見ても、不思議な気持ちは変わり無いが、謎は謎のまま、ただここにある。

関連ブログ
物言わぬ美しき者達へ~人形愛~
ラベル:アート 人形
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2005年10月28日

レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ

現在、六本木ヒルズでダ・ヴィンチのレスター手稿が公開されているのは皆さんご存知でしょうが、これは知ってました?

大英図書館所蔵の「レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ」がネット上で閲覧できます(不思議の国のアリスも)。観てみれば、すぐ分かりますがこれがなかなかスゴイ!! 何がすごいかというと、全体像以外に拡大して部分が見れるのは普通ですが、あの鏡文字が読める。ミラーというボタンがあり、それを押すと反転して表示されるんですよ~。これはちょってとした感動もの。

まあ、反転して文字として分かっても、言葉が分からないから正確には読めないんだけどね(苦笑)。でもでも、鏡文字ってのが実感できます。無料ですし、私のようになかなか行く機会の無い方は、是非お試しあれ! なかなか楽しいですよ~。

以下のURLで”SKETCHES BY LEONARDO”と書かれたところをクリックして下さいね。
http://www.bl.uk/onlinegallery/ttp/ttpbooks.html

そして回線速度を選べばOKです。そういえば、先日HOTWIREDの記事で「インターネットは貧者の娯楽」と書かれていましたが、なんか実感してしまった。昔はステンドグラスが文字の読めない民衆にとっての聖書であり、「貧者の聖書」と呼ばれてましたが、なんか似てません? ふと、思っただけなんですけどね・・・。素直に技術の恩恵と思えばいいのですが。

貧者の娯楽を堪能している私です(自爆)。GOOGLE EARTHもまさに貧者の娯楽だしなあ…。

そうそう、実はこのスケッチのことは私が時々、お邪魔しているサイト ラブリー写字室様のを拝見して知りました。こちらは、写本関係の情報なども詳しく、勉強になることばかりですので御興味のある方にはお薦めです。

ダ・ヴィンチとは関係ないけど、とっても観に行きたい企画展を見つけた!
古川美術館の「装飾芸術の魅力 彩飾写本とアール・ヌーヴォーを中心に」
ここの『ブシコー派の画家の時祷書』っていうのが、なかなか綺麗そうでそそるんだなあ~。ただ、場所がねぇ~愛知まで行けないって(涙)。あ~あ、とっても観たいかも?

関連ブログ
「ダ・ヴィンチ・コード」の予習にいかが?ダ・ヴィンチ展が開幕
「図説 レオナルド・ダ・ヴィンチ」河出書房新社
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2005年10月26日

モナリザ「禁写」1カ月、観光客と警備係の攻防続く

モナリザ「禁写」1カ月、観光客と警備係の攻防続く、の記事
【以下、転載】
パリのルーブル美術館が混雑防止を理由に、9月14日から人気絵画の写真・ビデオ撮影を禁じ、観光客を戸惑わせている。「モナリザの前でVサインするために何千キロも旅してきた人々」(パリジャン紙)が簡単にあきらめるはずもなく、警備係との駆け引きが続いている。

 撮影禁止となったのはイタリア、フランス、スペインの絵画を展示するドノン翼1階全部と、ルイ15世の王冠などが並ぶアポロンの間。名画の前は記念撮影の人であふれるのが常だったが、「落ち着いて鑑賞できない」との苦情を受けて館内規則を改定した。

 一番人気のモナリザのわきには「撮影禁止」の掲示。カメラや携帯電話を向ければ、専属の警備係2人から「ノー・フォト・プリーズ(撮らないで)!」の声が飛ぶ。目を盗んで写せても、これまでのような記念写真は難しくなった。

 ガイド本の陰でカメラを操作したり、連れが係員の注意を引くスキに狙ったりと、攻守双方にストレスが募る。「盗撮」の機をうかがう人が多いせいか、滞留時間はむしろ延びた印象さえある。

 ルーブル美術館の今年の入館者は前年比17%増のペース。04年は67%が外国客だった。旅の思い出にという要望にこたえ、パリの主要美術館は、フラッシュや三脚を使わないなどの条件つきで常設展示の撮影を認めている。

知らないうちに写真撮影禁止になっていたんですね。私が今年の7月に行った時は、まだOKだったのに。う~ん、美術館側の対応も分かるけど、自分も写真を撮ってたおのぼりさんの観光客としては、やっぱり残念ですね。

せっかくモナリザに辿り着いたら、一緒に写りたいのが人情でしょう。ましてダ・ヴィンチ・コードを読んでからいく大多数のミーハーとしては、本を片手にモナリザの前でパチリ! これは外せないしなあ~。

でも、撮影禁止でもっと混雑するなら、そのうち撮影を認めたりして・・・。駄目かな?やっぱり映画公開が終わった後、しばらくしてほとぼりが冷めるまでは。

特別展とか著作権の関係で問題があるのは別ですが、世界中のどこの美術館や博物館に行っても原則写真撮影ってOKなんですけどね。フラッシュは紙質を劣化させるから、絵画とかだと禁止が多いけど。

そういえば、カルタゴは軍事施設の撮影禁止の表示があったなあ~。google earthで何もかも写ってしまうと思うんだけど・・・? 最近、google earthにはまり、バチカンやバクダッドとかの衛星写真を見てふむふむと勉強している私です。これはネットサーフィンよりはまるので要注意の遊びですね。睡眠時間がなくなって困ってます(苦笑)。

ルーブルのモナリザ
ミーハーなブログ管理者alice-roomとダ・ヴィンチ・コードとモナリザ

関連ブログ
ルーブル美術館 ~パリ(7月4日)~
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2005年10月18日

最初はダ・ヴィンチ、今はボッティッチェリの暗号を解いている

ローマ大学の芸術史と建築史を専門とする教授が、ボッティッチェリの絵画「春(プリマヴェーラ)」に隠された暗号を解読したとおっしゃってるそうです。モナリザにしろ、何にしろ、暗号解読がブームなようです(笑顔)。

冷やかしはさておき、そもそもこの絵が当時のフィレンツェのパトロン、ロレンツォ・デ・メディチ(豪華王)の為に描かれたものであり、彼の争っている都市間を同盟で結んでイタリアを一つのモノにするという野心が現されているんだそうです。

絵の三美神は3つの海洋都市ナポリ・ジェノア・ピサを表し、一人で踊っているが、ロレンツォの戦略同盟に同意してるんだって。またそれらの構成の上に浮かんでいる天使は背後にいるローマ、即ち教皇なんだって。

なんだかなあ~ホントですか?ってど素人の私は疑ってしまいます。ダ・ヴィンチ・コードのモナリザも面白いけど、あの暗号解読もフィクション以上の何物でもないし・・・。小説なら、面白いアイデアだねで済みますけど???(だいぶ疑心暗鬼な私)

さらにその教授いわく、ロレンツォと教皇の同盟が彼の壮大な計画の要であり、その為に彼の娘を教皇の甥と結婚させてまでした、とのことです。

さてさて真実は如何に? でも、ボッティチェリはサヴォナローラに感化されてから、すっかり作風が変わり、どちらかというと暗く澱んだ感じの絵になってしまったしなあ。元々の「春」の時も、いかにも異教的な象徴にあふれた深い意味のある作品とかという解説も聞くし、なにか隠されていても面白そうだけど・・・。誰か小説でも書いてくれたらいいのにね!

First da Vinci: now they’re cracking the Botticelli code
【以下、原文転載】
AN ITALIAN art expert claims that he has cracked the hidden code in one of the most most enigmatic Renaissance paintings, Sandro Botticelli’s Primavera.

Enrico Guidoni, Professor of the History of Art and Architecture at Rome University, said that scholars had sought for centuries to interpret Botticelli’s masterpiece, painted in or around 1482 for Lorenzo de Medici, better known as Lorenzo the Magnificent (1449-1492), the great ruler of Florence and patron of the arts.

The scholars, Professor Guidoni says, missed the real point of the masterpiece. It was a codified representation of Lorenzo’s ambitious, and abortive, plan for unifying Italy through a network of alliances between the warring city states. Lorenzo had thus anticipated Garibaldi’s struggle to unite Italy by almost 400 years.

Professor Guidoni said that there was general agreement that the flower-strewn orchard that formed the backdrop of Primavera (spring) represented the glittering Medici court at Florence. There was also little doubt that the central maternal figure stood either for Venus or the Virgin Mary, or both.

The eight other figures had been variously taken to symbolise the months of the year, the liberal arts or characters from Greek or Roman myths, from Mercury on the left of the picture to Zephyr, the wind, on the right. “In reality they have nothing to do with the seasons, literature or myths, and everything to do with war, peace and geopolitical strategy,” Professor Guidoni said.

Botticelli had hidden the painting’s meaning because Lorenzo was constructing his network of Italian alliances in secret at the time. “What we are looking at is an allegory of peaceful coexistence between the most important Italian cities of the time, linked by secret agreements, with Medici Florence at the centre.”

Professor Guidoni said that the Three Graces in the painting stood for the three seafaring city states, Naples, Genoa and Pisa, which “danced alone” but had nonetheless agreed to back Lorenzo’s strategic alliance. Above the composition hovered Cupid, or Amor — “which of course is Roma backwards, in other words the papacy”.

Professor Guidoni said that Lorenzo’s alliance with Pope Innocent VIII was the keystone of his grand plan, and that he even married his daughter Maddalena to the Pope’s “nephew” (said in reality to be his son), Franceschetto.

Lorenzo’s dream of a unified Italy crumbled, however, together with Medici Florence itself, with his death in 1492.

関連リンク
ボッティチェッリの「春」
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2005年10月16日

国立国会図書館「描かれた動物・植物」展

アホウウドリ 

「描かれた動物・植物」国立国会図書館電子展示会

ずいぶん長い間、国会図書館に行く機会がなかった。学生の時に何度か行ったことがあるが、あそこって資料を借り出したり、複写をとるのに物凄く時間がかかった覚えがあり、面倒なことが嫌いな私にはよっぽどのことがない限り行くまいと心に刻まれていたせいもある。まして論文を書くわけでもなく、単なる好奇心で本を探すには閉架式は辛い。これも昔の思い出だが、当時は一回につき3冊までしか借り出せず、その3冊を確認したら、みんな役に立たない資料だった経験もある。これは悲しかった。

今回は本を借り出すわけでもなく、単に江戸時代の博物誌関係の資料が展示されているのを知り、それを見に行った。あまり物を知らない私は、荒俣宏氏の本で博物学と言うジャンルがあることを初めて知ったくらいだが、元々好奇心は旺盛なのでこういうのは、結構好きだったりする。いろんなところでこの手の展示はよく見に行くしね。

大概の人は、有料でたくさんの人が来る展示会には大勢行くが、いささか天邪鬼な私としては、人がほとんど来ないこういう展示会が好ましい。まして無料だしね。ゆっくりと本物を眺めているのはとても楽しい。これも税金の一部なんですから、少しでも回収させて頂かないと(笑顔)。

そもそも資料なんて人に利用されてこそ価値があるんだし、あることさえ知られずに書庫の中で眠っているよりはこんなふうに展示されて、人を喜ばせてくれた方が立派な利用価値があるってもんです。まあ、本来は国会議員の先生方が政策や法案を考える際の資料として使えるように収集してた図書文献だろうけど、まず、そんな目的に使われることもないんだし。今では、広く国民の知る権利に奉仕するってのがメインじゃないのかな?

こういう素敵な試みは、今後もドンドン増やしていって欲しいですね。

山椒魚

さて、今回の展示内容。
国立国会図書館所蔵の白井文庫と伊藤文庫にある江戸時代の博物誌関係の中から、動植物画のものを中心にして選ばれているようです。植物とかもいいけど、私はやっぱり珍獣や奇獣が好きです。変わったところでは鯨の解体図なんてのもあり、余すところなく利用されているのが興味深かったです。河童のもいいけど、ちょっと絵の質が・・・イマイチだったかな?

アザラシ

江戸時代版タマちゃんのアザラシなんかもあり、なかなかユーモラス。アホウドリやトキ、シマフクロウとか現代では、絶滅しかかったいる貴重な鳥達も当時はたくさんいたそうです。マンボウやリュウグウノツカイなんてもカッコイイし、サンショウウオなんかも結構好みかも?
他にも植物画や蝶の絵なんかもあります。

捕鯨

河童

当時は写真なんかもなく、誰かが入手した図版をみんな手書きで転写した為、元は同じなのにそのコピーのようなものがたくさん出回っていたそうです。その辺の話もなかなか面白く、荒俣氏の本なんかでも似たような記述を読んだことがありますが、転写にはそれを行った人の技量の巧拙があり、また精密且つ複雑な図版の転写には根気がいる為、その良し悪しには大きな差があるそうです。

元は一緒なのに、転写されたものは似ても似つかない(ちょっと言い過ぎですが)ようなものもあったりして、そういった違いも見れるような展示になっています。こういうのは百聞は一見に如かず、関心のある方は行ってみると面白いかも? 国会図書館も新館は初めて行きましたが、まだ綺麗でした。みんな黙々とモニターで資料を検索しててなかなか珍しい光景でした。静かで本は読み易いかもしれないです。当然ながら、館外帯出禁止ですのでお忘れなく!!
【内容】
序章: 博物誌資料について
博物誌資料について注意を要する点を、いくつかの実例で示しました。
第一章: 江戸博物誌の歩み
江戸時代の博物誌に大きな影響を与えた漢籍『本草綱目』の伝来から幕末までを、17世紀・18世紀・19世紀に区切って、おおよそ年代順に配列しています。
第ニ章: 独自の園芸の展開
当時世界一の水準だった日本の園芸品の数々と、この時期に海外から持ち込まれた草木を紹介します。
第三章: 珍禽奇獣異魚
当時の人々を驚かせた珍鳥や奇獣、逆に当時は珍しくなかったけれども、今日では希少になった動物を紹介します。

『梅園介譜』拡大版 

関連ブログ
「怪物誌」荒俣宏 リブロポート(図版13枚有り)
「バロック科学の驚異」 荒俣宏 リブロボート(図版3枚有り)
印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展
「かわら版 江戸の大変 天の巻」稲垣史生 平凡社
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2005年10月15日

物言わぬ美しき者達へ~人形愛~

doll.jpg

いつか、ちょっと書いてみたいなあ~と思っていたテーマでした。もっとも私には語るものがありません。無粋な評論めいたことを書きたくもないし。

ただ、lapisさんのブログを拝見していたら、ついつい思い付くままに書いてみたくなってしまった・・・。

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人形は言葉を発して語りかけることはないかもしれないが、その瞳は貴方を離さない。人形は決してモノではなく、あくまでも人の分身なのかもしれない? 貴方の分身?

そう、貴方自らを写し出す鏡。人形を愛し、愛でる行為は、自己愛そのもののようにも感じられる。

誰にも理解されない本当の私。誰にも見せない本当の私。人に見せる損はあくまでも演じられた私に過ぎないことは、誰よりも私が知っている。

決して他人には見せられない自分を客観化するための存在―それが私の分身である人形。

人形を愛することは、理解されない私を救うたった一つの方法なのだと思う。


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いささかリリカルなタッチの文章ですが、軽く読み流して下さいませ。
実は、先月ギャラリーの招待状(写真参照)を頂いたのですが、行こうと思っていながら、ハガキを忘れて場所が分からずに行けなかったことがありました。実は、それが緋衣汝香優理氏の人形展「GOLDEN YEARS」でした。

うっ、うっ、本当に行きたかった(涙)。以前にお邪魔したことがあるんですが、とっても素敵な人形達で結構、感動してしまいました。その時に購入した人形の写真は、未だに大切にしまってありますもん♪

今では大変有名になられて、写真集も出されていらっしゃることは知っていたんですが、ギャラリーにはしばらく行ってなかったのでホント惜しいことしました。写真集も見たけど、本当に綺麗です。こういうのって理屈じゃなくて、自分が好きか否かという感性でしか、判断できないと思うんですが、間違いなく私は大好き!!

写真集はちょっと高くてまだ買えないのですが、余裕ができたら絶対に買うもん!! それくらい好き! 御興味のある方は、是非、緋衣汝香優理氏のホームページ(下記参照)もご覧下さい。

またギャラリーでやってくれないかな? 見に行きたいなあ~。

私の場合、人形を見ていると何故か澁澤龍彦氏の名著「少女コレクション序説」が頭に浮かびます。両方を合わせて読み、眺め、読むというのも楽しいかもしれない? 秋の夜長にひっそりと眺める。まさにディレッタント的と言えるのではないだろうか?

【一旦、ここで終わったのですがまた、思い出した】

rozen.jpg

少し前に深夜で放送していたアニメに「ローゼンメイデン」というのがある。西洋ドール達が闘うというものだが、とにかくこのコンセプトと人形の愛らしさに目を奪われ、一生懸命見続けてしまった覚えがある。人形好きなら、見ておいて損はないだろう。私はこのキャラクターのついたパスネットを通信販売で購入してしまったくらいはまってしまった。

それとこれは冒頭と同じくlapisさんの所を読んで思い出したのですが、絶対に忘れてはならない一冊が「観用少女」。愛情を栄養にして育つ人形なんですが、これがとっても&とっても可愛い。まさにSO CUTE! 

この漫画を読むと人形に対する気持ちが絶対に変わってきます。人形が欲しくて欲しくてたまらなくなります。全財産とは言わないまでも家を買う代わりに人形買ってもいいかも?なんて思ってしまうくらい欲しい! 

まあ、騙されたと思って読んでみましょう。どちらかというと癒し系かもしれない。是非、どうぞ!!

・・・冷静になって読むと、きっとこれを書いた私は怪しい人物だと思われるんだろうなあ~。まあ、学校でも職場でも変わった人で通ってきたから、何を今更だろうけど(自爆)。

少女伽藍―緋衣汝香優理人形写真集(amazonリンク)
少女コレクション序説(amazonリンク)
ローゼンメイデン 1(amazonリンク)
観用少女(プランツ・ドール) (1)(amazonリンク)

関連サイト
緋衣汝 香優理さんのHP
夢幻少女人形館
ローゼンメイデン公式サイト

関連ブログ
忘れ去られた人形達
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2005年10月14日

NHK世界遺産 北の都 皇帝たちの夢 ~ロシア・サンクトペテルブルク~

NHK世界探検ロマン世界遺産のサイト

当時、後進国だったロシアを世界に名だたる大国にしたのが、かの有名なピョートル大帝。それは知っていたのですが、地元のロシアでもあれほど親しまれているのはちょっと意外でした。だって、確かに中央集権的な街作りで、何もない湿地帯をこれほど立派な都へ作り上げたのは、本当に非凡な才能と何よりも鉄の意思で困難を克服した立派な人物だと思います。

でもね、その為に酷使された人民はどうだったのでしょうか? たくさんの犠牲者があり、何万人もその為に殺されたはずなのにみんな気にしてないんだ・・・。農奴という土地に縛られた奴隷まがいの人民による暴動が勃発し、最終的にロシア革命につながった点には番組でも触れていたけど・・・正直民衆が誇りに思っているのかなあ~疑問?

日本が戦争中に、中国や朝鮮の人びとを酷使して「大連」を作ったのと全然変わりないじゃん?当時の若手官僚(岸信介等)が大いなる夢を持ち、征服者としての特権的立場から、あらゆる障害無しに近代的な都市計画のもとで作り上げた人工都市。どうしてもそれとだぶってしまうんですがねぇ~。異なる点は多々あるものの、本質的に立派な都市を作ろうとすると、どうしても同じ発想になるのでしょうか? ナポレオンによるパリの近代化も、結局は強制労働や私権の抑圧によってできた放射状都市計画だもんなあ~。まあ、余談ですが。

でも凄いよねぇ~。湿地帯でそのまま建物を建築しようとすると沈んでしまって建築できないから、杭をたくさん地面に打ち込んだうえに石を積んで建物作るなんて。ロシア国内の他の地域では石材の使用を禁止して、すべてをこのサンクトペテルスブルクに集めて建材をまかなうなんてのも強権政治でなければできませんわ、こりゃ。もっともそれだけの情熱と強権が相待ったからこそ、これだけの素晴らしい都市ができたんでしょうし、なかなか事情は複雑です。

それはおいといて、エルミタージュ美術館。いいなあ~コレ。世界3大美術館制覇の為にもいつか行ってみたいんだけど、なんかロシアに行く気にならなくて。エアーなんて5万円代でいつでもいけたんだけど・・・。他国に少しでも追いついて、一流の国家になろうとした皇帝が必至になって集めた美術品だけあって、素晴らしい作品の数々。国家の威信がかかってると凄いもんです。いいな&いいな♪ やっぱり、これ見とかないとね! 

今回、TVみて初めて知ったのが夏の離宮。いやあ、至るところに噴水が湧き出ていて1日中止まらないんだって! これは素晴らしいですよ~。湿地帯で水が多いという困難を逆用してモーター等の動力装置無しで地面の高低差を利用するだけで、あれだけの噴水を可能にするというのは本当に素晴らしい。アルハンブラ宮殿の噴水も素晴らしかったけど、ここのもなかなか良さそう。是非、ロシアに行ったら寄ってみたいなあ。市内から簡単にいけるといいんだけど・・・。いつもかって気ままな一人旅だから、公共機関がないと大変なんだよね。

オーソドックスな番組の作りで特に工夫もなかったですが、素材がいいのでそれなりに楽しめた番組でした。ポイントは夏の離宮でしょう♪ サンクトペテルスブルク観光の際には、是非寄ろうと心に決めました。

関連サイト
エルミタージュ美術館
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2005年08月25日

NHK世界遺産~中世の輝き 永久の古都 スペイン・トレド~

NHK世界探検ロマン世界遺産のサイト

先日読んだ本「サファイアの書」がまさにこことアルハンブラ宮殿(グラナダ)を舞台にしており、TVで放送されて内容も既知ではあったが、映像で確かめられたのですっごく良かった! トレドの大聖堂になる聖体顕示台。まさに金銀で作られてエメラルドやルビーといった宝石で飾られ、往時の繁栄が強烈に想像させられてしまいます。すごい、半端じゃなく金かかってます。

そればかりでなく、中世のキリスト教にとっての最先端の学問・知識はほとんどアラブ経由であったことは有名であり、映画「薔薇の名前」にも見られる通りだが、その辺の事をそれなりに分かり易く説明してくれていてとっても楽しかった。

ギリシア以来の西洋古典知識が、ヨーロッパにおいて混沌と混乱の中で失われていく一方、それらの知識をアラビア語に変えて保存し、蓄積していたのがイスラム教徒であった。トレドは、キリスト教とイスラム教が目まぐるしく入れ替わるイベリア半島にあって、その両者の架け橋となり、保存されていたギリシア知識をローマ・カトリックに引き継ぐ西洋の学問の中心地であった。

というのもトレドは当初、宗教的に寛容であったのでイスラム教徒、キリスト教徒の他にユダヤ教徒がおり、語学に堪能なユダヤ教徒がイスラム教徒の言葉をスペイン語に翻訳し、キリスト教徒がスペイン語からラテン語に翻訳するという形で、ラテン語による知識の蓄積を支えていたのであった。(この辺が実に分かり易く説明されていてイイ!)

しかしながら、レコンキスタ(国土回復運動)が進み、スペイン王国が成立してキリスト教による悪名高き異端審問が行われるようになると、ユダヤ教徒、イスラム教徒が迫害されていく。その結果、彼らの協力が得られなくなった知の最先端地域トレドは、歴史に埋もれていってしまう。

まさに、この迫害が生じた頃を描いたのが前述した「サファイアの書」で。内容がイヤってほど、リアルに詳述されていて本の内容と番組がオーバーラップしてしまいました。小説の中では、異なる宗教の権威者がそれぞれ協力して聖なる至宝を探し出すというアドベンチャー物なんですけどね。一種の宝探し小説だったりする。

それはおいといて、トレドの魅力をなかなかうまく映像化してます、ホント。教会から買った建物をホテルにしたという人物。改修中に、掘っていくと15世紀中世の壁が出てくる。更に改修を進めると、地下に大きな空間が。2000年前のローマ時代の石組みまで出てくる。いいよねぇ~、こういうのがたまらなく好き。ローマとかもこんな感じだよね、歴史と共に、日常を生きるってなんかいいなあ~。トレドもローマの植民地から始まったのかな? ヨーロッパの大都市ってたいがいこのパターンだね。ふむふむ。

しかし、これ見てたら、やっぱりトレド行っておきゃよかったと思う。以前、行った時はバルセルナとマドリード、グラナダの3ヶ所を回るので精一杯だった。本当はトレドも考えていたけど、距離的・時間的に無理でね。スペイン国内も飛行機で移動してたし。あ~あ、行きたかった。メスキータだっけ?あれも見れなかったし…。

中世好き、大聖堂好きにはお薦めですね、トレド! うん、この番組は良かった。当初は、レポーター役のアナウンサーがでしゃばってせっかくの映像を台無しにしていたけど、今は適度に押さえ目で映像を邪魔せず、とてもいいカンジになってます。時々、見損なってしまうけど、できるだけ今後も見ていこうっと。楽しみな番組です(笑顔)。
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2005年08月21日

猫定 三遊亭圓生

やはり夏なので正統派の落語の怪談を聞いてみた。今回は残念ながらCD。なんでもそうだがライブが一番なのだが…今までで2,3回しか本物聞いたことなかったりする。今度、また近場で行ってみたいな。

さて、粗筋。ばくち打ちの気のいい男が、悪さばかりして殺されかけた猫を助けてやる。この猫、化けるとは聞いていたが…どうしてどうして命に恩人にしっかり恩返しをする。そればかりでなく、恩人への義理立てが素晴らしい。さて、その義理立てとは…?

あまり書いてしまうと、それこそ野暮天になってしまうので、興味のある方は聞いてみて下さい。こればっかりは聞いてみないと。まさに珠玉の話芸って感じで、たまに聞くといいんだよねぇ~。ほらっ、夏の間に怪談は味わらないと! 歌舞伎の怪談も見に行きたいけど高いんだよねぇ~、一幕席でちょっとだけ見てこようかな?

九段目/猫定(amazonリンク)
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2005年08月20日

東京国立博物館、好きなもの&芳年

東京国立博物館公式サイト

今日は、国立博物館をお散歩。天気もいいし、みんな郊外に出てるのかなあ~。ずいぶんとすいていました。まるで平日の時みたい。お気に入りのお散歩コース。毎月1、2回は来てるもんなあ~。

ヘラクレス 唐三彩

ガネーシャ


常設の展示物でも結構、珍しいものあるしね。イラクから寄贈されたヘラクレス像、象頭人身のガネーシャ、陵墓に置かれた唐三彩の生き物なんてなかなかカッコイイ! 

ミイラ

あっ、何気にミイラもあるんだよね。昔はミイラを削って粉にしたものを薬と称して飲んでいたんだそうだけど、何に効くのかな? あと、ヨーロッパの貴族の間ではパーティーの席で発掘されたばかりのミイラの包帯を解いて、中身を航海するのが余興として流行っていたそうです。人間って本当に怖い物や珍しい物が好きな生き物ですね。ちょっと、気味悪いけど、なんか見たくなってしまう私。

化物なまず

防災に関する特集もやってました。これは地震を起す鯰を扱ってますね。なんか、こういうのもイイ。

慶長小判 慶長大判

今回は古銭の展示もやってましたよ。普段見る機会の無い、大判・小判が展示されてます。盗んでばら撒くと義賊鼠小僧かな? 基本中の基本、皇朝十二銭もあり。

芳年

芳年

芳年

大・大・大好きな芳年があったのでニンマリ。無残絵とか残酷絵の範疇かな?映画のスプラッターは嫌いだけど、芳年の絵は壮絶な中に血の美学があるんでスキ!!「英名二十八衆句」より。いつも展示されてるわけではないので好きな人は今のうちに見に行っておくように。今回はたまたま出会えて良かった。やっぱり夏はこれでしょ、これ! 真夏の怪談って、妙に親和性あり。

蚊帳美人

こういう蚊帳と美人って、もう言うことなし。日本の美女、万歳ってなカンジですね。

踏み絵

キリシタン関係遺品の展示がありました。これが、噂に聞く踏み絵ね。初めて見たかも? マリア観音やメダイなんかもありましたよ~。今回もいつも通り楽しめる時間でした。もっとも、池袋西武の古書市に寄ってしっかり本もGETしたしね(笑顔)。

芳年妖怪百景(amazonリンク)
珍しく私が予約して出版と同時に購入したもの。これは持っていて損しません、お好きな人には。何故か、ここ数年はテーブルマットの下に、芳年の新形三十六怪撰のポスター「さぎむすめ」が入っていてこれを毎日見ていたりする。ちなみに左半分にはクリシュナだったりする。訳分からん?私。
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2005年08月15日

弥生美術館&竹久夢二美術館

弥生美術館&竹久夢二美術館、公式サイト

入場券な~んか最近、根津とか谷中とか行く機会が多いなあ~。一般に回れば、効率が良かったのに…などと戻ってきてから思う。あっ! そういえば、「いせ辰」で千代紙とかポチ袋でも買おうかと思っていたのに寄るの忘れた。さらにもっとうっかりしたことが。「いせ辰」のすぐ側で「妖怪物産展」とかいうのがやっているらしいのだが、これも行き忘れた…。やっぱり、暑いと駄目だあ~。ぼけまくっているかもしんない。今、ブログ書いてて気付いた。

まあ、いい済んだことだ。機会があれば、また今度行ってもいいしね。でも来週は麻布十番祭りが有るのだけれど…それと池袋西武で古書市が…。ご縁があれば、行くかもしれない。

さてさて、本題。
だいぶ前に行ったことあるんですが、小さい美術館だけど、人も少なくて居心地は良かったことだけはおぼろげに覚えていました。今回も行ってみると、こじんまりしてますね。のんびりと時間を過ごすには良いかも?ここは弥生美術館と夢二美術館が繋がっていて両方が見られます。基本的に特徴がはっきりしているので、大正・昭和初期ぐらいの時代の挿絵やイラスト関係のものをよく展示されています。企画展をよくやっているので、自分の好きな企画の時に行くと、より一層楽しいと思います。

今回は、少女漫画の内藤ルネ氏の企画をやっていました。1F&2Fで。まあ、私も昔は少女漫画も読んでいたことがあるので、このタイプの絵はよく見ていましたし、抵抗はありませんが、イマイチ現在では好きになれないかも? なんというのでしょうか、アメリカン・ポップ調で現在の漫画絵につながっていくものだと思うのですが、最近の私の感性では美しい・素晴らしいという感情は起きませんでした。来館者で見ていた方はしきりに「懐かしい」「この筆箱持っていたわ、私も」とかの声がいささかお年を召した方から聞こえ、まあ、そういうものなのかなあ~と私は横目で通り過ぎるのでした。但し、薔薇族の絵も多数描かれているのは驚きましたけど。

朝顔、「少女画報」表紙

3Fは今回、私が一番良かった高畠華宵氏でした。ここしばらくだいぶ人気が復活しているようで、今更ながらに(逆に、今だからこそ)画集とか解説本が新刊として本屋に並んでいるのをみかけます。ここには日本ビクターのレコードを持ったポスターや保険会社のポスターなど、なかなかお洒落で個人的に部屋に貼ってみたいようなものがありました。今でもポスターにして売れば、売れるんじゃないかな?

あと、雑誌の挿絵は勿論のこと、日本画なんかも飾られていてね。この女性がまた美しい。線の柔らかさと同時にくっきりした姿ながらに、あの魅惑的な瞳。そんなにたくさんの人が来るところではないし、小さいところだから、人はすぐにいなくなるのでゆっくりと眺めていたいものですね。3Fは冷房の効きもいいので、絵を観ながらうとうとしたくなります。たまには美少女に囲まれて寝るのも、いいでしょう♪(実際に寝ると、たぶん起されると思いますが)

サロメ 

そうそう、挿絵の中にはサロメなんてもありますよ~、前日がモロー展でサロメ観たばかりでしたが、こちらのサロメも素敵ですね。Photoshopで加工して待ち受け画面にしようかな?(サイズは320×240) 今はシャルトル大聖堂とマグダラのマリアで時々、絵を交換しながら楽しんでますが、高畠華宵の待ち受けなんてもなかなかセンスいいですよね(自画自賛)。

 

まあ、イラストについて口でごちゃごちゃ言っても、意味無いんで百聞は一見に如かず。幾つかを載せておきます(購入した絵ハガキより取り込み)。モガ(モダン・ガール)もいいですね。どこぞの御令嬢ってな感じで。是非、トリビアでも有名な「嘘つき!」女優の緒川たまき嬢に演じてもらいたいものです。似合うだろうなあ~。また、以前みたいに日曜美術館に出てくれるといいのに…。サロメも演じれそうだよなあ~。スタイルもすっごくいいし(緒川たまき主演の「ナチュラル・ウーマン」ご覧下さい)、淫らだけど清楚であるという、アンビバレンツな妖女サロメを是非、観たいもんです。蜷川さんあたりの演出で。

ちなみに華宵の名は祇園の華やかな宵にあやかって、花宵(かしょう)。やがて華宵(かしょう)になったそうです。しかし、実に鮮やかな宵ですなあ~うんうん。

隣の建物は夢二。こちらは、普通かな? 金沢の温泉地の隣にも夢二美術館あったけど、あちこちにあるんだよね。特筆すべきものはなし。あっ、宵待草もありました。初版が待宵草で第5版あたりから、宵待草になったとか書かれてましたが、もう忘れてしまいました(笑)。どっちもありみたいです。ちなみにBGMのこの曲が流れてました。

マユさんがコメントで触れられている喫茶店もそのすぐ入口にありますね。何人か人がいたので入りませんでしたが。その後、上野の博物館でうろうろしようと思っていたので、すぐさま駅へ。もっとも上野に行き、夏バテ予防にカルビの焼肉を食べてビールをジョッキで飲んでいたら、もう時間がなくなり、見ないまま終わってしまいました。その後は本屋で購入予定の本をチェックしてから、また夜の飲み。う~ん、夏は飲んでばかりだ。



ナチュラル・ウーマン(amazonリンク)

【追記】
実は美術館に行く途中、道を間違えてしまったんですが、急にこの蒸し暑い中、ゴスロリ(=ゴシック・ロリータ)を着ている人達を発見! もしやと思うと、そこには彼女らをデジカメで撮っている野郎どもが…。

そうです、どうやらコスプレして谷中で撮影会している模様。ほお~こんなとこでやっているんだあ~と思いつつ、やっぱり怪しいよなあ。もしかしたらAVの撮影と紙一重っぽいのですが、良識ある大人としてはそこを通り過ぎたのでした。そりゃね、デジカメ持っていたし、ちょっと撮ってみたい気もしましたが、それだと私も危なそうなんで自粛。まるで真夏の『白昼夢』のようでした。

たま~にサンシャイン脇の噴水公園とかにもいるんですが、都会は不思議がいっぱいで私のような田舎者にはついていけません(爆笑)。世界でも負けない不思議都市ですね、東京は。ヴェネツィアの仮面より、アキバの方が怪しいですぅ~(拍手)。

関連ブログ
「高畠華宵」松本品子 河出書房新社
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2005年08月14日

ギュスターヴ・モロー展 Bunkamura

ギュスターヴ・モロー展 公式サイト

今日はちゃんと遅刻もせずに、渋谷で待ち合わせ。大好きなモロー展へ向かう。モロー美術館からたくさんの作品が借り出されているようで、ちょっと楽しみ。お盆でしかも朝だからかなあ~、予想以上に人が少ない。人込みが苦手な私にはなんとも嬉しい限り。のんびりと絵を楽しむ。

一角獣

今回の一押しは、やはりなんと言っても「一角獣」。こいつはやっぱり傑作でしょう。ご存知の通り、一角獣(ユニコーン)は処女(おとめ)にしかなつかない難しい生き物なのですが、これが実に見事に描かれている。モチーフも好きだが、いかにもモローらしい、非常に尊かい線画のような属裳の模様や飾り、もうあの魔力的な美しさには忽然としちゃいます。そんな装飾に彩られた少女もまた、魅力的なんだよねぇ~、ほんと大好き!! まさにモローにしか書けないモローの一角獣ですね。特別な霊獣である一角獣がまるで子供のようにおとなしくなついてしまうのもあにはからんや?ってね。

一角獣

私なんかも、もうすぐになついてしまいそうです(って、オイ)。もう一つの一角獣もいいよ~。これも好きですね。

逆に、ちょっとなあ~少しだけ不満があったのが「出現」。勿論、モローにとっては定番中の定番ですが、ちょっと前に西洋美術館で来てた「出現」とは違うものですね。タイトルは一緒だけど。今回のは、ちょっと好きになれなかった。繊尊な文様はしっかりあるのですが、どうも首の浮いている位置がしっくりこないような気がしてしまって…。決して悪い作品ではないのですが、単純に私の感性にあわなかったなあ。う~ん、展示の仕方も良くないように感じました。モロー美術館は、本当に素敵な小宇宙であり、何よりもあの螺旋階段も良かったのになあ~。そういった雰囲気も含めて、モロー美術館の収蔵品を展示して欲しかったかも? 別に西美の回し者ではないですが、あちらの時の方が展示も良かったと思います。

出現

でも、今回のもそれなりの作品は揃ってますので、見ておいて損はないです。今回の展覧会では前期と後期で展示物の入れ替えがあるそうです。既に、次回分のチケットも入手済みですので後期のも楽しみにしています。どんな作品が見れるかなあ~。

最近、モロー展が多いけど、そんなに人気があるのかな? 確かに数年前にパリのモロー美術館に行った時には日本人が多数来たので、日本語用のパンフレットとかなくなってたけど。数年に一度くらいの割合でやってくれると嬉しいなあ~。

ケンタウルス

そうそう、このケンタウルスも結構好きだなあ~。あとヨハネの斬首もありましたよ~。これもそこそこイイ。ここで紹介したものは、絵ハガキから取り込んで加工したものです。他にも綺麗なクリアファイルとかありました。お金ないので我慢しましたけどね。

何故なら、その後、渋谷の東袖デパート古書市に出掛けたのでした。つまり、軍資金確保の為に自粛。

8Fに上がってみると、思ったよりもたくさんの売り場面積がありました。昭和時代の本をだいぶ多かったですね。で、当然隅から隅まで一通り見ましたが、欲しい本は一冊も見つかりませんでした。ちょっと関心があるかなあ~って本も値段が高いのでパス。今回だけは珍しく幸運(不運?)にも本を一冊も買わないで済みました。パチパチ~、大快挙達成!!

なんとも嬉しい限り、実は来週、西武池袋で古書市があるからね。当然、そこにも行くし。これで八月はもう買わなくても済むかな? それ以外にも絶版になりそうな本があって、それらを今買うか、もう少し我慢して買うか思案中。本当に日々、悩みが多いです。ふう~。

関連ブログ
聖チェチリア(モローの画像有り)
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
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2005年08月04日

谷中の全生庵で幽霊画公開&靖国非公式参拝

何回目かな? 数年に一度の割合で観に行ってます。なんか夏の風物詩みたいな感じでこういうのは好きなんです。でも、そ~んな立派なものじゃないですよ(失礼かな?)。数十幅(20~30)の掛け軸が展示されています。私が行った時は誰もいませんでした。前行った時も私と友人だけだったかな? デートに最適(マジに受け止めないように、それでセンスの無い人と言われても責任持てません)。

慶喜の墓 

JRの日暮里駅から谷中墓地を散策しつつ、行くのが宜しいかと。雑司が谷霊園や染井霊園も緑が多いので散策にはいいんだけど、谷中もいいよ。適当に観てると有名人の墓もあるし。そういえば、徳川慶喜のお墓もありました(写真)。

ここって、澁澤家代々のお墓もあるんだよね。明治の大実業家、澁澤栄一氏もここかな。澁澤龍彦氏もこの一族だけど、お墓はここなのかな?それとも鎌倉の方かな? 以前は見たけど、今回は気がつかなかったのでパス。

渋いおうち

渋いお店

ちょっと前にはよく見かけたような風情のあるお家(エントツがちょっとイイ)の前を通り過ぎながら、いざ全生庵へ。幽霊画を見るだけなら千駄木駅からの方が近いけど、のんびりと散策兼ねてだしね。来週も仕事でこの辺り来るんだけど…。

全生庵

圓朝の碑

歩いてると、圓朝祭りののぼりが道なりに立っているので目立って、場所はすぐ分かります。幽霊画はちょっと上に上がったところ。奉納料300円を係りの人に払うと、ギャラリーの電気を入れてくれて一人でのんびりと鑑賞。誰も来ないから、普段は電気切ってあるみたい、省エネですね。あっ、撮影は禁止みたいです。もっとも全生庵のサイト内に幽霊画ギャラリーがあるから、詳しく観たい方はそちらを御参照下さい。

鑑定団のおかげで誰もが知っている丸山応挙の幽霊画もあるし、見たこと無い人は一度くらい行っておいてもいいでしょう。怖いとかそういう感じのものではありませんが、日本の夏、幽霊の夏っていえばコレですね! うん、納得!

幽霊画 幽霊画

しかし、私もこの手の好きだなあ~。湯殿山で即身成仏見たり。バンコクで医大付属の犯罪衛生学資料館(名称うろおぼえ?)観たり、ロンドンでホラー・ダンジョン行ったり。さてさて夏はまだまだ続くし、どっかのお化け屋敷でも行ってこようかな???

まあ、軽~く日本の夏を楽しんだ後は、秋葉で掘り出し物のPCグッズでも探しに行こうかと思ったんですが…。メトロの接続がいいのでついつい新御茶ノ水駅へ。あ~あ、大失敗!またまた神保町をうろつき、古書を買う羽目に。最近、絶対に買い過ぎ。ますます本が溢れてるよ~部屋が狭い!! 十字軍(テンプル騎士団がサブテーマ)と錬金術の本買ってしまった(鬱)。よし、決めた。もうしばらくの間は神保町と高田馬場、本郷には行かない。それでなくても今月は古書市があちこちにあって参ってるのに…。

暑いし、足も疲れながらも掘り出し物ないかと探す。絶版で探していても見つからなかった本とかを何冊か見つけたが、どれも2・3ヶ月前に購入したものばかり。あ~あ、前探した時には無かったのに、裏道に入ったところでまとまって発見。遅いよ~。

足を棒のようにしながら、ようやくめぼしいところはチェック終了。普段ならそのまま帰るのだが、そのまま進むと靖国神社があるんだよね。緑の藻が繁殖して水面が見えないほどの千鳥が淵を横目に観ながら、靖国へ。

yasukuni1.jpg

yasukuni2.jpg

私は首相ではなく一市民なので、どうやっても非公式にしかならないだが…(笑)。
昼間は暑いしねぇ~。人がいませんでした。写真を撮っていたら、注意されちゃった。外側はいいらしいのですが、中側は撮影禁止だって。皆さんも御注意。

そうそう御霊祭りは8月15日だそうです。まあ、普通に夜店が出るくらいですけどね。以前は行ったけど、もうしばらくの間行ってないなあ~。あ~どっかのお祭り行きたくなってきた。ネットで調べてみようっと。夏の一日でした。

関連リンク
全生庵のサイト
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2005年08月02日

国立西洋美術館にあるマグダラのマリア

nishibi1.jpg

nishibi3.jpg

西洋美術館にもマグダラのマリアの絵が有るんだよねぇ~。いつも見ているんですが、デジカメであえて撮ってみるのもいいかなあ~って。いかにも悔い改めてます、ってカンジですね。

聖アントニウスの誘惑

これも大好きな絵の一つ。聖人の周りにいる悪魔のしもべ達がなんとも魅力的なんだよねぇ~。何度観ても飽きない。何十回も観に行ってるけど、この絵欲しいなあ…。

サロメ

ピエタ

こちらも大好きなギュスターブ・モロー。先日パリに行った時にも訪れたかったんだけど、時間に余裕がなくて残念だったなあ。初めて行った時には凄い感動ものでした。まあ、今月の9日からbunkamuraのモロー展行く予定だから、いいや。それまで我慢&我慢。

このサロメも私の部屋に飾っておいてもいいんだけどなあ…。
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2005年07月26日

エプソン、名画を原寸大で再現した展覧会を開催へ

エプソン、名画を原寸大で再現した展覧会を開催へ(日経デザインより以下、転載)
 セイコーエプソンは、ピカソやダ・ヴィンチ、安藤広重など世界の芸術家の名画を、同社の大判インクジェットプリンターで原寸大で再現した作品を展示する展覧会EPSON MUSEUM『美の巨人たち』特別展」を、8月12日から東京・丸の内の丸ビルで開催する。

 展覧会では、名画のポジフィルムをスキャンしてデジタル化したものを、色の微調整などを行った後に、同社の大判インクジェットプリンターと顔料系インクで出力したものを展示する。展示する作品は、ピカソの「アヴィニヨンの娘」、ゴーギャンの 「マナオ・トゥパパオ」、ムンクの「叫び」、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、安藤広重の名所江戸百景「亀戸梅屋敷/大はしあたけの夕立」など。

 出力で使用するインクジェットプリンターは「EPSON MAXART」シリーズ。A3プラス対応からB0プラス対応までのモデルがあり、色再現性や耐光性に優れた顔料インク「PX-Pインク」や、3種類の黒インクを使う「PX-P/K3インク」を採用しているのが特徴だ。

 展覧会は8月12日から8月21日まで、丸ビル1Fのマルキューブと3F回廊、7Fホールにて開催する。入場は無料。
そっかわざわざお金払って印刷物を見なくてもいいけど、場所が場所だし、何かのついでに見てもいいかも? でも、覚えていられるかな?

関連サイト
セイコーエプソンのサイト
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2005年07月19日

大江戸骨董市 有楽町国際フォーラム

日曜日に印刷博物館に行った帰りに寄りました。時間は午後3時。あれれ~、もうほとんど終わってますね。店仕舞いで商品をしまっているお店が結構ある。やっぱり骨董関係は早くいかないと駄目なんだ、一つ学習しました。

さてさて、お店を幾つか覗いてみると・・・。
割合、こういうとこで売ってるのって安くない、つーか高い! まあ、この手のものに来る人って初めから買う気満々で来るから高い値付けでもいけるんだよね。古書市で普段より高い値段で商品を出す古書店と一緒ですね。う~む。

こういう場所で掘り出し物を見つけるっていうのが、難しいんでしょうね、そもそも。個人的には興味のある、根付や引札等々をみてみるが、相当高めの設定になってる。まあ、交渉して価格を落とすにしても元が高いから、ちょっとね。

この手の市の有用性は、いっぺんにたくさんの物やたくさんの店を見れること。いい店が見つかれば、こういう骨董市に出る前に直接店を訪ねるか、カタログをもらって(発行してれば)購入するのが一番安く済みそうだけど・・・。

まあ、購入する気無しで、冷やかし半分に観て回るなら、この手のはそれなりに楽しい。どれも一品物であり、一見するとガラクタ以外の何物ででもないが、それも味わいとしてモノの歴史を楽しむのは嫌いじゃない。眺めているだけで楽しいしね。七福神や仙台四郎、福助なんかも楽しいしね。昔の絵葉書も好きだけど、いいのはないなあ~。

神保町に私の欲しいのを扱っている店を知っているのだが、そこはものがいい代わりに高いんだよねぇ~。まあ、実際に買うなら骨董市よりそちらで買ってしまうのだが・・・。いつも。他にも安く手に入れる方法はいくつもあるが、実際に見て手に取るのは愉快。

今回は時間のせいか、場所のせいか、あまりいいものが無かった。こういうのは昔から神社の側とかでやっているものがいいね。出ているものがイイ! 新しく骨董ブームで始めたのは、どうも品揃えがいまいち。業者も古くからやってそうな妖しげなのがいいね。

今度は、8月の第一週か。富岡八幡宮とかにでも行こうか?あそこも古くからやっていて、前見たときは良さそうだったし。少しだけ期待。まあ、この手のものは運次第なんだろうけどね。
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印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展 2回目

insatu.gif招待券があるんで行かねば損、損と再び2回目の来館。

でも、何度行っても良いものは良いです。欲しいなあ~って思わずため息の出る本がたくさん並んでいますよ~。

その中で前回来た時には、気付かなかったというかあんまり期待してなくて、見なかったんですがここのVRシアターというのがなかなかの優れものです。行った人は是非&是非、これ観ておいたほうがいいです。観ないと損しますぜぇ~。

今回はこの企画展の展示品を提供しているプランタン=モレトゥス博物館を取り上げているんですが、世界遺産になっていたの知ってます? こないだ知床が世界遺産になった時に同時に発表になったそうです。不勉強なんで全然知りませんでしたが、ちょっと納得がいくかも? 産業遺産だったかな?世界遺産って歴史遺産とか自然遺産とかいくつかその内容が分かれるんですが、たぶん産業遺産だと思うんだけど・・・ちょっと詳しいことは分かりません。

まあ、それはおいといて。とにかくこのシアアーはほぼ180度ぐらいで緩やかにカーブした大画面に、映像が映し出されます。その映像が実に、実に綺麗。ナビゲーターの女性がその場で方向を指示して上下左右と自由に映像の視点が変わっていきます。もうグルグルと博物館全体を映像で楽しめます。しかも、極上に綺麗な映像で。高いお金出して、並んでパビリオンとか行かなくても私ならこれで十分満足しちゃうけどなあ~。いやあ~時間は20分とちょっと短いですが、存分に楽しめます。これからいく人には、是非これ見てもらいたいね!

観ていて思ったんですが、やっぱ凸版印刷って技術力高いんだね。半導体のプリント基盤とか印刷している精密印刷技術とかに定評があるのは、友人とかから聞いていたけど。でも、通常の印刷を頼む時にはコスト高いんだけどね。他のとこの方が値段は頑張るもの。但し、特別な印刷を頼むなら、やはりこっちか。どれがいいかは、う~ん、なんとも言えん。

でもでも思ったのは、この技術でTBSのやっている世界遺産撮ったら、きっと凄いとおもうんだけどね。あと10年ぐらいかかるかな? そしたら、この手の技術で撮られた映像が家庭で見れるようになるかな。早くそんなふうになって欲しいなあ~。未来の楽しみにとっておきますか。
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2005年06月26日

新シルクロード展 江戸東京博物館にて

西域のモナリザ両国に地ビール&ベルギービールを飲みに行くついでに観て造ました。い造い造、観たついでに飲んだだけです(苦笑)。

NH贈で今ちょうど造ってるシルクロードとのタイアップものですね。番組の方造、正直言って過去のようにインパクトを与えるほど素晴らしいものと造言い難く、かろう造て時間のある時に見るぐらいだった。だからあま造期待造していなかったのですが、今回の企族展造良かった! いつもすいているのに、今回造非常に人が多かったけどね。観光バスでツアーに入ってるみたいでした。

楼蘭から始ま造、タクラマカン、天山南路、天山北路、西安までなかなかのものが集まってます。番組撮影に相当な資金を出してNH贈とか主・で造ってるからかな、T贈で放映してた作・を相当数日本に持ち込んでます。番組で出て造たダンダンウィルク出土の「西域のモナリザ」と呼ばれる壁族造なかなか素敵です(他図)。他にもたくさんの壁族がお気に入造です(満面の笑み)。ヒンドゥー教の影響が色濃く出ている象頭の仏・族なんかもグー。こういうのスキ。

小さな損供のミイラもあ造ました。損供の死を悲しんだ親が丁重に葬ったであろう姿に造、いささかベタで造あ造ますが、時代を超えて変わらない人の心情を感造ました。

あっ、黄金と貴石でで造た仮面もあったよ~。造っぱ貿易造儲かるんだよなあ。金製・とかがあるとちょっと嬉しい。唐損尊造ローマ金貨も交易路の盛んさを示していました。それな造に見応えのあるものが多かったので、時間と暇がある方造行ってもいいと思いますよ。個人的に造壁族が一押し。

そうそう壁族といえば、キトラ古墳、これも観に行造たいなあ~。もう公開してるんだっけ?カビの侵食が著しく、これ以他の損傷を防ぐ為に造むなく壁族から剥がしたのをNH贈で造ってましたが、その後造どうなったのだろう? 観てみたいですね、鮮造かな色を。

当造の展覧会を観て、気持ち良くなったところで友人と飲み。いつも行っている駅構内に直結した両国地ビールのところで造なく、今回造新しいところ。日本全国の地ビールも豊富でしたが、ベルギービールが種類あったかな。トラピストビールとかね。10種類の飲み比べなんかもあ造、ちょっと楽しかった。今回・味しかったの造ヒューガルデン ブロンシュ。ホワイトb-ルです。友人が特にお気に入造でした。ずいぶんとスッキリしてて、軽く飲んだ後、ヨーグルトっぽい酸味が特徴的でした。デリリウムトレメンス、強めのエールビールですが、これものど越しがいいけど、しっか造してGOOD。

江戸東京博物館に行く前、神田にも寄って「神の民族誌」をGETしたしね。暑かったけど、いい休日でした。

関連サイト
江戸東京博物館 新シルクロード展
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2005年06月23日

ラファエロの秘密結婚、真珠のブローチで謎解き

ラファエロの秘密結婚、真珠のブローチで謎解き、の記事
【ロイターより転載】
[ミラノ 15日 ロイター] ルネッサンスの画家ラファエロが描き、謎に満ちているとされる肖像画「ラ・フォルナリーナ」をめぐり、歴史学者グループが先月、描かれている女性とラファエルが秘密裏に結婚していたことを裏付ける新たな証拠を発見した、と発表した。
 37歳で死亡したラファエロは、公式には独身のままだったことになっており、バチカンの有力な枢機卿のめい、マリア・ビビエーナと婚約していた。

 しかし、今回新たに公表された調査結果では、肖像画の女性が頭に巻いたターバンに着けている真珠のブローチは、パン屋の娘だとされるこの女性とラファエロが内密に婚姻関係を結んでいたことを示す暗喩のひとつだという。

 真珠はラテン語で「マルゲリータ」であり、真珠のブローチを肖像画の女性が着けていることでこの女性の名前もマルゲリータであって、婚約者のマリア・ビビエーナではないことが示されている、と歴史学者グループは説明している。

 さらに、ラ・フォルナリーナの女性の腕輪にはラファエロの名前が描かれているが、署名の方法としては一般的ではない上に、女性がはめていた結婚指輪は、後に弟子たちによって手を加えられて消されている、という。

 ラ・フォルナリーナの女性とラファエロの秘密の恋愛は、これまでにもピカソの絵画の中などさまざまな場面で取り上げられてきたが、今回調査結果を発表した歴史学者のひとりは、ラ・フォルナリーナの修復作業中に撮影されたX線写真や、資料などから、秘密の結婚を裏付ける新たな証拠を見つけ出した、としている。
ラファエロって恋多き天才画家でしょう。まさに恋の情熱があの聖母を描かせる原動力だったらしいけど、結婚していたんですかね? なんか次々に現れてくる仮説と事実、どこまでが本当なのか不明ですが、楽しいですね。過去は単なる過去では終わらないのがイイ。いつまでも絵と共に、生きているみたいでイイなあ~。
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2005年06月17日

NHK世界遺産~インド ダ-ジリン・ヒマラヤ鉄道~

STEAM.jpg
NHK探検ロマン世界遺産

100年以上前の蒸気機関車が走っている。しかも狭軌幅の線路で小型蒸気機関車。世界は広いね、山岳鉄道と言ってもなかなかのもんです。山岳鉄道というと、あまり物を知らない私は碓氷峠でしたっけ?スイッチバック式とか、レールにギザギザのある奴とかしか頭に浮かばないんですが、こいつはまたかなり特殊です。有名な茶葉ダージリンを運ぶ為にイギリス人がこんな山岳地域にまで鉄道を持ち込んだそうです。すごいねぇ~、良くも悪くも植民地時代のパワーを感じさせます。もっとも日本もあの当時は、満鉄で特急あじあ号走っていたもんね。是非、特等車にでも乗って優雅に旅したかったなあ~。

話がそれてきましたが、現在も茶葉の輸送に使う他、地元密着で人々の足になっている姿は実にほほえましい。急な傾斜やカーブが多い為、速度が遅く、人々の乗り降りが停車しないのに飛び降りたり、飛び乗ったりするのはまさにインド的。友人でインドに行った人が窓から、飛び乗ったりさせられて閉口していたが、私はそういうの好き。やってみたいなあ~。別な本で読んだところではインドは世界に冠たる鉄道大国で走行総距離も世界有数だそうです。是非、乗ってみたいもんです。もっとも、インドの凄さは誰からでも噂に聞きますが、軟弱者の私は適応できるか不安ですけどね。タージマハルもまだ見ていないし、あれを見ないで建築を語るのはモグリみたいですから・・・。

そうそう、この蒸気機関車ですが、中でも特に感銘を受けたのは部品が全て手作りでメンテンナスされていること。そりゃそうでしょう、さすがに100年以上も予備の部品はストックできないでしょうし、メーカーもなくなっているか、少なくとも製造は中止しているでしょうから。鉄道の修理工場で自ら鋳型に解けた鉄を流し込んで、部品を作るなんて、驚きですよね。世界遺産の理由がようやく納得できました。また、祖父・父・息子と3代に渡る鉄道マンの一家。自分の仕事に誇りと情熱を持っているんだなあ~って感じました。事故を起してしまった先日の日本の鉄道とは違ったように見えてしまいました。悲しいながら。

あとね、ちょっと面白いと思ったのは、万年赤字の鉄道らしく存続が常に危ぶまれているそうなんですが、この素晴らしい鉄道をバックアップしていこうという団体があるそうです。イギリス人中心の鉄道マニアの集まりらしいけど、こういう所なら入ってみたい気がしますね。たぶん、ネット上にサイトあると思うんだけど・・・やっぱり、あった!たぶん、この団体じゃないかな?
the Darjeeling Himalayan Railway society

いろんなものがあり、いろんな人達がいる。面白いですね。
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2005年06月16日

NHK世界遺産~シルクロード・隊商の楽園パルミラ~

NHK探検ロマン世界遺産

深夜の再放送です。仕事しながら、疲れると読書に逃げながら・・・(オイオイ)。さらに疲れるとTVへと逃避した果てに見てました(笑)。

砂漠のオアシス都市です。パルミラの名前は知っていましたが、シリアだったんですね。シリアとかヨルダン辺りっていろんな遺跡あるんだよねぇ~。昔、そういうところに頻繁に行っている人がいて薦められたんだけど、まだ行ってなかったりする。すっごくイイらしい。チュニジアの次はシリアもいいかも?(だいぶ先になりそうだが)

さて、番組は非常に立派な石柱の都を映し出しています。シルクロードの要衝の地だったんでしょうが、やっぱり貿易って儲かるんだね。納得&納得。いつの時代でも、人は豪華な奢侈物が大好きだもんね。遺跡から掘り出される像がなかなか美人が多いのが特に気に入った! 出てきた地元の女性もなかなか美形。ナレーターのあまりいけてない女性が古代の化粧を再現してメイクしたら、これがあれって思うほど綺麗に。すごいねぇ~化粧の魔力。まさに化けてます(クスクス)。昔は化粧って魔除けの意味もあったしね。分かるような気がします、ホント。

世界遺産とは関係ないんですが、最近のどこにでもあるメイクより、再現された古代パルミラのメイクの方がだいぶいけてるように感じたんですが・・・。それと着飾った衣裳がまさにマッチしててGOOD! キャバクラにでもいたら、通い詰めてしまいそうですね。同伴出勤とかしそう(しないけど)。まあ、それぐらい魅力的に見えました。不思議。

オアシス都市でしばし休憩する隊商と砂漠の美女。なんか小説や絵に描けそうですぐにイメージが浮きますね。最近、そういうの読んでないけど、小説で読みたいなあ~って思いました。今、読んでるのがロンブローゾの「天才論」なんで、少々堅くて余計そんなふうに思ったりしてね。チュニジアの砂漠にも行ってみたいが・・・難しいかな? シャルトルは調べたら、割合電車の本数もあり、ストでもなければ楽に行けそうだけどね。もっともシャルトル調べてたら、あの有名な「いとも華麗なる時祷書」のあるシャンティー城をガイドブックに発見!そちらも行きたくなって悩むばかりの私でした。キリないね、行きたいとこ多くて。

モン・サン・ミッシャルも強引に行けなくもないが、ちょっとそこまではキツイし・・・うっ、でも行きた~い。あと、古本も欲しい。煩悩の権化だ。
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2005年06月06日

印刷革命がはじまった:印刷博物館企画展

insatu1.jpg insatu2.jpg insatu3.jpg
印刷博物館ホームページ

土曜日に行ってきました。最初はそんなに期待していなかったりする。つまんない(失礼!)昔の印刷機械が展示されているのかなあ~って。ところが、あにはからんや(古い表現だこと)? ええっ~と驚愕するような初期印刷物の数々。だって、あのグーテンベルクが印刷した本物があるんだよ、500年くらい前の印刷物なのに、ちっとも古臭くない。紙質がいいもの使ってるとこうなんだ~って感動を新たにしました。

だって、だってね! あの当時に印刷されたものって今のものと内容的には変わらないどころか、現在のもの負けてるんじゃないかと思った。他言語印刷の聖書だったかな?見開き2頁内に、あの当時で4ヶ国語で聖書書いているんだよ。章毎ごと対照比較できるように描かれていて、半端な気持ちじゃできないです。勿論、需要があったにせよ、すごいと思う。現代日本にそんな聖書ないと思うし、(需要の問題とかは別にしても)複数言語で聖書作るのって大変なはず。だって、言語別に活字を一から作るんだよ!!ああ~合掌。

で、なんとラテン語の辞書もあるんですが、それがラテン語ーアラビア語辞書。アラビア文字の活字があるんですよ。活版印刷が始まって100年も経たないうちに。本当に印刷技術の素晴らしさを実感できます。一気に、情報・技術・学問がブレイクしたんでしょうね。想像に難くないです。

あっ、あとすごいなあ~と思ったのが、7国語対応の商業会話集。JTBさんあたりから出てる6カ国語会話集なんてめじゃないです。鼻でふふん~って笑えそう。当時のオランダ・アントワープは世界第一位の商業都市であり、国際金融の中心地でしたから、そのニーズがあったんでしょうね。商業会話だけあってその内容も「物の値段はいくらか?」「金利はいくらか?」とか即、実践に使えるもの。うおお~、当時の国際大商人に重宝されて高い値段でも売れたんでしょうね。技術もすごいが、それを利用してビジネスにつなげるアイデアが秀逸です。これらを一手に引き受けてた印刷業者は、やり手経営者だったんでしょうね。聖書に、商業会話集ですもん。今、市販されてるのは、二番煎じなんだ~。初めて知りました。

そうそう、個人的に興味を引いたのが禁書目録。バチカンから異端指定された本を調べる為に、禁書一覧の目録を印刷してたそうです。現物が目の前にあり、そこにしっかり「ルター」と書かれていて、異様に感動しちゃいました。やっぱり、あやつは禁書の対象だってね(笑顔)。そんなのを見てたら、ついつい私なんて、必死にナインズ・ゲートの悪魔本ないかと探してしまいました(爆笑)。でも、バチカンの図書館にあるんだろうなあ~。読めないけど、見てみたいです。きっとダ・ヴィンチ・コードもその中に初版であるんですね!異端者ダン・ブラウンとか名簿に書かれたりして・・・すみません、ちょっと妄想モードです。

出品物はプランタン=モレトゥス博物館より借り出されているんですが、逆におっと思ったのが、ここ印刷博物館自体が所蔵しているの作品も多いんです。全然知りませんでしたが、引札(商家が年末に取引先に配る縁起の良いポスターみたいなもの)も相当持っているし、ターヘルアナトピア(解体新書)や様々な博物誌とかも多数所蔵。さすがプリント基板の印刷までやる凸版印刷、金持ってるし、なかなか心憎いことするね。文化事業として金の使い方が生きてますよね。本業の延長線上にあり、しかも社会的に有意義だし。

鯰絵や引札の展示の他、ヨンストン『禽獣魚介蟲図譜』 、グーテンベルク「42行聖書原葉」 、デューラー『黙示録』 他、ここが所有しているものにも一級品が多数あります。その手のものが好きな人は絶対に&絶対にこの機会に行ったほうがいいです。特に都内近郊なら、行かないと後悔しますぜ~。もう涎ものですから、ホント。会期は7月半ばくらいまでだったかな?私もまたもう一度、見に行くつもり。知名度がないせいか、人がほとんどおらず、せいぜい学校で子供達を連れてくるくらいですが、とんでもない。お子様には100年早いって! 大人が楽しめる最高の娯楽施設です。複製本がいくつかあり、それは実際に手にとって頁がめくれます。持って帰りたくなってしまいますね(泥棒予備軍の私)。

ほんと、好きな方は見逃さずないように、これだけのもんは見れませんよ、どこ行っても(アントワープの博物館以外)。帰りにミュージアム・ショップもお忘れなく。私は絵葉書を収集しているんですが、思わず気に入ってしまい、30枚以上も買い込んでしまったくらい。
建物もなかなか雰囲気いいけど、ここはお気に入りになりました(満面の笑み)。

ちなみにここの写真は、購入した絵葉書からスキャンしたもの。クリックで大きくなります。

【追加】
書き忘れてましたが世界最古の印刷物、百万塔陀羅尼がありましたよ~。勿論、本物です。実物は初めて見ました。ギャラリーフェイクとかでも採り上げられてましたが、さすが印刷文化、日本の誇らしい宝でしょう。こういう素地があったから、世界に冠たるオタクが生まれたんでしょうね、ふむふむ。

insatu4.jpg insatu5.jpg
関連ブログ
「怪物誌」荒俣宏 リブロポート(図版13枚有り)
「かわら版 江戸の大変 天の巻」稲垣史生 平凡社
ヴァチカン教皇庁図書館、古文書をデジタル解析する共同研究で調印
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2005年05月15日

NHKスペシャル 新シルクロード 天山南路

最近見ていると、それほど面白くないものも多かったけど、今回のは良かった! シルクロードというと、タクラマカン砂漠と天山南路。学生時代に単なる知識(つ~か記号)として学んだだけだったのが実際の映像と歴史を踏まえてこんなにも違って見えるという好例ですね。

ヴェネツィアやメディチ家が西欧で東西貿易を恩恵に浴して繁栄したのと同様に、シルクロードの中継国がいかに儲かったか、改めて強く感じました。以前にブログのどこかでも書いたような気がしますが、古来よりラピスラズリを青の染料として使用するのは有名ですが、まさに宝石であるラピスラズリは当時アフガニスタンの一部でしか採れないまさに貴重な鉱物資源であり、金にも匹敵する価値があったそうです。その青を使って西欧絵画では、聖母のあの青の衣にしか使われ無かったものが、今回の石窟では理想郷としての天を表す色として天井壁画に使われています。本当に目にも鮮やかなブルー。これだけの時代を経ても、色褪せない色彩には驚かされます。

それ以上に、こう胸にぐっときたのが鳩摩羅什(くまらじゅう)。サンスクリット(古代インド語)で膨大な数の仏典を中国語に翻訳した人物。世界史の教科書では一行にも満たない記述しかなかったことを思い出すが、この人物がいたからこそ、仏教が中国で広まり、中国を経て日本に伝わった仏教の大元のさらに元にあたるキーパーソンだったりする。

この番組を観るまで全く知らなかったが、仏教関係の言葉としてよく聞き、通常の日本語にもなっている「色即是空、空即是色」って、この人物が仏教の中国語訳作成にあたり、新たに生み出した用語だったそうです。仏教の示す観念をシンプルに表現し、より民衆に広めていく為に、自らの苦難を踏まえたその言葉には深い重みがあります。

この鳩摩羅什という人は、オアシス都市の王子として生まれますが、王位継承争いから逃れる為に若くして仏教僧として修行を始めます。やがて、彼のいた王国は侵略を受けて彼自身も囚われの身となり、長く苦しい虜囚の人生をおくることになります。

僧侶としての名声も高かった故に、占領軍はあえて支配力を示す為の道具として、彼に僧としてはあるまじき行為に従わせ、完全なる屈服をさせようとします。若い女性と強引に結婚させようとし、密室に閉じ込めたりする一方で、彼には自殺も許されず、彼が従わなければ、女性を殺すとさえ脅すわけです。やがて、彼は屈服し、僧でありながら僧ではない、破戒僧となってしまうのです。

信仰に篤く、名高い僧侶である彼にとってどれほどの苦悩と屈辱であったか、私には想像がつきませんが、それでも捕虜として彼は生き続け、期せずして中国語にも堪能になっていくのです。晩年、彼が長安に連れていかれ、そこで仏典の漢語訳を成し遂げるのですが、それを可能にしたのもその苦悩とそれに耐えて生き抜いた彼の人生故なのでしょう・・・。

歴史の教科書には、一行も触れられない背景です。こういうのを知らないと歴史なんて無用学問なんですけどね。人名や年号に意味があるのではなく(日本人が西暦で日本史の年号を覚えるくだらなさには唾棄すべきものがありますが・・・)その背景や原因・結果・対処法等こそが歴史を学ぶ意味だと思うのですが・・・。

まあ、それはおいといて。スゴイですね、壮絶な生き方! こういう人の事をもっと歴史の勉強とかで学びたかったですね。日経の私の履歴書で読んでみたいくらい。他にも「共命鳥(ぐみょうちょう)」もこの人が仏典に導入したそうです。ご存知かな~?体は一つで頭が二つあるという想像上の鳥で極楽にいるといわれています。そして、この鳥の伝説は、鳩摩羅什が生まれて土地に伝わる話だそうです。まさにへえ~って感じ。このTVでは特に言ってませんでしたが、この鳥は確か上野の国立博物館の所蔵物にありました。何度か見た見た覚えがあります。あそこも毎月行ってるし・・・、さすがに覚えている。

いろんな意味で感慨深い番組でした。そうそうあと最後にいい事言ってます。「煩悩、是道場(ぼんのう、これどうじょう)」。インドでは煩悩を鎮めることにより、悟りを開こうとするが、現世にまみれて苦悩に次ぐ苦悩を経た彼は、その煩悩に悩むことこそが、悟りへと至る道であり、道場であると捉えるのです。マグダラのマリアにおける悔悛・懺悔ではありませんが、人は苦悩することによって初めて人間本来の持つ素晴らしい人間性(=仏性)を理解するのかもしれませんね。手段は違えど、宗教に共通する考えのように感じました。親から寺を相続し、半年の修行で僧になって、ベンツ乗り回してる現代の破戒僧達には一生到達し得ない境地でありましょう、きっと!

いやあ~、久しぶりに良かった。こういう番組は好きです。民放には100年かかってもできない番組だし、いい意味でNHKらしいものでした。

おっ、今TVつけたら昔のシルクロードをNHKでやってます。そうそう、毎週そうなんだよね。比較できるようにやってるね

【補足】
極楽」という単語もこの人の作り出した用語で、楽を極めるということからきているそうです。
京都の何寺だったかな? 鳩摩羅什が故郷から中国まで背負って持ち込んだ仏像が、な・なんと日本の京都の寺に国宝としてあるそうです。まさにへえ~の世界。今度、市内だったら行ってみようっと。
共命鳥(ぐみょうちょう)~NHKサイトより抜粋~
鳩摩羅什が訳した阿弥陀教に書き加えられた、想像上の動物。「極楽」という世界を表現する為に引用され、サンスクリットの原典には存在しない。共命鳥は、シルクロードに伝わる頭が二つに胴体が一つという伝説の鳥で、いつも互いにねたみ、いがみ合っていたが、ついに一方が他方に毒を飲ませ、共に死んでしまったという。

【追記】
鳩摩羅什が破戒僧になってことについて、NHKがもしかしたら、恣意的に歪めた番組を放送している可能性があります。あるいは私が資料として読んだ本が間違っているのか不明ですが、騙されたような気がします。それはこちらのブログ記事に書きました。どなたか、事実をご存知でしたら、教えて下さい。

関連リンク
東京国立博物館 共命鳥の展示してある所
NHKスペシャル公式サイト
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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展 国立西洋美術館

聖ヨセフの夢

国立西洋美術館公式サイト

そういえば、一番観たいと思っていた肝心のマグダラのマリアがあまり無いと情報を得ていたのに・・・すっかり忘れて、ワクワク期待感いっぱいで観に行ったのに・・・(鬱)。

なっ、ない! マグダラのマリアが! ちょっといけてないマグダラはあったが、アレじゃない。私が見たいのは、もっと観る人の目を惹き付け、しゃれこうべに香油壺、十字架をアトリビュート(持ち物)にしたマグダラがな~い。実際、結構ショックだったりする。

全体としては、それなりに悪くないかなあ~って感じ。模作も想像以上に多かったけどね。ドラマティックな陰影は、確かにほお~と思うものの、私的には胸を打つ作品は無かった。確かにあれだけ集めるのはスゴイ事なのかなあ~とも思うが、個々の作品をそれぞれの美術館で観たら、正直素通りする自信がある(どんな自信だか?)。というのは・・・。

実際、ここの西美が所有している聖トマスも常設展で何度も見ているが、美女でもないし、悪魔も天使も出ないし、いつも素通りしてたもん。つ~か、今回改めて気付いたのだが、私が見たかった「常夜灯のあるマグダラのマリア」って、ルーブル所蔵なんだ。行ったけど、これっぽっちも記憶に無い。当時、マグダラのマリアには全く興味無かったし、ラファエロやロセッティ、モロー、ボティッチェリを観るのに忙しくて、それ以外はもうどうでも良かったし。モナリザも、元々そんなに好きでなかったから、人が切れてあまりいなくなった時、少しだけまん前に立ってみたけど、すぐ隣のボティッチェリに移動したしなあ~(今は展示スペースが変わってるみたいですが)。あれは逆に何度もじっくり観たし、背景の草花もチェックしてたけど。

メトロポリタン美術館も数はあるけど、テーマがバラバラでいかにも金で集めた的な感じがしてお目当てのもの以外は全然記憶に無い。従ってあそこにあったはずのラ・トゥールなんて知らなかったし、知っていても気にも止めなかったはず。そんなもんなのかな? 私が美的センスがないのかもしれませんが、日本にあったら、必死になって見たはず。我ながら、メディアに踊らされてる感じがしないでもない。

とにかく残念だった! 全体としては、まあまあだったけどね。観ないで後悔するよりは観ておいて後悔した方がマシだし。少しいいかなあ~と思ったのもあったけど。

模作ですが「聖フランチェスコの法悦」と真作の「聖ヨセフの夢」(上記の絵)。これらは結構好きかも。はっきりと劇的な陰影の効果が観てとれるし、構図的にも私は好き!! 一緒に観に行ったツレも「聖ヨセフの夢」は気に入ってたみたい。ただ、逆に「ダイヤのエースを持ついかさま師」はどこがいいのか不明? なんか印象が非常に平らな感じなんですけど。題材も興味の対象外だしね。

しょうがない自分でマグダラのマリアの画像を調べてみようっと。

【追記】
コメントを頂いた池上英洋の第弐研究室さんのブログを拝見してて改めて、この「聖ヨセフの夢」について感じたんですが…。

一番、大切な画面の中心をさえぎるかのように腕を暗く描くのって、いささか衝撃でした! 普通だったら逆側から描きそうに感じましたので。そうすれば、すべてがはっきり描けますし…。

視覚が限られて全て見えない一方で、見えるところのコントラストが著しいですね。また、今後、自分の子ではない主(あるじ)を生むマリアを守りつつ、周囲からの批判に耐えていく苦難の未来像を暗示するような劇的でいて、一抹の不安を感じさせるようにも感じました。これはじわじわ~っと心に響くものでした。

ここにはいいのが無かったマグダラのマリアにも通じるかな?深く主に帰依し、キリスト教を熱烈に崇拝すればするほど、自らを貶めずにはいられない不幸な身の上。しかもそれは、自分で選んだ生き方であったが故にますます苦しまねばならない。だからこそ、昼間は献身的な活動に専心する一方、一人夜には、悔いるしかない我が身。昼間の布教活動における精力的な「明」と夜の静寂空間における「暗」。絵画的な明暗をあらわす技法に長けているだけでなく、主題そのものの「明」と「暗」をも現しているように強く感じました・・・。

関連ブログ
美の巨人たち ラ・トゥール『常夜灯のあるマグダラのマリア』
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「マグダラのマリア」 岡田温司 中公新書
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2005年04月23日

国立西洋美術館 マックス・クリンガー版画展

eve.jpg小企画展 マックス・クリンガー版画展(公式サイト)

実は4月9日に行って見たんですが、書こう書こうと思いつつ忘れていました。先ほど以前の記事にTB頂いたので思い出したので感想を書いておきます。

ここって時々、こういうのやるんだよね。事前に調べていかないので何をやっているのか行ってみるまで分からないけど、サプライズ!って感じで好きだなあ~。お好きな方は5月までやっているから、見られるといいかも。それなりに良かったですよ、この版画展も。
(左は《蛇》『イヴと未来』より)

さて、今日も昼間行こうかな? で、その後、国立博物館行って神田の古書店巡り。あ~、またお金ないのに本買ってしまいそうで怖い・・・。
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2005年04月21日

NHK世界遺産 光と影の王宮伝説 ~スペイン・アルハンブラ宮殿~

alhan.jpg

NHKの番組「探検ロマン世界遺産」は、アルハンブラ宮殿。懐かしい~!相変わらず、お美しい姿が見れて嬉しかったかも。今回はあまり変なことも言わずに、じっくりと映像を映してくれて良かった。

まあ、惜しむらくは季節が冬に行ってるみたいでアルハンブラ宮殿の最も美しい姿を伝えていない点でしょうか。フライパンのようだといわれる強烈なアンダルシアの灼熱の中で、アラヤヌス(天人花)が咲き誇り、水面にその姿を映す様こそ、やはりアッラーの称える神の国なんだと思いました。映像を見てても、光が弱いのがはっきり出てましたね。

番組でも紹介していましたが、シエラ・ネバダ山脈より自然の高低差だけを利用して6キロ先から運ばれる水脈。そのおかげで真夏でもアルハンブラには、豊富な水をふんだんに使われ、気化熱もあって一旦日陰に入ると、天然クーラーのように冷える。本当に涼しくて快適な環境で、蜂の巣のような、と表現される彫刻建築が更に美しく神の世界をかいま見せる。

やっぱ、いいよねぇ~。座り心地がいい椅子があり、個人ならのんびりと本を読みながら、いつまでもいられるのも嬉しい。壁に刻まれたアラベスク文様。「アッラーは偉大なり」という文字がこのうえもなく、美しい組み合わせで文様化され、連なっていくその素晴らしさは本当に筆舌に尽くし難い。

泣く泣くその楽園を追放された哀れなボアブディル王を思うと、さらに哀愁を帯びた景色になるのも故無い訳ではないなあ~。イスラム王朝(文化)の絶頂と衰退が色濃く残っている世界遺産でもある。

なんとしても、夏に行くべきですね!世界中から来る観光客が半端じゃなく多く、ほとんど予約制になってしまうがそれだけの価値がある場所・建築でもある。何度でも訪れたい場所だ。あと、ふと思い出したが、アルハンブラに歩いて通った際、宿泊したホテルの名前もダローホテルだった。それなりの料金でなかなか快適だったなあ~。

関連ブログ
「アルハンブラ」佐伯泰英 徳間書店
アルハンブラ宮殿の思い出(2002年8月)
ラベル:世界遺産
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2005年04月18日

TBS世界遺産 ガダーミス旧市街(リビア)

TBS世界遺産 公式サイト

いいねぇ~、サハラ砂漠にあるオアシス都市。椰子の木の柱と梁に日干し煉瓦の家々。まさに交易によって生活を営む都市。子供の頃から、砂漠というとイメージするのが、月の砂漠の駱駝とこういった都市。一度でいいから、是非この目で見てみたいなあ~。計画的には、チュニジアに行く時にサハラ砂漠で駱駝に乗る予定ではあるんですが・・・。一度、体調不良でいけなくなってから、なかなか行く機会が無い。今月は体調不良とかもあり、京都に花見に行けなかったし、少々悲しい。

小石川後楽園と新宿御苑で花見をしただけとは、日本人としてあるまじき姿。道楽者を自認している以上、アルコールだけ抱えて花見にいかねば・・・。その前にやらなければならない仕事が山積みなんだけど・・・(オイオイ)。

さて、今回の世界遺産ですが、相変わらずの淡々とした映像ながら、やっぱいイイ! 住宅が密集して窓が作れないので天窓を開け、室内に何枚もの鏡を置いて天井から差し込む光を反射させて室内を明るくさせるなんて。冗談のようですが、本当に生活の中で活用しているとは。やっぱり、国が違えばやることも違う。なんかそれだけで、笑みがこぼれてきそう。こういうのはいいですね。異国ならではのものがあります。

室内装飾もそう。金ぴかのお皿が豊かさを象徴する他、主婦が家の中の装飾を受け持つそうですが、なんと煌びやかで愉快なデザインが豊富。こういうとこに泊まってみたいなあ~。こんな素敵な市街ですが、都市の命綱である井戸の水が出なくなってしまい、住民から放棄されてしまったそうです。自然の摂理は、厳格で突発的です。今は新市街に人々は移っているそうですが、夏の暑い盛りには、涼を求めて人々が未だに訪れるそうです。ちょっと切ないかも?

完全な廃墟となってしまう前に、是非訪れてみたい場所かも?でも、行くのは難しいんでしょうね。いつも一人旅が多いのですが、アクセスの悪い所は辛かったりする。公共交通機関がないと、べらぼうに金かかるからなあ~。


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2005年04月16日

NHKにっぽん再発見 ハイビジョンふるさと発 「失われた蘭の楽園~京都・版画集“蘭花譜”ものがたり」

1.jpg本日の総合で前10・05~11・00時にやっていた番組。なにげなく見たんだけど、す・すごい!! 戦前、戦中を通じて大金持ちが金に糸目をつけず、資金をつぎこみ、更に類い稀な情熱と努力をひたすら注いで一切の妥協の余地無く完璧な世界を目指した、まさに蘭による現世の楽園郷。今も建物だけでも残っているのが凄い。戦争と言う不幸な出来事が否応無く、この一人の人生をかけた大事業を困難にしていくのだが・・・。

世界にも類のない美しい蘭の新種を作る、生み出せれた膨大な新種の蘭を日本の職人技の粋を極めた版画集に収め、世界中の大学等研究機関に100部寄贈することで日本の蘭栽培技術と版画技術の水準を世界に知らしめる。そんな雄大な目標(野望)に向けてひたすら行動し、実行していく信念のある人を映し出した映像でした。こういう人って凄いなあ~。南方熊楠とかにも共通する、不屈の精神、世界に伍していこうとする挑戦心、忍耐力、行動力。見習いたいことばかりが多いです。

ややもすると、自分に自信を失いかけ、それだけの努力もしていない姿が恥ずかしくなりますね。やはり、人生とは目標(願望)に向かってひたすら邁進しないと!私も頑張らねば。そんなことを感じさせてくれた番組でした。これはNHKのいい面が出た作りです。

2.jpg内容について(以下、NHKのサイトより転載)

~ 敗戦の翌年、昭和21年に出版された絢爛豪華な蘭の版画集「蘭花譜」。そこには京都の版画職人たちの誇りと、蘭に魅せられた男たちの、暗い時代に抗う強いメッセージが込められていた。

 蘭を日本で最初に本格的に導入した大実業家・加賀正太郎は、正に「蘭にとりつかれた男」だった。膨大な財産を注ぎ込んで世界中から蘭を集め、日本最高の園丁といわれた後藤兼吉を新宿御苑からヘッドハンティングして、京都・大山崎の山荘で世界に冠たる新種の蘭の育成に熱を上げた。
 
 そして40年に渡る蘭づくりの成果を、今の金額で数億円を投じて京都最高の版画職人たちを集め、計104種の蘭の絵から成る版画集「蘭花譜」に結実させた。200回以上の工程を積み重ねる多色刷り、絶妙な顔料の配合……「蘭花譜」は、日本の版画作品としても比類なき境地に達する“逸品”となった。

 しかし、「蘭花譜」に描かれた美しい蘭の花々の多くは、今はもうない。加賀の死と共に、蘭のユートピアと呼ばれた山荘ごと霧散したのだ。混乱と貧困の時代に、この異常なほど高価で手の込んだ画集はなぜ作られたのか。番組は、60年ぶりに発見された版木からの復刻作業を縦軸に、蘭に魅せられた男たちの情熱を探る。~

3.jpgまさにここで蘭が栽培されていた大山崎山荘美術館の企画展(以下、転載)

~ 大山崎山荘は大阪の実業家、加賀正太郎が海外遊学の経験をもとに大正から昭和の初期にかけて設計、建設された英国風山荘です。イギリスの王立植物園、キューガーデンの洋蘭栽培に強い感銘を受けていた彼は、この地を自らの蘭栽培の地としたいという思いを抱いていました。大正初期から始めた蘭栽培は、第二次世界大戦最中の燃料不足などの苦労を重ねながらも、彼がこの世を去るまで、強い意志をもって続けられました。大山崎山荘は大戦前の最盛期にはおよそ一万鉢の洋蘭が栽培された、日本における蘭のメッカであったのです。

その彼の、蘭への情熱の結晶として今に伝わるのが「蘭花譜」(昭和21年)です。蘭花譜は加賀正太郎の指示のもと、大山崎山荘で育成された洋蘭の姿を後世に遺したいと願って作られた図版です。下絵は日本画家、池田瑞月に依頼、それを木版画刷りに起こしたものを中心に104枚から構成され、300セット限定で制作されました。友人である中村清太郎の手による油彩を印刷したもの、写真も数枚含まれています。

「蘭花譜は過去30ケ年に於ける余が温室の業績の一部の記録である。図版は厳重なる学術的記録として、一点一画もゆるがにせず、然かも其各葉を取りて之れを額縁にはさみ、壁に掲ぐる時は、一幅の絵画として、美術品として、観賞に値するものにする事が余の希望であった」(加賀正太郎「蘭花譜序」より抜粋)
 
また当時、大山崎山荘には多くの貴紳が訪れていますが、日本洋画壇を代表する川島理一郎(明治19年-昭和46年)もその一人です。彼は長く蘭をその作品の主題として描き続けましたが、大山崎山荘には昭和15-20年頃に何度か訪れ、蘭の作品を制作しています。

蘭栽培が行われた頃から長い年月を経て、美術館として再生し、平成16年、有形文化財に登録されたこの大山崎山荘において、「蘭花譜」や川島理一郎の蘭の作品を中心に紹介し、大山崎山荘の在りし姿を追っていきます。~

蘭花譜―天王山大山崎山荘(amazonリンク)

関連リンク
大山崎山荘美術館
サイバー蘭花譜展
花の絵画館
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2005年04月14日

NHK探検ロマン世界遺産 一千年の迷宮都市 ~モロッコ・フェズ~

NHKの探検ロマン世界遺産のサイト

う~んと、NHKの作成する世界遺産絡みの番組って軒並み失敗していると思うのは私だけでしょうか?レポーターがいつもわけの分からない人が出てきて、邪魔だし、せっかくの素晴らしい映像を損なっているように思うのですが・・・。コメントも不要なうえに、無駄だし、困ったもんだ。TBSに気兼ねしているのも分かるが、それにしてもせっかくのNHKの良さが全く出ていない。

迷宮都市フェズ。その都市が持つ歴史をもっと多角的に検証してもいいし、淡々とその路地やそこで生活する人々を映してもいいと思う。今回は形を変えていたが、結局TBS同様に人々が旧市街から新市街へ移っているのを流していたし、この程度の下手な独自性や差別化ならいっそのことTBSをまねたうえでそれ以上のものを映像として提供するだけでも価値があるように思えるのですが・・・。

TBSでやっていたフェズの方がはるかによかったです。同じ都市でもくだらない小細工しただけ、つまらなかった。モザイクタイルも、もっと掘り下げることができたでしょうに・・・。古代ローマでも貴族の館を飾り、同じ北アフリカにはカルタゴ遺跡で有名なチュニジアもあるんだしさ。それらはみんなモザイクタイルで有名なんだし。バグダッドを出すなら、千夜一夜物語で名高い都がまさにバグダッドなんだし、いろいろ膨らませるテーマあるのになあ~。

まあ、次回のアルハンブラ宮殿に期待します。私がイスラム建築では一番大好きで、わざわざスペインでこれ見るために国内線にまで乗って2日連続で観に行ったくらいだから、くだらない映像やコメントだったら、泣くぞ~!!っていうか酷評しちゃうね。手元には、スペインで買ったアルハンブラ宮殿の写真や資料もいくつも持ってるんだから・・・、変な説明では納得しないぞ!と一人で力んでいる私でした。どうも思い入れがあると感情的になってしまうなあ~。逆に、期待の現われでもあるんだけど・・・。TBSの世界遺産はしっかり買ったもん。NHKも良ければ、高くても買うぞ~ってね。
posted by alice-room at 21:14| 埼玉 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする

2005年04月04日

聖人、天使のカード(綺麗かも?)

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seijin2.jpg
銀座にあるキリスト教系の本屋さんで先日買ったもの。ナショナル・トレジャーを観るまでの空いた時間に散歩して発見したんですが、結構見ていて楽しい商品(グッズや本)がありました。ただ、本は結構、未読がたまっているので購入を我慢して、カード類やハガキを購入。とっても綺麗なんでここに紹介。

上段、左から聖チェチリア、聖ヨハネ、聖フランシスコ・ザビエル。続いて次の三人は、聖ミカエル、(ドルチによる)聖母マリア、聖フランチェスコ。
そして右側のものは聖ミカエル、聖アグネス。

よくあるものではありますが、聖人伝読んでてもこういうのがないとイメージしにくくって。まあ、予断が入ってしまうかもしれませんが、やっぱりビジュアルの影響は大きいなあ。
posted by alice-room at 18:49| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする

2005年04月01日

NHK世界美術館紀行「ルーベンス・故郷に捧(ささ)げた祈り~アントワープ王立美術館」

十字架昇架深夜の再放送なんだけど、これイイ。ルーベンスのあの躍動感は、言わずもがななんですが、優美さとかとはちょっと違うタイプ。でも「十字架降下」や「聖フランチェスコ」の絵なんていう主題には、もうピッタリ。ああいうのが身近なところにあり、それが教会であったのなら、なんかフラフラとキリスト教徒になってしまいそうで怖い…。

フランダースの犬ただ、これを見ながら私の脳裏をよぎるのは「フランダースの犬」。確か、最後に濡れ衣をかけられたまま、雪の降る中で凍えるネロとパトラッシュが最後の最後で息を引き取る教会での場面。ネロがずっと見たかったルーベンスの絵(十字架降下?)を一目見て、幸せそうに死んでいくの・・・(号泣)。

いくら天に召されてもこれほど、残酷なアニメもないと思いましたね、子供の頃。まさにあれ見た時に、この世の無常を知った気がするもの。その後、芥川龍之介を経て澁澤龍彦に至る道筋がここでついたと言っても過言でなかったりする。性悪説をとり、ロンブローズを今も支持するのは、まさにこの所以か?「天才人」クレチェマーなどもここいらで混ざってくるのだが…。で、学生時代は法律に行く訳なのだが…。

まあ、今は罪の無い(?)古代ローマ帝国崇拝者でしかないから、善良なる市民ですね。うんうん。(帝国主義者ではない)頭の中は、花見のスケジュールでいっぱいだし。

聖フランチェスコ(聖痕有り) 思いっきり、タイトルとずれてるが。どれどれ、ルーベンスの画集もどっかで買った中にあったような気がする。探してみようか。手前には買ったばかりで読んでない「ソロモンの秘宝」、「マグダラとヨハネのミステリー」、「絵金」の画集が転がり、借りてきた「よみがえる最後の晩餐」「ロマネスクの教会堂」とかが山積みになってる。それなのに・・・明日は温泉なんかに行っていていいのか?本持っていって読んでくるか・・・。
フランダースの犬 完結版(amazonリンク)

フランダースの犬 公式サイト
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2005年03月06日

東京国立博物館 「踊るサテュロス」

東京国立博物館 踊るサテュロスのサイト
1998年にシチリアの海から引き上げられたブロンズ像です。酒神バッカスの従者ということで、酒飲んで酔っ払って、いい気分で踊ちゃってる、そういう構図です(みもふたもない表現)。表面から見るよりも後ろから見ると、イイですね。ますで走り幅跳びでもしているかのような、伸び切った筋肉の躍動感。踊るというよりも跳ねるっていうカンジです。いい体してますよ~(そんな、バッカスは異教の神々で異端だとか申しませんよ~。最近、そういう本ばかり読んでるから・・・苦笑)。

あとね、国立博物館も独立行政法人になったせいかな?展示方法に凝るようになった!以前には見られなかったように感じます。いい意味で。もともと表慶館は大正天皇の結婚祝いだっけ?国民が寄付して作ったそうですが、モザイクの床とか、天井とか結構凝った作りで味わい深いんですよ。そこで、間接照明使ったりしながら、なかなか素敵に展示されています。別料金で200円を取るだけのことはありますね(ニヤニヤ)。

そうそう今日は平成館混んでたなあ~。唐招提寺展だっけ?直接、あっちで何度も見てるから、わざわざ見る気にならないので行かなかったけど、面白かったのかな?私的にはあんまり混んでるのってパスしちゃうんだよね。静かに鑑賞するのは好きだけど、人が多いだけで興ざめ。常設展であまり人が見ないお気に入りを見るのがいいんだよね!また、静かな時に行こうっと。

あと、本館では浮世絵が展示されてました。浮世絵の展示も結構、センスいいと思うんだけどなあ~。原宿の浮世絵美術館とかの名前だけと違い、こっちの方がはるかにいいね。展示数はたいしたことないけど、結構綺麗でした。そして、それ以上に気に入ったのが根付。象牙やタガヤ、柘植とかに微細な加工を施しているのが、なんとも職人の技って感じで好き。香港のキャット・ストリートとかだと、たちの悪い象牙もどき売ってるけどね。あんなのとは違って、こちらは正真正銘の本物でしょうから。根付って大・大・大好き!携帯ストラップの元でもあるんだけど、日本人の粋な感性が出てるよね。私も以前、京都の御茶屋で遊んだ時にもらった煙草入れにこういうの付けたいなあ~。根付自体は、”二股大根を抱えた大黒”とかいささか趣味人向けのキワモノもっているんですが、柘植の中国物なんだよね(たぶん)。最近、そういうの多くて・・・。

外国人がこういうの特に好きでよく高いお金で買うから、香港や中国、タイ等々アジア各国で質の悪いのを売ってたりする。値段ばっかりボッタくって彫りが甘いものなんて、ザラ。よく見て値切らないといけないから大変なんだよね。私が持っているのは、それなりの値段で苦労して業者探して買ってきたものだから、モノは確かな象牙もあるけど、やっぱり高い。happy buddaはデザイン性もその象徴する意味も縁起が良くて好きなのになあ~。まあ、一人で楽しみますか。

話がそれてますが、根付は数少なかったけど、結構良かったです。象牙が多かった。大人のお洒落はこういうものでしたいですね。妖怪根付(食玩ではない)とかも、遊び心がたまらなくいいんですが。今回は無かったようですけど。これで人が少なければ、言うことなしです・・・・普段はガラガラなのにね。
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2005年03月04日

NHK世界美術館紀行 プラド美術館2(再放送)

kairaku.jpg

えっと、これも見るの3回目かな?深夜にも何度か再放送してるもんね。ベラスケスは、確かに目を引くし、プラド美術館でも人だかりがしていて、ルーブルのモナ・リザみたいな状態ですが、違うなあ~。私の趣味でない。やっぱり、何度見てもヒエロニムス・ボスでしょう!!これ以外にない。

勿論、大好きなラファエロもここの美術館で観たけど、正直言ってまあまあかな?ってカンジ(えらそうだこと)。ピティ宮殿のあの慈愛に満ち満ちた聖母には、比較するだけ野暮ですね。
ここは、何はさておき、ボスだけをひたすら見てるだけで。美術館に来た価値があるって思えます。当時のスペイン国王が精魂かけて集めただけのことはありますねぇ~。

とにかく、この素晴らしさは絶品。ピンクの象が見えるような怪しげなものを飲まなくたって、これを見てるだけでトリップできますよ、私なら。他のところでもボスについては何度もコメントしているので重複するから、ここで止めとこうっと。でも、ボスはイイ!
「快楽の園」とボスへの話はこちらのブログへ
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2005年03月01日

「美の巨人たち」日本経済新聞社 感想2(快楽の園の画像有り)

「美の巨人たち」日本経済新聞社 感想1 これの続き

ボティッチェリ。マニファティカの聖母、こういうのも描いていたんですね。ヴィーナスの誕生とかプリマヴェーラとかのイメージが強過ぎて、ちょっと新鮮。ラファエロには、負けるけどボティッチェリの聖母もなかなか素敵ですね。ルネサンス期に描かれた作品には異教の香りがが色濃く出ているという話はしばしば聞いていましたが、この本でも書かれています。ヴィーナスは地母神信仰そのままの系譜だし、ヴィーナスが生まれたのはそもそも、男根から出た精液(白い泡で表現される)からであり、およそキリスト教的ではない主題だよね。その後、別のところでも触れたけど、ボティッチェリはフィレンツエに神権政治をもたらし、メディチ家を追い出した僧侶サヴォナローラに感化され、一昔前の禁欲主義的な時代に戻っていく。サヴォナローラが異端とされ、亡くなった後も彼は変わろうとはせず、最後には寂しくひっそりと亡くなっている。その作家の作品が現在、ルーブルでモナ・リザに次いでたくさんの人を集めているのは、時代のなせる業か、世間の評価がいかに移ろい易いかを感じさせる。

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ヒエロニムス・ボス。プラド美術館で私がもっとも行って良かった!見て良かった!と思えた作品「快楽の園」。この作品は、これまでも、そしてこれからもマネできないし、似たようなものも生み出す事はできないでしょう。言葉は悪いが、モダン・アートと呼ばれるものを見てモダンな感じがしたことは私は今まで一度もない。むしろ、陳腐で最悪な類いのクラシカルなものをその中で見出すことが多い。それに比して、この作品がいかに斬新であることか・・・、描かれているのは当時において、そのイメージが喧伝されていたものではあるが、それをあの形として固定し、この世の中に生み出した想像力(且つ、創造力)。一つ一つをつぶさに見ていかざるを得ないでしょう。サイバーパンクのSF電脳世界でも、これ以上の自由さは持ち得ていないのでは?所詮、人は人であるという枠からは出れないものだが、既にイメージの世界においてその枠を出た彼岸に存在しているかのようだ。未だに、あの作品を見た衝撃は忘れられない!! 本の内容からは、離れてしまったが異端への恐怖(地獄行き)を覚えずにはいられない作品。

余談だが、面白いことが書かれているのでメモ。魔女の計量器があるそうです。魔女はほうきにまたがって空を飛ぶくらいだから、体は軽いに違いない。魔女であるか否かの判定の一手段に用いられたのが体重を量ることだったそうです。魔女の嫌疑をかけられた人はまず身長計で背丈を、次いでてんびん秤で体重を計り、身長に比して体重が著しく軽ければ魔女と見做され、火あぶりにされる。う~む、こういう方法もあったんだ、意外なところで新しい発見!
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2005年02月28日

美術品の真贋を見分ける解析ソフトウェア

美術品の真贋を見分ける解析ソフトウェア、の記事
(以下、引用)
ファリド教授は、「芸術家のペンや筆の運びには、人間の目には見えないが画家ごとの特徴が確かに存在する。数学的、統計学的な分析を使えば、その特徴は解明できる」と説明する。

キャサリン・ハート氏は次のように述べる。「鑑定家たちは、その生涯を美術品を見極める訓練に費やす。自分が専門とする画家を非常によく知っているのだ。科学的な保存や鑑定とともに、今回発表された分析ツールはパズルの1ピースとなり、真贋調査に利用できる新たな手法になる可能性がある」

勿論、このツールだけで真贋の判断にとってオールマイティーにはならないと書かれていますが、なかなか魅力的ですね。複数の方法が使えれば、より総合的に判断できて成果が挙がることが期待できるでしょう。まあ、私にはそんな判断が必要なほど高価な作品は買えないでしょうけど。

でも、このツールの使用により、有名な作品でも後世加筆・修正が加えられたものとかは、その部分を特定したりすることにも利用できそう。本当の意味で、作者が描いたままのオリジナル作品を見てみたいですしね。美術館に行った時にも、そのほうが嬉しいし。
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TBS世界遺産 ドゥッガ(チュニジア)

TBS 世界遺産 公式サイト
そうそう、チュニジアには世界遺産が7、8箇所くらいあるんだよね。ここ数年来、ずっと行こうと思っていて行けないできたチュニジア・・・うっうっ・・・。エアーフランスでパリ経由、チュニスinのスースoutでチケットを取ってあったのにさ、13万円也。体調を崩してキャンセルしちゃったんだよね。ホテルは取ってなかったし、現地で探すつもりだったけど・・・今思い出しても悔しい(涙)。大・大・大好きなローマ帝国の遺跡がこれでもかっていうくらい残っていて、魅力的なのに。大カトーの演説で忘れもしない「・・・それでもカルタゴは滅ぼさねばならぬ!」の台詞。チュニジア全体もそうですが、特にカルタゴだけはどうあってもいかないと死んでも死に切れませんよ、ホント!

チュニジアと聞いて、幾分理性を失ってしまいましたが、このドゥッガもいいよね。ほとんどが砂に埋まっていたんだろうし、保存状態が最高にいいらしい。この番組内のナレーションでも言ってた。なんせ、チュニジアはチュニジアン・ブルーで有名な海の青さと共に、サハラ砂漠を抱えているんだからねぇ~。保存がいいのは嬉しいけれど、足が無いのが辛い所だったりする。特に、アクセスが悪いところが多く、ツアーは貸切バスで行くからいいけど、個人旅行にはツライです(再び、涙)。でも、ツアーで回った旅って、自分の旅じゃないんだよね。何も思い出が残らず、写真しかない。あんなのは、旅とは言えないのでどんなに苦労しても自分で計画し、手配しないと旅行に行った気がしない。難儀な性格だあ~(自爆)。

話がそれっぱなしだけど、ここもやはりモザイク画がたくさんあって美しい。確か、カルタゴに世界で一番充実しているモザイク美術館(博物館)があったはず、そこにも行ってみたいんだよね。いいなあ~チュニジア。今年は無理だろうなあ~、それどころじゃないし。近場のアジアかせいぜいイタリアだろうなあ~。純粋に観光で海外に行ける余裕無いもん、あ~あ、残念!しかたない。来月からは18切符でまた温泉巡りでもしようか?東北あたりにでも行きますか?四月は花見で京都ってとこか、毎年のパターンだと。パトロン見つけてね。
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2005年02月27日

日曜美術館 ベネツィア・ビエンナーレ OTAKU館 

現代美術で有名なベネツィア・ビエンナーレで注目を浴びているOTAKU館を特集してました。やっているのは知ってたけど、まさかNHKでやるとは・・・。時代が変わったもんです。でも、現代美術なの???(藁)。

「萌え~」の説明までしてますよ、英語で。また、それを読んで理解したような言葉を吐く、外国人もちょっと待てよ!っていいたいかも(笑)。

おまけに「やおい」の説明してるし・・・。山無し、落ち無し、意味無し(オイオイ、真顔で言ってますよ、この方達)。さらに&さらに、ビッグサイトのコミケを映したり、インタビューまでやるか、NHKも自棄になってますなあ~。まだ、番組はリアルタイムでやってるけど、恐ろしい・・・。

OTAKUの個室だって・・・・、こんなもんじゃすまないと思うんですが。おっと、引きこもりだって。こないだの「ローゼン・メイデン」のジュン君の立場は・・・・。まあ、いいんだけど。
この人達はこれで儲けてる感じですね。商売のネタにしているカンジがアリアリ。

さあ~て、どうなるのかな?まだ、TVやってるし。おっ、抱き枕も出てる。


おたく:人格=空間=都市  東京都写真美術館
(上記からの転載)
近代様式の移植にともなって「いかもの」として抑圧され続けてきた偶像や聖像が、八百万の神々のように立ち現れ、流通し、 コミックマーケットや秋葉原が″聖地″として巡礼される。喪われて久しいとされる都市的な祝祭空間と壮大なポトラッチが、そこには脈々と生きている。 おたく趣味は漫画、アニメ、ゲームなど、メディア横断的な特徴を持っており、また日本の現代文化としては例外的に海外に越境し得ている。 これはおたく趣味が、特有の自意識とセクシュアリティをベースにしていることと関係している。これまで、国家や民族、 宗教やイデオロギーなどをベースにした文化圏は多々あったが、人格をベースにしたものはなかった。この、都市をも変える新たなる構造としての「人格」の浮上は、 環境の情報化と密接に絡んでおり、資本とはまた違ったパターンで、容易に旧来の境界を越境し、場を形成する。日本館に「おたく館」という代替館名を掲げたゆえんである。 <おたく>を、商品や作品としてではなく、その人格を起点とした横断的観念として、展示を通して提示するものである。

理屈はいくらでも付けられる。あたかも「盗人にも三分の理」のように・・・。外から眺めているよりは、何事も自分で体験すればといいたい。むしろ、そういったものを全て商品として、消化・吸収し、貨幣に変換させていく資本主義のダイナミズムと時代背景の方が、より興味深い。その過程においては、むしろ「人格」は希薄化され、均質化し、ステレオタイプ的に記号として処理された存在でしかないと思うのですが・・・。

あ~なんかしょうもない文章書いてるな。ミイラ取りがミイラになりそう。何が言いたいかというと、こういった文化論はくだらないし、文化論の為の文化論で何も生み出さないと思うってこと。批評家なんて、不要。必要なのは行動家なのである!剣はペンよりも強しってコレは違うか(苦笑)。
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2005年02月25日

NHK世界美術館紀行  「スペイン・聖なる古都の宝石エル・グレコ・サンタクルス美術館」

今日は、トレドのエル・グレコでした。「ギリシアの男」っていう意味なんですね。ボティッチェリみたいなあだ名が多いですね、やはり。グラナダ、トレドっていうとイスラムの影響が相当大きい地域ですよね、番組内ではさらっと触れられていたけど。数百年にもわたってイスラム文化圏にあったわけだし、その影響はどうなんでしょう?その辺も知りたかったなあ~。

エル・グレコ特有のあの全体に漂う重い暗さって、アルハンブラ宮殿に代表されるイスラム文化との関連性が不思議でしょうがないんですが?プラド美術館でも相当数の作品があったけど、どうも私的には馴染めない・・・。天性として能天気だからかな?私って・・・。

でも、「聖母の被昇天」とかは結構好きかも? 「聖フランチェスコ」もあったね、あれもイイ。 しかしトレドの大聖堂が当時、ヴァチカンに次ぐ第二の位置を占めていたなんて知りませんでした。あそこを中心にして、イスラム文化がキリスト教文化圏に受容されていった交流地点であったことは有名ですが(昔の東大世界史の問題にトレドの地名を答えさせる問題があったなあ)、相当重要なキリスト教の拠点だったんですね。う~む。以前、旅行した時には時間が無くて行けなかったからなあ、トレド。メスキータとかも見てないし・・・、心残りが。まあ、マドリード、グラナダ、バルセロナを6日間ぐらいで個人旅行だったし、しかたないか。ツアーとか他人に計画された旅って嫌いな人だから、困ったもんだ。ほとんど一人旅ばかりだし(友達がいないのか)・・・苦笑。

今度は、都合あわせて一緒に行こうかな。行きたいと言っていた人もいたし。個人的にはスペインはやはり絵よりも建築物だと感じました。あと、聖地巡礼&パラドールでしょ!
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2005年02月20日

劇団四季 ライオンキング マチネ

1年ぶり?いや2年ぶりくらいにライオンキングを観劇しました。5、6回目かな、前から3列目センターでまあまあの席でした。これくらい前だと役者さんの表情や荒い息づかいまで伝わり、ライブ感がかなり違ってくるんですよね。もっとも前々回あたりは一番前だったけどね。

さて、感想は久しぶりに見たけど、十分楽しめました。ストーリーは勧善懲悪の予定調和であるけれど、よ~く練られているし、いつも感心させられるあの独特の演出は、いつ観ても拍手ものですね。だって、一つ間違うとあの演出は、致命傷になりそうなぐらい、象徴的で斬新な演出だと思うんですが・・・・。一歩間違うと、ヤバイと思ったりしますよ。何度見ても。結果的に成功しているから、いいんであってなかなか従来の延長線上では出来ない演出だと思って関心しちゃいますね、本当。

ただ、数年前に見ていたときと比べて、ヤングシンバの演技がどうもイマイチ。以前の子役の方がはるかにうまかったし、声も出ていたと思うのですが・・・・。ナラは、硬めの声質でしたが、とっても声量があってうまいと思いました。あくまでも私見ですけど。ただ、全体としてとても楽しかったです。一緒に観に行った人も喜んで満足してくれましたし。去年の7月にチケットを取っておいた甲斐がありました(笑顔)。

さあ~て、やはり次こそオペラ座の怪人が見たい!!なかなかチケット取れないんだもの(涙)。ここ数年は、海外で最後に見たっきりで国内で全然見てないので早く見たいです。映画の方も、来月頭には見たいなあ~。ロングランで上映しているとは思うけど。
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美の巨人たち ラ・トゥール『常夜灯のあるマグダラのマリア』

美の巨人たち EPSONのサイト
アルコール入ってて、しかも途中から見たので怪しい記憶を頼りにしながら、感じたことをここのサイト見ながら買いてみようか。

描かれているのはマグダラのマリア、彼女と直接結びつく香油の壺はここには描かれていません。その代わりに、売春婦だった自らを悔い改める為に打つ鞭が描かれています。という説明をTVで見ながら、私の脳裏を横切るのはダ・ヴィンチ・コードで出てくるオプス・デイのシリス。或いは、薔薇の名前で、自らを苛む太っちょ修道士。なんか、毒されてるかなあ~、我ながら心配になる。

お風呂に入るのも忘れて、しばしTVに見入ってしまった。カラヴァッジオに学んだという光と闇のコントラストによる劇的効果ですが、う~ん確かに惹き付けられるものがあるかも?でもさあ、やっぱり私のテイストと違うんだなあ~。カラヴァッジオというと、同じく陰影の効果で有名なレンブラントの「夜警」とかも思い出してしまうが、あちらよりはこっちの方が好きなのは確か。

でも、私はこの絵の前で30分間たたずみことはないでしょう。見終わった後、またこの絵の前に戻り、4、5回もそれを繰り返すこともないし、会期中に3度も4度も見に行くことはないな。ピティ宮殿でラファエロの聖母の前では、無意識にしていたことができるか否か、それが私にとって好きな絵画か否かの基準なのかもしれない・・・・そんなこと酔っ払った頭でグルグル考えていたりした。

モローとラファエロではこれがあったし、ラファエロを観に行った時に、私と全く同じ行動をしている外国人の女性がいて、3・4度目に絵の前で出会った時にはお互いに思わずニヤリとして微笑んでしまったのが、鮮明に思い起こされる。一人で行った時のフィレンツエだったか?知り合いと一緒の時であったか・・・?

そういえば、香油の壺であるが、ものの本では「香油を塗布する」とは聖別することであり、それは即ち、王として祝聖することにほかならない、そうです。ここでいうのは、ユダヤの王”INRI”というとピンときてくれますね。マグダラのマリアがイエスをまさにユダヤの王にしたわけです。う~ん、そういう解釈もありだったりする。百科事典などでは、次のように書かれていたりするけどね。
マグダラのマリア  Mary Magdalene
新約聖書に語られるガラリア湖西岸マグダラの出身の聖女。イエス・キリストにより<七つの悪霊>を追い出してもらったという(<マルコによる福音書>16:9)。かつて遊女であったが、悔い改めイエスに献身的に仕えた。イエスの処刑、埋葬に立会い(<マタイによる福音書>27:56、<マルコによる福音書>15:47)、墓を訪ねて復活したイエスに接した(<マルコによる福音書16:1~8)。またイエスは復活後最初に彼女の前に現われた(<ヨハネによる福音書>20:11~18)。彼女はその後南フランスへ行き、布教と30年の穏修生活ののち没したという。美術作品では、彼女と同一視されるイエスの足に塗油した罪深い女の逸話(<ルカによる福音書>7:35~50)から、香油壺を持つ髪の長い女性として表される。また、福音書の諸場面ー磔刑、十字架降下などに登場し、伝説から天使を従え昇天する全身を髪でおおった女性(エジプトのマリアとの混同)として表現される。祝日は7月22日。
また、サント=ポーム近郊の山中に、今日でもマリアの巡礼地とされるところがある。彼女はこの地の庵で30年間に渡り、断食と悔悛の日々を送った。日に7回天使が飛来し、天井に運ばれた彼女は束の間の歓喜にひたることを許された。ある日、一人の隠者が天に昇っていく彼女を目撃する機会に恵まれ、マルセイユへその知らせを持ち帰ったとされる。
ダ・ヴィンチ・コード用語集
なんかマグダラのマリアって、難しい立場ですね。あっ、美術の世界では香油を塗るのはマグダラのマリアとされますが、マリアという名前はたくさんあり、絶対に同一人物かというとそれも断定はできないというのが真実らしいです。

関連ブログ
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展 国立西洋美術館
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「マグダラのマリア」 岡田温司 中公新書
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2005年02月19日

カルロ・ドルチ(Carlo Dolci)

ドルチというと、やっぱり国立西洋美術館の「悲しみの聖母」でしょう。毎月、長年に渡ってみていますが、やはり神々しく美しい。妻をモデルにして描いてあるそうですが、肌理の細かそうな白い肌に、憂いに満ちた瞳。何よりも当時は貴重であった青をふんだんに使い、聖母の聖性を余すところ無く表現しています。ラファエロの慈愛に満ちた瞳を持つ聖母には、かないませんが、結構好きな作品だったりします。実際、西美の公式サイトでも一時トップ頁に飾られていました。まさに”顔”ですなあ~(ウットリ)。

さて、そのドルチなのですが今回初めて知ったのは、聖チェチリアも描いているんです!!音楽の守護聖人であり、グレゴリウス聖歌にもあるのは知っていますが、大・大・大好きなモローも描いている聖チェチリアって、相当メジャーな素材なんですね。ほお~。

「オルガンの前に座る聖セシリア」 こ、これ、いいです。結構、欲しいかも?絵葉書がないかなあ~。私の隠された趣味として、世界中の美術館で買った絵画の絵葉書と世界遺産を巡って獲得した絵葉書の収集もあったりします。これもそれに加えたいなあ~。

あとね、サロメやマグダラのマリアなんてのもアリ。なかなか素敵なテーマばかりですね。これらもそそられます(ニヤニヤ)。ドルチーのギャラリー
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2005年02月18日

NHK世界美術館紀行  「ダリ愛の迷宮・スペイン・ダリ劇場美術館」

ダリ自体は有名ですし、溶けたように歪んだ時計とか、奇行の変人?或いは孤高の天才?とかというのは知っていましたが、どちからというと目立とう精神旺盛の人とか思っていました。勿論、幾つかの作品は私自身も好きですし、その発想のユニークさは独創的だとも感じましたが、いささかショーマンシップの発揮し過ぎとのイメージを持っていました。

ですから、今回の番組はちょっと意外で新鮮な驚きがありました。ガラのことも名前でしか知らず、ダリにとってのガラの特殊な存在についてはむしろダリの天才性故のもろさがかろうじて世間とバランスをとるモノだったのかなあ~って感じました。

俗にいう、偉大な芸術家の陰に女性有りというのもあながち嘘ではないですね。ロセッティーにとってのベアトリーチェたるシダルとかね。但し、男女の仲ほど難しいものもなく、どちらかにとって或いはどちらにも悲劇になってしまう場合も多いが、芸術家の場合、それがかえって作品にプラスに作用したりする場合もあって皮肉なものです。

今回のガラの場合は、女性が自由奔放なんですね。ダリは、愛人を作って離れていくガラをひたすら見守っていたのでしょうか?どのような気持ちであったのか???
サロメのような、愛する者を破滅に導くファム・ファタルとはまた違ったタイプのようです。庇護する対象ではなく、庇護される対象としての異性の存在。危うい自我をこの世界に唯一つなぎとめられる存在だったのかもしれません。この番組を見て、ちょっと行ってみたいと思いました。

そうそう、ダリもカタルーニャの出身だったんですね。ガウディーと同じじゃないですか!ご存知の人も多いでしょうが、スペインといってもごカタルーニャは独特の文化・習慣を持った地域で、カタルーニャ独立運動など、他のスペインとはかなり違っており、特殊な存在だったりします。それ故に独立精神が強く、芸術においても異色性が際立つ土地柄でもありますね。なんかダリについて、少し納得しちゃうかも? イスラムに支配された経歴を持つ土地でもあり、レコンキスタが盛んであった地域でもあるしね。文化圏の多様さが背景にあるのかもしれないなあ~(独り言は続く)。
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2005年02月16日

レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集

レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集のサイト
ほんの数年前に確か、どっかでレオナルド・ダ・ヴィンチの素描画を多く集めた展示会(庭園 美術館だったかな?)を見に行ったことがあるんだよね。ダ・ヴィンチの描く作品自体は、あまりに端正過ぎて、素晴らしいとは思うもののどうしても計算されている感じがして素直に好きになれないことが多いのですが、下書きやメモの素描画は、天才といわれたダ・ヴィンチがいかに努力の人であったかを感じました。

最初、見たときはモノクロばかりでチェッ外れか?とか傲慢にも思ったりしたのですが、じっくり見ると結構、面白かった記憶があります。ネットでダ・ヴィンチに関する面白い資料無いかなあ~って探していたら、ここのサイトが見つかったのでメモ&メモ。以前のダ・ヴィンチの素描画に関する記憶も一気に思い出しました。

それにしてもここのサイト凄いですねぇ~。下手な画集なんかより、個人的にはこちらを推します(だって、本ってかさばるんだもん)。私も含めて、大勢の人が喜んで感謝しているのでは?これぞまさにネットの恩恵ですね。作られている方は大変なんでしょうけどね。勉強熱心で努力家のダ・ヴィンチが身近に感じられますよ~。
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2005年02月15日

聖チェチリア(モローの画像有り)

国立西洋美術館についてブログを書いていて、大好きなモローのことを書いていたら、ふと思ったんだけど、聖チェチリアってどんな聖人なのかなあ~? 早速、ネットで調べてみたら、いくつか興味深い内容があったのでメモしておこうっと。
11月22日 聖セシリア(チェチリア)おとめ殉教者(2-3世紀頃)
ローマの裕福な貴族の家に生まれた。父の意志により、信者でない青年バレリアノと結婚したが、彼女は、神のために生涯貞潔を守ることを彼に話した。彼女の熱心な信仰態度に心を打たれたバレリアノは、弟ティブルツィオとともに洗礼を受けた。そして彼らは迫害されて殉教した人々の遺体を引き取り、手厚く葬った。このことがローマ総督の耳に入り、バレリアノと弟は捕えられ、信仰を捨てるように命じられたが拒んだため、2人は斬首の刑を受けた。セシリア(チェチリア)は、彼らの遺体を引きとり埋葬した。その後、自分の家をカタコンブ(地下墓地)にしたり、聖堂(のちに聖セシリア(チェチリア)教会と呼ばれる)にしたことが総督に知られ、捕えられ、棄教するように強要された。彼女がむし風呂の刑にあっても、苦痛もなく、汗ひとつかかなかったので、最後は首を切りつけられて、3日間の苦しみののち殉教した。信者たちはセシリアの遺体をカタコンブに葬った。
1599年に、腐敗していない彼女の遺体が発見されたといわれる。その姿をもとに、彼女の墓の上には、当時の有名な彫刻家によって造られた像が置かれている。
彼女は、結婚式の当日、楽器が奏でられたとき、彼女は「心と身体を清いままでいさせてください」と独り言をいうように、「心のうちで神に音楽を奏でていた」といわれる伝承があることから、音楽家の保護の聖人として人々から親しまれている。
moro上記、転載元のサイト
聖チェチリアの地下聖堂
そうなんですか、だからモローの絵でも竪琴みたいな楽器を持っていたんですね。初めて納得!でも、この聖女も首を切られたんだ。モローの代表作のテーマであるサロメは預言者の首を所望するし・・・首関係もなんか多いですね。モローの感性が求めるのでしょうか?私なんか、非常に好きだったりしますが・・・・。まあ、ローマとかでカタコンベ行って、驚愕しながらどっぷりあの世界にはまってしまう人ですけどね(オイオイ)。

あまりネット上では、画像がないみたいだから、後ほどスキャナーで絵葉書から取り込んでみようかな。西洋美術館で売ってたの何枚か購入してるしね。(で、3月3日に取り込んだ聖チェチリアをUPしたのが右。楽器を持っているのも納得!)
別な本による聖チェチリアの説明ブログはこちら
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2005年02月12日

今日の国立西洋美術館2005年2月12日

国立西洋美術館 公式サイト
特別展は、「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール」やってました。でもね、全然興味無いんだよね。だから、無駄なお金は出さずに常設展のみ見てきました。ここだけじゃないけど、美術館や博物館って新奇の物珍しさで入場者を釣って人数を増やそうとするけど、個別にみるとたいした作品じゃないことって多いんだよね。もっとも常識的に見ても、そんな価値のある作品をそう易々と貸し出す美術館は無いわけで、せいぜい1.5流の価値しかないものが多い。本当にいい作品は、お金と時間をかけて収蔵している美術館でなくては見れないと思っています。

たま~に、よくこれだけ集めたなあという時もあり。常設展に比べてかなりふっかけている特別展の値段でも、納得して払う気になる場合もあるけど、ほとんどの場合は、常設展に比べて見劣りする作品に追加でお金を払う気にはならない。

例外は去年だったかな?久しぶりにギュスターブ・モロー(Gustave MOREAU)が来たときは感動したなあ~。パリのモロー美術館にも行ったし、ルーブルとかでもモロー作品見たけど、一級品ばかりを相当数集めていてよくぞこれだけやったな!!と、もうファンには涙ウルウルもんでした。モローは個人の貴族蔵とかの場合が多く、モロー美術館も素描画が圧倒的多数で完成品はそれほど展示されていないから、もう嬉しくって&嬉しくって・・・・。

ご存知のように、松方コレクションはモローに関してはなかなかの選択眼でして(実際には、名伯楽なんですけど)全部で4つだったかな?一つの美術館でこれだけの数持ってるのは、珍しいんですよ。「ピエタ」、「牢獄のサロメ」、「聖なる象」、「聖チェチリア(St.cecil)」 。あと、もう一つあったなあ~。あそこは春と秋に不定期だったと思うんですが、痛み易い素描画も突発的に展示するんですが(予定聞いても、分からないと言われたんです学芸員の方に)、そこで1・2年前にモローの描いたやつもあったはず。そうすると全部で5点あるのかな。凄い!!

まあ、それはいいんですが、年間に14、15回行く私でも、モローの「聖女チュチュリア」ってあまり見れないんですよ。タイミングが悪いのかな?今年の1月に展示替えで見つけて喜んでいたら、今日行ってみたらもう無い(シクシク)。結構、ショックだったりする。まあ、その代わり数年前まで観れなかった聖なる象をずっと展示していてくれるので我慢してますけどね。

個人的には、モローとロセッティーが目当てで行ってるところもあり、モネとかはどうでもいいんですが(偏見の塊ですな、私)・・・・。ここの公式サイトで常設展の展示替えとかの情報をもっと流して欲しいですね。さっきも見たけどなんにもその辺かかれてないけど、今日は結構、展示内容が変わってました。1月とは。クールベとかもいつもとは違うやつ飾られてたなあ。他にも結構、変わっているのになんにも告知してくれないのはねぇ~。ちょっと悲しい。

まあ、しかたないので少し違う路線ながら、お気に入りの「聖アントニウスの誘惑」
を眺めて一人悦に入る私なのでした。あ~また「出現」 見たいなあ~。ちなみにサロメがいる宮殿は、スペインのアルハンブラ宮殿を元にイメージされてるそうです。ここはムーア人(イスラム教徒)が作り上げた理想の楽園にふさわしくイスラム文化の精華といわれるほどの美しさなのですよ~。岩波で本も出てますけどね「アルハンブラ物語」。そこはもう、この世の天国だったりします。私は2日に渡って、半日づついましたもん(半日ごとの予約制)。まさにハーレムの世界。うっうっ、シエラ・ネバダ山脈に囲まれるグラナダ。夏こそ最高です!!
ラベル:アート 美術館
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NHK世界美術館紀行 プラハ国立美術館

2月11日 NHK教育でやってました。毎週見てるけどね。懐かしいなあ~プラハ。「百塔の街」、「錬金術師と魔女の街」、いろいろな呼称がありますが芸術家にも不自由しません。あのカフカやミュシャがいるんですから。今回の番組では、ミュシャを中心に取り上げていました。

昔は好きだったんだけどなあ~ミュシャ。最近はあまりに日常的に見られる為、かえって安っぽく感じてしまうのも事実。うらぶれた喫茶店の壁とかにかならずあるんだもん、辛いところですね。それだけ多くの人に評価されているともいえるけど・・・。う~ん、普通。

この番組では採り上げていませんでしたが、この美術館にもしっかり手彩色写本はあります。ここのスーバーニール・ショップ(お土産店)で、天使が描かれた美しい楽譜の写本からとったページをしおりにして、売っています。これ、お薦め。すっごい綺麗だし、お土産にあげても喜ばれます。勿論、自分用にも何個も買ったので、結構な数量になったりしたなあ~。勿体無くて決して使えませんが・・・・(苦笑)。

番組でも出ていましたが、プラハはドイツとも接しており、おいしいビールが有名。お昼から黒ビールを飲みつつ、カツレツ(名物)を食べてから、プラハ城をうろつくのも一興。そこから王の道をたどっていくのもいいです。カレル橋で待ち合わせの約束したりね(・・・昔の思い出ですなあ)。なでるとお金に不自由しない聖人が橋の端に立っています。しっかりなでたんだけどなあ~。ご利益が???

あそこの宿泊費ってめちゃめちゃ安いんだよね。共産主義から、資本主義に移行してまだ2・3年ってとこだったから、物価がそれに追いついていなかったけど。24時間出入り自由で部屋を一部屋借りて2500円~3300円ぐらいかな?飛行機も往復で6万円しなかったし(swiss air)。いい国だね。と、美術には何の関係もない独り言でした。

関連ブログ
魔女と錬金術師の街、プラハ
「THE GOLD 2004年3月号」JCB会員誌 プラハ迷宮都市伝説
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2005年02月07日

「モナリザ」も制作?伊でダビンチの工房発見か

「モナリザ」も制作?伊でダビンチの工房発見か 記事
【ローマ=共同】ルネサンスの大芸術家レオナルド・ダビンチが工房として使ったとみられる部屋が、13日までにイタリア・フィレンツェ市の中心部で見つかった。トスカーナ州が発表した。
 絵画「聖アンナと聖母子」の制作場所と考えられるほか「モナリザ」が描かれた可能性もある。 部屋はサンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂に接したセルビ・ディ・マリア修道院にあり、長年、部外者は入れなかった。陸軍地理院の研究者3人がこのほど、壁に描かれた鳥や天使など、ダビンチの弟子が描いたとみられる絵を発見した
 ダビンチはフィレンツェに1500年ごろから数年滞在し、同聖堂の委嘱で「聖アンナと聖母子」を制作したことが分かっている。 画家バザーリによるダビンチの伝記など当時の記録とも場所は符合し、ダビンチと弟子たちが滞在し、絵を制作したと考えられる。1503年ごろに着手した「モナリザ」も、ここで描かれた可能性がある。

これはちょっと、興味あるなあ~。どんなとこで作っていたのか、見てみたいもん。そういえば、こないだどっかのTV番組ででていたなあ~。隠し部屋みたいなところで、たまたまそこを覆っていた壁か何かを壊した時に見つかったというアレかな?

その辺は、あまり注意してなかったんだけど、そうだったらすごく最新の情報入れていたんだね。あの番組を見たときに、ふと脳裏に浮かんだのは、フィレンツェのロレンツォ礼拝堂(名称がちょっと自信ないけど?)。雰囲気がすごく似ているんだよね。革製品を格安売っている市場のすぐ隣になる所。あそこにも確か、手彩色写本があったなあ、展示してる数は少なかったけど、音楽を奏でる天使の色鮮やかな頁が未だに目に浮かぶ。観光客は少ないらしく、私が行ったときは誰もいなかった。一人で静かに、たたずんでいたものでした・・・・。
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「モナ・リザ」ブームに探る名画へのアプローチ術

アートゲノム第28回~「モナ・リザ」ブームに探る名画へのアプローチ術  記事
実際に、この記事でも触れられている「モナ・リザは高脂血症だった」(篠田達明著、新潮社)の中身見たけど、あまり私的に興味ひく内容ではなかったけどなあ~。ダ・ヴィンチ・コードだって、あの表紙がネックで読もうか読むまいかをずっと迷っていたくらいなのに・・・。名画というものでも好きでない作品はたくさんありますが、モナ・リザはその最たるものだったりする。

なんでみんな、そんなに好きなんだろう?少なくとも美女だとは思わないし、ダ・ヴィンチ自体も暗いので有名だったように、どの絵を見ても明るさや優しさというのが感じられないですが・・・。おばちゃんの絵にしか見えないしさあ。みんな好きみたいだよねぇ~。ルーブル美術館行った時にもモナ・リザとボティッチェリのビーナスの誕生にだけ、人だかりが出来てた。それに他の作品には、すっごく有名で高そうな作品でもガラスとはついてないのが普通なのに、モナ・リザにはしっかりガラスがあったんだよね。完全に特別待遇だったのは印象的だったなあ~。

ダ・ヴィンチがずっと持ち歩いたから、きっと傑作ですごい作品ということらしいが、納得いかないんだよね。微笑だけとっても、絶対にオフィーリアの方が、吸い込まれるような、まさに白痴美とでも言えそうな、狂気による究極の純粋さの化身として優れていると思うんだけどなあ。テート・ギャラリーは雰囲気も良かったし、あそこの入口近くのパブもなかなかこじゃれてて良かったし、ビールを軽く飲んでほろ酔い気分で眺めるオフィーリアは、最高だったのに・・・。

サライ(ダ・ヴィンチのお小姓)とモナ・リザなら、サライの方がまだいいような?手癖の悪い小悪魔なんて、怪し過ぎ。もっともアリスで有名なルイス=キャロルも同類か、彼は完全なる小児愛好者で有名だけど。オスカー=ワイルドに比べると、性格が出てるよね。モロ、オタクだもん。しかし、芸術家って本当に多いなあ~こういう人。啓蒙主義者なんて、えてして社会派改革者で勢い余って、社会通念を逸脱しがちだしなあ~。

と、既に記事の論評でなくなってるか、進歩の無い私(自爆)。最近は減ったけど、何故かネット系の友人は美術系や建築系ばかり、カタギが少ない・・・。なんで???
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2005年02月06日

エミール・ガレ展 江戸東京博物館

江戸東京博物館 エミールガレ展
ちょっと安くチケットが手に入ったので行ってきました。思ったより出品点数は多かったです。
ガレ工房で弟子達を使い、作成しているにせよ、かなりの数が揃えてあってなかなか見ごたえありました。今まであちこちの展覧会で何度もガレは見てきましたが、ガレというと花瓶やスタンドが多いイメージでした。ここではそれ以外のものも結構多かったです。人も多かったのは、×でしたが・・・。ガレ好きにはいいと思いますよ。

個人的には、やっぱりドーム兄弟とかの方がいいかな。ガレのデザインって、ドーム兄弟と比べるとゴツイんですよね。もっと作品に溶け込みつつ、繊細な感じのドーム兄弟のファンです。

まあ、いつもどおり地ビール飲めたし、いっか。今回はそれが目的だったし(笑)。あちこちの観光地とかだと、まずい地ビール出すところが多いんですが、ここの地ビールは結構いけるんだよね。(どことは言わないけど、清水寺や日光の地ビールはまずいうえに高いので一度飲むと絶対に飲みたくなくなったりする)そういえば、プラハは本場でビールは安くて美味しかったなあ~。また、飲みに行きた~い!!
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