2005年04月29日

「図説 ロマネスクの教会堂」河出書房新社

romanesuku.jpgえっと、これ何ヶ月か前に読んだ本。ブログ始める前に読んで、メモがあったのでここにも貼っておきます。たぶん、以下は抜書き?

マグダラのマリアの聖遺物
修道院の前身は858年武勲詩に謳われた伯爵ジラール・ド・ルシオンと妻ベルタによって丘の麓(現在のサン・ペール)の地に創建されたベネディクト会の尼僧院にさかのぼる。873年この尼僧院がノルマン人の侵入により破壊されると、ジラールは現在の地にベネディクト会男子修道院を創建した。丘の頂からは外部からの攻撃を防ぎ易い。878年教皇ヨハネス八世は修道院を認め、献堂式が行われた。しかし、教会堂は907年と926年の火事で灰塵に帰してしまった。 
11世紀の中頃、ヴェズレーにマグダラのマリアの聖なる遺骨があり、遺骨が奇跡を起こすという評判がたった。すると参詣者の数は急増し、ここにヴェズレーの巡礼地としての繁栄が始まる。
マグダラのマリアはキリストの受難につき従い、復活したキリストに最初に出会った人である。このマリアがのちに罪深き娼婦のマリアと同一視され、こここに悔悛の女のイメージができあがる。さらにややこしいのはベタニアのマルタの妹で兄弟ラゾロの蘇生を目撃したマリアとも同一人になった。伝説によるとキリストの昇天の後、きょうだい3人は迫害を逃れて漂流し、マルセイユに上陸する。マグダラのマリアはその地で没し、以外はエクサンプロヴァンスに埋葬された。
ところが、のちにバディロンという修道士が遺骨をヴェズレーまで移送したという。一方、ヴェズレーの南東100kmほどに位置するオータンにはラザロの遺骨が奉納され、らい病に病む人々の巡礼地になった。こうしてブルゴーニュ地方のロマネスク美術の双璧をなすヴェズレーとオータンは、ともに身近な人間像であるきょうだいの遺骨を保有し、巡礼の地としての繁栄が約束された。
マグダラのマリアの祝祭は7月22日である。1120年の祭日前夜、ヴェズレーの聖堂はその遺骨を参拝する巡礼者で賑わっていた。おそらく堂内には無数の蝋燭が灯されていたことであろう。そしてその夜の出火。火の手は聖堂をなめ、男女1127人の命を奪った(「アンジュ教会の年代記」)。

1146年クレルヴォーのベルナールが罪を償うための苦行として第二回十字軍の呼びかけをしたのはここヴェズレーであった。これには国王ルイ7世と独王コンラート3世も参加した

1279年プロヴァンスのサン・マクシマン修道院でマグダラのマリアの遺体が発見されると本物論争が起こり、それに負けた結果、巡礼者がいなくなりさびれていった。


サンティアゴ・デ・コンポステラ
巡礼ブームの発端はスペインに伝道したといわれる使徒大ヤコブ(西語でサンティアゴ)の墓が9世紀初め天使のお告げにより北西部ガリシア地方で「発見」されたことにある。この墓には星(ステラ)の光が降り注いでいたという。この場所に大聖堂サンティアゴ・デ・コンポステラが建立され、11世紀以降、イベリア半島最果ての地は贖罪と奇跡を願う人々の宿願の地となった。

ヴォールト
開口部の上を二次元的に覆うアーチに対して、三次元的に空間を覆うものである

薔薇の名前(映画)の教会堂の扉口
モワサックとオータンの扉口彫刻を合成したもの

モワサックのサン・ピエール修道院教会堂(フランス西南部トゥールーズから北西70キロ)
回廊はシンボリックな意味をもつ。中世の思索家は回廊の列柱をエルサレムのソロモン神殿と比較した。この神殿には中庭を四方で囲む屋根つき歩廊があり、ソロモンの列柱と呼ばれていたからである。ヨハネ伝(10章23)にはキリストがこの柱廊を往還したことが記されている。

ロマネスク(roman-espue)
この用語は19世紀の美術史家によってつくられ、11~12世紀の西ヨーロッパに開花した建築様式が古代ローマの建築を彷彿させるところから生まれた語である。具体的には、ローマ人が好んだ半円形アーチやアーチ列、葉飾り柱頭、時には溝付き柱等を建築要素として用いたところに由来し、しだいに建築と一体になった彫刻や壁画、そこに用いられる調度・工芸品の様式にも使われるようになった。

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関連ブログ
「フランス ゴシックを仰ぐ旅」都築響一、木俣元一著 新潮社
「大聖堂のコスモロジー」馬杉宗夫 講談社
「ゴシック建築とスコラ学」アーウィン パノフスキー 筑摩書房
「ゴシックとは何か」酒井健 著 講談社現代新書
posted by alice-room at 23:17
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